JP6500543B2 - 偏光子、光配向装置、および光配向方法 - Google Patents
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Description
配向膜としては、例えば、ポリイミドに代表される高分子材料が用いたものが知られており、この高分子材料を布等により摩擦するラビング処理が施されることによって配向規制力を有するものとなる。
しかしながら、このようなラビング処理により配向規制力が付与された配向膜では、布等が異物として残存するといった問題があった。
このような光配向膜への配向規制力付与のための直線偏光の照射方法としては、偏光子を介して露光する方法が一般的に用いられる。偏光子としては、平行に配置された複数の細線を有するものが用いられ、細線を構成する材料としては、アルミニウムや酸化チタンが用いられている(例えば、特許文献1)。
この二光束干渉露光法は、位相および光路長を合わせた2本のレーザー光を重ね合わせた際に発生する周期的光強度分布(干渉パターン)を、基板上のレジストに転写する技術である。
例えば、ガラス基板の上にアルミニウム等の金属層を形成し、その上に形成したレジスト層に二光束干渉露光を施し、現像して得られた周期的なレジストパターンをエッチングマスクに用いて金属層をエッチングし、その後、レジストパターンを除去することで、ガラス基板の上に、アルミニウム等の金属からなる複数の平行配置された細線を形成することができる。
その後、偏光子としての所望の形態にガラス基板を切断することで、アルミニウム等の金属からなる細線を有する偏光子を得ることができる。
これに合わせて、偏光子としては、紫外光を透過する透明基板を用いることになり、例えば、基板として、ガラスウェハ(一般に200mm〜300mm径)、若しくは、半導体用フォトマスク用ガラス基板(一般に6インチ角)を用いている。
そして、透明基板の上に細線形成後、直方体状の形態に切り出して、1個の偏光子を製造している。
図11(b)に示すように、従来の偏光子100は、透明基板101の上に複数本の細線102が並列に配置された構成を有しており、図11(a)に示すように、矩形状の平面形態を有しており、例えば、L3、L4の長さは100mm〜150mm程度である。
なお、従来の偏光子100の外形精度は、切り出しの機械精度によるため、細線102と同レベルの平行性や直進性を有してはいない。例えば、細線102のピッチが0.1μm程度であるのに対し、通常、切り出しの機械精度は公差10μm以上である。
偏光子よりも大きい幅(LW)を有する光配向膜200の全領域に偏光光を照射する方法としては、例えば、図12に示すように、光配向膜200の上に、光配向膜200の幅方向(図中Y方向)に沿って、複数の偏光子100を一列配置し、光配向膜200を幅方向に垂直な方向(図中X方向)に搬送しながら、複数の偏光子100から一斉に偏光光を照射する方法を、挙げることができる。
しかしながら、上記のように、偏光子100の平面サイズは100mm〜150mm角程度(すなわち、細線の長手方向の長さは100mm〜150mm程度)であるのに対し、細線2のピッチは0.1μmレベルであり、各偏光子の向き(より詳しくは、細線の向き)を一律に合わせることには困難性が伴う。さらに、多数の偏光子を用いることになれば、これに伴って上記の向きを合わせる作業に膨大な時間がかかってしまい、生産性を低下させてしまうことになる。
まず、本発明に係る偏光子について説明する。
図1は、本発明に係る偏光子の第1の実施形態の一例について示す図であり、(a)は、概略平面図であり、(b)は、(a)のA−A線における概略断面図である。また、図2は、光配向装置に搭載された状態における偏光子10aと光配向膜の配置関係について示す図である。
そして、偏光子10aは、長さL1の辺を有する矩形の平面形態を有しており、このL1の長さが、光配向膜の幅(LW)よりも長い。
なお、本明細書において、光配向膜の幅とは、光配向膜を搬送する方向に垂直な方向における光配向膜の長さを言う。
すなわち、光配向膜75への光配向に用いる偏光子は1枚で済み、図2に示すように、平面視上、光配向膜75の上には、図12に示したような境界部401は存在しない。
なお、この偏光子10bにおいても、光配向に際しては、図2に示す偏光子10aのように、平面視上、光配向膜75を搬送する方向に垂直な方向(図中Y方向)において、光配向膜75が偏光子10bの偏光領域内に含まれるように、偏光子10bと光配向膜75を配置する。
図1に示す偏光子10aにおいては、透明基板1の主面の全領域に細線2が形成されている形態、すなわち、透明基板1の主面の全領域が偏光領域11に相当する形態を例示したが、本発明においては、細線2が形成されている領域(偏光領域)は、透明基板1の主面の全領域よりも小さい領域であっても良い。
この場合、偏光子20が光配向装置に搭載された状態において、光配向膜が搬送される方向に垂直な方向の偏光領域21の長さがL1である。そして、このL1の長さが、光配向膜の幅(LW)よりも、長い。
一方、図6に示す偏光子30のように、偏光領域を複数有する形態であれば、外周以外の細線2が形成されていない領域も、偏光子ホルダー等で保持することができ、上記のような変形を抑制できる。
例えば、図6に示す偏光子30においては、偏光領域31と偏光領域32に挟まれる領域も偏光子ホルダー等で保持することができる。
例えば、図6に示す偏光子30において、偏光領域31、32は、光配向膜が搬送される方向(図中X方向)の長さが異なるものであっても良い。また、3つ以上の偏光領域を有していても良い。
図4、6に示す偏光子20、30においては、偏光領域の外側の領域は、透明基板1が露出している形態を例示したが、本発明においては、偏光領域の外側の領域には、光配向装置の光源から照射される光を遮光する遮光膜が形成されていても良い。
この場合も、上記の偏光子20と同様に、偏光子40が光配向装置に搭載された状態において、光配向膜が搬送される方向に垂直な方向(図中Y方向)の偏光領域41の長さがL1である。そして、このL1の長さが、光配向膜の幅(LW)よりも、長い。
さらに、遮光膜3に細線2が接触している形態であれば、偏光子40に照射される光によって細線2に蓄積する熱を、遮光膜3を介して偏光子ホルダーに分散させることや、帯電防止の効果を奏することもできる。
例えば、図8に示す偏光子50のように、2つの偏光領域51、52を有し、この偏光領域51、52の外側の領域には、遮光膜3が形成されている形態であっても良い。
また、遮光膜3に細線2が接触している形態であれば、偏光子50に照射される光によって細線2に蓄積する熱を、遮光膜3を介して偏光子ホルダーに分散させることや、帯電防止の効果を奏することもできる。
また、外周のみならず、偏光領域51と偏光領域52に挟まれる領域も偏光子ホルダー等に接触させることができるため、例えば、光配向に際し、偏光子50に蓄積される熱を、遮光膜3から偏光子ホルダーに移す等によって効果的に排除することもできる。
遮光膜3を構成する材料が細線2を構成する材料を含有する場合、細線2を形成する工程で使用する装置や材料を、遮光膜3を形成する工程にも使用することができ、製造コストの削減になるからである。
さらに、細線2を形成する工程と遮光膜3を形成する工程を同一工程にすることで、細線2と遮光膜3の相対位置精度を向上させることもできる。
次に、本発明に係る光配向装置について説明する。
図9は、本発明に係る光配向装置の構成例について示す図である。
図9に示す光配向装置70aは、光源からの光を偏光子によって直線偏光し、この偏光された光(偏光光74)を、ワーク76の上に形成された光配向膜75に照射することで、光配向膜75に配向規制力を付与するものである。
例えば、図10に示す光配向装置70bは、2個の紫外光ランプ72を備えており、2個の紫外光ランプ72と光配向膜75の間に、偏光子搭載部71が備えられている。また、各紫外光ランプ72には、それぞれ反射鏡73が備えられている。
次に、本発明に係る光配向方法について説明する。
本発明に係る光配向方法は、上記の本発明に係る偏光子によって直線偏光した偏光光を照射して、光配向膜に配向規制力を付与する光配向方法であって、平面視上、光配向膜を搬送する方向に垂直な方向において、光配向膜が上記偏光子の偏光領域内に含まれるように、偏光子と光配向膜を配置するものである。
本発明に係る光配向方法は、例えば、図9に示す光配向装置70aに、上記の本発明に係る偏光子を搭載することによって、実施することができる。そして、上述した、本発明に係る偏光子の効果を奏することができる。
2、102 細線
3 遮光膜
10a、10b、20、30、50、100 偏光子
11、21、31、32、41、51、52 偏光領域
70a、70b 光配向装置
71 偏光子搭載部
72 紫外光ランプ
73 反射鏡
74 偏光光
75、200 光配向膜
76 ワーク
80、300、301 偏光子ホルダー
401、402、403 境界部
500 無駄な部分
Claims (5)
- 光配向装置に搭載され、前記光配向装置において搬送される光配向膜に、前記光配向装置の光源から照射される光を直線偏光した偏光光を照射する偏光子であって、
透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光領域を複数有し、
前記光配向装置に搭載された状態において、前記光配向膜が搬送される方向に垂直な方向の、前記偏光領域の長さが、
前記光配向装置において前記光配向膜が搬送される方向に垂直な方向の、前記光配向膜の長さよりも、長いことを特徴とする偏光子。 - 前記透明基板の上の前記偏光領域の外側の領域に、
前記光配向装置の光源から照射される光を遮光する遮光膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の偏光子。 - 光源からの光を偏光子によって直線偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、
前記偏光子を搭載する偏光子搭載部と、
前記光配向膜を搬送する搬送機構と、
を備え、
前記偏光子搭載部に、請求項1または請求項2に記載の偏光子を備え、
前記偏光子によって直線偏光された偏光光を、前記光配向膜に照射することを特徴とする光配向装置。 - 前記搬送機構により搬送される前記光配向膜が、
平面視上、前記光配向膜が搬送される方向に垂直な方向において、
前記偏光子の前記偏光領域内に含まれるように、
前記偏光子が前記偏光子搭載部に搭載されていることを特徴とする請求項3に記載の光配向装置。 - 請求項1または請求項2に記載の偏光子によって直線偏光した偏光光を照射して、光配向膜に配向規制力を付与する光配向方法であって、
平面視上、前記光配向膜を搬送する方向に垂直な方向において、
前記光配向膜が前記偏光子の前記偏光領域内に含まれるように、
前記偏光子と前記光配向膜を配置することを特徴とする光配向方法。
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