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JP6136675B2 - 偏光子 - Google Patents

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Description

本発明は、短波長の光に対しても消光比に優れ、耐久性や洗浄性に優れた偏光子に関するものである。
液晶表示装置は、一般に駆動素子が形成された対向基板とカラーフィルタとを対向配置して周囲を封止し、その間隙に液晶材料を充填した構造を有する。そして、液晶材料は屈折率異方性を有しており、液晶材料に印加された電圧の方向に沿うように整列される状態と、電圧が印加されない状態との違いから、オンオフを切り替え画素を表示することができる。ここで液晶材料を挟持する基板には、液晶材料を配向させるために配向膜が設けられている。
配向膜としては、例えば、ポリイミドに代表される高分子材料が用いたものが知られており、この高分子材料を布等により摩擦するラビング処理がされることによって配向規制力を有するものとなる。
しかしながら、このようなラビング処理により配向規制力が付与された配向膜では、布等が異物として残存するといった問題があった。
これに対して直線偏光を照射することにより配向規制力を発現する配向膜、すなわち光配向膜では、上述のような布等によるラビング処理をすることなく配向規制力を付与できるため布等が異物として残存する不具合がないことから近年注目されている。
このような光配向膜への配向規制力付与のための直線偏光の照射方法としては、偏光子を介して露光する方法が一般的に用いられる。偏光子としては、平行に配置された複数の細線を有するものが用いられ、細線を構成する材料としては、アルミや酸化チタンが用いられている(特許文献1等)。
特許第4968165号
しかしながら、上述のような材料の細線を備えた偏光子では、紫外線領域のような短波長の光の場合には消光比(P波透過率/S波透過率)、すなわち、上記細線に対して平行な偏光成分(S波)の透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分、以下、単にS波透過率とする場合がある。)に対する、上記細線を透過する上記細線に対して垂直な偏光成分(P波)の透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分、以下、単にP波透過率とする場合がある。)の割合が低いといった問題があった。また、所望の消光比を得るために、細線の膜厚を厚いものとする必要があり、洗浄や製造時に破損が生じやすいといった問題や、薬液に対する耐性が低いことから薬液を用いた洗浄が困難となる場合があるといった問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、短波長の光に対しても消光比に優れ、耐久性や洗浄性に優れた偏光子を提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、細線を構成する材料としてモリブデンシリサイド系材料を含有するものとした場合に、短波長の光の場合であっても消光比に優れたものとすることができること、さらに、硫酸等の酸性薬液に対して優れた耐性を有することを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、直線状に複数本が並列に配置された細線を有し、上記細線が、モリブデンシリサイド系材料を含有するモリブデンシリサイド系材料層を有することを特徴とする偏光子を提供する。
本発明によれば、上記細線がモリブデンシリサイド系材料層を含むものであることにより、短波長の光の消光比にも優れ、耐久性や洗浄性に優れたものとすることができる。
本発明においては、上記偏光子が液晶表示装置用光配向膜への配向規制力付与用であり、紫外線領域の波長の光の直線偏光生成用であることが好ましい。
本発明の短波長の光の消光比にも優れるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
本発明においては上記細線の膜厚が100nm未満であることが好ましい。また、上記細線のピッチが100nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。上記細線の形状が上記範囲であることにより、短波長の光の消光比に優れたものとすることが容易だからである。
本発明においては、上記細線が、上記モリブデンシリサイド系材料層上に形成され、酸化ケイ素を含有する酸化ケイ素層を有することが好ましい。上記モリブデンシリサイド系材料層を含む細線の形成が容易だからである。
本発明においては、短波長の光に対しても消光比に優れ、耐久性や洗浄性に優れた偏光子を提供できるといった効果を奏する。
本発明の偏光子の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の偏光子の製造方法の一例を示す工程図である。 実施例1により得られた偏光子1のP波透過率測定結果を示すグラフである。 実施例1により得られた偏光子1の消光比測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の偏光子について説明する。
本発明の偏光子は、直線状に複数本が並列に配置された細線を有し、上記細線が、モリブデンシリサイド系材料を含有するモリブデンシリサイド系材料層を有することを特徴とするものである。
このような本発明の偏光子について図を参照して説明する。図1は、本発明の偏光子の一例を示す概略平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図1および2に例示するように、本発明の偏光子10は、直線状に複数本が並列に配置された細線2を有し、上記細線2が、モリブデンシリサイド系材料を含有するモリブデンシリサイド系材料層3を有するものである。
なお、この例では、上記細線2が、上記モリブデンシリサイド系材料層3上に形成され、酸化ケイ素を含有する酸化ケイ素層4を有するものであり、合成石英ガラスからなる透明基板1上に形成されるものである。
本発明によれば、上記細線がモリブデンシリサイド系材料層を含有することにより、短波長の光のP波透過率に優れたものとすることができる。このため、短波長の光に対しても消光比に優れたものとすることができる。
また、その結果、膜厚の薄いものとした場合でも十分に高い消光比が得られることから、細線の幅に対して膜厚が薄いものとすることができ、偏光子の洗浄時や製造時に細線の破損の少ない耐久性に優れたものとすることができる。
さらに、上記細線に含まれるモリブデンシリサイド系材料層は、酸性溶剤等の薬液に対する耐性が高いこと、さらには、上述のように洗浄時の破損が少ないことから、洗浄性に優れたものとすることができる。
本発明の偏光子は、細線を有するものである。
以下、本発明の偏光子の各構成について詳細に説明する。
1.細線
本発明における細線は、直線状に形成され、かつ、平行に配置されるものであり、モリブデンシリサイド系材料層を有するものである。
(1)モリブデンシリサイド系材料層
上記モリブデンシリサイド系材料層は、モリブデンシリサイド系材料を含有する層である。
上記モリブデンシリサイド系材料としては、モリブデン(Mo)およびシリコン(Si)を含み、所望の消光比とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)、モリブデンシリサイド酸化物(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化物(MoSiON)等を挙げることができ、なかでも、モリブデンシリサイド(MoSi)であることが好ましい。上記材料であることにより、消光比に優れたものとすることができるからである。
上記モリブデンシリサイド系材料層は、モリブデンシリサイド系材料を主原料として含むものである。
ここで、主原料として含むとは、具体的には、上記モリブデンシリサイド系材料層中のモリブデンシリサイド系材料の含有量が、70質量%以上であることをいうものであり、なかでも本発明においては、90質量%以上であることが好ましく、特に100質量%、すなわち、モリブデンシリサイド系材料層がモリブデンシリサイド系材料からなるものであることが好ましい。上記含有量であることにより、消光比に優れたものとすることができるからである。
また、上記含有量の測定方法としては、含有量を精度良く測定できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記細線の断面について、XPS表面分析を行う方法を挙げることができる。
上記モリブデンシリサイド系材料層の断面視形状としては、所望の消光比を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、正方形や長方形等の四角形状等とすることができる。
(2)細線
本発明における細線は、上記モリブデンシリサイド系材料層を少なくとも有するものであり、上記モリブデンシリサイド系材料層のみを有するものであっても良いが、必要に応じてモリブデンシリサイド系材料以外の他の材料を主原料として含む非モリブデンシリサイド系材料層を有するものであっても良い。
本発明における上記モリブデンシリサイド系材料層の上記細線中の含有量としては、所望の消光比を得られるものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、上記モリブデンシリサイド系材料層の上記細線中の含有量が70質量%以上であることが好ましく、なかでも80質量%以上であることが好ましく、特に、90質量%以上であることが好ましい。上記含有量であることにより、消光比に優れたものとすることができるからである。また、上限については、含有量が大きい程好ましいため特に限定されるものではないが、上記モリブデンシリサイド系材料層の形成容易のため、95質量%以下であることが好ましい。
また、上記含有量は、上記細線の幅方向の断面に占めるモリブデンシリサイド系材料層の質量割合をいうものであり、この測定方法としては、上記含有量を精度良く測定できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記モリブデンシリサイド系材料の含有量の測定方法と同様の方法を用いることができる。
上記非モリブデンシリサイド系材料層に含まれる他の材料としては、所望の消光比を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素等を挙げることができ、なかでも、酸化ケイ素を含むことが好ましい。上記モリブデンシリサイド系材料層上に非モリブデンシリサイド系材料層として酸化ケイ素を含有する酸化ケイ素層が形成されたものである場合、モリブデンシリサイド系材料膜をドライエッチングする方法により上記構造の細線を得ることができ、上記モリブデンシリサイド系材料層を含む細線の形成が容易だからである。
上記非モリブデンシリサイド系材料層が、酸化ケイ素を含有する酸化ケイ素層である場合、酸化ケイ素層の形成箇所としては、上記モリブデンシリサイド系材料層上に形成されることができ、上記モリブデンシリサイド系材料層が上記透明基板上に形成されている場合には、上記モリブデンシリサイド系材料層の上記透明基板側表面以外の全表面を覆うように形成されることが好ましい。
また、本発明においては、上記酸化ケイ素層は、他の非モリブデンシリサイド系材料層を介して上記モリブデンシリサイド系材料層上に形成されるものであっても良いが、上記モリブデンシリサイド系材料層上に直接形成されていることが好ましい。上記モリブデンシリサイド系材料層を含む細線の形成が容易だからである。
上記酸化ケイ素層としては、酸化ケイ素を主として含むものであれば特に限定されるものではないが、酸化ケイ素の酸化ケイ素層中の含有量としては、80質量%であることが好ましく、なかでも90質量%であることが好ましく、特に100質量%、すなわち、酸化ケイ素層が酸化ケイ素からなるものであることが好ましい。酸化ケイ素層を形成容易なものとすることができるからである。
上記酸化ケイ素層の膜厚としては、所望の消光比を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、高消光比とする観点からは薄い程好ましく、例えば、10nm以下であることが好ましく、なかでも6nm以下であることが好ましく、特に4nm以下であることが好ましい。上記膜厚であることにより、消光比に優れたものとすることができるからである。また、上記膜厚の下限については、薄い程好ましいため特に限定されるものではないが、製造容易なことから、2nm以上であることが好ましい。
なお、上記酸化ケイ素層の膜厚は、上記モリブデンシリサイド系材料層表面からの厚みの最大の厚みをいうものであり、具体的には図2中のdで示される厚みをいうものである。
また、膜厚の測定方法としては、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、AFMにより膜表層の形状を測定し、透過型エリプソメータで偏光特性を測定することにより、膜を構成する組成とそれぞれの膜厚を得ることができる。また、以下、細線の膜厚等のサイズについても、上記測定方法により得ることができる。
上記細線の膜厚としては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、100nm未満であることが好ましく、なかでも40nm〜80nmの範囲内であることが好ましく、特に50nm〜70nmの範囲内であることが好ましい。上記膜厚であることにより、消光比に優れたものとすることができるからである。また、上記細線の形成が容易だからである。
なお、上記細線の膜厚は、細線の長手方向および幅方向に垂直な方向の厚みのうち最大の厚みをいうものであり、細線が非モリブデンシリサイド系材料層をも有する場合には、非モリブデンシリサイド系材料層をも含む膜厚をいうものである。具体的には図2中のaで示される厚みをいうものである。
また、上記細線の膜厚は一の偏光子内に異なる膜厚のものを含むものであっても良いが、通常、同一膜厚で形成される。
上記細線の幅としては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、40nm〜80nmの範囲内とすることができ、なかでも45nm〜60nmの範囲内であることが好ましく、特に50nm〜55nmの範囲内であることが好ましい。上記幅であることにより、消光比に優れたものとすることができるからである。
なお、上記細線の幅は、細線の長手方向に垂直方向の長さをいうものであり、細線が非モリブデンシリサイド系材料層をも含む場合には、非モリブデンシリサイド系材料層をも含む幅をいうものである。具体的には図2中のbで示される長さをいうものである。
また、上記細線の幅は一の偏光子内に異なる幅のものを含むものであっても良いが、通常、同一幅で形成される。
上記細線のデューティー比、すなわち、ピッチに対する細線の幅の比(幅/ピッチ)としては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.4〜0.7の範囲内とすることができ、なかでも0.5〜0.65の範囲内であることが好ましく、特に0.55〜0.6の範囲内であることが好ましい。上記アスペクト比であることにより、耐久性および洗浄性に優れたものとすることができるからである。
上記細線のピッチとしては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、直線偏光の生成に用いる光の波長等に応じて異なるものであるが、例えば、100nm〜150nmの範囲内とすることができ、なかでも100nm〜120nmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜110nmの範囲内であることが好ましい。上記ピッチであることにより、波長300nm以下の光に対しても消光比に優れたものとすることができるからである。
なお、上記細線のピッチは、幅方向に隣接する細線間のピッチの最大幅をいうものであり、細線が非モリブデンシリサイド系材料層を含む場合には、非モリブデンシリサイド系材料層をも含むものである。具体的には図2中のcで示される幅をいうものである。
また、上記細線のピッチは一の偏光子内に異なるピッチのものを含むものであっても良いが、通常、同一ピッチで形成される。
上記細線の本数および長さとしては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の偏光子の用途等に応じて適宜設定されるものである。
2.透明基板
本発明の偏光子は上記細線を有するものであるが、通常、上記細線が形成される透明基板を有するものである。
上記透明基板としては、上記細線を安定的に支持することができ、光透過性に優れたものであり、露光光による劣化の少ないものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができるが、通常、多用されており品質が安定している合成石英ガラスを挙げることができる。本発明においては、なかでも合成石英ガラスを好ましく用いることができる。品質が安定しており、また、短波長の光、すなわち、高エネルギーの露光光を用いた場合であっても劣化が少ないからである。
上記透明基板の厚みとしては、本発明の偏光子の用途やサイズ等に応じて適宜選択することができる。
3.偏光子
本発明の偏光子は、上記細線を有するものである。
上記偏光子の波長250nmの光についての消光比(P波透過率/S波透過率)が20以上であることが好ましく、なかでも、40以上であることが好ましく、特に、60以上であることが好ましい。上記範囲であることにより、光配向層への配向規制力を安定的に付与できるからである。
また、上記消光比については大きければ大きい程好ましいので、特に上限は限定されるものではない。
なお、上記消光比の測定方法は、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、紫外光の偏光特性を測定することが可能な透過型エリプソメータ、例えばウーラム社製VUV-VASEなどの透過型エリプソメータを用いることで測定することができる。
上記偏光子のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)としては、所望の消光比を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、波長250nmの光について0.3以上であることが好ましく、なかでも、0.4以上であることが好ましく、特に、0.6以上であることが好ましい。上記P波透過率であることにより、光配向層への配向規制力を効率的に付与できるからである。
なお、P波透過率の測定方法としては、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、紫外光の偏光特性を測定することが可能な透過型エリプソメータ、例えばウーラム社製VUV-VASEなどの透過型エリプソメータを用いることで測定することができる。
上記偏光子の消光比の調整方法としては、P波透過率およびS波透過率の割合を変化させる方法を用いることができる。例えば、上記細線が酸化ケイ素層により被覆されるものである場合、P波透過率を大きくする方法としては、上記細線に占めるモリブデンシリサイド系材料層の割合を小さくする方法が挙げられる。S波透過率を小さくする方法としては、上記細線のピッチを小さくする方法や上記細線に占めるモリブデンシリサイド系材料層の割合を大きくする方法が挙げられる。
上記偏光子の用途としては、直線偏光生成に用いられるものであれば特に限定されるものではないが、紫外線領域のような短波長の光の直線偏光生成用に用いられることが好ましく、なかでも、波長200nm〜315nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましく、特に、波長240nm〜280nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましい。上記モリブデンシリサイド系材料層を含むことによる効果をより効果的に発揮することができるからである。
また、本発明においては、液晶表示装置において液晶材料を挟持する液晶表示装置用光配向膜への配向規制力付与に用いられることが好ましい。光配向膜への配向規制力付与を効果的に行うことができるからである。
上記偏光子の製造方法としては、上記細線を所望のサイズで精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、特開2012−203290号公報や2010−191009号公報に開示される方法を用いることができる。具体的には、図3に示すように、透明基板1を準備し(図3(a))、上記透明基板上にスパッタリング法等により、モリブデンシリサイド系材料膜3´を形成した後(図3(b))、フォトリソ法やインプリント法、電子線描画法等によりパターン状レジスト11を形成し、パターン状レジスト11をマスクとしてエッチングすることにより(図3(c))、モリブデンシリサイド系材料層3およびモリブデンシリサイド系材料膜の形成時やエッチング時等に形成された酸化ケイ素膜4を有する細線2を備える偏光子10を得る方法を用いることができる(図3(d))。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
透明基板として膜厚10mmの合成石英ガラスを準備し、モリブデンとシリコンとの混合ターゲット(Mo:Si=1:2mol%)を用いアルゴンと酸素との混合ガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、モリブデンシリサイド系材料膜として、膜厚60nmのモリブデンシリサイド酸化膜(MoSiO)を形成した。
次いで、モリブデンシリサイド系材料膜上に、ラインアンドスぺースが60nmおよび60nm、すなわち、ピッチが120nmの開口を有するパターン状レジストを形成した。その後、エッチングガスとして、CFを用いて、モリブデンシリサイド系材料膜をドライエッチングし、その後パターン状レジストを剥離することにより、偏光子1を得た。
得られた偏光子1の細線の幅、膜厚およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000により測定したところ、それぞれ、63.7nm、63nmおよび120nmであった。
[評価]
実施例1で得られた偏光子について、細線の構造評価、P波透過率および消光比の測定を行った。また、シミュレーションとの比較評価、ならびにシミュレーションによるP波透過率および消光比のピッチおよび膜厚比との関係評価を行った。
(1)細線の構造評価
実施例1で得られた偏光子1の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および膜厚がそれぞれ51.5nmおよび56.9nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ6.1nmおよび6.1nmの酸化ケイ素からなる酸化ケイ素層と、を有することが確認できた。
(2)P波透過率および消光比の測定
実施例1で得られた偏光子1について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長200nm〜380nmの範囲内の光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)および消光比(P波透過率/S波透過率)を測定した。結果を図4および図5に示す。
図4および図5に示すように、偏光子1の250nmでのP波透過率および消光比はそれぞれ0.44および19.6であった。
(3)シミュレーションによるモデリング1
下記のモデル1およびモデル2について、「回折光学素子の数値解析とその応用」(丸善出版、小館香椎子慣習)に記載のRCWA(Regorous Coupled Wave Analysis)に基づくシミュレーションモデルを作成し、波長200nm〜380nmの範囲内の光についてのP波透過率および消光比のシミュレーションを行った。結果を図4および図5に示す。
(モデル1)
膜厚および幅が60nmおよび60nm、ピッチが120nmのモリブデンシリサイド系材料層のみからなる細線モデル
(モデル2)
膜厚および幅が56.9nmおよび56.9nmのモリブデンシリサイド系材料層と、モリブデンシリサイド系材料層上面の膜厚および幅(側面の膜厚)が6.2nmおよび6.2nmの酸化ケイ素層とを有し、ピッチが120nmの細線モデル
(4)シミュレーションによるモデリング2
上記モデル2のシミュレーションモデルを用いて、下記モデル3およびモデル4の条件にて、モリブデンシリサイド系材料層の厚み方向の膜厚比(モリブデンシリサイド系材料層の膜厚/細線の膜厚)と、細線のピッチと、を変化させた場合の250nmの光についてのP波透過率および消光比のシミュレーションを行った。また、モリブデンシリサイド系材料層および酸化ケイ素層の幅の割合は上記モデル2と同様とした。
結果を、下記表1〜4に示す。表1〜4は、横軸および縦軸がそれぞれ膜厚比およびピッチであり、それぞれ、モデル3および4についてのP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)および消光比(P波透過率/S波透過率)を示すものである。
(モデル3)
細線の膜厚が60nm、幅がピッチの1/2である細線モデル
(モデル4)
細線の膜厚が80nmである以外は、モデル3と同様の細線モデル
Figure 0006136675
Figure 0006136675
Figure 0006136675
Figure 0006136675
(シミュレーションまとめ)
図4および図5より、モデル2のシミュレーション結果は偏光子1の実際のP波透過率および消光比とほぼ同様の値となることが確認できた。
表1〜4より、モリブデンシリサイド系材料層の膜厚比を小さくすること、すなわち、上記細線に占めるモリブデンシリサイド系材料層の割合を小さくするにより、P波透過率が大きくなることが確認できた。
また、上記細線のピッチを小さくした場合および上記モリブデンシリサイド系材料層の膜厚比を大きくすることにより、消光比が大きくなることが確認できた。
1 … 透明基板
2 … 細線
3 … モリブデンシリサイド系材料層
4 … 酸化ケイ素層
10 … 偏光子

Claims (3)

  1. 直線状に複数本が並列に配置された細線を有する偏光子であって
    前記細線が、モリブデンシリサイド系材料を含有するモリブデンシリサイド系材料層を有し、
    前記細線が、前記モリブデンシリサイド系材料層上に形成され、酸化ケイ素を含有する酸化ケイ素層を有し、
    前記偏光子が液晶表示装置用光配向膜への配向規制力付与用であり、
    紫外線領域の波長の光の直線偏光生成用であることを特徴とする偏光子。
  2. 前記細線の膜厚が100nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の偏光子。
  3. 前記細線のピッチが100nm〜150nmの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偏光子。
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