JP4882175B2 - 硝化処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンモニア性窒素を含む原水をアンモニア酸化細菌の存在下に曝気して硝化する方法に係り、特に、硝化槽内のpH調整を効果的に行って、安定かつ効率的な亜硝酸型硝化を行う硝化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
排液中に含まれるアンモニア性窒素は河川、湖沼及び海洋などにおける富栄養化の原因物質の一つであり、排液処理工程で効率的に除去する必要がある。一般に、排水中のアンモニア性窒素は、アンモニア性窒素をアンモニア酸化細菌により亜硝酸性窒素に酸化し、更にこの亜硝酸性窒素を亜硝酸酸化細菌により硝酸性窒素に酸化する硝化工程と、これらの亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を従属栄養性細菌である脱窒菌により、有機物を電子供与体として利用して窒素ガスにまで分解する脱窒工程との2段階の生物反応を経て窒素ガスにまで分解される。
【0003】
このような硝化脱窒処理では、アンモニア性窒素を酸化するために必要な曝気動力が運転コストのうちの大部分を占めている。
【0004】
また、従来の硝化脱窒法では、曝気のためのコストのみならず、脱窒工程において電子供与体としてメタノールなどの有機物を多量に必要とし、発生汚泥量も多いという欠点がある。
【0005】
曝気のためのコストを低滅する方法として、硝酸性窒素を生成させず、亜硝酸性窒素を生成させ、亜硝酸性窒素を脱窒する方法が考えられる。
【0006】
近年、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性微生物を利用し、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを反応させて脱窒する方法が提案された。この方法であれば、有機物の添加は不要であるため、従属栄養性の脱窒菌を利用する方法と比べて、コストを低減することができる。また、独立栄養性の微生物は収率が低く、汚泥の発生量が従属栄養性微生物と比較すると著しく少ないので、余剰汚泥の発生量を抑えることができる。更に、従来の硝化脱窒法で観察されるN2Oの発生がなく、環境に対する負荷を低減できるといった特長もある。
【0007】
この独立栄養性脱窒微生物を利用する生物脱窒プロセスは、Strous, M, et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, p.589-596 (1998) に報告されており、以下のような反応でアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素が反応して窒素ガスに分解されると考えられており、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とは、アンモニア性窒素:亜硝酸性窒素=0.43:0.57(モル比)=1:1.3(重量比)で反応する。
【0008】
【化1】
【0009】
従って、この独立栄養性脱窒微生物を用いて脱窒処理を行う場合、原水のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の割合はモル比でアンモニア性窒素1に対して亜硝酸性窒素0.5〜2、特に1〜1.5(即ち、アンモニア性窒素:亜硝酸性窒素=2:1〜1:2好ましくは1:1〜1:1.5)とするのが好ましい。このためアンモニア性窒素を含む原水を処理する場合には、この原水の一部について亜硝酸型硝化を行い、アンモニア性窒素を含む原水と亜硝酸性窒素を含む硝化液とを混合して原水とするか、或いは原水中のアンモニア性窒素の一部について亜硝酸化を行った液を原水とすることが好ましい。この場合においても、アンモニア性窒素の亜硝酸型硝化を行うことが必要となる。
【0010】
従来、硝化工程において、アンモニア性窒素の酸化を亜硝酸性窒素で止め、硝酸性窒素を生成させない亜硝酸型硝化を行うための制御方法としては、
(1)高濃度のアンモニア性窒素や亜硝酸性窒素を硝化槽に添加することによって、アンモニア性窒素や亜硝酸性窒素の毒性で亜硝酸性窒素の硝酸性窒素への酸化を停止する方法
(2) 低溶存酸素(DO)濃度で運転するか、水温を30℃以上に調整する方法
(3) 硝化汚泥のSRT(汚泥滞留時間)を短くすることで、亜硝酸性窒素を酸化する微生物を系内から排除する方法
などが提案されているが、いずれも十分な方法とは言えず、生成した亜硝酸性窒素が硝酸性窒素にまで酸化されてしまうことがあった。
【0011】
ところで、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に酸化する反応では、アルカリ性のアンモニア性窒素が酸性の亜硝酸性窒素に酸化されるため、硝化槽内のpHは低下しやすい。そして、pHが5以下まで低下すると、アンモニア酸化細菌の活性が著しく低下する。この場合は、アンモニア性窒素の酸化速度は中性域の場合の酸化速度より低下してしまう。これを防ぐために、水酸化ナトリウムなどの比較的高価なアルカリ薬品を外部から添加してpH調整する必要がある。
【0012】
なお、一般的な有機性排水中に含まれるタンパク質等の有機性窒素の分解で、アンモニア性窒素が生成する際には、アルカリ性のアンモニア性窒素の生成でpHが上昇する。アンモニア性窒素から亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素が生成する際はpHは低下するが、亜硝酸性窒素から硝酸への酸化工程では新たな酸は生成しないため、pHの低下は起こらない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来においては、硝化工程において安定的に亜硝酸性窒素を生成させる亜硝酸型硝化を行うことが困難であり、亜硝酸型硝化を行うための有効な硝化処理方法の開発が望まれている。
【0014】
また、従来においては、アンモニア性窒素から亜硝酸性窒素が生成した際に低下したpHを調整するために、NaOH等の比較的高価なアルカリ薬品を必要とするため、薬品コスト、薬液の調整、薬液タンク薬品管理等の費用、作業が必要となるという問題もあった。
【0015】
本発明は上記従来の問題点を解決し、アンモニア性窒素を含有する原水をアンモニア酸化細菌の存在下に曝気して硝化する硝化槽に導入して硝化する方法において、亜硝酸型硝化を安定に行うことができ、しかも、pH調整のための高価な薬品を必要とすることがない、或いはその使用量を大幅に低減することができる硝化処理方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の硝化処理方法は、アンモニア性窒素を含む原水をアンモニア酸化細菌の存在下に曝気する硝化槽に供給して硝化処理する方法において、硝化槽に供給する原水をpH調整剤としてその供給量を調節すると共に、必要に応じ他のpH調整剤を添加することにより、硝化槽内のpHを6〜8に制御して硝化を行う硝化処理方法であって、原水をpH調整剤として利用し、硝化槽内のpHを6〜8とするために原水の供給量を調節し、原水だけではpH調整し得ない場合に他のpH調整剤を補助的に用い、硝化槽内のpHが低い場合には原水の供給量を増やし、硝化槽内のpHが高い場合には原水の供給量を減らし、これにより硝化槽内のpHが6〜8に回復した場合には原水の供給量を元の供給量に戻すことを特徴とする。
【0017】
本発明の硝化処理方法では、アンモニア性窒素を含むアルカリ性の原水を硝化槽内のpH制御に用い、原水だけではpH調整し得ない場合にpH調整剤を補助的に用いる。このため、pH調整のためのアルカリ薬品が不要となるか、或いはその必要量を大幅に低減することができる。
【0018】
また、このように原水をpH調整剤として利用し、硝化槽内のpHを6〜8とするために、原水の供給量を調節し、硝化槽内のpHが低い場合には原水の供給量を増やし、これにより硝化槽内のpHが好適範囲に回復した場合には原水の供給量を元の供給量に戻すことにより、良好な亜硝酸型硝化を行うことが可能となる。
【0019】
これは次のような理由による。
【0020】
即ち、アンモニア性窒素をアンモニア酸化細菌で酸化する場合、反応系内の無機窒素部分の大部分がアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素となるように、かつ、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とをバランスよく共存させるように処理を行うことにより、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の両方の毒性が期待でき、これにより、亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する亜硝酸性細菌の活性が低下し、亜硝酸性窒素から硝酸性窒素への酸化は防止され、亜硝酸性型硝化を安定に行うことができるようになる。
【0021】
本発明では、硝化槽内の亜硝酸性窒素が増え硝化槽のpHが低下した場合に、原水供給量を増やすため、硝化槽内へのアンモニア性窒素導入量が増え、これにより硝化槽内のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素濃度とがバランス良く共存するようになる。逆に、硝化槽のpHが高く、硝化槽内の亜硝酸性窒素量がアンモニア性窒素量よりも少ない場合に原水供給量を減らすことで、硝化槽内へのアンモニア性窒素導入量が減り、これにより硝化槽内のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素濃度とがバランス良く共存するようになる。
【0022】
アンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素による毒性を発揮させて安定な亜硝酸型硝化を維持するためには、硝化液中のアンモニア性窒素:亜硝酸性窒素=2:1〜1:2(重量濃度比)であり、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の合計濃度が100〜10,000mg−N/Lとなるように処理を行うのが好ましく、このためには、硝化処理の開始時に硝化槽内のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素の少なくとも一方が、500mg−N/L以上となるように、硝化槽にアンモニア性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を添加することが好ましい。
【0023】
更に、次の(1)〜(2)の条件を採用することにより、より一層高い亜硝酸型硝化活性を維持することができ好ましい。
(1) 硝化槽内のDO濃度を0.5〜4mg/Lとする。
(2) 硝化槽内の水温を10〜40℃に調節する。
【0024】
なお、アンモニア性窒素濃度:亜硝酸性窒素濃度=2:1〜1:2好ましくは1:1〜1:1.5の硝化液であれば、前述の独立栄養性微生物による脱窒処理の原水として効率的に脱窒処理することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明の硝化処理方法の実施に好適な硝化装置を示す概略的な構成図である。
【0027】
原水(アンモニア性窒素含有水)は、原水ポンプPにより硝化槽(曝気槽)1に導入され、曝気下、硝化汚泥と接触して硝化処理され、硝化液が処理水として排出される。
【0028】
この硝化槽1にはpHセンサ2が設けられ、硝化槽1内液のpHが測定される。測定されたpH値は制御器3に入力され、このpH値に基いて制御器3から原水ポンプPの制御信号が出力され、原水の流入量が調節される。
【0029】
即ち、硝化槽1内のpHが予め設定した値よりも低いときには、原水の流入量を増加して、槽内pHを上げる。アルカリ性の原水流入量を増加させることにより、槽内pHを上げることができる。逆に、硝化槽内のpHが予め設定した値よりも高いときには、原水の流入量を減らして槽内pHを下げる。アルカリ性の原水流入量を減らすことにより、槽内pHを下げることができる。
【0030】
この原水流入量の制御は、PID制御で行っても良く、また、原水ポンプのon−off操作であっても良い。
【0031】
このように原水をpH調整剤としてその供給量を調節することにより、前述の如く、硝化槽内のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素の割合をバランスさせることが可能となり、良好な亜硝酸型硝化を行うことができる。
【0032】
なお、原水の流入量の制御のみでは、硝化槽内のpHを調整し得ない場合には、NaOH等のアルカリを補給しても良い。この場合には、更に薬注配管を設け、制御器3により、原水ポンプPと共に薬注ポンプの制御を行えば良い。
【0033】
本発明において、安定な亜硝酸型硝化を行うためには、硝化処理の開始時に硝化槽1内のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素の少なくとも一方が、500mg/L以上となるように、好ましくは800〜1,500mg/Lとなるように、より好ましくはアンモニア性窒素900〜1,000mg/L、亜硝酸性窒素900〜1,000mg/Lとなるように、硝化槽1にアンモニア性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を添加することが好ましい。このような濃度でアンモニア性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を存在させることにより、それぞれが亜硝酸酸化細菌に与える毒性の効果で良好な亜硝酸型硝化を行えるようになる。
【0034】
また、本発明において、安定な亜硝酸型硝化を行うために、硝化槽から流出する硝化液のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素濃度との比は2:1〜1:2、特に1:1.2〜1:1.3となるようにするのが好ましく、このためには、硝化槽1内のpHを6〜8、好ましくは6.0〜6.5となるように制御する。
【0035】
更に、本発明では、安定な亜硝酸型硝化を行うために、この硝化槽1内のDO濃度を0.5〜4mg/Lとなるように硝化槽1の曝気量を調節することが好ましい。この曝気量の調節は、例えば、硝化槽1内にDO計を設け、このDO計の測定結果に基いて、硝化槽1の散気部に空気を供給するブロワの風量を制御することにより行うことができる。硝化槽1内のDO濃度が4mg/Lを超えるとDOが過剰となって、硝化反応が硝酸型となり、硝酸性窒素が生成するようになるため好ましくない。0.5mg/L未満では硝化に必要な酸素量が不足する。
【0036】
更に、安定な亜硝酸型硝化のために、硝化槽1内の水温は10〜40℃とするのが好ましい。水温が40℃を超えると硝化反応が硝酸型となり易く、10℃未満では硝化活性が劣るものとなる。
【0037】
なお、SRTについては、汚泥濃度が高くなって高負荷の処理ができるため、SRTが長い運転の方が好ましい。ただし、汚泥濃度が高くなると、同時に亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する微生物の濃度も増えるため、予期せぬ硝酸化が起こる可能性がある。また、汚泥濃度が高くなると、硝化槽の酸素不足や硝化槽の後段に沈殿槽が設けられる場合には、この沈殿池の固液分離障害が起きる。これらの障害を防ぐには、汚泥を定期的に引き抜き、硝化速度(アンモニア消費速度)を適切に調整することが好ましい。
【0038】
例えば、SRT=1dayという短い滞留時間であっても運転は可能であるが、この場合には汚泥濃度が低くなるため、運転可能な負荷は低い。このような運転は、原水から多量のSSが流入して槽内の汚泥濃度が上昇することに対処するものであり、一般的にはSRT=10〜100day程度とするのが好ましい。
【0039】
本発明で用いる硝化槽の型式には特に制限はない。固定床、流動床、グラニュール法、担体添加法等の生物膜式の硝化槽であれば、後段の固液分離のための沈殿槽を省略することができる。汚泥懸濁式の硝化槽であれば、硝化槽の流出水を沈殿槽で固液分離して分離汚泥を硝化槽に返送することで系内に汚泥を保持することができる。
【0040】
【実施例】
以下に比較例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0041】
比較例1
硝化汚泥3,000mg−SS/Lを保持する曝気槽に、アンモニア性窒素濃度7〜700mM(約100〜10,000mg−N/L)を含む下水嫌気消化脱離液(pH7.0)をHRT=2dayの条件で通水した。このとき、表1に示すような異なる実験条件のもとで、処理水のアンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素の各濃度及び硝化活性を維持するNaOH添加量について調べた。
【0042】
なお、いずれの場合も、立ち上げ時には、曝気槽にアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を合計で1,000mg−N/L(アンモニア性窒素500mg−N/L,亜硝酸性窒素500mg−N/L)添加した。
【0043】
この結果、いずれの場合も、運転当初は処理水中の窒素成分は、亜硝酸性窒素が大部分となり、亜硝酸型の運転ができたが、経時後には、表1に示す通りとなり、汚泥の引き抜きを行わなかった場合には、硝酸型硝化となった。
【0044】
なお、NaOH添加量はいずれの場合も原水中のアンモニア性窒素量の2倍当量であった。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例1
原水の少なくとも一部をpH調整用のアルカリ源として使用すること以外は、比較例1と同じ条件で運転を行った。ここでは、pHが設定値以下に低下した場合には、原水量を増加させることでアルカリ源を補給し、pHが設定値に戻った場合には元の原水量に戻した。
【0047】
処理水の窒素成分とアルカリ添加量を調べ、結果を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
表2の通り、汚泥の引き抜きの有無にかかわらず、亜硝酸型硝化を安定に行うことができた。また、NaOHの添加は不要であった。
【0050】
なお、得られた処理水は、アンモニア性窒素濃度:亜硝酸性窒素濃度=1:1〜1:1.3でアンモニア性窒素濃度500〜1,500mg−N/L、亜硝酸性窒素濃度500〜2,000mg−N/Lのものであり、この処理水は、前述の独立栄養性微生物による脱窒処理で効率的に脱窒処理することができた。
【0051】
実施例2
実施例1のNo.1の条件において、得られる処理水中のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素濃度との比に対するpHの影響を調べるべく、pHを6〜9の範囲で種々変更したこと以外は同様にして処理を行い、得られた処理水のアンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素の濃度割合とpHとの関係を図2に示した。
【0052】
図2より明らかなように、pHを低く設定すると亜硝酸性窒素の割合が増加し、逆にpHを高く設定するとアンモニア性窒素の割合が増加する。従って、亜硝酸型硝化を維持すると共に、処理水を更に前述の独立栄養性微生物により脱窒処理するために、アンモニア性窒素濃度:亜硝酸性窒素濃度=2:1〜1:2の処理水を得るためには、硝化槽のpHを6〜8、好ましくは6.5〜7.5の範囲で精度良く制御することが必要であることがわかる。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の硝化処理方法によれば、原水をpH調整剤として利用することにより、薬品としてのpH調整剤を必要とすることなく、或いはその必要添加量を大幅に低減した上で、長期にわたり安定した亜硝酸型硝化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の硝化処理方法の実施に好適な硝化装置を示す概略的な構成図である。
【図2】 実施例2における処理水のアンモニア性窒素濃度及び亜硝酸性窒素濃度の割合とpHとの関係示すグラフである。
【符号の説明】
1 硝化槽(曝気槽)
2 pHセンサ
3 制御器
Claims (5)
- アンモニア性窒素を含む原水をアンモニア酸化細菌の存在下に曝気する硝化槽に供給して硝化処理する方法において、
硝化槽に供給する原水をpH調整剤としてその供給量を調節すると共に、必要に応じ他のpH調整剤を添加することにより、硝化槽内のpHを6〜8に制御して硝化を行う硝化処理方法であって、
原水をpH調整剤として利用し、硝化槽内のpHを6〜8とするために原水の供給量を調節し、原水だけではpH調整し得ない場合に他のpH調整剤を補助的に用い、硝化槽内のpHが低い場合には原水の供給量を増やし、硝化槽内のpHが高い場合には原水の供給量を減らし、これにより硝化槽内のpHが6〜8に回復した場合には原水の供給量を元の供給量に戻すことを特徴とする硝化処理方法。 - 硝化処理の開始時に硝化槽内のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素の少なくとも一方が500mg/L以上となるように、該硝化槽にアンモニア性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を添加することを特徴とする請求項1に記載の硝化処理方法。
- 硝化槽からの流出硝化液中のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素濃度との比が2:1〜1:2となるようにpHを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の硝化処理方法。
- 硝化槽内の溶存酸素濃度が0.5〜4mg−N/Lとなるように曝気することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の硝化処理方法。
- 硝化槽内の水温を10〜40℃に調節することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の硝化処理方法。
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