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JP2010005554A - アンモニア性窒素の除去装置 - Google Patents

アンモニア性窒素の除去装置 Download PDF

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JP2010005554A JP2008168702A JP2008168702A JP2010005554A JP 2010005554 A JP2010005554 A JP 2010005554A JP 2008168702 A JP2008168702 A JP 2008168702A JP 2008168702 A JP2008168702 A JP 2008168702A JP 2010005554 A JP2010005554 A JP 2010005554A
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Abstract

【課題】硝化工程において、薬品を添加することなく、硝酸までの進行を抑制し、亜硝酸性窒素を残留させることで、後段のアンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体とした窒素の除去を良好に行うことできる装置を提供する。
【解決手段】独立栄養細菌下で、被処理水のアンモニア性窒素の一部を部分的に又は全量を亜硝酸化する亜硝酸化槽と、亜硝酸化槽流出液から独立栄養細菌を分離する亜硝酸化槽に接続する固液分離槽と、固液分離槽流出水、又は被処理水と前記固液分離槽流出水の混合液を独立栄養細菌下で脱窒するアンモニア脱窒槽を有する装置において、前記亜硝酸化槽にpH計を具備し、該pH計の指示値に応じて前記固液分離槽で分離した前記独立栄養細菌を前記亜硝酸化槽に返送する返送量を制御する機構を備えたアンモニア性窒素の除去装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニア性窒素を含む廃水などの各種被処理水(以下「原水」ともいう)をアンモニア酸化細菌の存在する条件で曝気を行い硝化し、更に原水由来のアンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体にして生物学的に脱窒する方法に係り、特に、薬品を添加することなく、硝化反応のpHを効率的に制御することで、良好に脱窒反応をさせることができるアンモニア性窒素の除去装置に関する。
汚水中に含まれる窒素、リンは、河川、海洋、貯水池などにおける富栄養化問題の原因物質であり、汚水処理工程で効率的に除去されることが望まれる。
今日、汚水処理工程から発生する汚泥を処理する方法として、汚泥を脱水して焼却して処分する方法、汚泥を嫌気性消化させた後脱水し、更に乾燥、焼却、溶融などをおこなって処分する方法がある。これらの処理方法から排出される分離液(脱水分離液)は、高濃度の窒素、リンを含んでおり、これらが汚水処理系に返流すると、窒素、リン負荷が高くなるため処理しきれなくなり、放流水中の窒素、リン濃度が高くなる原因となる。そこで、高濃度の窒素、リンを含有する汚水を高効率に除去する方法が望まれている。
従来、汚水から窒素を除去する方法は生物学的方法が用いられている。一般に、汚水中のアンモニア性窒素は硝化工程と脱窒工程によって窒素ガスまで分解する。具体的には、硝化工程では、アンモニア性窒素は好気条件下で独立栄養性細菌であるアンモニア酸化細菌によって亜硝酸性窒素に酸化され、この亜硝酸性窒素が同じく独立栄養性細菌である亜硝酸酸化細菌によって硝酸まで酸化される。脱窒工程では、従属栄養細菌である脱窒菌が生成した亜硝酸性窒素および硝酸性窒素を嫌気性条件下で、有機物を水素供与体として窒素ガスまで分解する。
このような従来の生物学的脱窒法では、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素および硝酸性窒素に酸化するのに多量の酸素(空気)を必要とし、また、脱窒工程では水素供与体としてのメタノールの使用量が多量であり、ランニングコストを増加させていた。
ところで近年、アンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体として、両者を反応させ、窒素ガスを生成することができる独立栄養性の微生物群を利用した新しい処理技術の開発が進められている。特許文献1によると、亜硝酸性窒素として亜硝酸塩を添加する例が示されているが、アンモニア性窒素を部分的に硝化する方法も示唆されている。アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを上記微生物群と接触させることにより反応させて、窒素ガスとして除去するものである。この例としては、特許文献2では、汚水の一部を亜硝酸化槽に導入し、槽内のアンモニア酸化細菌を含む生物汚泥と混合し、散気装置から曝気して、アンモニア酸化細菌によりアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に酸化し、さらに亜硝酸化槽内の亜硝酸化液は独立栄養性脱窒菌を含む生物汚泥と混合し、嫌気条件下に脱窒を行う方法が開示されている。
この、アンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体とした窒素の除去方法では、原水中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の割合はモル比でアンモニア性窒素1に対して亜硝酸性窒素が1.0〜1.5程度となるように調整を行う必要がある。調整方法としては、アンモニア性窒素を含む原水を部分的に硝化し、40〜60%程度を亜硝酸性窒素にする、もしくは原水の一部を硝化処理し、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素とし、残りの硝化処理を行っていない原水と混合し、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とのモル比を50:50〜40:60として脱窒処理へ導入する方法がある。
従来、硝化処理においてアンモニア性窒素の酸化を亜硝酸性窒素で停止させ、亜硝酸酸化菌の働きにより、硝酸性窒素が生成しないように制御する方法として、以下の方法がある。
(a)亜硝酸化槽内に遊離のアンモニアを一定濃度以上残存させ、この遊離アンモニアの毒性を利用して亜硝酸酸化細菌の働きを抑える(アンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持する)。
(b)亜硝酸化槽の溶存酸素濃度を低く保つ。
(c)硝化汚泥のSRT(汚泥滞留時間)、もしくはHRT(原水滞留時間)を短時間にすることで、亜硝酸酸化細菌を系外へ排出させる。
(d)亜硝酸化槽内に遊離の亜硝酸を一定濃度以上残存させ、この遊離亜硝酸の毒性を利用して亜硝酸酸化細菌の働きを抑える(アンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持する)。
しかしながら、アンモニア性窒素を含む原水を部分的に硝化し、40〜60%程度を亜硝酸性窒素にする方法においては、(a)の遊離のアンモニア濃度を一定濃度に残存させるのが困難であった。通常、硝化反応が起こると、NH−N濃度が低下すると共に、M−アルカリ度を消費しpHが低下する。このようにpHが低下した状態では遊離のアンモニア濃度は低くなる。また、pHを上げようとアルカリ剤を添加すると、硝化反応がますます進行し、ついにはほとんどのNH−Nが硝化してしまい、残留NH4−Nがなくなり所望の遊離アンモニア濃度を維持できない。さらに、例えpH調整剤の添加によりpHを高く(7.5〜8.0)に維持できたとしても、添加したアルカリ剤に比例して硝化反応が進行するので、所望の硝化率(ここでは40〜60%)が維持できなかった。そこで、アンモニア性窒素を含む原水を部分的に硝化し、pH調整剤の添加をなくして、40〜60%程度を安定して亜硝酸性窒素にする制御方法及び装置が要望されている。
また、亜硝酸化槽内に遊離の亜硝酸を一定濃度以上残存させ、この遊離亜硝酸の毒性を利用して亜硝酸酸化細菌の働きを抑えようとした場合に、原水のpH変動や、処理の状況に応じてpHが上昇する場合がある。この場合鉱酸などのpH調整剤を添加してpHを低下させることもできるが、薬品コストが増加したり、アルカリ度が低下することで所望の硝化率を得られない場合があった。このような場合も、pH調整剤などの薬品の添加を行うことなく、遊離亜硝酸の毒性を利用して全量或いは所望の硝化率(ここでは40〜60%)が安定して亜硝酸性窒素にする制御方法及び装置が要望されている。
特開平8−192185号公報 特開2001−104992号公報
本発明の課題は、上記のように、硝化工程において、遊離のアンモニア濃度又は遊離の亜硝酸性窒素濃度を一定濃度に残存させることで、薬品を添加することなく、硝化反応のpHを効率的に制御することで硝酸までの進行を抑制し、亜硝酸性窒素を残留させることで、後段のアンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体とした窒素の除去を良好に行うことできる装置を提供することにある。更に、硝化工程において、所望のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素のモル比になるように制御し、残留する窒素濃度を低下させることが可能な装置を提供することにある。
本発明は、以下の手段によって上記の課題を解決した。
(1)独立栄養細菌下で、被処理水のアンモニア性窒素の一部を部分的に又は全量を亜硝酸化する亜硝酸化槽と、該亜硝酸化槽流出液から独立栄養細菌を分離する該亜硝酸化槽に接続する固液分離槽と、前記固液分離槽流出水、又は前記被処理水と前記固液分離槽流出水の混合液を独立栄養細菌下で脱窒するアンモニア脱窒槽を有する装置において、前記亜硝酸化槽にpH計を具備し、該pH計の指示値に応じて前記固液分離槽で分離した前記独立栄養細菌を亜硝酸化槽に返送する返送量を制御する機構を備えたアンモニア性窒素の除去装置。
(2)前記返送量を制御する機構が、該pH計の指示値の下限値と上限値を設定し、該pH計の指示値が該下限値以下の場合には前記固液分離槽で分離した前記独立栄養細菌を亜硝酸化槽に返送する返送量を減少させるか、ゼロとし、該pH計の指示値が該上限値条件値以上になった場合には前記独立栄養細菌を亜硝酸化槽に返送する返送量を増加するか、あるいは返送を開始する制御を行う制御機構であることを特徴とする前記(1)記載のアンモニア性窒素の除去装置。
(3)前記亜硝酸化槽内のpHを高く維持して亜硝酸化槽における遊離のアンモニア濃度が1mg/L以上となるように、前記pH計の指示値の下限値と上限値を設定することを特徴とする前記(2)記載のアンモニア性窒素の除去装置。
(4)前記亜硝酸化槽内のpHを低く維持して亜硝酸化槽における遊離の亜硝酸濃度が0.02mg/L以上となるように、前記pH計の指示値の下限値と上限値を設定することを特徴とする前記(2)記載のアンモニア性窒素の除去装置。
(5)亜硝酸化槽の前記pH計の指示値に応じて亜硝酸化槽に原水を供給する量を制御する機構を備えた前記(1)記載のアンモニア性窒素の除去装置。
(6)被処理水中のMアルカリ度とアンモニア性窒素の測定手段、及びMアルカリ度の添加手段を備えたことを特徴とする前記(1)記載のアンモニア性窒素の除去装置
(7)亜硝酸化槽の前段に、被処理水にマグネシウム化合物を添加する手段と、生成したリン酸マグネシウムアンモニウムを回収する手段を備えたMAP回収槽を設置し、前記MAP回収槽の流出水中のMアルカリ度とアンモニア性窒素の測定手段を備え、前記Mアルカリ度とアンモニア性窒素の測定値に応じて、前記マグネシウム化合物の添加量を制御する機構を設けたことを特徴とする前記(6)記載のアンモニア性窒素の除去装置。
(8)前記亜硝酸化槽に前記独立栄養細菌を付着させた担体を用いることを特徴とする前記(1)記載のアンモニア性窒素の除去装置。
本発明の効果は、硝化工程において、亜硝酸化槽内に設置されたpH計の指示値によって汚泥の返送量或いは被処理水の流量を制御することで、所望のpH値に設定可能となり、その結果、遊離のアンモニア濃度又は遊離の亜硝酸性窒素濃度を一定濃度に残存させることで硝酸までの進行を抑制可能となり、後段のアンモニア脱窒反応を良好に行うことが可能となった装置を提供できた。更に、被処理水のM−アルカリ度とアンモニア性窒素濃度を測定し、測定値を演算した結果でM−アルカリ度の添加量、特にマグネシウム化合物の添加を制御し、所望のM−アルカリ度/NH−N比になるように調整することで、硝化反応槽流出水中のNO−N/NH−N比が調整可能となり、その結果、アンモニア脱窒反応後の処理水のNH−N濃度、NO−N濃度を極めて低濃度まで低下させること可能な装置を提供できた。なおかつ、リンの除去、回収も可能である装置を提供できた。
本発明の対象となる被処理水は、高濃度のアンモニア性窒素を含有する汚水であり、有機物、炭酸塩、亜硝酸性窒素、その他の物質を含んでいても良い。有機体窒素がある場合は、そのまま本発明に投入しても良いが、予め嫌気処理又は好気処理により有機体窒素をアンモニア性窒素に変換してもよい。また、BODがアンモニア性窒素に対し3倍以上ある汚水の場合においても、そのまま本発明に投入しても良いが、予め、生物処理してアンモニア性窒素に対し1/2となるように低下させておくと尚いっそうよい。対象汚水の例をあげると,し尿、下水、嫌気性消化の脱水ろ液、ゴミ浸出水、肥料工場排水などがあげられる。
本発明の一形態である図1に示すアンモニア性窒素の除去装置は、好気的条件及び/又は間欠曝気条件下で独立栄養性硝化菌存在下によりアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素に変換する亜硝酸化槽と、前記独立栄養性硝化菌を分離する固液分離槽1と、亜硝酸化に備えられた前記汚水の供給管と前記独立栄養性硝化菌の流出管、固液分離槽1に備えられた汚泥の返送管と処理水の流出管、また亜硝酸化槽に備えられたpH計と、pH計の指示値に応じて汚泥の返送量を制御する制御機構、及び固液分離槽から流出した液を、嫌気条件下で独立栄養性細菌存在下にアンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体とする脱窒反応を行うアンモニア脱窒槽と、前記アンモニア脱窒槽の独立栄養性細菌を分離する固液分離槽2と、アンモニア脱窒槽に備えられた前記固液分離槽1から流出した液の供給管と前記独立栄養性細菌の流出管、前記固液分離槽2に備えられた汚泥の返送管と処理水の流出管が備えられている。
更に図2に示すアンモニア性窒素の除去装置は、図1に示す装置に、原水を亜硝酸化槽を経由せずしてアンモニア脱窒槽に流入させる原水の分注管を設置した形態である。
以下においては、図1のアンモニア性窒素の除去装置1の形態を説明する。
まずは、亜硝酸化槽内に遊離のアンモニアを一定濃度以上残存させ、この遊離アンモニアの毒性を利用して亜硝酸酸化細菌の働きを抑え、アンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持する方法を説明する。
アンモニア性窒素を含有した汚水は汚水の供給管を通して亜硝酸化槽8に流入する。亜硝酸化槽8では、汚水中のアンモニア性窒素の約1/3〜1/2量、又は全量を亜硝酸性窒素あるいは硝酸性窒素に酸化する。
反応式は式(2)〜(3)のようになる。
(a)亜硝酸の生成
NH + 3/2O → NO + 2H + HO・・・・・(2)
(b)硝酸の生成
NO + 1/2O → NO ・・・・・(3)
本発明の亜硝酸化槽では(2)の反応が主流であり、(3)の反応は極めて起こりにくい。
(2)の反応を支配的にするためには、NH−NをNO−Nに酸化するアンモニア酸化細菌の活性が、NO−NをNO−Nに酸化する亜硝酸酸化細菌の活性よりも常に高い状態となるアルカリ領域にすること、及び亜硝酸化槽に遊離のアンモニアが概ね1mg/L以上存在することである。
遊離のアンモニアを存在せしめるためには、流入するアンモニア性窒素に応じて水温又は/及びpHを操作するのが好ましい。目安になる算定式を(6)式に示す。
Figure 2010005554
ここで、[NH]は遊離のアンモニア濃度(mg/L)、[NH −N]はアンモニア性窒素濃度(mg−N/L)、Tは温度(℃)である。生物処理では希釈により処理を安定させるのが一般的であり、たとえ、数千mg/Lのアンモニア性窒素が流入したときでも反応槽内は希釈されて数十mg/Lのアンモニア性窒素濃度となっている。しかし、アンモニア体窒素が流入する段階で濃度が100mg/L以下であると、反応槽内のアンモニア濃度は十数mg/L〜数mg/Lであり、この場合、前記の遊離のアンモニア濃度が低いために、容易に硝酸性窒素まで硝化される。したがって、アンモニア性窒素は100mg/L以上であることが好ましい。また、pH7.3以上の条件下で増量培養した前記独立栄養性脱窒素菌群を添加することでも部分脱窒工程の反応は促進される。
亜硝酸化が優勢となる条件に整えるためには、遊離のアンモニアによる毒性を利用するため、槽内のアンモニア性窒素濃度が100〜1000mg/L、好ましくは300〜1000mg/Lとなるように処理を行うことが望ましい。
発明者らが長期に実験した結果では、水温は10℃〜40℃、好ましくは20℃〜35℃であり、pHは7.3〜9.5、好ましくは7.5〜9.0の間で操作することで遊離のアンモニアは概ね1mg/L以上となり、部分硝化工程では(2)の反応が進行した。
上記のpH域に設定する理由を以下に詳しく述べる。
上記の最適pHは原水のNH−N濃度や、亜硝酸化率(原水NH−N濃度に対してNO−Nに変換した割合)によって異なる。例えば、原水のNH−Nが200mg/Lの場合、亜硝酸化槽で50%が亜硝酸性窒素に変換したとすると、亜硝酸化槽内のNH−N濃度は100mg/Lとなる。この場合、槽内の温度が20℃だとすると、遊離のアンモニア濃度を1mg/L以上残留させるために、少なくともpHを7.3以上とする。原水のNH−N濃度が1000mg/Lの場合は、亜硝酸化率50%、水温20℃のとき、遊離のアンモニア濃度を1mg/L以上残留させるためのpHは6.6でよいことになるが、pHが7.0付近では、亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に変換する亜硝酸酸化細菌の活性が活発となるので、上記のように亜硝酸化槽内のpHは少なくとも7.3以上とする。
また、pHが10.0を超えると、アンモニア酸化細菌自体の活性が低下するので、pHの上限値としては9.5、好ましくは9.0とする。もっと好ましくは、アンモニア酸化細菌の活性が最も高くなる8.0が望ましい。
してみると、pHの下限の設定値は、アンモニア酸化細菌の活性が亜硝酸酸化細菌の活性より高く、尚且つ亜硝酸酸化細菌の活動が低下するFAを1mg/L以上残存させるために決定され、pHの上限の設定値は、アンモニア酸化細菌自体の活性がゼロにならない若しくは、最大の活性が得られるようにするために決定される。
また、本発明の独立栄養性硝化菌を付着させた担体を用いる場合によると、活性汚泥(浮遊微生物)だけでも独立栄養性硝化菌を増殖でき、亜硝酸化槽における反応は可能であるが、亜硝酸化槽に微生物担体を添加すると、担体の表面に独立栄養性硝化菌の生物膜形成され、反応が促進される。活性汚泥と微生物担体表面のそれぞれの菌数が微妙に異なるため、相互に効果を出し合うために、汚水中のアンモニア性窒素の変動にも対応でき処理が極めて安定する。担体としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなど任意の素材を使用することができる。
亜硝酸化槽内の独立栄養性硝化菌は流出管を通って、独立栄養性硝化菌を分離する固液分離槽に流入する。固液分離槽では硝化菌の沈降速度を利用して、処理水と硝化菌を含む汚泥に分離する。固液分離した汚泥は、固液分離槽の底部に貯留する。無論、固液分離槽は、遠心分離装置など機械的な固液分離装置を利用してもよい。
アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素へ酸化させる場合、(2)式のようにM−アルカリ度の消費が起こり、その消費量はアンモニア性窒素の約7倍である。このM−アルカリ度の消費は、アンモニア性窒素から亜硝酸性窒素への酸化の際には起こり、亜硝酸性窒素を硝酸性窒素へ酸化する場合には消費されない。そこで、亜硝酸化槽内の環境を亜硝酸化が優勢となるようにし、硝酸性窒素の生成を抑制した場合、亜硝酸化槽へ流入させるM−アルカリ度の量で亜硝酸性窒素の生成量が決まる。
ところで、汚水中のアンモニア性窒素が、独立栄養性硝化菌の作用で亜硝酸に変換すると、前述したようにM−アルカリ度が消費されるので、槽内のpHが低下する。pHが低下すると前述の遊離のアンモニア濃度が1mg/L以下となることもあり、この場合は、亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に変換する独立栄養性硝化菌(亜硝酸酸化細菌)の働きが活発になるため、硝酸性窒素まで反応が進行してしまう場合があった。
本発明においては、アンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持し、尚且つ、遊離のアンモニア濃度が1mg/L以上となるように、亜硝酸化槽内のpHを高く維持するために、pH計を設置し、pH計の指示値に応じて固液分離槽で分離された硝化菌を含む汚泥の返送量を制御する。すなわち、亜硝酸化槽内のpHが所望範囲以下(下限値)となった場合は、汚泥の返送量を減少、或いは停止させて、リアクタ内のMLSSを低くするような運転を行うことで、汚泥あたりのアンモニア負荷が増加し、槽全体の硝化能力を減少させる。このような操作を行うことで、槽全体の硝化速度が減少するためM−アルカリ度が残留するようになり、pHが所望の範囲となるように維持すことが可能となる。逆に、pHが所望範囲以上(上限値)となった場合は、返送量を多くして、槽内のMLSSを高めることで汚泥当たりのアンモニア負荷が減少し、槽全体の硝化能力を増加させる。このような操作を行うことで、槽全体の硝化速度が増加するためM−アルカリ度がより減少するためpHを低くすることが可能となる。
pHの下限値は前述したように、アンモニア酸化細菌の活性が亜硝酸酸化細菌の活性より高く、尚且つ亜硝酸酸化細菌の活動が低下する遊離のアンモニアを1mg/L以上残存させるために7.3、好ましくは7.5に設定し、pHの上限値は、アンモニア酸化細菌自体の活性がゼロにならない若しくは、最大の活性が得られるように、9.5、好ましくは9.0、もっと好ましくは8.0に設定する。
一例を挙げると、原水のpHが8.5の廃水を処理する場合、下限を7.5、上限を8.0とした制御を行う。亜硝酸化槽内に設置されたpH計が7.5を下回るようなら、汚泥の返送量を減少若しくは停止させて、亜硝酸化槽内のMLSSを減少させることでpHを上げる。逆に、pH計が8.0を上回るようなら、汚泥の返送量を増加若しくは汚泥の返送を起動させて、亜硝酸化槽内のMLSSを増加させることでpHを下げる(亜硝酸化槽内で硝化反応がほとんどおこらない場合、pHは最大で8.5まで上昇する)。このようにすることで、リアクタ内のpHは7.5〜8.0に保たれることになり、遊離のアンモニア濃度を1mg/L以上保つことができる。その結果、硝化過程における硝酸化は抑制されて、亜硝酸性窒素が残留することになる。このように、硝酸化を抑制して亜硝酸性窒素とアンモニア性窒素が残留する液では、後段のアンモニア脱窒反応を良好に行うことができる。
上記の説明ではpHの上限値、下限値を設定し、汚泥返送量を制御した本発明を示した。この発明に、更に亜硝酸化槽にNH−Nの測定手段と、pH値とNH−N値から遊離のアンモニア濃度を演算する演算装置を設置することで、演算された遊離のアンモニア濃度の値に応じて、汚泥返送量を制御することが可能となる。この場合も、遊離のアンモニア濃度の上限値と下限値を設定し、上限値以上、或いは遊離のアンモニア濃度が上昇傾向となった場合に、汚泥の返送量を増加させるか、又は汚泥返送ポンプを起動し、亜硝酸化槽内の汚泥濃度を増加させる操作を行う。逆に、下限値以下、或いは遊離のアンモニア濃度が減少傾向となった場合に、汚泥の返送量を減少させるか、又は汚泥返送ポンプを停止し、亜硝酸化槽内の汚泥濃度を減少させる操作を行う。遊離のアンモニア濃度の下限値は1mg/Lが好ましく、上限値はアンモニア酸化細菌の活性がゼロ、或いは低くなり過ぎないように、50mg/L以下、好ましくは20mg/L、もっと好ましくは10mg/Lに設定する。
無論、演算した遊離のアンモニア濃度からpHの上限値、下限値を決定してもよい。
次に、亜硝酸化槽内に遊離の亜硝酸を一定濃度以上残存させ、この遊離亜硝酸の毒性を利用して亜硝酸酸化細菌の働きを抑える方法について説明する。この方法も、アンモニア酸化細菌の活性が亜硝酸酸化細菌の活性よりも高くなる現象を利用した方法である。
亜硝酸化槽内に遊離の亜硝酸を一定濃度以上残存させ、この遊離亜硝酸の毒性を利用して亜硝酸酸化細菌の働きを抑える場合を示す。遊離の亜硝酸濃度を高くして、硝酸化を抑制する場合には、リアクタ内の亜硝酸濃度を高くするか、pHを低下させる。
目安となる遊離の亜硝酸濃度の算出式を以下に示す。
Figure 2010005554
この場合、所望のpHとなるように汚泥の返送量を高くするような制御を行うと、硝化反応が進行し、M−アルカリ度低下によるpHの低下が起こるので、遊離の亜硝酸濃度が上昇する。遊離の亜硝酸濃度は、少なくとも0.02mg/L以上、好ましくは0.1mg/L以上残留させることで、硝酸化を抑制することができる。例えば、水温30℃の場合の遊離の亜硝酸濃度は、pH8.0、NO−Nが100mg/Lで0.007mg/L、pH7.5、NO−Nが100mg/Lで0.02mg/L、pH7.0、NO−Nが100mg/Lで0.07mg/Lとなるので、pHが8.0の状態にあるときは、pH指示値が7.5以下となるように、汚泥の返送量を多くなるような制御を行う。
pHの上限値は、上述したように遊離の亜硝酸濃度を0.02mg/L以上残留させるために、7.5、好ましくは7.0以下が望ましい。pHの下限値はアンモニア酸化細菌の活性が少なくともゼロにならないように設定し6.0、好ましくは活性度をそれほど低下させないようにするために6.5がよい。
一例を挙げると、pHの下限を6.0、上限を6.5とした制御を行う。亜硝酸化槽内に設置されたpH計が6.0を下回るようなら、汚泥の返送量を減少若しくは停止させて、亜硝酸化槽内のMLSSを減少させることでpHを上げる。逆に、pH計が6.5を上回るようなら、汚泥の返送量を増加若しくは起動させて、亜硝酸化槽内のMLSSを増加させることでpHを下げる。このようにすることで、リアクタ内のpHは6.0〜6.5に保たれることになり、遊離の亜硝酸濃度を0.1mg/L以上保つことができる。その結果、硝化過程における硝酸化は抑制されて、亜硝酸性窒素が残留することになる。このように、硝酸化を抑制して亜硝酸性窒素とアンモニア性窒素が残留する液では、後段のアンモニア脱窒反応を良好に行うことができる。
上記はpHの上限値、下限値を設定し、汚泥返送量を制御した本発明を示した。この発明に、更に亜硝酸化槽にNO2−Nの測定手段と、pH値とNO2−N値から遊離の亜硝酸濃度を演算する演算装置を設置することで、演算された遊離の亜硝酸濃度の値に応じて、汚泥返送量を制御することが可能となる。この場合も、遊離の亜硝酸濃度の上限値と下限値を設定し、上限値以上、或いは遊離の亜硝酸濃度が減少傾向となった場合に、汚泥の返送量を増加させるか、又は汚泥返送ポンプを起動し、亜硝酸化槽内の汚泥濃度を増加させる操作を行う。逆に、下限値以下、或いは遊離の亜硝酸濃度が増加傾向となった場合に、汚泥の返送量を減少させるか、又は汚泥返送ポンプを停止し、亜硝酸化槽内の汚泥濃度を減少させる操作を行う。遊離の亜硝酸濃度の下限値は0.02mg/Lが好ましく、上限値はアンモニア酸化細菌の活性がゼロ、或いは低くなり過ぎないように、10mg/L、好ましくは2mg/Lに設定する。
無論、演算した遊離の亜硝酸濃度からpHの上限値、下限値を決定してもよい。
遊離のアンモニアを残留させることでアンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持するか、それとも、遊離の亜硝酸を残留させることでアンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持するかの選択は、以下のように考えるとよい。
すなわち、アンモニア性窒素を含む廃水を本プロセスで処理しようとするなら、運転開始時には亜硝酸性窒素は残留していないので、遊離のアンモニアを残留させることでしか、アンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持することができないので、亜硝酸化槽内のpHの下限値を7.3、好ましくは7.5に設定し、上限値を9.5、好ましくは9.0、もっと好ましくは8.0に設定する。このようにして、運転開始時にアンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持できたなら、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を含む廃水が得られる。通常運転(定常状態の運転)においては、そのまま遊離のアンモニアを残留させることでアンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持してもよいし、また、亜硝酸性窒素が残留しているだろうから、pHの上限値を7.5、好ましくは7.0、pHの下限値を6.0、好ましくは6.5に設定して、遊離の亜硝酸を残留させることでアンモニア酸化細菌の活性を亜硝酸酸化細菌の活性よりも高く維持する運転に切り替えても良い。
また、本発明においては、上記したように、pHによって汚泥の返送量を制御する際にそれと共に、同時に原水の流入量を制御する手段を採用することができる(図3)。すなわち、亜硝酸化槽内のpHが所定の値以下となった場合(例えばpH8.0を上限、7.5を下限に設定した場合のpH7.5となったとき)、汚泥の返送量を減少又は停止させることで、亜硝酸化槽内のMLSSを低下させると共に、原水の流入量を多くして、アンモニア性窒素及びM−アルカリ度の供給速度を速くすると、汚泥当たりのアンモニア負荷が一段と増加し、亜硝酸化槽内のさらに硝化速度が減少する。この場合、硝化速度の減少によってM−アルカリ度が残留し、尚且つ原水由来のM−アルカリ度の供給速度が速いために、尚更M−アルカリ度が残留し、pHが上昇するようになる。従って、pHによって汚泥の返送量のみを制御する場合に比べて、より早く汚泥当たりのアンモニア負荷を増加させることができる。
本発明においては、被処理水に、M−アルカリ度とNH−N濃度の測定手段、M−アルカリ度の添加手段を備えさせることができる(図4)。アンモニア性窒素が亜硝酸性窒素に変換される際には、前記した反応式によれば、反応したNH−N濃度の7倍のM−アルカリ度が消費される。亜硝酸化槽では含有するアンモニア性窒素の一部又は全量を亜硝酸性窒素に変換する。生成する亜硝酸性窒素濃度は、M−アルカリ度の供給量を制御することで決定することができ、例えば、原水のNH−N濃度に対して、4倍のM−アルカリ度の供給量しか供給しなければ、全アンモニア性窒素の内、57%が亜硝酸性窒素となる。M−アルカリ度とNH−N濃度の測定手段は任意の手段を取ることができる。
本発明では、上記のM−アルカリ度とNH−N濃度の測定手段、M−アルカリ度の添加装置を備えと共に、更に、亜硝酸化槽に設置されたpH計の指示値に応じて、汚泥の返送量を制御することで、より安定してアンモニア性窒素を所望濃度の亜硝酸性窒素に変換することができる。M−アルカリ度としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなど任意の薬品を使用することができる。
ところで、アンモニア脱窒反応は以下の式で進行すると言われている(Strous M, et al, Appl.Microbiol.Biotechnol., 50, 589-596, 1998)。
Figure 2010005554
上記のように、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素は1:1.32で反応するので、硝化反応槽の流出水や、硝化反応槽の流出水と被処理水の混合水のNO−N/NH−N=1.32となっていれば、両者は残留することなく反応に寄与することができる。逆に、この比率を維持できなければ、どちらか一方が残留し、処理水中の窒素濃度の上昇となる。従って、本発明の態様によって、被処理水に、M−アルカリ度とNH−N濃度の測定手段、M−アルカリ度の添加手段を備えて、NH−NとM−アルカリ度の比率を調整することは、硝化反応槽の流出水や、硝化反応槽の流出水と被処理水の混合水がNO−N/NH−N=1.32となるように調整することになり、良好なアンモニア脱窒反応と、処理水窒素濃度の低減が可能となる。
本発明の一態様は、被処理水にマグネシウム化合物を添加する手段と、生成したリン酸マグネシウムアンモニウムを回収する手段を備えたMAP回収槽(「MAP反応槽」ともいう)を設置し、MAP回収槽の流出水中のM−アルカリ度とアンモニア性窒素の測定手段を備え、前記M−アルカリ度とアンモニア性窒素の測定値に応じて、前記マグネシウム化合物の添加量を制御する機構を設けている。マグネシウム化合物は、水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムなど、pHが上昇する化合物を使用する。
メタン発酵処理水などは、液中にアンモニア性窒素やリン酸態リンが高濃度に残留している場合が多い。一方でマグネシウムは少ない。このような廃水にマグネシウム化合物を添加することで、MAP回収槽では、以下の反応が進行し被処理水水中のNH4-Nの低下が起こる。
Mg2+ + NH4 ++ PO4 3- + 6H2O → MgNH4PO46H2O
反応はアルカリ領域で進行するので、反応pHは7.5〜9.5が好ましい。マグネシウム化合物の添加量は、MAP回収槽の流出水のM−アルカリ度とアンモニア性窒素が所定の濃度比になるように添加量を制御する。例えば、上記に示したように、アンモニア脱窒槽流入(硝化反応槽流出水)のNO−N/NH−Nが1.32の場合、両者は残留することなく、アンモニア脱窒反応が起こるので、MAP回収槽流出水のM−アルカリ度/NH−Nの比率は3.5〜4.5、好ましくは4.0がよい。
図5に示すMAP回収槽は、完全混合型のリアクタと沈殿槽からなり、沈殿槽に沈降したMAPを再度リアクタに返送する装置である。MAP回収槽は、この方式以外にも、上向流で被処理水を通水すると共に流動層リアクタ内に滞留しているMAPの表面で結晶化させる流動層方式もある。M−アルカリ度が高い場合は、MAP回収槽に散気手段を設けて脱気する手段を併用しても良い。
上記のようにMAP回収槽では、アンモニア性窒素、リン酸態リンが低下し、M−アルカリ度が上昇すると共に、MAPを回収できる。また、MAP回収槽の流出水は、M−アルカリ度/NH−Nの比率が調整され、後段のアンモニア脱窒反応を良好に行うことが可能となった。回収したMAPは肥料や薬品、化学原料として有効利用可能である。
以下において、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
実施例1
この実施例では、嫌気性硝化の脱水ろ液を対象に図1に示すような処理フローを用いて処理を行った。処理装置は、亜硝酸化槽8と、固液分離槽(沈殿池)9、アンモニア脱窒槽10、固液分離槽(沈殿池)911からなり、更に亜硝酸化槽8にはpH計が備えられ、pH計の指示値に応じて固液分離槽で分離した汚泥の返送量を制御している。亜硝酸化にはPEG(ポリエチレングリコール)担体を20vol%(容積あたり;以下同様)となるように添加している。通水開始に当たり、既設設備からの硝化汚泥を添加した。
原水の性状は、NH−Nが800mg/L、M−アルカリ度が3700mg/L、pHが7.2であった。原水の供給量は100L/dとした。亜硝酸化槽内のpHは7.8〜8.0となるように、汚泥の返送量をコントロールして処理を行った。すなわち、pH7.8以下となると汚泥の返送量を停止し、pH8.0以上となると汚泥の返送を開始する。汚泥の返送量は少なくとも、亜硝酸化槽内のMLSSが上昇するような設定で運転を行う。この場合、返送汚泥流量は原水量に対して2.0Qとした。処理結果を図6に示す。
通水開始当初、処理水(亜硝酸化槽流出水)のNO−Nの残留はなく、NH−Nから変換した窒素はNO−Nとなったが、7日後にNO−Nが残留し始め、通水開始21日後にはNO−Nの生成が抑制され、処理水のNO−Nは450mg/L、NH−Nは350mg/Lとなった。この期間の亜硝酸化槽内の汚泥濃度はpH制御によって約100〜250mg/Lに変動した。通水時間の経過と共に担体の硝化性能が上昇したため、期間中の汚泥濃度は変動し、その結果pHを7.8〜8.0に維持することができた(図10)。また、アンモニア脱窒槽流出水のNH−Nは10mg/L以下、NO−Nも同様に10mg/L以下で、良好なアンモニア脱窒反応を行うことができた。
実施例2
この実施例では、嫌気性硝化の脱水ろ液を対象に図2に示すような処理フローを用いて処理を行った。処理装置は、亜硝酸化槽8と、固液分離槽9、アンモニア脱窒槽10、固液分離槽11、被処理水の分水槽からなり、更に亜硝酸化槽8にはpH計が備えられ、pH計の指示値に応じて固液分離槽で分離した汚泥の返送量を制御している。亜硝酸化にはPEG(ポリエチレングリコール)担体を20vol%となるように添加している。アンモニア脱窒槽にはPVA(ポリビニルアルコール)担体を20vol%となるように添加している。
原水の性状は、NH−Nが800mg/L、M−アルカリ度が3700mg/L、pHが7.2であった。分注比は、亜硝酸化槽に57%、アンモニア脱窒槽に43%となるように分水した。原水の供給量は100L/dとした。亜硝酸化槽内のpHは6.0〜6.5となるように、汚泥の返送量をコントロールして処理を行った。すなわち、pH6.0以下となると汚泥の返送を停止し、pH6.5以上となると汚泥の返送を開始する。返送流量は原水流量Qに対して2Qとした。
また、亜硝酸化槽に流入したNH−Nの全量を硝化させるために、NaCOを更に添加してM−アルカリ度が6000mg/Lとなるように調整した。亜硝酸化槽の流出水のNH−Nは10mg/L以下、NO−Nは790mg/Lであった。アンモニア脱窒槽の前段で、被処理水と亜硝酸化槽の流出水を混合し、アンモニア脱窒反応を行ったところ、アンモニア脱窒槽流出水のNH−Nは10mg/L以下、NO−Nも同様に10mg/L以下で、良好なアンモニア脱窒反応を行うことができた。
実施例3
この実施例では、実施例1にさらに、原水流量の制御機構を設けた例である。それ以外の条件は実施例1と同様に行った(図3)。
原水の性状は、NH−Nが800mg/L、M−アルカリ度が3700mg/L、pHが7.2であった。原水の供給量は80〜120L/dとした。亜硝酸化槽内のpHは7.8〜8.0となるように、汚泥の返送量をコントロールして処理を行った。すなわち、pH7.8以下となると汚泥の返送量を停止し、pH8.0以上となると汚泥の返送を開始する。汚泥の返送量は少なくとも、亜硝酸化槽内のMLSSが上昇するような設定で運転を行う。この場合、返送汚泥流量は原水量に対して200L/dとした。また、同様にpHが7.8以下となると原水流量を増加させて120L/dで運転し、pHが8.0以上となると原水流量を低下させて80L/dで運転した。処理水のNO−Nは450mg/L、NH−Nは350mg/Lであり、また、アンモニア脱窒槽流出水のNH−Nは10mg/L以下、NO−Nも同様に10mg/L以下で、良好なアンモニア脱窒反応を行うことができた。なお、pHはほとんどの時間帯で7.9を維持できていた。これはpHが7.8以下となった場合や8.0以上となった場合、汚泥返送量の制御のほか、原水量の制御も行ったので、迅速、かつ精度よくpHの制御が出来たためである。
実施例4
この実施例では、嫌気性硝化の脱水ろ液を対象に図4に示すような処理フローを用いて処理を行った。処理装置は、原水槽、NaCO添加装置C、亜硝酸化槽8と、固液分離槽9、アンモニア脱窒槽10、固液分離槽11からなり、更に亜硝酸化槽にはpH計が備えられ、pH計の指示値に応じて固液分離槽2で分離した汚泥の返送量を制御している。また、原水槽にはアンモニア濃度測定器とM−アルカリ度の測定器が備えられ、これらの測定器より得られた数値を演算し、演算値に応じてNaCO添加量が制御した。亜硝酸化にはPEG(ポリエチレングリコール)担体を20vol%となるように添加している。
NaCOを添加する前の原水の性状は、NH−Nが1000mg/L、M−アルカリ度が3200mg/L、pHが7.2であった。原水の供給量は100L/dとした。原水のM−アルカリ度/NH−Nは4.4となるようにNaCOの添加量をコントロールして処理を行った。また、亜硝酸化槽内のpHは7.8〜8.0となるように、汚泥の返送量をコントロールして処理を行った。すなわち、pH7.8以下となると汚泥の返送量を停止し、pH8.0以上となると汚泥の返送を開始する。
亜硝酸化槽流入のNH−Nは1000mg/L、M−アルカリ度はNaCOの添加により概ね4400mg/Lとなっていた。亜硝酸化槽出口のNH−Nは420mg/L、NO−Nは580mg/L、M−アルカリ度400mg/Lであった。また、アンモニア脱窒槽出口のNH−NとNO−Nは共に10mg/L以下であり、良好に処理がなされた。
実施例5
この実施例では図5に示す処理フローを用いた処理を行った。処理装置の構成は、被処理水中のアンモニア性窒素及びリン酸態リンと反応するマグネシウム化合物を添加してMAPを生成させるMAP反応槽16、MAP反応槽の後段に設置された固液分離槽(沈降槽)17、固液分離槽17に設置された沈降したMAPの引抜管とMAP反応槽に返送する返送管15、MAP処理水の流出管、MAP流出水中のアンモニア性窒素とM−アルカリ度を測定する測定器、各測定器の値を演算してマグネシウム化合物の添加量を制御する制御機構、亜硝酸化槽8と固液分離槽9、固液分離槽9で濃縮した汚泥を亜硝酸化槽に返送する返送管4、亜硝酸化槽8に設置されたpH計とpH計の指示値に応じて返送量を制御する制御装置A、アンモニア脱窒槽10と固液分離槽11、固液分離槽11で濃縮した汚泥をアンモニア脱窒槽10に返送する返送管からなる。
MAP反応槽流出水のM−アルカリ度/NH−Nは3.8〜4.3となるようにマグネシウム化合物の添加量を制御したところ、被処理水のNH−N=800mg/L、PO−P=200mg/L、M−アルカリ度=2900mg/Lに対して、MAP処理水のNH−Nは720mg/L、PO−P=30mg/L、M−アルカリ度=3200mg/Lとなった。亜硝酸化槽内のpHは7.8〜8.0となるように、汚泥の返送量をコントロールして処理を行った。すなわち、pH7.8以下となると汚泥の返送量を停止し、pH8.0以上となると汚泥の返送を開始する。亜硝酸化槽流入(MAP反応槽流出水)のNH−Nは720mg/L、M−アルカリ度は3200mg/Lに対して、亜硝酸化槽出口のNH−Nは310mg/L、NO−Nは410mg/L、M−アルカリ度400mg/Lであった。また、アンモニア脱窒槽出口のNH−NとNO−Nは共に10mg/L以下であり、良好に処理がなされた。また、MAPとして、1.3g/L回収できた。実施例1〜4ではリンの除去・回収を行うことが出来なかったが、実施例5ではリンも回収可能となった。
実施例6
この実施例では、嫌気性硝化の脱水ろ液を対象に図1に示すような処理フローを用いて処理を行った。処理装置は、亜硝酸化槽8と、固液分離槽9、アンモニア脱窒槽10、固液分離槽11からなり、更に亜硝酸化槽8にはpH計が備えられ、pH計の指示値に応じて固液分離槽で分離した汚泥の返送量を制御している。亜硝酸化にはPEG(ポリエチレングリコール)担体を20vol%となるように添加している。通水開始に当たり、アンモニア酸化細菌が優先的に存在している種汚泥を用いた。
原水の性状は、NH−Nが800mg/L、M−アルカリ度が3300mg/L、pHが7.2であった。原水の供給量は100L/dとした。亜硝酸化槽内のpHは6.0〜6.5となるように、汚泥の返送量をコントロールして処理を行った。すなわち、pH6.0以下となると汚泥の返送量を停止し、pH6.5以上となると汚泥の返送を開始する。汚泥の返送量は少なくとも、亜硝酸化槽内のMLSSが上昇するような設定で運転を行う。この場合、返送汚泥流量は原水量に対して2.0Qとした。亜硝酸化槽流出水の処理水のNO−Nは450mg/L、NH−Nは350mg/Lとなった。この期間の亜硝酸化槽内の汚泥濃度はpH制御によって約100〜250mg/Lに変動した。また、アンモニア脱窒槽流出水のNH−Nは10mg/L以下、NO−Nも同様に10mg/L以下で、良好なアンモニア脱窒反応を行うことができた。
実施例7
この実施例では、嫌気性硝化の脱水ろ液を対象に図10に示すような処理フローを用いて処理を行った。処理装置は、亜硝酸化槽8と、固液分離槽9、アンモニア脱窒槽10、固液分離槽11からなり、更に亜硝酸化槽8にはpH計とNH−N計が備えられ、pH計とNH−Nの指示値に応じて遊離のアンモニア濃度を演算し、演算結果に応じて、固液分離槽で分離した汚泥の返送量を制御している。演算した遊離のアンモニア濃度の下限値を2mg/L、上限値を15mg/Lとなるような運転を行い、下限値を示したら返送汚泥量を原水量に対して2.0Qから0.2Qに減少させ、上限値を示したら返送汚泥量を0.2Qから2.0Qに増加させた。
亜硝酸化にはPEG(ポリエチレングリコール)担体を20vol%(容積あたり;以下同様)となるように添加している。通水開始に当たり、既設設備からの硝化汚泥(アンモニア酸化細菌、亜硝酸酸化細菌を含む)を添加した。
原水の性状は、NH−Nが800mg/L、M−アルカリ度が3700mg/L、pHが7.2であった。原水の供給量は100L/dとした。
通水開始当初、処理水(亜硝酸化槽流出水)のNO−Nの残留はなく、NH−Nから変換した窒素はNO−Nとなったが、10日後にNO−Nが残留し始め、通水開始20日後にはNO−Nの生成が抑制され、処理水のNO−Nは450mg/L、NH−Nは350mg/Lとなった。この期間の亜硝酸化槽内の汚泥濃度は遊離のアンモニア濃度制御によって約100〜300mg/Lに変動した。pHは7.3〜7.7であった。また、アンモニア脱窒槽流出水のNH−Nは10mg/L以下、NO−Nも同様に10mg/L以下で、良好なアンモニア脱窒反応を行うことができた。
実施例8
実施例7において約6ヶ月通水後、亜硝酸化槽に更に亜硝酸濃度計を設置し、遊離の亜硝酸濃度とpH値より演算した遊離の亜硝酸濃度を操作因子として、連続処理を行った。遊離の亜硝酸濃度の上限値を1.5mg/L、下限値を0.3mg/Lとして返送汚泥量の制御を行った。すなわち、上限値を示したら返送汚泥量を2.0Qから0.2Qに減少させ、下限値を示したら返送汚泥量を0.2Qから2.0Qに増加させた。
このような運転に切り替えた後の6ヶ月間においても、処理性能に変化はなく、処理水のNO−Nは450mg/L、NH−Nは350mg/Lとなった。なお、遊離のアンモニア濃度は0.7〜3.5mg/Lであり、遊離のアンモニア濃度が1mg/L以下となっても安定した運転が可能となったのは、遊離の亜硝酸濃度による制御が効果的に機能したためと考えられる。無論、アンモニア脱窒槽流出水のNH−Nは10mg/L以下、NO−Nも同様に10mg/L以下であり、良好なアンモニア脱窒反応を行うことができた。
比較例1
この比較例は、実施例1に対応する比較例である。比較例1では、pH制御による汚泥返送量の変化はないが、返送汚泥量を原水量に対して0.5Qとして、亜硝酸化槽内の汚泥濃度を250mg/Lとなるように維持した。
原水は実施例1と同じであり、NH−Nが800mg/L、M−アルカリ度が3700mg/L、pHが7.2であった。原水の供給量は100L/dとした。亜硝酸化槽内のpHは通水開始時8.0であったが、処理の経過と共に低下し3週間後には6.5となった。また、処理水中にNO−Nの残留はほとんどなく、95%以上がNO−Nまで進行した。槽内の汚泥濃度は一定に保つことができたが、処理過程で硝化性能が上昇し、pHが6.5まで低下した。また、pHが低下したことで、遊離のアンモニアの毒性による硝酸化の抑制をすることができず、所望のNO−Nを得ることができなかった(図11)。その結果、アンモニア脱窒槽流出水のNH−Nは300mg/L、NO−Nは500mg/Lであり、アンモニア脱窒反応は起こらなかった。
比較例2
この比較例は実施例2に対応する比較例である。比較例2では、pH制御による汚泥返送量の変化はないが、返送汚泥量を原水量に対して0.5Qとして、亜硝酸化槽内の汚泥濃度を250mg/Lとなるように維持した。
原水は実施例2と同じであり、NH−Nが800mg/L、M−アルカリ度が3700mg/L、pHが7.2であった。また、分注比も亜硝酸化槽:アンモニア脱窒槽=57:43とした。原水の供給量は100L/dとした。亜硝酸化槽内は、NaCOを添加してM−アルカリ度が6000mg/Lとなるように調整した。亜硝酸化槽内のpHは6.5〜7.5で変動した。亜硝酸化槽流出水は、NO−Nの残留はほとんどなく、95%以上がNO−Nまで進行し、NH−N=10mg/L以下、NO−N==10mg/L以下、NO−Nは780mg/Lであった。pHが上昇したことで、遊離の亜硝酸の毒性による硝酸化の抑制をすることができず、所望のNO−Nを得ることができなかった。被処理水と亜硝酸化槽流出水を混合しアンモニア脱窒槽に流入させたところ、アンモニア脱窒槽流出水のNH−Nは300mg/L、NO−Nは500mg/Lであり、アンモニア脱窒反応は起こらなかった。
比較例3
この比較例は実施例4に対応する比較例である。原水槽にアンモニア濃度測定器とM−アルカリ度の測定器、NaCO添加量制御機構がないこと以外実施例4と同様である。
NaCOを添加する前の原水の性状は、NH−Nが1000mg/L、M−アルカリ度が3200mg/L、pHが7.2であった。原水の供給量は100L/dとした。亜硝酸化槽内のpHは7.8〜8.0となるように、汚泥の返送量をコントロールして処理を行った。すなわち、pH7.8以下となると汚泥の返送量を停止し、pH8.0以上となると汚泥の返送を開始する。
亜硝酸化槽出口のNH−Nは650mg/L、NO−Nは350mg/L、M−アルカリ度400mg/Lであった。また、アンモニア脱窒槽出口のNH−Nは300mg/L、NO−Nは10mg/L以下であり、NH−Nが残留した。これは実施例4と比較して、原水のM−アルカリ度/NH−Nの比率を調整しなかったことによる。
比較例4
この比較例は、実施例6に対応する比較例である。比較例4では、pH制御による汚泥返送量の変化の手段は用いず、返送汚泥量を原水量に対して0.5Qとして、亜硝酸化槽内の汚泥濃度を250mg/Lとなるように維持した。
原水は実施例6と同じであり、NH−Nが800mg/L、M−アルカリ度が3300mg/L、pHが7.2であった。原水の供給量は100L/dとした。亜硝酸化槽内のpHは6.5〜7.5で変動し、亜硝酸化が抑制できずに、硝酸まで進行した。亜硝酸化処理水のNH−Nは350mg/L、NO−Nは10mg/L以下、NO−Nは440mg/Lであった。その結果、後段のアンモニア脱窒槽において脱窒反応はおこらなかった。
本発明は、被処理水の硝化工程において、亜硝酸化槽内に設置されたpH計の指示値によって汚泥の返送量或いは被処理水の流量を制御することで、所望のpH値に設定可能となり、その結果、遊離のアンモニア濃度又は遊離の亜硝酸性窒素濃度を一定濃度に残存させることで硝酸までの進行を抑制可能となり、後段のアンモニア脱窒反応を良好に行うことが可能となった装置を提供でき、更に、被処理水のM−アルカリ度とアンモニア性窒素濃度を測定し、測定値を演算した結果でM−アルカリ度の添加量、特にマグネシウム化合物の添加を制御し、所望のM−アルカリ度/NH−N比になるように調整することで、硝化反応槽流出水中のNO−N/NH−N比が調整可能となり、その結果、アンモニア脱窒反応後の処理水のNH−N濃度、NO−N濃度を極めて低濃度まで低下させること可能な装置を提供でき、また、リンの除去、回収も可能である装置を提供できたので、有機性排水の処理の技術分野で広く用いられるものとみられる。
亜硝酸化槽のpHに基づいて返送汚泥量を制御する制御機構を設けた本発明の窒素除去装置の概要図を示す。 原水を分注する本発明の窒素除去装置の概要図を示す。 返送汚泥量と被処理水量の両方を制御する本発明の窒素除去装置の概要図を示す。 被処理水の水質を調整するようにした本発明の窒素除去装置の概要図を示す。 窒素の除去と併せてMAPを回収するようにした本発明の窒素除去装置の概要図を示す。 実施例1における処理水の窒素濃度変化を示す。 実施例1における処理水のpH変化を示す。 比較例1における処理水の窒素濃度変化を示す。 比較例1における処理水のpH変化を示す。 pH計とNH−N計を設けた実施例7の装置の概要図を示す。 亜硝酸化槽に亜硝酸濃度計を設けた実施例8の装置の概要図を示す。
符号の説明
1 被処理水供給管
2 亜硝酸化処理水流出管
3 アンモニア脱窒処理水の流出管
4 返送汚泥管(亜硝酸化槽)
5 返送汚泥管(アンモニア脱窒)
6 余剰汚泥管(亜硝酸化槽)
7 余剰汚泥管(アンモニア脱窒)
8 亜硝酸化槽
9 沈殿池(亜硝酸化)
10 アンモニア脱窒槽
11 沈殿池(アンモニア脱窒槽)
12 原水の分注管
13 M−アルカリ度、NH−N測定手段
14 Mgの供給管
15 MAPの返送管
16 MAP反応槽
17 沈降槽
18 MAPの回収管

Claims (8)

  1. 独立栄養細菌下で、被処理水のアンモニア性窒素の一部を部分的に又は全量を亜硝酸化する亜硝酸化槽と、該亜硝酸化槽流出液から独立栄養細菌を分離する該亜硝酸化槽に接続する固液分離槽と、前記固液分離槽流出水、又は前記被処理水と前記固液分離槽流出水の混合液を独立栄養細菌下で脱窒するアンモニア脱窒槽を有する装置において、前記亜硝酸化槽にpH計を具備し、該pH計の指示値に応じて前記固液分離槽で分離した前記独立栄養細菌を亜硝酸化槽に返送する返送量を制御する機構を備えたアンモニア性窒素の除去装置。
  2. 前記返送量を制御する機構が、該pH計の指示値の下限値と上限値を設定し、該pH計の指示値が該下限値以下の場合には前記固液分離槽で分離した前記独立栄養細菌を亜硝酸化槽に返送する返送量を減少させるか、ゼロとし、該pH計の指示値が該上限値条件値以上になった場合には前記独立栄養細菌を亜硝酸化槽に返送する返送量を増加するか、あるいは返送を開始する制御を行う制御機構であることを特徴とする請求項1記載のアンモニア性窒素の除去装置。
  3. 前記亜硝酸化槽内のpHを高く維持して亜硝酸化槽における遊離のアンモニア濃度が1mg/L以上となるように、前記pH計の指示値の下限値と上限値を設定することを特徴とする請求項2記載のアンモニア性窒素の除去装置。
  4. 前記亜硝酸化槽内のpHを低く維持して亜硝酸化槽における遊離の亜硝酸濃度が0.02mg/L以上となるように、前記pH計の指示値の下限値と上限値を設定することを特徴とする請求項2記載のアンモニア性窒素の除去装置。
  5. 亜硝酸化槽の前記pH計の指示値に応じて亜硝酸化槽に原水を供給する量を制御する機構を備えた請求項1〜4のいずれか1項記載のアンモニア性窒素の除去装置。
  6. 被処理水中のMアルカリ度とアンモニア性窒素の測定手段、及びMアルカリ度の添加手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のアンモニア性窒素の除去装置
  7. 亜硝酸化槽の前段に、被処理水にマグネシウム化合物を添加する手段と、生成したリン酸マグネシウムアンモニウムを回収する手段を備えたMAP回収槽を設置し、前記MAP回収槽の流出水中のMアルカリ度とアンモニア性窒素の測定手段を備え、前記Mアルカリ度とアンモニア性窒素の測定値に応じて、前記マグネシウム化合物の添加量を制御する機構を設けたことを特徴とする請求項6記載のアンモニア性窒素の除去装置。
  8. 前記亜硝酸化槽に前記独立栄養細菌を付着させた担体を用いることを特徴とする請求項1記載のアンモニア性窒素の除去装置。
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