しかしながら、従来方式では次のような問題がある。記録されるエントリー情報は、その記録方法が既知である場合、ユーザがその内容を自由に更新することが可能である。例えば年齢による視聴制御を行うためのパレンタルレート情報がエントリー情報に記載されている場合に、ファイル中のどこにそれを制御する情報が含まれているかについてユーザが認識できれば、これをユーザが自由に書き換えることで実質的にパレンタルレートによる制御が不可能になるという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ストリームデータに設定されている動作制限などが確実に実行される状態で、該ストリームデータの記録媒体への記録を行うことが可能となる、または、該ストリームデータの出力を行うことが可能となる記録装置、再生装置、記録方法、再生方法、および記録再生装置を提供することにある。
以上の課題を解決するために、本発明に係る記録装置は、デジタル放送の映像および/または音声の情報を含むストリームデータを受信するストリーム受信部と、受信したストリームデータを、映像データおよび/または音声データと、該ストリームデータの属性情報とに分離するデータ分離部と、上記データ分離部によって分離された属性情報から記録すべき情報を取得し、一定間隔毎に該記録すべき情報をまとめて管理データとする管理データ作成部と、上記作成した管理データと上記映像データおよび/または音声データとを多重化して暗号化処理を行う多重/暗号化部と、上記多重/暗号化部によって作成されたマルチメディアファイルを記録媒体に記録するデータ記録部とを備える構成である。
また、本発明に係る記録方法は、デジタル放送の映像および/または音声の情報を含むストリームデータを受信するストリーム受信ステップと、受信したストリームデータを、映像データおよび/または音声データと、該ストリームデータの属性情報とに分離するデータ分離ステップと、上記分離ステップによって分離された属性情報から記録すべき情報を取得し、一定間隔毎に該記録すべき情報をまとめて管理データの作成を行う管理データ作成ステップと、上記作成した管理データと上記映像データおよび/または音声データとを多重化して暗号化処理を行う多重/暗号化ステップと、上記多重/暗号化ステップによって作成されたマルチメディアファイルを記録媒体に記録するデータ記録ステップとを有する方法である。
また、本発明に係る再生装置は、デジタル放送の映像データおよび/または音声データと、上記映像データおよび/または音声データを含むストリームデータの属性情報から取得された情報を一定間隔毎にまとめて作成された管理データとが多重化されて暗号化された状態で記録されている記録媒体に記録されている、上記映像データおよび/または音声データ、ならびに上記管理データを読み出すデータ読み出し部と、読みだした暗号化されているデータから、上記映像データおよび/または音声データと上記管理データとを暗号解読して分離するデータ分離/暗号解読部と、上記暗号解読して分離した映像データおよび/または音声データを出力する出力部と、上記暗号解読して分離した管理データに基づいて、上記出力部の出力を制御する管理情報解析部とを備える構成である。
また、本発明に係る再生方法は、デジタル放送の映像データおよび/または音声データと、上記映像データおよび/または音声データを含むストリームデータの属性情報から取得された情報を一定間隔毎にまとめて作成された管理データが多重化されて暗号化された状態で記録されている記録媒体に記録されている、上記映像データおよび/または音声データ、ならびに上記管理データを読み出すデータ読み出しステップと、読みだした暗号化されているデータから、上記映像データおよび/または音声データと上記管理データとを暗号解読して分離するデータ分離/暗号解読ステップと、上記暗号解読して分離した映像データおよび/または音声データを出力する出力ステップと、上記暗号解読して分離した管理データに基づいて、上記出力ステップにおける出力を制御する管理情報解析ステップとを有する方法である。
また、本発明に係る記録装置は、映像および/または音声の情報を含むストリームデータを受信するストリーム受信部と、受信したストリームデータを、映像データおよび/または音声データと、該ストリームの管理情報とに分離するデータ分離部と、上記映像データおよび/または音声データを記録媒体に記録するとともに、上記データ分離部によって分離された管理情報に含まれる所定の管理情報を、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録媒体に記録するデータ記録部とを備える構成としてもよい。
また、本発明に係る記録方法は、映像および/または音声の情報を含むストリームデータを受信するストリーム受信ステップと、受信したストリームデータを、映像データおよび/または音声データと、該ストリームの管理情報とに分離するデータ分離ステップと、上記映像データおよび/または音声データを記録媒体に記録するとともに、上記データ分離ステップによって分離された管理情報に含まれる所定の管理情報を、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録媒体に記録するデータ記録ステップとを有する方法としてもよい。
上記の構成および方法では、受信されたストリームデータは、映像データおよび/または音声データと、該ストリームの管理情報とに分離される。ここで、ストリームデータには、管理情報が含まれているものが存在しており、この管理情報は、例えば番組情報などに相当するものである。管理情報には、例えばコピー制御情報やパレンタルレート情報など、該ストリームの再生やコピー処理などの動作を制限する情報が含まれていることがある。
ここで、上記の構成および方法では、管理情報に含まれる所定の管理情報が、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録媒体に記録されるようになっている。したがって、上記の構成および方法によって記録された記録媒体において、ユーザによって例えばコピー制御情報やパレンタルレート情報などの所定の管理情報が任意に書き換えられることを不可能とすることができる。これにより、ストリームデータに設定されている動作制限などが確実に実行される状態で、該ストリームデータの記録媒体への記録を行うことが可能となる。
また、本発明に係る記録装置は、上記の構成において、上記所定の管理情報が、対応するストリームデータの再生制御情報および/またはコピー制御情報である構成としてもよい。
上記の構成によれば、再生制御情報および/またはコピー制御情報が、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録媒体に記録されることになる。よって、ストリームデータに設定されている再生制限および/またはコピー制限が確実に実行される状態で、該ストリームデータの記録媒体への記録を行うことが可能となる。
また、本発明に係る記録装置は、上記の構成において、少なくとも上記所定の管理情報を所定の暗号化鍵によって暗号化する暗号化部をさらに備え、上記データ記録部が、上記暗号化部によって暗号化された上記所定の管理情報を記録媒体に記録する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記所定の管理情報が暗号化された上で記録媒体に記録されることになる。よって、ユーザによってこの所定の管理情報が任意に書き換えられることを不可能とすることができる。
また、本発明に係る記録装置は、上記の構成において、上記暗号化部が、上記映像データおよび/または音声データも上記所定の暗号化鍵によって暗号化するとともに、上記データ記録部が、上記暗号化部によって暗号化された上記映像データおよび/または音声データを記録媒体に記録する構成としてもよい。
上記の構成によれば、映像データおよび/または音声データに関しても暗号化が行われた上で記録媒体に記録されることになる。よって、映像データおよび/または音声データ自体がコピーされたとしても、暗号化鍵がない限り再生できないことになるので、コンテンツの保護をより確実にすることが可能となる。
また、本発明に係る記録装置は、上記の構成において、上記データ記録部が、上記映像データおよび/または音声データを上記記録媒体におけるユーザアクセス可能領域に記録するとともに、上記所定の管理情報を上記記録媒体におけるユーザアクセス不可能領域に記録する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記所定の管理情報が記録媒体におけるユーザアクセス不可能領域に記録されることになる。よって、ユーザによってこの所定の管理情報が任意に書き換えられることを不可能とすることができる。
また、本発明に係る記録装置は、上記の構成において、上記映像データおよび/または音声データを所定の暗号化鍵によって暗号化する暗号化部をさらに備え、上記データ記録部が、上記暗号化部によって暗号化された上記映像データおよび/または音声データを記録媒体に記録する構成としてもよい。
上記の構成によれば、映像データおよび/または音声データに関しても暗号化が行われた上で記録媒体に記録されることになる。よって、映像データおよび/または音声データ自体がコピーされたとしても、暗号化鍵がない限り再生できないことになるので、コンテンツの保護をより確実にすることが可能となる。
また、本発明に係る記録装置は、上記の構成において、上記所定の暗号化鍵の情報を記録する暗号化鍵記憶部をさらに備える構成としてもよい。
上記の構成によれば、記録装置が備える暗号化鍵記憶部に、暗号化に用いる暗号化鍵が記録されることになる。よって、記録媒体に記録されている情報のみでは復号ができないことになるので、記録媒体に記録されている情報を改ざんするなどの不正行為を防止することが可能となる。
また、本発明に係る記録装置は、上記の構成において、上記所定の暗号化鍵の情報を記録媒体から読み出す鍵情報読み出し部をさらに備える構成としてもよい。
上記の構成によれば、記録媒体に記録されている暗号化鍵の情報を読み出して、暗号化処理が行われることになる。よって、暗号化鍵の情報が記録媒体における書き換え不可能な場所に記録されていれば、記録媒体に記録されているデータを他の記録媒体にコピーしたとしても、コピー先の記録媒体に記録されている暗号化鍵の情報と、コピー元の記録媒体に記録されている暗号化鍵の情報とが一致しなくなり、コピー先の記録媒体からは暗号化されている情報を復号することができなくなる。よって、記録媒体に記録されているデータの保護をより確実に行うことができる。
また、本発明に係る再生装置は、上記の課題を解決するために、映像データおよび/または音声データが記録されているとともに、該映像データおよび/または音声データの管理情報が、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録されている記録媒体から、上記映像データおよび/または音声データ、ならびに上記管理情報を読み出すデータ読み出し部と、上記映像データおよび/または音声データを出力する出力部と、上記管理情報に基づいて、上記出力部の出力を制御する管理情報解析部とを備える構成としてもよい。
また、本発明に係る再生方法は、映像データおよび/または音声データが記録されているとともに、該映像データおよび/または音声データの管理情報が、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録されている記録媒体から、上記映像データおよび/または音声データ、ならびに上記管理情報を読み出すデータ読み出しステップと、上記映像データおよび/または音声データを出力する出力ステップと、上記管理情報に基づいて、上記出力ステップのける出力を制御する管理情報解析ステップとを有する方法としてもよい。
上記の構成および方法では、映像データおよび/または音声データが記録されているとともに、該映像データおよび/または音声データの管理情報が、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録されている記録媒体からデータの読み出しが行われるようになっている。ここで、管理情報には、例えばコピー制御情報やパレンタルレート情報など、該ストリームの再生やコピー処理などの動作を制限する情報が含まれていることがある。このような管理情報が所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録媒体に記録されるようになっているので、ユーザによって例えばコピー制御情報やパレンタルレート情報などの所定の管理情報が任意に書き換えられることを不可能となる。
そして、映像データおよび/または音声データの出力は、上記管理情報に基づいて制御されるようになっている。よって、上記の構成および方法によれば、設定されている動作制限などが確実に実行される状態で、映像データおよび/または音声データの出力を行うことが可能となる。
また、本発明に係る再生装置は、上記の構成において、上記管理情報が、上記映像データおよび/または音声データの再生制御情報および/またはコピー制御情報である構成としてもよい。
上記の構成によれば、再生制御情報および/またはコピー制御情報が、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録媒体に記録されていることになる。よって、映像データおよび/または音声データに設定されている再生制限および/またはコピー制限が確実に実行される状態で、該映像データおよび/または音声データを出力することが可能となる。
また、本発明に係る再生装置は、上記の構成において、上記管理情報が所定の暗号化鍵によって暗号化されて上記記録媒体に記録されているとともに、上記データ読み出し部によって読み出された管理情報を、上記所定の暗号化鍵によって復号する暗号復号部をさらに備える構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記管理情報が暗号化された上で記録媒体に記録されていることになる。よって、ユーザによってこの所定の管理情報が任意に書き換えられることを不可能とすることができる。
また、本発明に係る再生装置は、上記の構成において、上記映像データおよび/または音声データも上記所定の暗号化鍵によって暗号化されて上記記録媒体に記録されているとともに、上記暗号復号部が、上記データ読み出し部によって読み出された映像データおよび/または音声データを、上記所定の暗号化鍵によって復号する構成としてもよい。
上記の構成によれば、映像データおよび/または音声データに関しても暗号化が行われた上で記録媒体に記録されていることになる。よって、映像データおよび/または音声データ自体がコピーされたとしても、暗号化鍵がない限り再生できないことになるので、コンテンツの保護をより確実にすることが可能となる。
また、本発明に係る再生装置は、上記の構成において、上記映像データおよび/または音声データが、上記記録媒体におけるユーザアクセス可能領域に記録されているとともに、上記所定の管理情報が、上記記録媒体におけるユーザアクセス不可能領域に記録されている構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記所定の管理情報が記録媒体におけるユーザアクセス不可能領域に記録されていることになる。よって、ユーザによってこの所定の管理情報が任意に書き換えられることを不可能とすることができる。
また、本発明に係る再生装置は、上記の構成において、上記映像データおよび/または音声データが所定の暗号化鍵によって暗号化されて上記記録媒体に記録されているとともに、上記データ読み出し部によって読み出された映像データおよび/または音声データを、上記所定の暗号化鍵によって復号する暗号復号部をさらに備える構成としてもよい。
上記の構成によれば、映像データおよび/または音声データに関しても暗号化が行われた上で記録媒体に記録されていることになる。よって、映像データおよび/または音声データ自体がコピーされたとしても、暗号化鍵がない限り再生できないことになるので、コンテンツの保護をより確実にすることが可能となる。
また、本発明に係る再生装置は、上記の構成において、上記所定の暗号化鍵の情報を記録する暗号化鍵記憶部をさらに備える構成としてもよい。
上記の構成によれば、再生装置が備える暗号化鍵記憶部に、暗号化に用いる暗号化鍵が記録されることになる。よって、記録媒体に記録されている情報のみでは復号ができないことになるので、記録媒体に記録されている情報を改ざんするなどの不正行為を防止することが可能となる。
また、本発明に係る再生装置は、上記の構成において、上記所定の暗号化鍵の情報を記録媒体から読み出す鍵情報読み出し部をさらに備える構成としてもよい。
上記の構成によれば、記録媒体に記録されている暗号化鍵の情報を読み出して、復号処理が行われることになる。よって、暗号化鍵の情報が記録媒体における書き換え不可能な場所に記録されていれば、記録媒体に記録されているデータを他の記録媒体にコピーしたとしても、コピー先の記録媒体に記録されている暗号化鍵の情報と、コピー元の記録媒体に記録されている暗号化鍵の情報とが一致しなくなり、コピー先の記録媒体からは暗号化されている情報を復号することができなくなる。よって、記録媒体に記録されているデータの保護をより確実に行うことができる。
また、本発明に係る記録再生装置は、上記本発明に係る記録装置と、上記本発明に係る再生装置とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、ストリームデータに設定されている動作制限などが確実に実行される状態で、該ストリームデータの記録媒体への記録を行うことが可能であり、かつ、設定されている動作制限などが確実に実行される状態で、映像データおよび/または音声データの出力を行うことが可能な記録再生装置を提供することができる。
なお、本発明は、放送データ再生装置に関し、特に受信した放送データを記録媒体に記録する放送データ記録装置、およびそのデータを再生する放送データ再生装置において、複数のパケットデータで構成された放送ストリームを受信するストリーム受信部と、受信したストリームをパケットの種別に基づいて映像、音声データおよび番組情報に分離するデータ分離部と、前記番組情報を解析する番組情報解析部と、前記解析された番組情報から管理データを作成する番組情報管理データ作成部と、前記映像、音声データおよび前記管理データを多重および所定の鍵により暗号化して、暗号化された多重データを生成するデータ多重/暗号化部と、該暗号化された多重データを所定のフォーマットで記録媒体に記録するデータ記録部とを備える構成としてもよい。
また、本発明は、前記所定の鍵として、受信機内部に保持された鍵データを用いることが好ましい。
また、本発明は、前記所定の鍵として、記録媒体に保持された鍵データを用いることが好ましい。
また、本発明は、放送データ再生装置に関し、特に受信した放送データを記録媒体に記録する放送データ記録装置、およびそのデータを再生する放送データ再生装置において、複数のパケットデータで構成された放送ストリームを受信するストリーム受信部と、受信したストリームをパケットの種別に基づいて映像、音声データおよび番組情報に分離するデータ分離部と、番組情報を解析する番組情報解析部と、前記解析された番組情報から管理データを作成する番組情報管理データ作成部と、前記映像、音声データと前記管理データを多重するデータ多重部と、該多重データを、ユーザが自由にアクセスできるユーザ領域と、ユーザがアクセスできない保護領域を持つ記録媒体に記録するデータ記録部とを備え、前記データ記録部は、前記多重データのうち前記管理データは保護領域に、前記映像、音声データはユーザ領域に記録する構成としてもよい。
また、本発明は、放送データ再生装置に関し、特に受信した放送データを記録媒体に記録する放送データ記録装置、およびそのデータを再生する放送データ再生装置において、記録媒体に記録された、映像、音声データおよびその管理データから構成される暗号化されたマルチメディアデータを読み出すデータ読み出し部と、前記読み出されたマルチメディアデータを解読のための所定の鍵により解読および分離して、映像、音声データおよび管理データを生成する記録データ分離/暗号解読部と、前記映像、音声データを復号する復号部と、該復号された映像、音声データをディスプレイやスピーカなどに出力する映像音声出力部と、前記暗号化された管理データを所定の鍵を用いて復号し、得られた管理データを解析する解析部とを備え、前記解析部は、該管理データの解析結果に基づいて前記映像音声出力部の出力を制御する構成としてもよい。
また、本発明は、前記解読のための所定の鍵として、受信機内部に保持された鍵データを用いることが好ましい。
また、本発明は、前記解読のための所定の鍵として、記録媒体に保持された鍵データを用いることが好ましい。
また、本発明は、放送データ再生装置に関し、特に受信した放送データを記録媒体に記録する放送データ記録装置、およびそのデータを再生する放送データ再生装置において、ユーザが自由にアクセスできるユーザ領域と、ユーザがアクセスできない保護領域を持つ記録媒体に記録された、映像、音声データおよびその管理データから構成されるマルチメディアデータを読み出すデータ読み出し部と、前記読み出されたデータから映像、音声データおよび管理データを分離する記録データ分離部と、前記映像、音声データを復号する復号部と、該復号された映像、音声データをディスプレイやスピーカなどに出力する映像音声出力部と、前記管理データを解析し、その解析結果に基づいて前記映像音声出力部の出力を制御する解析部とを備え、前記データ読み出し部は、前記管理データを保護領域から、前記映像、音声データはユーザ領域から読み出す構成としてもよい。
本発明に係る記録装置は、以上のように、上記映像データおよび/または音声データを記録媒体に記録するとともに、上記データ分離部によって分離された管理情報に含まれる所定の管理情報を、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録媒体に記録するデータ記録部を備える構成である。これにより、ストリームデータに設定されている動作制限などが確実に実行される状態で、該ストリームデータの記録媒体への記録を行うことが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る再生装置は、以上のように、映像データおよび/または音声データが記録されているとともに、該映像データおよび/または音声データの管理情報が、所定の手続を行わないとデータの読み出しおよび書き込みができない状態で記録されている記録媒体から、上記映像データおよび/または音声データ、ならびに上記管理情報を読み出すデータ読み出し部と、上記映像データおよび/または音声データを出力する出力部と、上記管理情報に基づいて、上記出力部の出力を制御する管理情報解析部とを備える構成である。これにより、設定されている動作制限などが確実に実行される状態で、映像データおよび/または音声データの出力を行うことが可能となるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。
(記録再生システムおよび記録再生装置の構成)
図9は、本実施形態に係る記録再生システムおよび該記録再生システムが備える記録再生装置10の概略構成を示している。同図に示すように、記録再生システムは、記録再生装置10、記録媒体300、チューナ400、ディスプレイ500、およびスピーカ600を備えた構成となっている。
チューナ400は、例えばデジタル放送などの放送電波を受信し、受信した放送データをストリームデータとして記録再生装置10に伝送する。なお、チューナ400は、デジタル放送の受信に限らず、アナログ放送を受信する構成であってもよいし、ケーブルテレビネットワークから有線によって放送データを受信する構成であってもよい。また、チューナ400の代りに、ストリーミング形式での映像・音声データを受信するその他の受信手段を用いてもよい。このような受信手段としては、例えばインターネットで配信されているストリーミングデータを受信するインターネット通信手段などが挙げられる。
ディスプレイ500は、記録再生装置10において再生された映像信号に基づいて映像の表示を行う。スピーカ600は、記録再生装置10において再生された音声信号に基づいて音声の出力を行う。
記録再生装置10は、記録処理部(記録装置)100および再生処理部(再生装置)200を備えた構成となっている。記録処理部100は、チューナ400から伝送されたストリームデータを記録媒体300に記録する処理を行う。再生処理部200は、記録媒体300に記録されているマルチメディアファイルを再生し、再生された映像信号をディスプレイ500に伝送するとともに、再生された音声信号をスピーカ600に伝送する。なお、図示はしないが、記録再生装置10は、記録動作および再生動作のユーザによる指示入力を受け付ける指示入力部が備えられている。
記録媒体300としては、SD(Secure Digital)メモリカード、DVD(Digital Versatile Disc)、着脱可能なハードディスク等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、着脱可能な不揮発性の記録媒体であればどのような記録媒体でもよい。
なお、上記の構成では、記録再生装置10は、記録処理部100および再生処理部200の両方を備えた構成となっているが、どちらか一方のみを備えた構成としてもよい。すなわち、記録再生装置10が記録処理部100のみを備えている場合には、記録再生装置10は記録装置として機能することになり、記録再生装置10が再生処理部200のみを備えている場合には、記録再生装置10は再生装置として機能することになる。
また、上記の構成では、記録再生装置10、チューナ400、ディスプレイ500、およびスピーカ600はそれぞれ独立した装置によって構成されているが、これらのうちの2つ以上が1つの装置内に含まれているような構成であってもよい。例えば、記録再生システムが携帯型電話機によって実現される場合、該携帯型電話機は、記録再生装置10、チューナ400、ディスプレイ500、およびスピーカ600を全て内蔵する構成となる。
(記録処理部の構成)
図1は、記録処理部100の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、記録処理部100は、ストリーム受信部101、データ分離部102、番組情報解析部103、管理データ作成部104、多重/暗号化部(暗号化部)105、および、データ記録部106を備えた構成となっている。
ストリーム受信部101は、チューナ400からストリームデータを受信する処理を行う。データ分離部102は、ストリーム受信部101において受信されたストリームデータから、映像音声などのメディアデータ、および、SI/PSIデータなどの属性情報(管理情報)を分離する処理を行う。
番組情報解析部103は、データ分離部102において分離された属性情報を解析し、番組名、コピー制御情報、およびパレンタルレート情報(再生制御情報)などの番組情報を取得する処理を行う。管理データ作成部104は、番組情報解析部103によって取得された番組情報に基づいて、記録ファイルに記録すべき番組情報の管理データを作成する。なお、再生制御情報は、パレンタルレート情報に限定されるものではなく、例えばリージョン管理情報などであってもよい。
多重/暗号化部105は、データ分離部102によって分離されたメディアデータと、番組情報解析部103によって作成された管理データとを多重化して暗号化処理を行い、所定のファイルフォーマットとなるように記録ファイルを生成する処理を行う。ここで、暗号化鍵の情報が記録媒体300に記録されている場合には、データ記録部106によってこの暗号化鍵の情報が読み出され、これによって暗号化処理が行われる。また、多重/暗号化部105が暗号化鍵の情報を記憶する暗号化鍵記憶部を備えている場合には、この暗号化鍵記憶部に記憶されている暗号化鍵の情報が読み出され、これによって暗号化処理が行われる。
さらに、暗号化鍵の情報が、記録媒体300に記録されているとともに、暗号化鍵記憶部にも記憶されているようにし、両方の暗号化鍵に基づいた暗号化鍵によって暗号化が行われるようになっていてもよい。この場合、記録媒体300に記録されている暗号化鍵の情報と、暗号化鍵記憶部に記憶されている暗号化鍵の情報とが完全に一致しない限り暗号解読ができないことになるので、コンテンツの保護をより強力にすることが可能となる。
データ記録部106は、多重/暗号化部105によって生成された記録ファイルを記録媒体300に書き込む処理を行う。なお、暗号化鍵の情報が記録媒体300に記録されている場合には、データ記録部106はこの暗号化鍵の情報を記録媒体300から読み出す鍵情報読み出し部として機能することになる。
(記録動作説明)
以上のような構成の記録処理部100における処理の流れについて以下に説明する。
まず、ストリーム受信部101は、チューナ400からデジタル放送のストリームデータを受信する。このストリームデータは、MPEG(Moving Picture Expert Group)にて規格化されたMPEG−2TS(Transport Stream)フォーマットでパケット化されたストリームとする。なお、チューナでなくインターネット通信手段からストリームデータを受信する場合はRTP(Real-time Transport Protocol)でパケット化されたストリームとなるが、ストリームデータのデータ形式は、MPEG−2TSやRTPに限らず、MPEG−2PSなどのデジタルストリームデータの伝送に適したデータ形式であれば、どのようなデータ形式であってもよい。
データ分離部102は、ストリーム受信部101で受信されたストリームデータを、映像や音声、字幕データなどのメディアデータを含むパケットと、属性情報であるSI/PSI(Service Information/Program Specific Information)データを含むパケットとに分離する。ここで分離されたメディアデータは多重/暗号化部105に入力され、分離された属性情報は番組情報解析部103に入力される。
ここで、データ分離部102は、各パケットにどのデータが含まれているのかを把握するために、パケットに付されたパケットID情報(PID)を確認する。このパケットID情報(PID)は、受信している番組に対応したSI/PSIデータに含まれているプログラムマップテーブル(PMT)に記録されている。
なお、ここでは、データ分離部102は、メディアデータを含むパケットを分離する、というように説明したが、データ分離部102が、映像データを含むパケット、音声データを含むパケット、字幕データを含むパケット、およびデータ放送のデータを含むパケットなど個別に分離する構成であってもよい。同様にSI/PSIデータを含むパケットもデータ分離部102において各々の情報毎に分離されるようになっていてもよい。
番組情報解析部103は、データ分離部102において分離された属性情報を解析することによって番組情報を取得する。番組情報には、前述のパケットID情報、番組名や出演者などの情報、ユーザによるインタラクティブな操作を可能とするデータ放送に関する情報、成人向け内容を幼少者に見せないようにするためのパレンタルレート情報(視聴年齢制限情報)、および、コンテンツのコピーを許可するか否かを示すためのコピー制御情報などが含まれる。なお、番組情報には、上記の全ての情報が含まれている必要はなく、少なくとも上記の情報のいずれか1つが含まれていればよい。
管理データ作成部104は、番組情報解析部103によって取得された番組情報に基づいて、記録ファイルに記録すべき情報を作成する。取得された番組情報には冗長な情報がある場合が多く、これらをすべて記録する必要は無いため、管理データ作成部104によって記録ファイルに記録すべき情報が例えば番組単位に抽出される。また、詳細は後述するが、パレンタルレート情報やコピー制御情報が含まれるパケットと、番組名などの情報が含まれるパケットとは別個に送信されるため、管理データ作成部104はそれらを関連付けて管理を行う。
多重/暗号化部105は、データ分離部102において分離されたメディアデータと、管理データ作成部104によって作成された番組情報管理データとを所定のファイルフォーマットに多重し、そのうちの一部分を暗号化し、マルチメディアファイルを作成する。所定のファイルフォーマットとは、MPEGで規格化されたMP4ファイルフォーマットやMPEG−2PS(Program Stream)などが例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前述のように受信したストリームはMPEG−2TSフォーマットであるので、上記所定のファイルフォーマットをMPEG−2TSフォーマットのままとしてもよいし、MPEG−2TSフォーマットに時刻情報やファイルの途中から再生を開始するためのランダムアクセス情報を付加したフォーマットとしてもよい。また、暗号化の方式、ならびに、暗号化すべきデータの部分については、記録媒体300の種類やファイルフォーマットに応じて決定される。
データ記録部106は、多重/暗号化部105によって作成されたマルチメディアファイルを記録ファイルとして記録媒体300に書き込む。
さらに図10のように、データ分離部102と多重/暗号化部105との間にメディア変換部107を設け、記録媒体への記録に適するようにメディアの変換を行っても良い。具体的には、例えばBML(Broadcast Markup Language)からSMIL(Synchronized Multimedia Integration Language)へ変換したり、PNG(Portable Network Graphics)やMNG(Multiple-image Network Graphics)からJPEG(Joint Photographic Experts Group)へ変換したり、MPEG−2ビデオからMPEG−4ビデオやH.264に変換することが考えられるが、これに限定されるものではない。
BMLとはデジタル放送のテレビ画面に文字や画像などを表示する際の記述言語であり、デジタル放送の受信機器では必ずサポートされているが、記録媒体の記録仕様に合わせてコンテンツを格納することにより、デジタル放送のコンテンツへの再生に対応していない機器で再生することも考えられる。そのため、携帯電話などで採用されたSMILなどのより一般的な記述言語に変換して記録することで、再生できる機器が広がるというメリットがある。
同様にPNGやMNGやMPEG−2ビデオもデジタル放送用の符号化方式であるため、より一般的なJPEGやMPEG−4ビデオなどに変換することで再生できる機器が広がる。また、記録媒体によっては、記録する符号化方式や記述言語が規定されている場合があり、その規定に従うためには、このような変換が必要となる。
(再生処理部の構成)
図2は、再生処理部200の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、再生処理部200は、データ読み出し部201、データ分離/暗号解読部(暗号復号部)202、復号部203、映像音声出力部(出力部)204、管理データ解析部(管理情報解析部)205、および文字データ出力部206を備えた構成となっている。
データ読み出し部201は、ユーザからの指示入力に基づいて記録媒体300から所望のデータを読み出す処理を行う。また、データ読み出し部201は、記録媒体300に暗号化鍵の情報が記録されている場合には、この暗号化鍵の情報をも読み出す鍵情報読み出し部としても機能する。
データ分離/暗号解読部202は、データ読み出し部201によって読み出されたデータからメディアデータおよび管理データを分離して取出し、暗号化された部分の暗号解読処理を行う。ここで、暗号化鍵の情報が記録媒体300に記録されている場合には、上記データ読み出し部201によってこの暗号化鍵の情報が読み出される。また、データ分離/暗号解読部202が暗号化鍵の情報を記憶する暗号化鍵記憶部を備えている場合には、この暗号化鍵記憶部に記憶されている暗号化鍵の情報が読み出される。
さらに、暗号化鍵の情報が、記録媒体300に記録されているとともに、暗号化鍵記憶部にも記憶されているようにし、両方の暗号化鍵に基づいた暗号化鍵によって暗号解読が行われるようになっていてもよい。この場合、記録媒体300に記録されている暗号化鍵の情報と、暗号化鍵記憶部に記憶されている暗号化鍵の情報とが完全に一致しない限り暗号解読ができないことになるので、コンテンツの保護をより強力にすることが可能となる。
復号部203は、データ分離/暗号解読部202によって分離されたメディアデータを復号する処理を行う。
映像音声出力部204は、復号部203によって復号された映像および音声をディスプレイ500およびスピーカ600へ出力する。文字データ出力部206は、番組名等の表示データをディスプレイ500へ出力する。管理データ解析部205は、データ分離/暗号解読部202によって分離された管理データを解析し、映像音声出力部204の制御、および、文字データ出力部206による番組名等の表示の制御を行う。
(再生動作説明)
以上のような構成の再生処理部200における処理の流れについて以下に説明する。
まず、データ読み出し部201は、ユーザからの指示入力に基づいて記録媒体300から所望のデータを読み出す。そして、データ分離/暗号解読部202は、データ読み出し部201によって読み出されたデータの暗号解読を行い、映像や音声などを含むメディアデータと管理データとの分離処理を行う。分離されたメディアデータは復号部203に入力され、管理データは管理データ解析部205に入力される。ここで、データ読み出し部201によって読み出されたデータは、所定のファイルフォーマットによってデータが多重されているため、データ分離/暗号解読部202は、そのフォーマットにしたがってデータを分離する。
復号部203は、データ分離/暗号解読部202によって分離されたメディアデータを復号する。デジタル放送では、映像データは、映像圧縮方式MPEG−2やH.264などの符号化方式で符号化され、音声データはMPEG−2AACなどの符号化方式で符号化されるため、復号部203は、その符号化方式に従って映像データと音声データを復号する。なお、メディアデータは、上記で挙げた符号化方式以外の符号化方式で符号化されていてもよく、圧縮されていないデータであってもよい。これらの符号化方式の情報はファイルフォーマットの所定の位置に格納されている。
映像音声出力部204は、復号部203によって復号された映像データをディスプレイ500に伝送するとともに、復号された音声データをスピーカ600に伝送する。
管理データ解析部205は、データ分離/暗号解読部202によって分離された管理データを解析し、番組名、パレンタルレート情報、コピー制御情報など、管理データに含まれている情報を取得する。また、管理データにパレンタルレート情報が含まれている場合、管理データ解析部205は、パレンタルレート情報の内容に応じて、成人向け内容を幼少者に見せないように映像音声出力部204を制御する。また、管理データにコピー制御情報が含まれている場合、管理データ解析部205は、コピー制御情報の内容に応じて、映像出力にコピー制御信号を付加するように映像音声出力部204を制御する。なお、コピー制御信号としては、アナログ映像用のCGMS−A(Copy Generation Management System - Analog)やデジタル映像用のCGMS−D(Copy Generation Management System - Digital)などがあるが、これらに限定されるものではなく、映像データおよび音声データのコピーを防止するための信号であればどのような信号を用いてもよい。
また、上記の構成では、管理データ解析部205は、映像音声出力部204を制御しているが、復号部203を制御するように実現してもよい。さらに、映像音声ファイルを記録媒体300だけでなく、記録再生装置10内の内蔵メモリにも格納可能で、該内蔵メモリと記録媒体300間でコピーが可能となっている構成や、複数の記録媒体300間でデータのコピーが可能となっている構成である場合には、管理データ解析部205が、コピー制御情報の内容に応じて、コピーを禁止する制御も行うようになっていてもよい。
文字データ出力部206は、管理データ解析部205によって取得された番組名等の情報をディスプレイ500に対して伝送し、表示を行わせる制御を行う。その際に、ディスプレイ500は、文字データと映像出力とを重ねて表示を行うように制御される。
(放送番組の例)
図3は、放送される番組と、その番組名、コピー制御情報、およびパレンタルレート情報との関係の一例を時間経過とともに示した図である。同図において、番組情報として、番組名、コピー制御情報、およびパレンタルレート情報の3種類しか記載していないが、その他の情報が含まれていてもよい。
同図に示す例では、まず時刻t0からt1の間に番組1が放送される。この番組1は、番組名情報として「タイトル1」、コピー制御情報としてコピーフリー(制約条件なしにコピー可能で、コピーが自由に行える)、パレンタルレート情報として制限無し、という番組情報を含んでいる。
次に、時刻t1からt2の間に番組2が放送される。この番組2は、番組名情報として「タイトル2」、コピー制御情報としてコピーワンス(1世代のみコピー可能。すなわち1回だけ録画可能)、パレンタルレート情報として制限無し、という番組情報を含んでいる。
次に、時刻t2からt3の間に番組3が放送される。この番組3は、番組名情報として「タイトル3」、コピー制御情報としてコピーワンス、パレンタルレート情報としてレーティング1、という番組情報を含んでいる。
次に、時刻t3からt4の間に番組4が放送される。この番組4は、番組名情報として「タイトル4」、コピー制御情報としてコピーワンス、パレンタルレート情報としてレーティング1、という番組情報を含んでいる。
(管理データ例1)
図4は、図3に示す放送番組の例を記録する際に、管理データ作成部104が作成する管理データの1例を示している。この管理データは、番組情報としての各情報が新たに設定された際、および変更された際にエントリーが作成されるようになっている。すなわち、管理データ作成部104は、管理データに、設定された番組情報の種別、設定・変更された時刻、設定・変更された情報内容をエントリーとして追加記録していくことになる。
例えば、図3に示す放送番組を記録媒体300に記録した場合、エントリー1として、番組名が時刻t0で「タイトル1」に設定されたこと、エントリー2として、コピー制御情報が時刻t0でコピーフリーに設定されたこと、エントリー3としてパレンタルレート情報が制限無しに設定されたこと、…が順次管理データに記録される。
番組情報の種別の記載方法としては、IDを規定しておいてその値を記載してもよいし、種別自体をテキストストリングとして記載してもよい。前者の例では、番組名を「01」、コピー制御情報を「02」、パレンタルレート情報を「03」とIDを定義しておき、エントリー1の情報種別の部分に「01」、エントリー2には「02」、エントリー3には「03」との数値を記録することになる。後者の例では、エントリー1の情報種別の部分に「番組名」とのテキストデータを記載し、エントリー2には「コピー制御情報」とのテキストデータを記載し、エントリー3には「パレンタルレート情報」とのテキストデータを記録することになる。
時刻の情報の表現形式としては、記録を開始した時点からの経過時間を用いてもよいし、受信した映像音声データに付加されているPTSの時間を用いてもよい。また時刻毎に番組情報としての各情報をまとめて1つのエントリーを記録するような管理データの構成であってもよい。
(管理データ例2)
図5(a)ないし図5(c)は、図3に示す放送番組の例を記録する際に、管理データ作成部104が作成する管理データの別の1例を示している。この管理データは、番組情報の種別毎にテーブルを分けて管理するデータとなっている。各テーブルは、対応する情報が新たに設定された際、および変更された際にエントリーが作成されるようになっている。同図に示す例では、管理データは、番組名テーブル、コピー制御情報テーブル、およびパレンタルレート情報テーブルの3つのテーブルを含んでいる。なお、上記以外の種別の情報が番組情報に含まれる場合には、その情報に関するテーブルが管理データにさらに含まれていてもよい。
(管理データの記録方式変形例)
上記の管理データ例1および管理データ例2では、情報が変化した時点でエントリーが作成されるようになっているが、番組毎にすべての情報に関するエントリーが作成されるようにしてもよい。
また、番組情報の中には、1つの番組内で変更される情報がある。例えば歌番組中の曲名や歌手名情報などがある。このような1つの番組内で変更される情報も管理データにエントリーとして記録するようにしてもよい。
また、上記の例では、コピー制御情報が変化するたびにその情報が管理データに記録されるようになっているが、録画開始から録画停止までの間にコピー制御情報が変化した場合、ファイル全体のコピー制御情報を一番制限の高い値に設定しなおすようにしても良い。例えば、図3に示す放送番組の場合、コピーワンスのほうがコピーフリーよりも制限が高いため、ファイル全体(時刻t0からt4までの全体)がコピーワンスに設定されているものとして、そのように管理データを書き換えるようにしてもよい。
また、コピー制御情報が変化した場合に、録画ファイルをその時点までのデータとしてファイルを確定し、変化時刻以降のデータを別のファイルとして録画するようにしてもよい。すなわち図3に示す放送番組の場合、時刻t0からt1までのファイルと時刻t1からt4までのファイルが作成されることになる。
また情報を一番制限の高い値に設定しなおすことや別ファイルとして録画することを、コピー制御情報の場合と同様の方法によって、パレンタルレート情報を用いて行ってもよいし、コピー制御情報とパレンタルレート情報との両方の情報を用いて行っても良い。
(ファイルフォーマット例1)
図6は番組情報を含めたファイルとして記録する際のファイルフォーマットの1例を示している。なお、同図に示す例では、ファイルフォーマットとして、前述したMP4ファイルフォーマットを想定して記載しているが、これに限定されるものではない。
まずMP4ファイルの一般的な構成について説明する。MP4ファイルは、ファイル管理情報部分(「moov atom」と呼ばれる部分)とデータ部分(「mdat atom」と呼ばれる部分)とから構成される。ファイル管理情報部分には暗号化がされず、データ部分には暗号化が行われる。すなわち、ファイル管理情報部分が非暗号化部分となり、データ部分が暗号化部分となる。ファイル管理情報部分には、ファイルの属性情報やデータを再生するための管理情報などが含まれる。一方、データ部分には、映像サンプル、音声サンプル、および番組情報サンプルなどが含まれる。
映像データや音声データが記録される場合、映像データや音声データなどの各メディアデータは、データ部分においてトラックという概念でまとめられる。また多言語の音声データが記録される場合、各々の言語の音声データが独立したトラックとして記録されることも可能である。
データ部分に記録されている各種データの復号はサンプルという単位で行われる。サンプルとは、映像データの場合は1フレームに相当し、音声データの場合は固定数の複数フレームに相当する。実際の映像データや音声データは、各々のメディアNサンプルを1チャンクと呼ばれる単位でまとめられ、このチャンク毎に多重されてデータ部分としての「mdat atom」に格納される。ここでNの値はチャンク毎に可変である。
ファイル管理情報部分には、トラック毎に、メディアデータの識別情報(映像であるのか音声であるのかについての情報)、メディアデータの特性情報(サンプリング周波数や映像サイズや符号化方式など)、各サンプルの格納位置(ファイル先頭からのオフセット)、サンプルのデータサイズ、および、サンプルの再生時間など、映像データまたは音声データを復号して再生する際に必要とされる情報がすべて格納されている。またMP4ファイルを暗号化する場合、暗号化部分は実際のデータ部分をチャンク単位で暗号化することが一般的である。
このようなMP4ファイルに番組情報を格納する場合、番組情報を映像データや音声データと同様に1種のメディアデータとして扱う方法が考えられる。この場合、例えば番組情報をトラックとして定義し、図4に示す管理データのうち、情報種別および時刻の情報を番組情報定義データとしてファイル管理情報部分としての「moov atom」に格納し、設定・変更された情報内容をデータ部分としての「mdat atom」に格納することになる。このように番組情報をMP4ファイルに格納した状態を図6に示す。
前述のように暗号化はチャンク単位で行われるため、番組情報における設定・変更された情報内容が暗号化されることになる。またこの他の格納方法として、情報種別自体をデータ部分としての「mdat atom」に格納する方法としてもよいし、情報種別毎にトラックを別にする方法としても良い。
このようなファイルフォーマットにすることにより、コピー制御情報やパレンタルレート情報などの情報内容が暗号化されて記録されるため、ユーザによってこれらの情報が任意に書き換えられることを不可能とすることができる。
(ファイルフォーマット例2)
図7は番組情報を含めたファイルとして記録する際のファイルフォーマットの別の1例を示している。なお、同図に示す例では、記録媒体300としてのSDメモリカード(以降、SDカードと称する)301にファイルを記録する場合を想定して記載しているが、これに限定されるものではなく、コンテンツ保護機能を有する記録媒体、具体的には、認証が行われない限りアクセスできない記憶領域を含む記録媒体であればどのような記録媒体であってもよい。
まず一般的なSDカード301におけるコンテンツ保護方式について説明する。SDカードは、ユーザ領域(ユーザアクセス可能領域)302および保護領域(ユーザアクセス不可能領域)303を備えている。ユーザ領域302は、ユーザが自由にアクセスできる記憶領域である。保護領域303は、SDカードと、該SDカードに対する情報の読み書きを行うコントローラとの間で認証が行われた場合のみアクセスできる記憶領域である。
ユーザ領域302は、該ユーザ領域302内の記録内容を管理する管理情報と、該ユーザ領域302内に記録されるプログラムデータとが記録される。プログラムデータは、1つ以上のプログラム(プログラム1、プログラム2、…)によって構成される。各プログラムは、ファイル管理領域と、マルチメディアファイルとしての映像音声データとを含んでいる。ファイル管理領域には、該プログラムに含まれているマルチメディアファイルの暗号化鍵のID情報(ID番号)が記録される。なお、各プログラムに含まれているマルチメディアファイルは、暗号化が行われていてもよいし、暗号化が行われていなくてもよい。また、ユーザ領域全体を管理する管理情報や各プログラム内のファイルを管理するファイル管理領域は、ファイルでもよいし、MD(Mini Disk)等で用いられるTOC(Table Of Contents)でもよい。さらに、これらを統合してもよいし、どちらか一方のみが存在してもよい。
保護領域303は、1つ以上の暗号鍵(暗号鍵1、暗号鍵2、…)の情報が鍵ファイルとして記録されている。各暗号鍵の情報には、コンテンツの利用の制限に関する利用規約情報が含まれている。
以上のような構成のSDカード301に、記録処理部100がマルチメディアファイルを暗号化して記録する場合、まず、多重/暗号化部105は、暗号化に用いる暗号化鍵の情報を、保護領域303に記録されている鍵ファイルの中から取得する。そして、多重/暗号化部105は、取得した暗号化鍵を用いてマルチメディアファイルの暗号化を行い、データ記録部106がユーザ領域302に記録する。この際に、データ記録部106は、記録が行われたプログラムに対応するファイル管理領域に、暗号化に用いた暗号化鍵のID情報(ID番号)を記録する。再生時には、再生処理部200におけるデータ分離/暗号解読部202が、再生すべきマルチメディアファイルを暗号解読する際に、このファイル管理領域に記録されている暗号化鍵のID情報を認識し、該当暗号化鍵を用いて暗号解読を行うことになる。
このようなコンテンツ保護機能を有する記録媒体300に番組情報が格納される場合、図4に示す管理データのうち、情報種別および時刻の情報がユーザ領域302に格納され、番組情報における設定・変更された情報内容が保護領域303内の利用規約情報部分に格納されればよい。また、情報種別および時刻の情報も保護領域303内の利用規約情報部分に格納されてもよいし、情報種別のうち、ユーザに書き換えられたくない情報だけが保護領域303内の利用規約情報部分に格納される方法としてもよい。また情報種別および時刻の情報がユーザ領域302に格納される場合も、ファイル管理領域の中に格納されるようにしてもよいし、実際のマルチメディアファイル内に格納されるようにしてもよい。
(ファイルフォーマット例3)
図8は番組情報を含めたファイルとして記録する際のファイルフォーマットのさらに別の1例を示している。上記のファイルフォーマット例2との相違点は、ユーザ領域302に記録される管理情報とプログラム内のファイル管理領域とが設けられていない点であり、その他の点は同様である。
以上のような構成のSDカード301に、記録処理部100がマルチメディアファイルを暗号化して記録する場合、まず、多重/暗号化部105は、暗号化に用いる暗号化鍵の情報を、保護領域303に記録されている鍵ファイルの中から取得する。そして、多重/暗号化部105は、取得した暗号化鍵を用いてマルチメディアファイルの暗号化を行い、データ記録部106がユーザ領域302に記録する。この際に、データ記録部106は、記録が行われたマルチメディアファイル内の例えばファイル管理情報領域に、暗号化に用いた暗号化鍵のID情報(ID番号)を記録する。再生時には、再生処理部200におけるデータ分離/暗号解読部202が、再生すべきマルチメディアファイルを暗号解読する際に、このマルチメディアファイル内のファイル管理領域に記録されている暗号化鍵のID情報を認識し、該当暗号化鍵を用いて暗号解読を行うことになる。
このファイルフォーマット例3は、前記したファイルフォーマット例2と比較すると、管理情報やファイル管理領域が無く、すべての情報がマルチメディアファイル内に格納されるため、ファイル単位でのバックアップ/リストアや、ファイルの名称変更や移動が可能となるメリットがある。ただし、管理情報やファイル管理領域が無いため、SDカード301が記録再生装置10に対して抜き差しされるたびに、該SDカード301内のファイルをリスト表示するための情報を作成しなければならないというデメリットがある。
なお、上記のファイルフォーマット例2および3では、SDカード301内に記録されている暗号化鍵情報を利用する方式となっているが、データ分離/暗号解読部202が暗号化鍵の情報を記憶する暗号化鍵記憶部を備えており、この暗号化鍵情報を利用する方式であってもよい。
(ファイルフォーマット例4)
これまで述べてきたようなファイルフォーマットでも状況によってはコンテンツ保護機能が不正に利用されてしまう場合がある。以下に不正利用の例を記載する。まず図3の番組3のようなコピー制御情報がコピーワンスでパレンタルレート情報がレーティング1の番組を録画する。これが図7や図8のように記録媒体300上にプログラム1として暗号鍵1を利用して記録されたこととする。ここで記録媒体300上のデータをPC等にコピーしておくが、PC等へのコピーではユーザ領域の情報はコピーできるが保護領域の情報はコピーできない。そして、記録再生装置10上で録画した番組3のデータを消去もしくは他の記録媒体に移動する。すると番組3の映像音声データや管理情報が消去され、プログラム1に対応する保護領域内の利用規約情報も無効となる。
この状態からPC等へコピーしておいたデータを同一の記録媒体300に戻しても、保護領域内の利用規約情報が無効になっているため正しく再生できない。すなわちコンテンツは正しく保護されたこととなり、問題はない。
しかし、番組3のデータを消去もしくは移動した状態から、今度は図3の番組1のようなコピー制御情報がコピーフリーでパレンタルレート情報が制限なしの番組を録画し、これが番組3を録画した時と同様にプログラム1として暗号鍵1を利用して記録されてしまったとする。ここで、PC等で記録媒体300上の番組1のデータを消去し、代わりにコピーしておいた番組3のデータをプログラム1として記録媒体300上に戻す。すると、保護領域内の利用規約情報は番組1を録画した時のままであるため、番組3のデータが暗号鍵1を用いて暗号解読でき再生可能となる。再生できるだけなら問題ないが、番組3をコピー制御情報がコピーフリーでパレンタルレート情報が制限なしの番組と誤認識してしまうという問題が発生してしまう。
この問題が発生するのは、ユーザ領域に記録したデータが保護領域内のどの暗号鍵及び利用規約情報を用いているかしか記録しておらず、保護領域内の暗号化鍵がユーザ領域のどのデータに対応するか記録されていないために発生する。
そこで、利用規約情報内に、ユーザ領域内に記録したデータと照合できる情報を記録すれば、前述の問題を回避することができる。例えば、ファイルサイズや作成日時やファイル内の所定の部分のデータなどが利用可能であるが、記録したデータと照合できる情報であればこれらに限らない。また、これらの中の1つを利用するのでなく複数を組み合わせてもよい。
以下に、ファイルサイズを利用した場合の例を記載する。番組3をプログラム1として暗号鍵1を利用して録画した際に、プログラム1に対応する保護領域内の利用規約情報に、番組3のデータのファイルサイズを格納する。その後、番組3のデータをPC等にコピーしてから、記録再生装置10にて消去もしくは移動し、そして、番組1をプログラム1として暗号鍵1を利用して録画すると、対応する利用規約情報には番組1のファイルサイズが格納される。この状態から先ほどのようにPC等で記録媒体300上の番組1のデータを消去し、コピーしておいた番組3のデータをプログラム1として記録媒体300上に戻しても、プログラム1に対応する利用規約情報には番組1のファイルサイズが格納されているため、番組3とは異なるので異常なコンテンツと認識でき、先ほどのようなコピー制御情報やパレンタルレート情報の誤認識が発生しなくなる。
以上のようなファイルフォーマットにすることにより、コピー制御情報やパレンタルレート情報などの情報が自由にアクセスできない領域に格納されるため、ユーザによってこれらの情報が任意に書き換えられることを不可能とすることができる。
なお、上記記録処理部100が備える各部、および、上記再生処理部200が備える各部は、ハードウェアロジックによって構成されていてもよいし、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより実現する構成となっていてもよい。
CPUなどの演算手段および記憶手段によって上記の各構成を構成する場合、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行することによって、上記各部の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、コンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。