以下、本発明の一実施形態が適用されたデジタル録画装置について図面を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明を実現するための一例であり、この実施形態に必ずしも限定されるものではない。
《第1実施形態》
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のデジタル録画装置の構成を示すブロック図である。なお、図示するデジタル録画装置には、衛星または地上波によるデジタル放送を受信するチューナが内蔵されている。
デジタル録画装置101は、チューナ103、ストリーム取得部104、トランスコーディング部105、暗号処理部106、鍵生成部107、再生部108、表示部109、動画データ格納部112、動画データ情報管理部113、入力部114、制御部115、メディア接続部116、バックアップ作成部121、およびバス120を有する。また、チューナ103は、デジタル放送信号を受信するTVアンテナ102に接続されている。また、再生部108にはスピーカ110が接続されている。表示部にはモニタ111が接続されている。
なお、デジタル放送信号には、番組を識別する情報と、コピー制御情報と、番組の画像の品質を示す品質情報および動画データのフォーット(例えばMPEG−2TS等)を示すコンテンツフォーマット情報と、が含まれているものとする。以下の説明では、放送される際のデジタル放送に含まれるコピー制御情報は、番組の複製を禁止する「コピー禁止(Never copy)」、番組の複製を1回だけ認める「1世代のみコピー可(Copy one generation)」、および、番組の複製を無制限で認める「制約条件無しにコピー可(Copy free)」の3種類の場合を例にする。また、デジタルコピー制御情報が「1世代のみコピー可」の番組は、HDD等の記憶装置に1度だけ録画することができ、1度録画された後は、コピー制御情報が「複製不可(No more copies)」に変更される。
チューナ103は、TVアンテナ102を介してデジタル放送信号を受信し、受信したデジタル放送信号を復調・選局し、デジタル動画データ(例えばMPEG−2TSのデータ)を取得する。
ストリーム取得部104は、チューナ103が取得したMPEG−2TSデータの中から録画する番組のストリームを取得し、放送の際にかけられていた暗号を解除する。トランスコーディング部105は、動画データのフォーマット変換、品質変換などの処理を行う。
暗号処理部106は、動画データの暗号化・暗号解除の処理を行う。鍵生成部107は、暗号化の際に用いる暗号鍵の生成や暗号解除のための暗号鍵を生成する。再生部108は、動画データをデコードし再生する。再生部108で再生された音声は、スピーカ110から出力される。表示部109は、動画データやメニュー画面などの画面の画像情報を生成し、生成した画像情報をモニタ111に送信する。モニタ111は、表示部109からの画像情報を受付け、画像情報を画面表示する。
動画データ格納部112は、動画データを格納する記憶装置であり、例えば、HDDなどを用いることができる。動画データ情報管理部113は、動画データ格納部112に格納した動画データを管理するための情報を生成し、その生成した情報を記憶する。具体的には、動画データ情報管理部113は、後述する動画データ管理用テーブル(図3参照)を生成し、その生成した動画データ管理用テーブルを、図示しないメモリに格納する。なお、動画データ情報管理部113の機能は、動画データ格納部112のようなデータを記憶できる部署が兼ねてもよい。
入力部114は、ユーザからの各種要求を受付ける。例えば、入力部114には、利用者がデジタル録画装置101をコントロールするためのリモコンを用いることができる。また、例えば、入力部114の機能は、デジタル録画装置101に設けられたボタンやスイッチなどにより実現するようにしてもよい。
メディア接続部116は、デジタル録画装置101に挿入されるメディア117へのデータの入出力を制御する。メディア117は、たとえば、リライタブルなDVDディスクやフラッシュメモリのような動画データを格納できるメディアであり、このメディア117は、動画データを格納するためのデータ格納部119と後述する暗号鍵をセキュアに保持する鍵格納部118とを有する。バス120は、各部を接続する。そして、制御データや動画データは、バス120を介して転送される。バックアップ作成部121は、動画データのバックアップデータを作成する。
また、制御部115は、デジタル録画装置101全体の動作を制御する。具体的には、制御部115は、入力部114を介してデジタル録画装置101に対する各種指示の入力を受付けて、受付けた指示に対応した動作を行うようにデジタル録画装置101を制御する。例えば、制御部115は、入力部114を介し、放送される番組の録画の指示を受付けた場合、チューナ103、ストリーム取得部104、暗号処理部105、および鍵生成部107等を制御して、録画が指示された番組の動画データを動画データ格納部112に格納する。
なお、本実施形態では、上述した各部の機能を実現するための構成を特に限定しない。例えば、ストリーム取得部104、トランスコーディング部105、再生部108、および表示部109は、それぞれ、上述の処理を行う専用回路により実現される。
また、例えば、暗号処理部106、鍵生成部107、動画データ情報管理部113、入力部114、制御部115、メディア接続部116、およびバックアップ作成部121の機能は、ソフトウェアにより実現することができる。具体的には、デジタル録画装置101は、CPU(図示しない)、主記憶装置(図示しない)、および補助記憶装置(図示しない)を有する。そして、補助記憶装置には、上記の各部(暗号処理部106、鍵生成部107、動画データ情報管理部113、入力部114、制御部115、メディア接続部116、およびバックアップ作成部121)の機能を実現するためのプログラムが格納されている。そして、上記の各部(暗号処理部106、鍵生成部107、動画データ情報管理部113、入力部114、制御部115、メディア接続部116、およびバックアップ作成部121)の機能は、CPUが補助記憶装置に格納されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することにより実現される。
以下この図を用いて、処理の流れを順に説明する。
まず、動画データの録画処理に関して説明する。なお、以下の説明では、動画データの符号化方式として国際標準であるMPEG−2(Motion Picture Expoerts Group Phase 2)およびMPEG−4(Motion Picture Expoerts Group Phase 4)を主に用いて説明する。
先ず、最初にユーザが入力部114を介してデジタル放送の動画データの録画指示の入力を行う。録画指示には、録画する番組を特定する情報(例えば、番組名、放送開始時間、チャンネル等)が含まれているものとする。入力部114を介して録画指示を受けたデジタル録画装置101は、チューナ103でTVアンテナ102から受けたデジタル放送信号を復調して、MPEG2−TSストリームに変換し、その変換したMPEG2−TSストリームをストリーム取得部104へ送る。
ストリーム取得部104は、MPEG2−TSストリームの中から番組情報を取得する。ストリーム取得部104は、入力部114が受付けた録画指示に含まれている録画する番組を特定する情報を用いて、録画する番組のMPEG2−TSストリームだけを取り出し、放送の際にかけられたストリームの暗号を解除し、処理後のストリームを暗号処理部106へ送る。ストリーム取得部104は、この処理の際に別途ストリームから取り出した番組情報の中からコピー制御情報およびコンテンツフォーマット情報を取得し、動画データ情報管理部113へ送る。なお、コピー制御情報が「Copy one generation」であった場合、ストリーム取得部104は、コピー制御情報を「複製不可(No more copies)」に変更し、変更したコピー制御情報を動画データ情報管理部113に送信する。
暗号処理部106は、鍵生成部107で自動生成されたローカル暗号鍵を用いて、送られてきたストリームをローカル暗号化する。ローカル暗号化とは、このデジタル録画装置101内のみで有効な暗号化であり、たとえば動画データをこの装置から不正に取り出したとしても再生できないようにするためのものである。ローカル暗号化したストリームを動画データとして動画データ格納部112へ格納する。また、ローカル暗号化に用いたローカル暗号鍵は、動画データ情報管理部113へ送られる。
動画データ格納部112に格納される動画データは、デジタル放送を録画した場合、フォーマットは、システム層がMPEG−2TS、ビデオがMPEG−2Video、オーディオがMPEG−2AAC、またはMPEG−2Audioのフォーマットで格納されるのが一般的である。また、システム層のMPEG−2TSは、MPEG−2PSに変換されて録画される場合もある。また、デジタル放送の場合は、ほとんどの動画データはHD品質で放送されるため、録画される動画データもHD品質になる。しかし、動画データ格納部112の容量を節約するために、HD品質の動画データをSD品質にダウンコンバートしてから録画する場合もある。これらの変換は、ストリーム取得部104が暗号処理部106にストリームを送る際、トランスコーディング部105介して行うことで実現できる。このトランスコーディング部105の詳細な動作は後述する。これらの変換を行った場合でも動画データ毎のコピー制御情報は変わらない。
動画データ情報管理部113では、送られてきた情報を元に、たとえば、図3で示すような動画データ管理情報テーブル307を作成し記憶する。図3は、第1実施形態の動画データ管理情報テーブル307のデータ構成を模擬的に示した図である。
図示するように、動画データ管理情報テーブル307は、録画した動画データを識別する録画情報IDを登録するためのフィールド301と、録画時間を登録するためのフィールド302と、動画データのタイトル(番組名)を登録するためのフィールド303と、録画した動画データのフォーマットと品質を登録するためのフィールド304と、コピー制御情報を登録するためのフィールド305と、動画データを暗号化した際に用いたローカル暗号鍵を登録するためのフィールド306と、を備えて1つのレコードが構成される。
動画データ情報管理部113は、録画する動画データを一意に識別するための「録画情報ID」を生成し、録画する動画データ毎に「録画情報ID」を割り当てる。また、動画データ情報管理部113は、デジタル録画装置101内に設けられた図示しないタイマから録画時間を取得する。フィールド303に登録するタイトルは、たとえば放送信号で定期的に送られる電子番組表などから取得することができる。そして、動画データ情報管理部113は、動画データに割り当てた「録画情報ID」に対応付け、上記の取得した「録画時間」および「タイトル」と、送られてきた「コンテンツフォーマット」、「コピー制御情報」、および「ローカル暗号鍵」とを対応する各フィールドに格納する。
この動画データ管理情報テーブル307で管理されている動画データは、動画データ格納部112で格納されている動画データと1対1で対応する。そのため、動画データ管理情報テーブル307を参照することで動画データ格納部112内の対応する動画データに一意にアクセスできる。なお、図示する動画データ管理情報テーブル307は、あくまでも例示である。そのため、その他の動画データの情報を動画データ管理情報テーブル307が所持するようにしてもよい。
また、ユーザに再生可能な動画データをモニタ111に表示して見せる場合、表示部109は、動画データ管理情報テーブル307を用いて、例えば図4に示す、動画データの再生を受付けるためのメニュー画面をモニタ111に表示する。
図4は、本発明の第1実施形態のデジタル録画装置101がモニタ111に表示する再生可能な動画データを示した表示画面の一例である。
図示するように、表示画面401では、再生可能な動画データの「タイトル」と「品質」とをリスト表示する領域が設けられている。ユーザは、表示画面401を見て、動画データ格納部112内の再生可能な動画データを確認することができる。なお、図示するメニュー画面401は、例示に過ぎない。例えば、メニュー画面401に「タイトル」および「品質」に加えて、他の情報を表示することも可能である。しかし、動画データ管理情報テーブル307のフィールド305に格納するローカル暗号鍵は、表示しないようにする。コピー制御されている動画データが不正に利用されることを防ぐためである。
この表示画面401を見たユーザは、入力部114を用いて再生させたい動画データを選択し、選択した動画データの再生を開始させることができる。すなわち、デジタル録画装置101は、利用者からの再生する動画データを選択するデータの入力を受付ける。デジタル録画装置101は、動画データを選択するデータの入力を受付けた場合、動画データ格納部112から選択された動画データを暗号処理部106へ転送する。暗号処理部106では、送られた動画データに対応したローカル暗号鍵を動画データ情報管理部113の動画データ管理情報テーブル307から取得し、動画データのローカル暗号を解除する。次に、暗号解除した動画データを再生部108へ送信する。再生部108では、送られて動画データを再生する。具体的には、再生部108は、音をスピーカ110へ出力し、映像を表示部109を介してモニタ111へ出力することで所望の動画データを再生することができる。
次に、メディア接続部116に挿入されたメディア117に動画データ格納部112内の動画データを移動させる場合の処理の手順について説明する。メディア117に格納される動画データのフォーマットは、そのメディアによって一意に決まるのが一般的である。たとえば、リライタブルなDVDディスクの場合、システム層はMPEG−2PS、ビデオはMPEG−2Video、オーディオはMPEG2−Audio等であり、品質はSD品質である。また、携帯電話向けにフラッシュメディアに移す場合は、システム層はMPEG−4FileFormatであり、VideoはMPEG−4Visualであり、オーディオは音声符号化方式のAMR(Adaptive MultiRate)であり、品質はQCIFサイズ(176×144画素)が一般的である。よって、動画データ格納部112内の動画データをメディア117に移動する場合、トランスコーディングが必要になる場合が多い。
以下において、移動対象の動画データのコピー制御情報が「複製不可(No more copies)」であり、かつトランスコーディングが必要である場合の動画データの移動に関する処理手順を、図5を用いて説明する。なお、移動対象の動画データのコピー制御情報が「制約条件無しにコピー可(Copy free)」の場合、動画データ格納部112に動画データを格納した状態で、メディア117に移動対象の動画データをコピーすればよいため、以下の処理ステップは行わない。
図5は、本発明の第1実施形態が行う動画データの移動処理のフローを説明するための図である。なお、以下の説明では、メディア接続部116にメディア117が挿入されており、入力部114は、動画データ格納部112からメディア117への動画データの移動の指示を受け付けているものとする。デジタル録画装置101は、上記の動画データの移動指示を受付けた場合、制御部115が移動対象の動画データのコピー制御情報を参照する。制御部115は、移動対象の動画データのコピー制御情報が「複製不可(No more copies)」の場合、以下の処理ステップを開始する。
最初に、デジタル録画装置101は、メディア117と動画データ格納部112内の移動対象の動画データのフォーマットに関してフォーマットのチェックを行い、トランスコーディング部105で用いるトランスコーディングのためのパラメータを決定し(S501)、S502の処理に進む。具体的には、制御部115は、動画データ格納部112にアクセスし、移動対象の動画データのフォーマットを検出する。また、制御部115は、メディア接続部116を介して、挿入されているメディア117のフォーマットを検出する。そして、制御部115は、検出したパラメータをトランスコーディング部105に送信する。なお、メディア117のフォーマットは前記のようにDVDディスクなどのメディアで一意に決まる。また、メディア117のフォーマットをユーザが選択できる場合は、制御部115は、ユーザからのパラメータの選択を受付けるようにしてもよい。
S502では、制御部115は、鍵生成部107に変換後の動画データを暗号化するための暗号鍵の生成処理を行わせる。この暗号鍵の生成は、メディア117に格納する際の暗号化方法に従う。なお、メディア117の種類により、暗号化の形式が定められていることが多い。例えば、メディア117がリライタブルなDVDディスクやフラッシュメモリの場合は、鍵格納部118にメディア固有の情報が格納されており、その情報から暗号鍵を生成するのが一般的である。
次に、制御部115は、バックアップデータを作成するか否かを判定する(S503)。具体的には、制御部115は、移動対象の動画データを、該動画データの品質に比べて低品質の動画データに変換する場合にバックアップデータを作成する判定を行う。制御部115は、移動対象の動画データの品質に比べて低品質の動画データに変換するか否かをS502で取得したパラメータにより判定する。一方、制御部115は、移動対象の動画データを、該動画データの品質に比べて低品質の動画データに変換しない場合、バックアップデータを作成しない旨の判定を行う。
また、S503において、制御部115は、移動対象の動画データを、該動画データの品質に比べて低品質の動画データに変換する場合、バックアップを作成するか否かをユーザに問い合わせて、ユーザからの選択により判定するようにしてもよい。ユーザからの選択により行う場合、制御部115は、例えば、図6のような選択画面601を、モニタ111に表示して、バックアップを作成するか否かをユーザに入力装置部114を介して選択をさせる。また、デフォルトでモードを持っていて、そのモードに従ってバックアップデータを作成するか否かの決定を行ってもかまわない。制御部105は、バックアップを作成しないと判定した場合S520の処理に進む。一方、制御部115は、バックアップを作成すると判定した場合、鍵生成部107にローカル鍵の作成を要求し、S504の処理に進む。
S504では、鍵生成部107は、ローカル暗号化処理に用いるローカル暗号鍵を生成する。このローカル暗号鍵は、動画データのバックアップデータを暗号化するために用いる。なお、ローカル暗号鍵の方式については、特に限定しないが、以下の説明では、暗号化と復号化とに同じ鍵を使う共有鍵暗号方式を用いる場合を例にする。例えば、暗号処理部106は、DES(Data Encryption Standard)やTriple-DESにより暗号鍵を作成する。
続いて、制御部115は、動画データ格納部112に格納されている動画データの中から移動を指定されている動画データ特定し、特定した動画データをバス120を介して暗号処理部106へ送信する。暗号処理部106は、動画データ格納部112からの動画データを受信した場合、動画データ情報管理部113から受信した動画データに対応するローカル暗号鍵を取得し、その動画データの暗号を解除する。暗号処理部106は、暗号を解除した動画データをトランスコーディング部105に送信する(S505)。なお、暗号処理部106は、暗号を解除した動画データを保持し、後述するS507のバックアップ処理に利用する。
また、S505において、制御部115は、動画データ格納部112から暗号化処理部106へ移動対象の動画データを一度に送るのではなく、所定の処理単位で区切って送る。この処理単位の区切り方について、特に限定しない。例えば、動画データを、一定時間(例えば90秒)分毎に区切り送信するようにしてもよい。また、例えば、動画データを、一定のバイト数毎に区切り送信するようにしてもよい。S505から以下に示すS510までの処理は、所定の処理単位に区切った動画データ毎に行われる。そして、S505からS510までの処理は、移動対象の動画データの全ての処理が終了するまで繰り返される。このように、所定の処理単位に区切り動画データを処理するのは、「複製不可(No more copies)」の動画データが2つ以上再生可能な状態で存在することを防ぐためである。
次に、トランスコーディング部105は、暗号処理部106が送信した暗号が解除された所定の処理単位に区切った動画データを受信し、その動画データをトランスコーディングし(ステップ506)、トランスコーディングした動画データを暗号処理部106に送信する。ここで、トランスコーディング部105の動作について、図2を用いて詳細に説明する。
図2は、本実施形態のトランスコーディング部105の機能ブロック図である。図示するように、トランスコーディング部105は、インターフェース部201、AV分離部202、Video復号化部203、映像スケーリング部204、Video符号化部205、Audio復号化部206、音声スケーリング部207、Audio符号化部208、およびAV多重部209を有する。
インターフェース部201は、デジタル録画装置101内の各部とデータの入出力処理を行う。例えば、インターフェース部201は、暗号処理部106が送信した動画データを受信する。AV分離部202は、インターフェース部201が受信した動画データの入力を受付ける。AV分離部202は、受付けた動画データのシステム層をDEMUXして符号化した音声データと符号化した映像データとに分離する。AV分離部202は、分離した符号化されている映像データをVideo復号化部203へ送信し、分離した符号化されている音声データをAudio復号化部206に送信する。
Video復号化部203は、AV分離部202が送信した符号化されている映像データを受付けて、その符号化された映像データを復号化して、映像スケーリング部204に送信する。映像スケーリング部204は、Video復号化部203が送信した復号された映像データを受付けて、その復号された映像データのフレームサイズやフレームレートを変換(スケーリング)し、変換した映像データをVideo符号化部205に出力する。Video符号化部205は、スケーリング後の映像データを再符号化する処理を行い、再符号化した映像データをAV多重部209に出力する。
また、Audio復号化部206は、AV分離部202が送信した符号化された音声データを受付け、受付けた符号化された音声データを復号化し、音声スケーリング部207に送信する。音声スケーリング部207は、Audio復号化部206が送信した復号された音声データを受付ける。音声スケーリング部207は、受付けた復号された音声データのチャンネル数を変換したりサンプリング周波数を変換したりするスケーリング処理を行い、変換した音声データをAudio符号化部208に出力する。Audio符号化部208は、スケーリング後の音声データを再符号化して、再符号化した音声データをAV多重部209に出力する。
AV多重部209は、Video符号化部205が出力した再符号化された映像データ、および、Audio符号化部208が出力した再符号化した音声データの入力を受付ける。そして、AV多重部209は、受付けた再符号化された映像データおよび再符号化した音声データを1つの動画データにMUXする。AV多重部209は、1つの動画データをインターフェース部201に送信する。
ここで、トランスコーディング部105が行う処理を、オリジナルの動画データがHD品質のMPEG−2TSであり、メディア117に格納するフォーマットが携帯電話向けのフォーマットである場合を例に挙げて説明する。
この場合、AV分離部202では、MPEG−2TSのシステム層をDEMUXし、MPEG−2Videoフォーマットの映像データと、たとえばMPEG−2AACフォーマットの音声データとを出力する。そして、Video復号化部203ではMPEG−2Videoを復号化して、映像スケーリング部204ではHD品質(たとえば、1920×1080画素、30fps、インターレス)の映像データを携帯電話向けの品質(たとえば、176×144画素、15fps、プログレッシブ)の動画データに変換する。その後、Video符号化部205は、MPEG−4Visualで符号化する。また、Audio復号化部206では、MPEG−2AACの音声データを復号化し、音声スケーリング部207では復号化された音声データ(たとえば、サンプリング周波数48KHz、チャンネル数5.1ch等)を携帯電話向けの音声データ(たとえば、サンプリング周波数8KHz、チャンネル数1ch)に変換する。その後、Audio符号化部208は、携帯電話向けの音声データをAMRで符号化する。そして、AV多重化部209では、符号化した映像データと、符号化した音声データとをMPEG−4FileFormatでMUXし、1つの動画データに変換する。
また、例えば、変換前と変換後との映像データまたは音声データが同じである場合は、特に変換しなくてもよい。その場合は、AV分離部202で出力された映像または音声データを変換せず、直接AV多重部209に送ることができる。これにより、システム層のみを変換することも可能である。
トランスコーディング部105は、変換後の動画データを暗号処理部106へ送る。このトランスコーディング部105が行うS506の処理において、変換後の動画データの中に、動画データを識別するためにユニークな識別情報、たとえばIDを生成する。このIDは、変換した低品質の動画データと組で同時に扱うものとする。例えば、動画データのユーザ領域に最低1つのユニークのIDを格納するとか、また、例えば、低品質の動画データの一部から導き出せるとよい。また、このユニークなIDは、上述したS504で生成したローカル暗号鍵であってもよい。また、その他のタイトルや録画時間などの情報であってもよい。このIDを用いて、一意の動画データであることを識別できるようにする。
図5に戻り説明を続ける。S507では、制御部115は、暗号処理部106にトランスコーディングが終了した変換前の動画データのバックアップデータの作成を行わせる。具体的には、暗号処理部106は、S504生成されたローカル暗号鍵を鍵生成部107から取得する。暗号処理部106は、S505において、暗号を解除した所定の処理単位に区切った動画データを、取得したローカル暗号鍵を用いて再暗号化する。暗号処理部106は、再暗号化されたデータをバックアップ作成部121に送信する。
次に、バックアップ作成部121は、暗号処理部106が送信した再暗号化されたデータを受信する。バックアップ作成部121は、受信した再暗号化したデータをバックアップデータとして、動画データ格納部112の同じ動画データの処理単位で区切られ、対応するデータ部分に上書きをする(S508)。これにより、変換終了の際には変換前の動画データは、完全に削除され、新たに暗号化された動画データがバックアップデータとして残る。
次に、制御部115は、暗号処理部106に変換後の動画データを暗号化する処理を行わせる。具体的には、暗号処理部106は、トランスコーディング部105から変換した動画データを取得し、変換後の動画データをS502で生成した暗号鍵を用いて暗号化して(S509)、S510の処理に進む。
S510では、暗号処理部106は、メディア接続部116を介して、暗号化した動画データをメディア117のデータ格納部119へ送り、格納する(S510)。なお、暗号処理部196は、S509において暗号化に利用した暗号鍵をメディア117の鍵格納部118に格納する。
これらS505〜S510の処理は、移動対象となる動画データがすべて移動終了するまで繰り返される(ステップ511)。この変換処理が終了する際には、移動対象であった動画データは、別のローカル暗号鍵で暗号化された動画データのバックアップデータとなる。
その後、制御部115は、動画データ情報管理部113にバックアップデータと変換後の動画データとを関連付けるバックアップ対応テーブルを作成する処理を行わせる(S512)。ここで、図7にバックアップ対応テーブル705の例を示す。なお、図示する例では、図3に示した「録画情報ID=1」の動画データを移動した例を示している。
図示するように、バックアップ対応テーブル705は、S506において変換後の動画データに挿入したユニークな「ID」を登録するためのフィールド701と、動画データの「タイトル」を登録するためのフィールド702と、変換後の動画データに対応するバックアップデータのコンテンツフォーマットを登録するためのフィールド703と、S504で生成したローカル暗号鍵を登録するフィールドと、を備えて1つのレコードが構成される。
具体的には、動画データ情報管理部113は、フィールド701に登録する「ID」をトランスコーディング部105から取得する。動画データ情報管理部113は、フィールド702に登録する「タイトル」、およびフィールド703に登録する「コンテンツフォーマット」の情報は、動画データ管理情報テーブル307に登録されているものを利用する。また、バックアップ作成部121は、フィールド704に登録する「ローカル暗号鍵」を暗号処理部106から取得する。そして、動画データ情報管理部113は、取得した「ID」、「タイトル」、「コンテンツフォーマット」、および「ローカル暗号鍵」をバックアップ対応テーブル705の対応するフィールドに登録する。
なお、バックアップ対応テーブル705には、図7に示した情報以外の情報を登録するようにしてもよい。例えば、「タイトル」と共にバックアップデータを識別するための情報(録画日時等の情報)を登録するようにしてもよい。また、動画データ情報管理部113がバックアップデータを一意に特定する識別情報を生成し、フィールド701に登録する変換後の動画データを示す「ID」と対応付けて登録するようにしてもよい。
また、動画データ情報管理部113は、動画データ管理情報テーブル307に登録されているデータの中から、バックアップ対応テーブル705に登録した動画データを示す情報を特定し、その特定した情報を削除する。
最後に、制御部115は、データの移動が終了した場合、移動した動画データに関する情報、たとえばコピー制御情報や、タイトルなどの情報をメディア117のデータ格納部119に作成される動画データのテーブルに格納する(S513)。
続いて、S503において、バックアップを作成しないと判定した場合に進むS520の処理について説明する。なお、特に記述しない限り、S505からS511の処理と同じ名前のステップは同様の内容の処理を行うものとする。
S520では、S505と同様、動画データ格納部112の動画データの暗号を解除する処理が行われる。具体的には、暗号処理部106は、動画データ格納部112からの移動が指定された動画データを受付ける。暗号処理部106は、動画データ情報管理部113から対応するローカル暗号鍵を取得し、取得した暗号鍵を用いて受付けた動画データの暗号を解除する。暗号処理部106は、暗号を解除した動画データをトランスコーディング部105に送信する。なお、S520では、暗号処理部106は、S505の処理と異なり、暗号を解除した動画データは保持しない。バックアップデータを作成する必要がないからである。
続いて、トランスコーディング部105は、暗号を解除した動画データを受付けて、S506と同様のトランスコーディング処理を行い(S521)、S522の処理に進む。
S522では、トランスコーディング部105は、動画データ格納部112にアクセスして、格納されている対象の動画データの中から変換が終了した動画データの箇所を削除する(S522)。
続いて、暗号処理部106は、トランスコーディング部105により変換された変換後の動画データをS502で作成された暗号鍵を用いて暗号化し(S523)し、暗号化した動画データをメディア117のデータ格納部119へ送り、格納する(S524)。なお、暗号処理部106は、暗号化に利用した暗号鍵をメディア117の鍵格納部118に格納する。
これらのS520からS524の動作は、動画データすべて変換終了するまでに継続される(S525)。
なお、S521のトランスコーディングでは、ユニークなIDを動画データに挿入する必要はない。また、S522では、データを削除するために、例えば変換が終了した箇所を0で上書きを行い、全ての動画データの変換が終了した段階で、動画データを動画データ格納部113から削除すれば完全にデータを消し去ることができる。また、変換終了後には、動画データ管理情報テーブル307から変換終了後の動画データの情報を削除する。
上記の処理により、動画データ格納部113に格納された動画データを、メディア117のフォーマットに適応させてトランスコーディングし、移動させることができる。また、バックアップデータとして、再暗号化した動画データを動画データ格納部113に格納することができる。さらに、動画データ管理情報テーブル307には、移動した動画データの情報は消去されている。バックアップデータが、図4のようなユーザが再生できる動画データのリストの中に表示されることがない。そのため、ユーザは、バックアップデータを再生することができない。
また、動画データ格納部112に格納されているバックアップデータは、ユーザが任意のタイミングで消去することができるものとする。例えば、バックアップ作成部121は、入力部114を介して、ユーザからのバックアップデータの一覧表示の要求を受付けた場合に、バックアップデータの一覧画面をモニタ111に表示する。ここで、バックアップデータの一覧画面を図8に示す。
図8は、本発明の第1実施形態のデジタル録画装置101がモニタ111に表示するバックアップデータの一覧画面の一例を示した図である。
図示するように、バックアップデータの一覧画面801では、バックアップデータとして動画データ格納部112に格納されている動画データの「タイトル」と「品質」とをリスト表示する領域と、バックアップデータの削除あるいは再現の選択を受付ける領域と、が設けられている。ユーザは、バックアップデータの一覧画面801を見て、動画データ格納部112内に格納されているバックアップデータを確認することができる。また、ユーザは、デジタル録画装置101に対して、登録されているバックアップデータの削除或いは再現の指示を行うことができる。
そして、バックアップ作成部121は、ユーザが動画データを選んで削除の指示を入力部114から入力した場合、バックアップデータを動画データ格納部112から削除する(バックアップデータを再現する処理は、後述する)。
上述した動画データの移動が終了した後、メディア117をメディア接続部116から取り外し、他の装置に挿入することで、メディア117に格納された動画データを再生することが可能となる。この場合でも、メディア117内の動画データは、コピー制御によって守られており移動することはできるが、コピーすることはできない。
次に、デジタル録画装置101のバックアップデータを、通常の動画データに戻す処理の手順について図9を用いて説明する。この処理手順が行える条件として、メディア117の動画データのコピー制御情報が「複製不可(No more copies)」であり、かつメディア117の動画データ内に対応するバックアップデータと対応するユニークなIDが挿入されており、かつデジタル録画装置101内にメディア117の動画データに対応するバックアップデータが存在していなくてはならない。なお、以下で説明するバックアップデータを再現する処理は、デジタル録画装置101が、例えばモニタ111に図8のバックアップデータの一覧画面801を表示し、ユーザからのバックアップデータの再現指示を受付けた場合に開始される。
図9は、本発明の第1実施形態のデジタル録画装置が行うバックアップデータを通常の動画データに戻す処理のフローを説明するための図である。
先ず、制御部115は、バックアップデータの再現指示を受付けた場合、メディア接続部116に挿入されているメディア117に格納されている動画データの中から、コピー制御情報が「複製不可(No more copies)」である動画データを検索する(S901)。もし、該当する動画データがない場合は、バックアップの再現が失敗となり処理を終了し、該当する動画データが在る場合S903の処理に進む(S902)。
S903では、制御部115は、該当する動画データに挿入されているユニークなIDを取得する(S903)。なお、メディア117内の動画データは、暗号化されている。そのため、制御部115は、暗号処理部106を制御してユニークなIDを取得する。すなわち、暗号処理部106がまず鍵格納部118の情報から暗号解除用の暗号鍵を生成し、その暗号鍵を用いて動画データの暗号を解除し、ユニークなIDを取得し、そのユニークなIDを制御部115に出力する。もし、動画データ内の暗号がかかっていない箇所にユニークなIDが入っていた場合、暗号解除は必要ない。その場合、制御部115がメディアに格納された動画データからユニークなIDを取得する。また、対象となる動画データが複数あった場合は、その複数動画データから、ユニークなIDを取得する。
次に、制御部115は、バックアップ作成部105に取得したIDとバックアップ対応テーブル705との照合を行わせる。具体的には、制御部115は、取得したユニークなIDをバックアップ作成部に送信する。バックアップ作成部105は、ユニークなIDと、動画データ情報管理部113に格納されているバックアップ対応テーブル705内の動画データのユニークなIDとを比較する。バックアップ作成部105は、取得したユニークなIDと一致する動画データがあった場合にS905に進み、取得したユニークなIDと一致する動画データが無い場合には、バックアップの再現が失敗となり処理を終了する(S904)。
S905では、バックアップ作成部105は、メディア117に格納された動画データの中から上記の一致した動画データを削除する(S905)。バックアップ作成部105は、メディア117内に含まれる削除した動画データに関する情報も同様に削除する。
次に、制御部115は、鍵生成部107にローカル暗号用の暗号鍵を生成させる(S906)。この生成したローカル暗号鍵は、暗号を解除したバックアップデータを再暗号化する際に用いる。
次に、制御部115は、動画データ情報管理部113に格納されているバックアップ対応テーブル705からユニークなIDが一致したレコードを特定し、そのレコードのフィールド704からバックアップデータの暗号を解除するためのローカル暗号鍵を取得し、暗号処理部106へ送信する。また、制御部115は、動画データ格納部112に格納してあるバックアップデータの処理単位で区切られた動画データを暗号処理部106へ送る。そして、暗号処理部106は、このローカル暗号鍵を用いてバックアップデータの暗号を解除する(S907)。
次に、暗号処理部106は、その暗号を解除した動画データを、S906で作成した新たなローカル暗号鍵を用いて、再暗号化する(S908)。
次に、再暗号化した動画データを、動画データ格納部112内のバックアップデータの対応する処理単位で区切られた動画データの上に上書きする(S909)。
このS907からS909の処理を再現対象のバックアップデータのすべてのデータに対して処理が終了するまで継続する(S910)。処理が終了した段階では、バックアップデータは完全に消去され、代わりに再現した動画データが得られる。
最後に、バックアップ作成部105は、動画データ情報管理部113内の動画データ管理情報テーブル307にバックアップデータを再現した動画データを付け加え、バックアップ対応テーブル705内のバックアップされた動画データの欄を削除する。動画データ管理情報テーブル307のフィールド306には、ステップ906で生成されたローカル暗号鍵が入り、その他のフィールドに登録するデータは、バックアップ対応テーブル705から補完することができる。なお、フィールド305には、コピー制御情報として「複製不可(No more copies)」が登録される。また、フィールド301には、新たに割り当てた「録画情報ID」が登録される。
なお、本実施形態では、バックアップを作成する際、オリジナルの動画データに上書きすることでバックアップデータを作成したが、たとえば別途違う領域にバックアップデータを作成してもよい。その場合は、上書きする領域のデータは0で上書きするか、データを完全に消去しなくてはならない。また、動画データの移動終了後に、オリジナルの動画データは動画データ格納部112より完全に削除しなくてはならない。
また、上述した第1実施形態の説明では、バックアップデータを再暗号化することで作成することとしたが、特にこれに限定するものではない。例えば、オリジナルの動画データそのものをバックアップデータとして扱っても同様の機能を実現することができる。その場合、図9におけるS507およびS508の処理が不要となる。また、この場合、バックアップ対応テーブル705のフィールド704に登録されるローカル暗号鍵には、動画データ管理情報テーブル307のローカル暗号鍵306がコピーされる。
また、S510の変換後の動画データの移動では、直接メディアに移動するのではなく、たとえば動画データ格納部112に一時的に変換後の動画データを格納し、変換終了後にメディアに移動してもよい。その場合は、動画データ格納部112内に一時的に格納した変換後の動画データは確実に削除しなくてはならない。
このように、本発明の第1実施形態によれば、「複製不可(No more copies)」のコピー制御で録画された高品質の動画データを、メディアに格納する場合や別の装置で視聴する目的で低品質の動画データにトランスコーディングし、これによってオリジナル高品質動画データを再生できなくなった場合であっても、低品質の動画データを削除することでオリジナルの高品質動画データを再現することができる。これによって、動画データのポータビリティが上がるためユーザの使い勝手がよくなり、かつ同時に再生できる動画データを必ず1つにすることができる。
《第2実施形態》
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態のデジタル録画装置101に通信機能を付加し、ネットワークを介して、他のデジタル録画再生装置に動画データを送信するようにしたものである。
図10は、本発明の第2実施形態の動画データ移動システムの構成を示すブロック図である。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を用いることとする。また、第2実施形態の説明では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、図示するように、動画データ移動システムは、デジタル録画装置101と、デジタル録画再生装置1003とを有する。なお、デジタル録画装置101およびデジタル録画再生装置1003は、ネットワーク1002を介して接続されている。
デジタル録画装置101は、上述した第1実施形態のデジタル録画装置101の構成にネットワークIF部1001を付加し、メディア接続部116を除いた構成を採用している。なお、ここでは、第1実施形態と同じ構成の説明は省略する。
ネットワークインターフェース部1001は、ネットワーク1002に接続されていて、ネットワーク1002を介して他の装置(例えば、デジタル動画再生装置)との間で行われるデータの入出力を制御する。
デジタル動画再生装置1003は、ネットワーク1002に接続されていて、ネットワーク1002を介してデジタル録画装置101に格納されている動画データを取得し、その取得した動画データを再生する処理を行なう。
具体的には、デジタル動画再生装置1003は、ネットワーク1002と接続するネットワークインターフェース部1004と、動画データを格納する動画データ格納部1005と、動画データ格納部1005に格納した動画データのコピー制御情報やローカル暗号鍵を管理する管理テーブルを保持する動画データ情報管理部1006と、暗号鍵を生成する鍵生成部1007と、暗号化や暗号の解除をおこなう暗号処理部1008と、動画データを再生する再生部1009と、有する。また、デジタル動画再生装置1003には、再生した映像を表示するモニタ1010と、再生した音声を鳴らすスピーカ1011とが接続されている。
第2実施形態では、デジタル動画再生装置1003がネットワーク1002を介してデジタル録画装置101の動画データ格納部112に格納されている「複製不可(No more copies)」のコピー制御の属性の動画データを移動するように要求する。また、デジタル録画装置101は、デジタル動画再生装置1003からの要求を受付けた場合、或いは、ユーザからの入力部114を介して動画データ格納部112に格納されている動画データをデジタル動画再生装置1003の動画データ格納部1005へ移動するように指示を受付けた場合、ネットワークIF部1001を介して、指示を受付けた動画データをデジタル動画再生装置1003に送信する。
そして、上述のように動画データを、ネットワーク1002を介して送信する場合、動画データのビットレートが高いため、データ移動に時間がかかるという問題がある。特に、動画データが高品質(例えばHD品質)の場合、データの転送時間が非常に長くなる。例えば、HD品質の動画データは約20Mbps程度のビットレートになるのに対して、SD品質の動画データは約2〜8Mbps程度、携帯電話向けの動画データは約64〜384kbpsになる。
そのため、第2実施形態では、動画データを低品質のデータにトランスコーディングしてから移動することで動画データの送信時間を短縮するようにしている。以下、デジタル録画装置101に格納されている動画データをトランスコーディングし、ネットワーク1002を介してデジタル録画再生装置1003に送信する場合の処理を、上述した図5を用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した、第1実施形態の処理と異なる部分を中心に説明することとし、第1実施形態と同じ内容の処理の説明は、省略する。
先ず、S501では、制御部115は、動画データ格納部112内の移動対象の動画データに関してフォーマットのチェックを行い、トランスコーディングのためのパラメータを決定する。なお、変換する動画データのフォーマットは、デフォルトとして定められていてもよいし、ユーザからの指定を受付けるようにしてもよい。
続いて、S502の処理を説明する。S502で行われる暗号鍵の生成処理は、デジタル動画再生装置1003とデジタル録画装置101とがネットワーク1002を介して認証をおこない、鍵生成部107と鍵生成部1007との双方で暗号鍵を生成する。この暗号鍵は、ネットワーク1002上をセキュアにデータを通すための暗号として用いる。デジタル録画装置101では、S509でその暗号鍵を用いて低品質の動画データの暗号化処理を行う。
また、ステップ510では、暗号処理部106は、ネットワークIF部1001を介して、ネットワーク1002を経由で暗号化した低品質の動画データをデジタル動画再生装置1003に送信する。
また、S510において、デジタル動画再生装置1003の暗号処理部1008は、上記の低品質の動画データを受信し、S502において鍵生成部1007で生成した暗号鍵を用いて暗号を解除する。さらに、鍵生成部1007では、ローカル暗号鍵を別途生成し、その暗号鍵を用いて暗号解除した低品質の動画データを再暗号化する。再暗号化した動画データは、動画データ格納部1005に格納される。
第2実施形態では、S505〜S510の処理は、移動対象の動画データが全てデジタル動画再生装置1003に移動されるまで繰り返し行われる。
動画データ情報管理部1006は、図3と同様の構成の動画データ管理情報テーブル307を作成し、動画データ情報管理部1005に格納されている動画データを管理する。具体的には、動画データ情報管理部1006は、動画データの移動が終了した際、移動した動画データの「録画情報ID」、「録画時間」、および「コンテンツフォーマット」に関連付けて、鍵生成部1007が生成したローカル暗号鍵、および「複製不可(No more copies)」を示すコピー制御情報を動画データ管理情報テーブル307に登録する。
このようにすることで、トランスコーディングした低品質の動画データをデジタル録画装置101からデジタル動画再生装置1003へネットワーク1002を介して移動し、かつデジタル録画装置101にバックアップデータを作成することができる。また、デジタル動画再生装置1003では、デジタル録画装置101から送られた動画データを暗号処理部1008でローカル暗号の解除を行い、再生部1009で動画データを再生し、モニタ1010に映像を、スピーカ1011に音声をそれぞれ再生することができる。
続いて、デジタル録画装置101のバックアップデータを復元する場合の処理を上述した図9を用いて説明する。なお、以下の説明においても、第1実施形態と同じ内容の処理の説明は、省略する。
先ず、S901において、デジタル録画装置101の制御部115は、入力部114を介してバックアップデータの再現指示を受付けた場合、デジタル録画再生装置1003に対し、コピー制御情報が「複製不可(No more copies)」である動画データを動画データ格納部1005に格納しているか否かを問い合わせる。
デジタル録画再生装置1003の動画データ情報管理部1006は、ネットワークIF部1004を介し、上記の問い合わせを受付ける。動画データ情報管理部1006は、動画データ格納部1005に格納されている動画データの中から、コピー制御情報が「複製不可(No more copies)」である動画データを検索する。デジタル録画再生装置1003は、検索結果をデジタル録画装置101に送信する。
S902では、制御部115は、ネットワークIF部1001を介し、デジタル録画再生装置1003が送信した検索結果を受信する。制御部115は、受信した検索結果が「該当する動画データがない旨」を示すデータである場合、バックアップの再現が出来ないと判定して処理を終了する。一方、制御部115は、受信した検索結果が「該当する動画データがある旨」を示すデータである場合、S903の処理に進む。
S903では、制御部115は、該当する動画データに挿入されているユニークなIDをデジタル録画再生装置1003から取得する。具体的には、制御部115は、ネットワークIF部1001を介して、デジタル録画再生装置1003に該当する動画データに挿入されているユニークなIDの送信を要求する。そして、デジタル録画再生装置1003は、ユニークなIDの送信要求を受付け、要求された対応するIDをデジタル録画装置101に送信する。制御部115は、デジタル録画再生装置1003が送信したユニークなIDを受信する。
S904では、制御部115は、上述した第1実施形態と同様の処理を行う。
続いて、S905では、デジタル動画再生装置1003の動画データ格納部1005内の該当する動画データを削除する。具体的には、制御部115は、一致した動画データの削除の要求をデジタル録画再生装置1003に送信する。デジタル録画再生装置100は、一致した動画データの削除の要求を受付け、動画データ格納部1005内の該当する動画データを削除する。デジタル録画再生装置100は、該当する動画データを削除したことを示すデータを制御部115に送信する。
制御部115は、デジタル動画再生装置1003が送信した該当する動画データを削除したことを示すデータを受信し場合、上述したS906〜911と同様の処理を行う。その結果、デジタル録画装置101は、復元した動画データを得ることができる。
また、デジタル動画再生装置1003が、移動した低品質の動画データをデジタル録画装置101に返す場合もやはり図9の手順が行われる。この場合は、動画データが明確であるためステップ901とステップ902の処理は不要になる。
なお、本発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。上述した第1実施形態および第2実施形態では、デジタル放送を受信するチューナ機能を有するデジタル録画装置の場合の例を示したが、本発明は、これに限定されるものではない。上述した実施形態のデジタル録画装置101からチューナ103およびストリーム取得部104の構成を除く構成の情報処理装置としてもかまわない。このような場合であっても、動画データ格納部112にデジタル動画データを格納しておけば、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本発明を、トランスコーディング部105、暗号処理部106、鍵生成部107、動画データ情報管理部113、入力部114、および制御部115、およびメディア接続部116(又はネットワーク接続部1001)を有する情報処理装置に適用してもよい。この場合、情報処理装置を、動画データ格納部112を有する記憶装置に接続しておく。そして、情報処理装置に、動画データ格納部112に格納されたデータにアクセスできる機能を設けておく。
このように構成しても、動画データ格納部112に格納されている「複製不可(No more copies)」の動画データを、DVD等のメディアに移動(或いは、ネットワークを介して他の装置に移動)する際、低品質の動画データに変換した場合であっても、移動した低品質の動画データを削除することでオリジナルの品質の動画データを再現することができる。
101…デジタル録画装置、102…TVアンテナ、103…チューナ、104…ストリーム取得部、105…トランスコーディング部、106…暗号処理部、107…鍵生成部、108…生成部、109…表示部、110…スピーカ、111…モニタ、112…動画データ格納部、113…動画データ情報管理部、114…入力装置、115…制御部、116…メディア接続部、117…メディア、118…鍵格納部、119…データ格納部、120…バス、121…バックアップ作成部、201…インターフェース部、202…AV分離部、203…Video復号化部、204…映像スケーリング部、205…Video符号化部、206…Audio復号化部、207…音声スケーリング部、208…Audio符号化部、209…映像多重化部、1001…ネットワークインターフェース部、1002…ネットワーク、1003…デジタル動画再生装置、1004…ネットワークインターフェース部、1005…動画データ格納部、1006…動画データ情報管理部、1007…鍵生成部、1008…暗号処理部、1009…生成部、1010…モニタ、1011…スピーカ
1002・・・ネットワーク