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JP4343499B2 - 多色画像形成装置および多色画像形成方法 - Google Patents

多色画像形成装置および多色画像形成方法 Download PDF

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JP4343499B2
JP4343499B2 JP2002188439A JP2002188439A JP4343499B2 JP 4343499 B2 JP4343499 B2 JP 4343499B2 JP 2002188439 A JP2002188439 A JP 2002188439A JP 2002188439 A JP2002188439 A JP 2002188439A JP 4343499 B2 JP4343499 B2 JP 4343499B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー複写機やレーザビームプリンタの如き多色画像形成装置および多色画像形成方法に係り、特に、記録材の両面に単色画像または多色画像の形成が可能な多色画像形成装置および多色画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置として複写機、プリンタ、ファクシミリ等の各種装置が実用化されている。この種の画像形成装置においては、ドラム状もしくはベルト状の感光体の表面をコロナ帯電器等よって所定の帯電極性となるように一様に帯電させ、所定の極性に帯電させた感光体表面を画像信号に従って露光することにより静電潜像を形成し、この静電潜像に所定の極性に帯電させた現像剤を供給することにより現像して可視像化し、感光体の表面上に記録材としての記録用紙を供給し、可視像化された現像剤像をコロナ帯電器等によって記録用紙上に転写させ、記録用紙上に転写した現像剤像を、定着器を介して加熱定着することにより記録用紙上に画像を形成するように構成されている。
【0003】
近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の機器がオフィスにおいて盛んに使用されるようになるにつれて、記録用紙の使用量が増え続けている。そのため、省資源の観点から、記録用紙の両面に画像を形成できる両面画像形成装置が実用化されており、特に、複写機では両面コピーは必須の機能となっている。
【0004】
複写機によって記録用紙の両面に画像を形成する場合、まず、1ページ目の画像に基づくトナー像を感光体上に形成し、このトナー像に同期させて記録用紙を感光体に供給し、トナー像を記録用紙に転写した後、定着器を通過させて定着させる。そして、1ページ目の画像が形成された記録用紙を装置内で反転させ、感光体上に形成された2ページ目のトナー像と同期をとって感光体へ再供給し、2ページ目のトナー像を記録用紙に転写・定着させることにより、記録用紙の両面に画像を形成するようにしている。
【0005】
近年、OA分野でのカラー化が進むにつれて、記録材の両面にカラー画像を形成したいという需要が多くなってきた。そこで、例えば図10に示すようなカラー電子写真記録装置が提案されるようになり、今日では、広く一般に普及している。このカラー電子写真記録装置は、装置本体内に第1、第2、第3及び第4の画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが並設され、各々異なった色のトナー像が潜像、現像、転写のプロセスを経て形成される。
【0006】
画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdは、それぞれ専用の像担持体、本例では電子写真感光ドラム3a、3b、3c及び3dを具備し、各感光ドラム3a、3b、3c及び3d上に各色のトナー像が形成される。そして、各感光ドラム3a、3b、3c及び3dに臨接して記録材担持部材(搬送ベルト)130が配設され、感光ドラム3a、3b、3c及び3d上に形成された各色のトナー像が、搬送ベルト130上に担持されて搬送される記録材P上に転写される。更に、各色のトナー像が転写された記録材Pは、定着装置9で加熱及び加圧されることによってトナー像が定着された後、記録画像として装置外に排出される。
【0007】
感光ドラム3a、3b、3c及び3dの外周には、それぞれ露光ランプ111a、111b、111c及び111d、ドラム帯電器2a、2b、2c及び2d、電位センサー113a、113b、113c及び113d、現像器1a、1b、1c及び1d、ブラシ転写帯電器24a、24b、24c及び24d、及びクリーナ4a、4b、4c及び4dが配設され、装置の上方部には更に図示しない光源装置及びポリゴンミラー117が設置されている。
【0008】
このような構成により、光源装置から発せられたレーザ光を、回転駆動されるポリゴンミラー117に照射して走査し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏光し、fθレンズにより感光ドラム3a、3b、3c及び3dの母線上に集光して露光することにより、感光ドラム3a、3b、3c及び3d上に画像信号に応じた潜像が形成される。また、現像器1a、1b、1c及び1dには、現像剤としてそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナーが、図示しない供給装置により所定量充填されている。現像器1a、1b、1c及び1dは、それぞれ感光ドラム3a、3b、3c及び3d上の潜像を現像して、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像及びブラックトナー像として可視化する。
【0009】
記録材Pは、記録材カセット10に収容され、そこから複数の搬送ローラ及びレジストローラ12を経て搬送ベルト130上に供給され、搬送ベルト130による搬送で感光ドラム3a、3b、3c及び3dと対向した転写部に順次送られる。また、搬送ベルト130は、ポリエチレンテレフタレート樹脂シート(PETシート)や、ポリフッ化ビニリデン樹脂シート、ポリウレタン樹脂シートなどの誘電体樹脂のシートで形成され、その両端部を互に重ね合わせて接合し、エンドレス形状にしたものか、或いは継ぎ目を有しない(シームレス)ベルト状に形成したもの等が用いられる。
【0010】
この搬送ベルト130が回転し、所定の位置にあることが確認されると、レジストローラ12から記録材Pが搬送ベルト130に送り出され、記録材Pが第1画像形成部Paの転写部へ向けて搬送される。これと同時に画像書き出し信号がONとなり、それを基準としたあるタイミングで第1画像形成部Paの感光ドラム3aに対して画像形成を行なう。そして、感光ドラム3aの下側の転写部でブラシ転写帯電器24aが電界又は電荷を付与することにより、感光ドラム3a上に形成された第1色目のトナー像が記録材P上に転写される。この転写により記録材Pは搬送ベルト130上に静電吸着力でしっかりと保持され、第2画像形成部Pb以降に搬送される。
【0011】
以下、同様にして、第2画像形成部Pb〜第4画像形成部Pdでの画像形成、転写が行なわれる。次いで、4色のトナー像を転写された記録材Pは、搬送ベルト130の搬送方向下流部で分離帯電器32により除電され静電吸着力が減衰されることにより、搬送ベルト130の末端で離脱する。離脱した記録材Pは定着装置9へ搬送される。
【0012】
定着装置9は、定着ローラ51、加圧ローラ52と、その各々をクリーニングする耐熱性クリーニング部材54、55と、ローラ51、52内に設置されたローラ加熱ヒータ56、57と、定着ローラ51にジメチルシリコーンオイル等の離型剤オイルを塗布する塗布ローラ50と、そのオイルの溜め53と、加圧ローラ52表面の温度を検知して定着温度を制御するサーミスタ58と、を具備している。4色のトナー像を転写された記録材Pは定着により、トナー像の混色及び記録材Pへの固定(定着)が行なわれ、フルカラーのコピー画像に形成される。
【0013】
転写が終了した感光ドラム3a、3b、3c及び3dは、それぞれのクリーナ4a、4b、4c及び4dにより、転写残りのトナーをクリーニング、除去され、引き続き次の潜像の形成工程に備えられる。一方、搬送ベルト130表面上に付着したトナーは、搬送ベルト130の表面が除電帯電器33及びベルト裏面側の対極34により除電された後、搬送ベルト130の表面に当接したクリーニングウェブ(不織布)35及びベルト裏面側のバックアップ部材36により、拭い取られるようにしている。なお、他のクリーニング手段としては、ブレードもしくはファーブラシが単独又は併用して用いられる。
【0014】
記録材Pに両面画像形成を行なう場合には、1面目(A面)の転写が終了し、定着装置9を通過後、記録材Pを排紙トレイ63に搬送せず、反転パス61等に導入して記録材Pの上下(表裏)を反転し、反転した状態で記録材Pを一旦、中間トレイ65に貯留する。その後、記録材Pを繰り出して搬送ベルト130によって再送し、画像形成が終了している1面目のA面と反対側の2面目(B面)に対し、再度、画像形成を行なう。そして、定着装置9により記録材PのB面を定着した後、排紙トレイ63に排紙する。
【0015】
両面画像形成時の一般的な手法は以上のようにおこなわれる。なお、以下の説明中での統一を図るために、搬送ベルト130に新たに供給されるトナー像の転写がない記録材の上側の面をA面、反対側の裏面をBと規定する。上記の1面目のA面、2面目のB面はこの規定に対応している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来では、両面画像形成を行なう場合、記録材PのA面、次いでB面というように、片面ずつ画像を形成している。そのため、当然のことながら、両面画像形成時の出力時間が片面画像形成時の倍以上かかっていた。つまり、記録材の裏面に2ページ目の画像を形成する際に、1ページ目の画像が定着された記録材を装置内で循環させながら反転させる必要があるため、その反転のために多くの時間を必要とし、片面のみに画像を形成する時間の3倍から4倍の時間を要していた。
【0017】
例えば、モノクロ複写機の場合では、A4サイズの記録記録材に対する片面コピー時のコピー速度として60枚/分が到達されているのに対し、両面コピー時のコピー速度は15枚/分から20枚/分と大幅に低下していた。また、両面コピー時には、記録材を装置内で循環させながら反転させて再び給紙する必要があるため、記録材反転のための機構(反転ユニット)が必要となり、装置が複雑且つ大型化するという問題があり、反転経路内での用紙ジャムが発生しやすくなるという問題もあった。
【0018】
近年のOA化の進展やパーソナルコンピュータの急激な普及に伴って、カラー複写機、カラープリンタに代表されるカラー画像形成装置も広く普及し、また、日常的に使用されるようになり、上記のモノクロ複写機に対する印字速度の要求と同様な高速化の要求が、カラー複写機、プリンタに対しても課されるようになった。
【0019】
ところで、カラー画像記録装置には、単一ドラム型と多段ドラム型(タンデム型)の2つのタイプがある。単一ドラム型では、例えば、図11に示すように、記録材の1頁に対して、減法混色の三原色であるY(イエロー:黄色)トナー、M(マゼンタ:赤色染料)トナー及びC(シアン:緑味のある青色)トナーの各色トナーと、文字等の印字に適用されるBk(ブラック:黒)トナーの合計4種類のトナーを、帯電器2、露光装置3、および現像装置4a〜4dを用いて多重転写する。
【0020】
まず、半導電性ドラム5が矢印A方向に搬送された記録材を卷着して矢印B方向に回転する。一方、感光体ドラム1は矢印C方向に回転しながら、例えば、まず、現像装置4aを用いてMのトナー像を形成する。そして、記録材およびMのトナー像が、転写部に到達すると、コロナ放電器6の放電電流によって記録材にMのトナー像が転写される。
【0021】
次に、再び半導電性ドラム5は記録材を卷着したまま1回転し、また、これに応じて感光体ドラム1が現像装置4bを用いてCのトナー像を形成し、このCのトナー像をコロナ放電器6によって転写してMのトナー像に重ねる。同様に、Yのトナー像およびBkのトナー像も重ねて1つのトナー像を形成する。
【0022】
このようにして、4色のトナー像の転写(塗り重ね)が終了すると、記録材の巻き付けが解除され、記録材は、搬送ベルト7によって、定着装置8に搬送され、上記塗り重ねられた4色のトナー像を紙面に熱定着される。そのため、トナー毎に個別に印字(画像形成)処理を行うから、記録材1頁に対して印字工程が4回繰り返されることになり、従って、印字処理に長時間を要するので、上記の印字速度の高速化には対処しがたい。
【0023】
これに対して、タンデム型のカラー画像形成装置には、例えば、図12、図13に示すように、1工程で4種類のトナーを記録材に逐次多重転写するもの(逐次転写方式)と、図14に示すように、一旦中間転写体10に順次多重転写した後、これを記録材に1度に再転写するもの(一括転写方式)とがある。
【0024】
タンデム型のカラー画像形成装置で両面印字を行う場合、図13に示すように、記録材5に対して両面画像形成を施すべく、排出部13側で片面画像形成済みの記録材5を反転させながら搬送するための反転搬送部14を有する反転ユニットを備えている。
【0025】
なお、図12〜図14にて、1は画像形成ステーション、2は記録材搬送ベルト、3は定着装置、4は給紙トレイ、5は記録材、6は作像ユニット(Y,M,C,K)は感光体ドラム、7(Y,M,C,K)は転写ローラー、10は中間転写体、11は反転(中間)トレイ、12は搬送経路、13は排紙部、14は反転搬送部、15は一括転写部、16はクリーニング装置である。
【0026】
これら図12〜図14に示すいずれの転写方式も、図11に示す単一ドラム型と比較して、ほぼ4倍の処理速度を有しているため、印字速度の高速化の要求に対しては有利であり、近年、内部装置が小型化され且つ組装置化(ユニット化)されて比較的安価になったこととも相俟って、各種のタンデム型構成のカラー画像記録装置が実用化されている。
【0027】
しかしながら、このようなタンデム型のカラー画像形成装置では、図13に示すように、両面印字の裏面印字の際には、定着装置3を一旦通過した後、記録材5はスイッチバックされ、反転搬送部14を通って、反転(中間)トレイ11に収容される。そして、反転搬送経路12に再び給紙される。このように、記録材5を反転させる大きな反転ユニットが必要であり、そのために、部品点数の増加に伴う装置の大型化・複雑化が不可避であった。
【0028】
そこで、このような反転ユニットを使用せずに、両面画像形成を行うことのできる画像形成装置が、例えば、特開平8−160703号公報、特開平1−44457号公報及び特開平10−97144号公報等に提案されている。
【0029】
特開平8−160703号公報に記載の画像形成装置では、記録材を反転させるための反転ユニットを必要としない構成として、感光体上のトナー像を転写する第1中間転写体(中間転写ベルト)と、第1中間転写体上のトナー像を転写する第2中間転写体(中間転写ベルトと記録材搬送ベルトを兼ねる)と、それぞれの中間転写体のトナー像に対して作用し、記録材への転写を行う二次転写手段と、を設けた構成が開示されている。
【0030】
しかしながら、このように、中間転写体(中間転写ベルト)を、2段に設ける場合には、記録材の裏面へ転写される画像が、中間転写体を2度も通過してから最終的に記録材へ転写されることになるので、表面へ転写される画像と比較した場合に、転写性の低下による画像品位の低下が懸念され、表裏両面で形成される画像の優劣差が顕著に現れる難点がある。
【0031】
また、特開平1−44457号公報及び特開平10−97144号公報では、記録材を反転させるための反転ユニットを必要としない構成として、記録材の一面側に印字したい画像のトナー像を転写ベルト上に一旦転写し、さらに感光体ドラム上には記録材の他面側に印字したい画像のトナー像を形成し、転写ベルトと感光体ドラムとの間に記録材を搬送して、記録材両面で同時に転写する構成が開示されている。
【0032】
この場合、記録材両面の未定着のトナー像を未定着のままで定着装置に搬送して、記録材の表面と裏面のトナー像を同時に定着させることとなる。従って、転写後に定着装置に至るまでの搬送過程で、記録材の表裏両面に付着しているトナーが未定着状態のままであるため、きわめて不安定であり、僅かの外乱要素が介入することによって未定着トナーが変調をきたす虞がある。そのため、特に、各色の微妙な再現性が画像品位に大きく影響する多色画像形成の場合には、高画質画像を安定に形成するのは容易ではない。
【0033】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、記録材を反転させるための嵩高い中間トレイ等を設けることなく、記録材の表面または裏面、両面に高画質の多色画像を高速かつ安定して形成することができる多色画像形成装置および多色画像形成方法を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
【0035】
(1)感光体と現像装置を備えた画像形成ステーションが記録材搬送方向に沿って複数組配列され、記録材の片面または両面に単色または多色の画像形成を行なえるようにした多色画像形成装置において、
記録材の両面に画像形成をおこなう場合に、記録材の一方の面へ画像を形成する時と記録材の他方の面へ画像を形成する時とで、原稿画像の正像または鏡像となる画像信号を選択して出力する画像処理部と、
前記画像処理部から出力された画像信号を受け、記録材の両面に対して、それぞれ異なる転写方法を適用して画像を形成する画像形成部と、を具備し、かつ、
各画像形成ステーションにわたり記録材を搬送可能であり、かつ、各画像形成ステーションで形成されたトナー色像の中間転写が可能な記録材搬送ベルトと、
前記記録材搬送ベルト上に中間転写されたトナー色像を記録材に一括二次転写するための二次転写手段と、
記録材搬送路における定着装置の下流側から画像形成ステーションの上流側に記録材を帰還させるように構成され、かつ、経路中にレジストローラが設けられた帰還搬送路と、
を備え、
前記帰還搬送路が、前記記録材搬送ベルトの下部走行辺と、前記記録材搬送路における定着装置の下流側から前記記録材搬送ベルトの下部走行辺に接続されるように延びる反転路とによって構成され、かつ、
前記反転路の下流端部に、記録材の搬送タイミングを制御するための切換えゲートが設けられることを特徴とする。
【0036】
この構成においては、片面印字、あるいは両面印字における記録材表面への印字の場合はトナー色毎に逐次転写(多重転写)を適用し、両面印字における記録材裏面への印字の場合は一括転写(一括転写が複数回行なわれてもよい)を適用して多色画像を形成することにより、従来の記録材反転手段(中間トレイが設けられた反転搬送路)の配置を不要とした上で、多色画像を記録材の表面、裏面または両面に対して自在に形成することができる。これにより、反転に要する時間を短縮化できるため、印字速度の高速化が可能となり安定した画像形成が可能となる。また、ジャムの発生も少なくなり、かつ、部品点数の削減により、装置の小型化・単純化・コストの低減化を図ることもできる。
【0037】
(2)録材の一方の面への画像形成を行う場合には、各画像形成ステーションで形成されたトナー色像を、前記記録材搬送ベルトに一次転写し、該記録材搬送ベルト上のトナー色像を、前記二次転写手段により、記録材へ一括二次転写して多色画像を形成する一方、
記録材の他方の面への画像形成を行う場合には、前記記録材の一方の面に形成した前記トナー色像を定着させた後、各画像形成ステーションで形成されたトナー色像を前記記録材搬送ベルトによって搬送される前記記録材の他方の面へ逐次一次転写して多色画像を形成することを特徴とする。
【0038】
この構成においては、片面印字、あるいは両面印字における記録材表面への印字の場合は逐次的に一次転写(多重転写)、両面印字における記録材裏面への印字の場合は一括二次転写により多色画像を形成することにより、従来のような嵩高い記録材の反転ユニットを用いずに、記録材の表面、裏面または両面に高画質の多色画像を自在に形成することができる。これにより、反転に要する時間を短縮化でき、印字速度の高速化が可能となり、また、ジャムの発生も少なくなり、装置の小型化・単純化・コストの低減化を図ることができる。
【0039】
さらに、一括二次転写された記録材の裏面(一方の面)のトナー像を定着させた後に、逐次的な一次転写によって表面印字を行うため、記録材搬送時におけるトナー色像の保持・安定性を両面未定着のままで定着部まで搬送する場合よりも向上させることができ、画質の安定的な向上を図ることができる。
【0040】
(3)前記記録材の一方の面への一括二次転写を行うための二次転写手段を、前記記録材搬送ベルトに沿って並列に配列される全ての画像形成ステーションよりも上流側で、かつ、前記記録材搬送ベルトがなすベルトループの外側の位置に配設し、さらに、前記記録材搬送ベルトと、全ての画像形成ステーションと、を相対的に接離可能に配設したことを特徴とする。
【0041】
この構成においては、一括転写を行うための二次転写手段を全ての画像形成ステーションに対して記録材搬送方向の上流側に配置しているので、記録材搬送ベルトと画像形成ステーションとを相対的に離間させることによって、一旦転写された記録材裏面のトナー像が、記録材搬送ベルトと各画像形成ステーションの感光体との間に挟まれて撹乱されるのを防止することができる。
【0042】
(4)前記記録材の一方の面への一括二次転写を行うための二次転写手段を、前記記録材搬送ベルトに沿って並列に配置される全ての画像形成ステーションよりも下流側で、かつ、前記記録材搬送ベルトがなすベルトループの外側の位置に配設したことを特徴とする。
【0043】
この構成においては、一括転写を行うための二次転写手段を全ての画像形成ステーションに対して記録材搬送方向の下流側、すなわち定着装置の直前に配置して記録材の裏面にトナー像を転写することによって、一旦転写された記録材裏面のトナー像が、記録材搬送ベルトによる搬送中に撹乱されるのを防止することができる。
【0044】
(5) (1)に記載の多色画像形成装置に適用される多色画像形成方法であって、
記録材の一方の面への画像形成時と、記録材の他方の面への画像形成時とのいずれであるかに応じて、原稿画像の正像または鏡像となる画像を形成することを特徴とする。
【0045】
この方法においては、記録材片面または記録材表面への画像形成時と、記録材裏面への画像形成時とで、原稿画像に対して感光体への静電潜像書き込み方向を異ならせる(正像または鏡像とする)ことにより、従来のような嵩高い記録材の反転ユニットを用いずに、転写紙の表面、裏面または両面に高画質の多色画像を自在に形成することがでるため、反転に要する時間を短縮化でき、印字速度の高速化が可能となり安定した画像形成が可能となる。また、ジャムの発生も少なくなる。しかも、記録材搬送ベルト上のトナー像の極性を転換させる極性転換手段を設けることなく、記録材の両面に対して安定した転写性を得ることができる。
【0046】
(6)記録材の一方の面への画像形成を行う場合には、各画像形成ステーションの感光体へ原稿画像に対して鏡像となる静電潜像を形成して得たトナー色像を記録材搬送ベルトによって搬送される記録材へ逐次一次転写して多色画像を形成する一方、記録材の他方の面への画像形成を行う場合には、各画像形成ステーションの感光体へ原稿画像に対して正像となる静電潜像を形成して得たトナー色像を記録材搬送ベルト上へ一次転写した後に、記録材に対して一括二次転写して多色画像を形成することを特徴とする。
【0047】
この方法においては、記録材の一方の面への画像形成を行う場合には、逐次一次転写により多色画像を形成し、記録材の他方の面への画像形成を行う場合には、一括二次転写により多色画像を形成するので、記録材の反転ユニットを用いずに、転写紙の表面、裏面または両面に高画質の多色画像を自在に形成することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態に係る多色画像形成装置および多色画像形成方法について詳細に説明する。
【0049】
(1)多色画像形成装置の構成
片面印字および両面印字が可能なタンデム方式の多色画像形成装置は、例えば、図1,図2に示すように構成される。この多色画像形成装置は、カラー画像形成ステーション(画像形成ステーション)1、画像転写ユニット2、定着装置3、用紙カセット4、用紙排出部13、用紙送出部14等を備え、画像を形成するための転写用紙(記録材,シート状媒体)5は、用紙カセット4に収納されており、画像形成時には、用紙送出部14によって繰り出され、カラー画像形成ステーション1に搬入されてカラー画像が形成された後、用紙排出部13から装置外に排出される。
【0050】
なお、カラー画像形成ステーション1と画像転写ユニット2で、本発明でいう画像形成部を構成している。また、転写用紙5の両面に画像形成をおこなう場合に、転写用紙5の一方の面へ画像を形成する時と他方の面へ画像を形成する時とで、原稿画像の正像または鏡像となる画像信号を選択して出力する画像処理部(図示省略)が設けられている。
【0051】
各カラー画像形成ステーション1には、作像ユニット(トナー像形成手段)6Y、6M、6C、6Kが設けられ、その各作像ユニット6Y、6M、6C、6Kの下部には、画像転写ユニット2を構成する記録材搬送ベルト(静電吸着ベルト等の転写用紙搬送ベルト)2aが配設され、この記録材搬送ベルト2aは、柔軟性のある無端状の樹脂材からなり、中間転写体として機能し、かつ、転写用紙5を搬送する機能をも有する。記録材搬送ベルト2aの下流側には、転写用紙5に画像を定着させるための定着装置3が配設されている。
【0052】
作像ユニット6Y、6M、6C、6Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を現像するために、現像装置61(Y〜K)、帯電器62(Y〜K)、露光装置63(Y〜K)、および感光体ドラム64(Y〜K)をそれぞれ備えている。なお、上記露光装置63(Y〜K)には、前記画像処理部からの画像信号が入力される。
【0053】
さらに、転写用紙搬送ベルト2aに沿って、各作像ユニット6Y、6M、6C、6Kと対をなすように、転写手段(一次転写手段)としての転写ローラ7Y、7M、7C、7Kが配設されている。転写ローラ7Y、7M、7C、7Kは、作像ユニット6Y、6M、6C、6Kで形成されたトナー像を転写用紙5に吸着転写させる。なお、作像ユニット6Y、6M、6C、6Kは、異なる色の現像剤を使用している以外は略同一の構成を有し、作動される。
【0054】
作像ユニット6Y、6M、6C、6Kの下方には、転写用紙搬送ベルト2aが配設されており、この転写用紙搬送ベルト2aは、駆動ローラおよび従動ローラに巻回されて張設され、各作像ユニット6Y、6M、6C、6Kにおける感光体ドラム64(Y〜K)に対して転接された状態で無端走行される。また、転写用紙搬送ベルト2aのベルトループの内側には、各感光体ドラム64(Y〜K)に向けて転写用紙搬送ベルト2aを押付けるようにして、上述の転写ローラ7Y、7M、7C、7Kが配設されている。
【0055】
転写用紙搬送ベルト2aの上流側には、二次転写手段として機能するバイアス転写ローラ31が配設され、その直上流側には、レジストローラ24が配置されている。この転写用紙搬送ベルト2aは、カラー画像形成ステーション1で形成されたトナー色像の中間転写が可能(中間転写体として機能)であり、かつ、転写用紙5をベルト上に吸着し、定着装置3まで搬送する役割も果たす。定着装置3は、熱、圧力等によって、転写用紙5上のトナー像をその転写用紙5に対して定着させる。
【0056】
このように、タンデム方式の多色画像形成装置では、各作像ユニット6Y、6M、6C、6Kにおいて転写用紙5上に異なる色を順次重ね合わせて画像形成することにより、この転写用紙5上にカラー画像が形成される。また、複数の作像ユニット6Y、6M、6C、6Kにより画像形成を行うことで、画像形成処理の高速化を図っている。
【0057】
さらに、定着装置3と用紙排出部13の間には、切換ゲート21が設けられており、この切換ゲート21の位置から下部搬送路12に到達する反転路15(Uターン搬送路)が形成されている。この反転路15には、従来のような中間トレイのような嵩高い反転ユニットは設けておらず、これを定着装置3の下方をループするように配設することにより、装置のコンパクト化が可能となる。この反転路15の終端部には反転路レジストローラ22が設けられ、反転路レジストローラ22の近傍にはレジスト前センサー(図示省略)が設けられている。
【0058】
そして、このような切換ゲート21を設ける場合、図6,図7に示すように、反転路15を、転写用紙搬送ベルト2aの下部走行辺(下側のベルトループ)に接続するように構成すれば、図1,図2の場合における下部搬送路12を省略することができる。これにより、さらなる部品点数の削減が可能となり、より一層のコンパクト化を実現することができ、かつ、従来の反転に要する時間を短縮して、印字速度の高速化が可能となり、また、構成が簡素化されるため、ジャムの発生も少なくなる。なお、図6,図7に示す例では、転写用紙搬送ベルト2aの下部走行辺の直前にも、切替えゲート25が設けられ、反転路レジストローラ22とタイミングを併せて開閉動作が制御されるようになっている。
【0059】
上述のような構成において、一方の面にトナー像が転写され、定着された転写用紙5の他方の面にも画像を形成するべく、切換ゲート21が用紙排出部13に至る用紙搬送経路を閉鎖している場合には(図2,図7参照)、転写用紙5が反転路15に誘導され、反転路15内に設けた搬送ローラ23により、反転路レジストローラ22まで運ばれる。このときレジスト前センサーが転写用紙5の先端を検知して所定時間後、反転路レジストローラ22が回転を停止し、転写用紙5の先端が反転路レジストローラ22に規制された状態で待機する。なお、この待機状態については、転写用紙5の他方の面側の画像形成が即座に開始できる場合には、実質上待機させないで、反転路レジストローラ22を回転させるようにする。
【0060】
このように、反転路レジストローラ22によって転写用紙5の搬送が規制されたとき(待機状態)、転写用紙5の後端が定着装置3にかからないように、定着装置3から反転路レジストローラ22までを両面および合成可能な記録シートの最大サイズ以上の長さに設定する必要がある。転写用紙5の両面印字が可能な最大サイズをA4サイズ縦とすると、定着装置3から反転路レジストローラ22までの長さはそれ以上の長さが要求される。
【0061】
そして、両面印字(転写用紙5の他方の面側への印字)を行う場合には、定着装置3を通って反転路15で反転された転写用紙5を、転写用紙搬送ベルト2aの下側走行辺への静電吸着を促進するために、ベルトループの下流側に位置するプーリーに、マイナス極性のバイアスを印加する。転写用紙5が転写用紙搬送ベルト2の下側走行辺に沿って搬送され、ベルトループの上流側に位置するプーリーまで到達すると、なおも転写用紙5が上側走行辺に沿って搬送されながらの他方の面への逐次転写のために転写用紙5を転写用紙搬送ベルト2a上で安定に保持する必要があるため、ベルトループの上流側に位置するプーリーへマイナス極性のバイアスを印加する。このバイアスの印加は、後述するように、バイアス転写ローラ31によって行なわれる。
【0062】
転写用紙搬送ベルト2aの除電・帯電と転写用紙の搬送方向の関係を表すと、表1のようになる。
【0063】
【表1】
Figure 0004343499
【0064】
1−1)転写用紙搬送ベルト(中間転写体、記録材搬送ベルト)
転写用紙搬送ベルト2aは、電気抵抗が1×1010Ω・cm程度の半導電性の材料としてカーボンが分散されたポリカーボネイトで形成されており、感光体ドラム64(Y〜K)の下方で複写機本体内の左右両側に配設された駆動ローラおよび従動ローラに巻回されて張設されている。その他、ポリエチレンテレフタレート樹脂シート(PETシート)や、ポリフッ化ビニリデン樹脂シート、ポリウレタン樹脂シートなどの誘電体樹脂のシートが使用されることもある。
【0065】
これらの素材からなるシート両端部を互に重ね合わせて接合し、エンドレス形状にしたものか、或いは継ぎ目を有しない(シームレス)ベルト状としたものが、転写用紙搬送ベルト2aとして用いられ、このような転写用紙搬送ベルト2aは、例えば、図3、図4に示すように、その上流側を装置本体に対して回動自在に枢支させる、その下流側を、下方に傾動自在となるように構成することができる。
【0066】
このような構成により、転写用紙搬送ベルト2aに逐次一次転写をおこなった後、その転写用紙搬送ベルト2aの下流側を下方に傾動させることにより、転写用紙搬送ベルト2aの上流側に設けたバイアス転写ローラ31(図3の場合)または転写用紙搬送ベルト2aの下流側に設けたバイアス転写ローラ31(図4の場合)で、給紙トレイ4から送られた転写用紙5の裏面に一括二次転写をおこなった後、用紙排出部13への排紙が可能となる。なお、図6の場合についても同様に転写用紙搬送ベルト2aを下方に傾動させるように構成することができるが、その図示と説明は省略する。
【0067】
また、転写用紙搬送ベルト2aの周長は、本実施の形態の複写機にて使用可能な最大紙サイズであるA3より長く設定してある。また、転写用紙搬送ベルト2aには、その位置を検知するための図示しないホワイトマークが施されていて、図示しない光学式の位置検知センサによって転写用紙搬送ベルト2aの位置が常に検知できるようになっている。
【0068】
1−2)転写ローラ
各色の画像形成ステーション1では、感光体ドラム64(Y〜K)と転写用紙搬送ベルト2aとが接触する転写位置において、転写用紙搬送ベルト2aのベルトループ内側にはトナーの正規帯電極性と逆のプラスの転写バイアス電圧が印加された転写ローラ7(Y〜K)が設けられている。
【0069】
転写ローラ7(Y〜K)は、電気抵抗が1×106Ω・cm以下のカーボンが分散された発泡ウレタンゴムで形成され、転写用紙搬送ベルト2aの裏面側から感光体ドラム64(Y〜K)に向けて所定の圧力で押圧され、転写用紙搬送ベルト2aの図中矢印方向への走行に従動して回転されるようになっている。
【0070】
1−3)定着装置
転写用紙5上に転写されたトナー像を定着させるための定着装置3は、転写用紙搬送ベルト2aの下流側に設けられており、この定着装置3は、互いに転接された一対のローラを有し、転写用紙5を所定温度に加熱して転写用紙5に保持されたトナー像を溶融定着する。
【0071】
この定着装置3の下流側には、両面印字または裏面印字を実行する際に、転写用紙5を下方へUターンさせることによって転写用紙搬送ベルト2aへ誘導する切替えゲート21と、転写用紙5を機外に排出するための用紙排出部13と、が設けられている。
【0072】
切替えゲート21は、印字モードに応じて、定着装置3から用紙排出部13への経路と、定着装置3から下部搬送路12または転写用紙搬送ベルト2aの下部走行辺への反転路15とを切り替えるために設けられ、図1,図6の状態では、用紙排出部13への経路が開かれ、図2,図7の状態では、反転路15への経路が開かれている。なお、用紙排出部13は、一対の排紙ローラを具備し、複写機本体の外側に突出して設けられた排紙トレイ(図示省略)に転写用紙5を排出する。
【0073】
(2)画像データの入出力順序
次いで、各印字モードに対応した画像データの入出力順序について説明する。
【0074】
2−1)片面・上向排紙の場合(1)
原稿処理部へセットされた原稿束の1ページ目から順次原稿画像を読取り、画像を出力する際には、入力時とは逆順で原稿束の最終ページのデータから全てのデータについて転写用紙のA面へ逐次転写で順次出力する。
【0075】
(片面原稿の場合)
画像入力時(昇順):1→2→3→4→5
画像出力時(降順):5→4→3→2→1(逐次転写)
(両面原稿の場合)
画像入力時(昇順):1A→1B→2A→2B→3A→3B→4A→4B→5A→5B
画像出力時(降順):5B→5A→4B→4A→3B→3A→2B→2A→1B→1A
2−2)片面・上向排紙の場合(2)
原稿処理部へセットされた原稿束の最終ページから順次原稿画像を読取り、画像を出力する際には、入力時と同順で原稿束の最終ページのデータから全てのデータについて転写用紙のA面への逐次転写で順次出力してゆく。
【0076】
(片面原稿の場合)
画像入力時(降順):5→4→3→2→1
画像出力時(降順):5→4→3→2→1(逐次転写)
(両面原稿の場合)
画像入力時(降順):5B→5A→4B→4A→3B→3A→2B→2A→1B→1A
画像出力時(降順):5B→5A→4B→4A→3B→3A→2B→2A→1B→1A
2−3)片面・下向排紙の場合(1)
原稿処理部へセットされた原稿束の1ページ目から順次原稿画像を読取り、画像を出力する際には、入力時と同順で原稿束の1ページ目のデータから全てのデータについて転写用紙のB面への一括転写で順次出力する。
【0077】
(片面原稿の場合)
画像入力時(昇順):1→2→3→4→5
画像出力時(昇順):1→2→3→4→5(全てB面へ一括転写)
(両面原稿の場合)
画像入力時(昇順):1A→1B→2A→2B→3A→3B→4A→4B→5A→5B
画像出力時(昇順):1A→1B→2A→2B→3A→3B→4A→4B→5A→5B
2−4)片面・下向排紙の場合(2)
原稿処理部へセットされた原稿束の最終ページから順次原稿画像を読取り、画像を出力する際には、入力時とは逆順で原稿束の1ページ目のデータから全てのデータについて転写用紙のB面への一括転写で順次出力してゆく。
【0078】
(片面原稿の場合)
画像入力時(降順):5→4→3→2→1
画像出力時(昇順):1→2→3→4→5(全てB面へ一括転写)
(両面原稿の場合)
画像入力時(降順):5B→5A→4B→4A→3B→3A→2B→2A→1B→1A
画像出力時(昇順):1A→1B→2A→2B→3A→3B→4A→4B→5A→5B
2−5)両面・上向排紙の場合(1)
原稿処理部へセットされた原稿束の1ページ目から順次原稿画像を読取り、画像を出力する際には、原稿束の最終ページのデータから一括転写と逐次転写を繰り返し、降順で順次出力してゆく。原稿束の構成ページ数によって、最初に画像出力される転写用紙の面が異なってくる。
【0079】
(原稿が奇数ページの場合)
画像入力時(昇順):1→2→3→4→5
画像出力時(降順):5(A面へ逐次)→4(B面へ一括)→3→2→1
(原稿が偶数ページの場合)
画像入力時(昇順):1→2→3→4
画像出力時(降順):4(B面へ一括)→3(A面へ逐次)→2→1
2−6)両面・上向排紙の場合(2)
原稿処理部へセットされた原稿束の最終ページから順次原稿画像を読取り、画像を出力する際には、原稿束の最終ページのデータから一括転写と逐次転写とを繰り返し、降順で順次出力してゆく。原稿束の構成ページ数によって、最初に画像出力される転写用紙の面が異なってくる。
【0080】
(原稿が奇数ページの場合)
画像入力時(降順):5→4→3→2→1
画像出力時(降順):5(A面へ逐次)→4(B面へ一括)→3→2→1
(原稿が偶数ページの場合)
画像入力時(降順):4→3→2→1
画像出力時(降順):4(B面へ一括)→3(A面へ逐次)→2→1
2−7)両面・下向排紙の場合(1)
原稿処理部へセットされた原稿束の1ページ目から順次原稿画像を読取り、画像を出力する際には、原稿束の1ページ目のデータから一括転写の後に逐次転写を行うことを繰り返し、昇順で順次出力してゆく。画像出力は必ず転写用紙のB面への一括転写から開始される。
【0081】
(原稿入力順及び画像出力順)
画像入力時(昇順):1→2→3→4→5
画像出力時(昇順):1(B面へ一括)→2(A面へ逐次)→3→4→5
2−8)両面・下向排紙の場合(2)
原稿処理部へセットされた原稿束の最終ページから順次原稿画像を読取り、画像を出力する際には、原稿束の1ページ目のデータから一括転写の後に逐次転写を行なうことを繰り返し、昇順で順次出力してゆく。画像出力は必ず転写用紙のB面への一括転写から開始される。
【0082】
(原稿入力順及び画像出力順)
画像入力時(降順):5→4→3→2→1
画像出力時(昇順):1(B面へ一括)→2(A面へ逐次)→3→4→5
以上の画像データの入出力順序を一覧表にまとめると、表2のようになる。
【0083】
【表2】
Figure 0004343499
【0084】
(3)転写方法
3−1)片面印字で転写用紙A面を上向き排紙する場合(図1,図6参照)
画像形成ステーション1の各感光体ドラム64(Y〜K)上に、原稿画像に対して鏡像のトナー像を形成すると共に、タイミングをとってレジストローラ24から送られてきた転写用紙5が、各感光体ドラム64(Y〜K)と転写用紙搬送ベルト21aとの間の転写位置へ順に給紙されると、転写用紙5上へ所定の転写電圧が印加された転写ローラ7(Y〜K)によってトナー像が順次多重転写(逐次転写)されて、原稿画像に対して正像の4色フルカラートナー像を形成する。
【0085】
転写用紙5が定着装置3を通過すると、この正像のトナー像が最終的な画像として定着およびフルカラーの発色がなされる。この画像形成(転写用紙A面への印字)モードにおいては、転写用紙搬送ベルト2aは転写用紙5を定着装置3まで搬送する転写搬送手段として用いられる。
【0086】
3−2)片面印字で転写用紙B面を下向き排紙する場合(図1,図6参照)
画像形成ステーション1の各感光体ドラム64(Y〜K)上に、原稿画像に対して正像のトナー像を形成し、所定の転写電圧が印加された転写ローラ7(Y〜K)によって転写用紙搬送ベルト2a上へ順次一次転写(逐次転写)する。転写用紙搬送ベルト2a上のトナー像は原稿画像に対して鏡像のフルカラートナー像となっている。
【0087】
そして、この転写用紙搬送ベルト2a上の原稿画像に対して鏡像の4色フルカラートナー像を、転写用紙搬送ベルト2aの回動動作とタイミングをとって給送されてきた転写用紙5のB面へ、吸着帯電ローラ31をバイアス転写ローラとして用い、所定の電圧を印加することによって一括二次転写する。したがって、転写用紙のB面上には原稿画像に対して正像の4色フルカラートナー像が形成される。
【0088】
吸着帯電ローラ31をバイアス転写ローラとして使用しない場合には、何れかの画像形成ステーション1の転写ローラ7(Y〜K)によって一括二次転写を行なってもよい。転写用紙5が定着装置3を通過すると、この正像のトナー像が最終的な画像として定着およびフルカラーの発色がなされる。この画像形成(転写用紙B面への印字)モードにおいては、転写用紙搬送ベルト2aは中間転写体として用いられる。
【0089】
3−3)両面印字の場合(図1,図2および図6,図7参照)
転写用紙5の両面に画像形成する場合の転写動作については、上記3−1)および3−2)の動作を組合せて制御することによって、表裏両面に画像を形成することができる。すなわち、まず、転写用紙A面に逐次転写により画像形成をおこない定着装置3を通過させた後、転写用紙5を反転させて下部搬送路12または下部走行辺を経由させた後、バイアス転写ローラ31により、転写用紙B面に一括二次転写をおこなえばよい。
【0090】
(4)バイアス転写ローラ(図5(a)(b)参照)
バイアス転写ローラ31は、両面印字における裏面(第2面)への印字またはフェイスダウン排出の片面印字において、中間転写体としての転写用紙搬送ベルト2aに形成されたトナー像を転写用紙5に一括二次転写するためのローラ部材であるが、本来は、吸着帯電ローラとして設けられ、転写用紙5の転写搬送ベルトへ2aへの給紙時に、転写用紙5の上から転写搬送ベルト2aに作用して、その転写搬送ベルト2aをトナー像の転写と逆極性に帯電させ、転写用紙を転写搬送ベルト2a上に静電吸着させる機能を有する。
【0091】
ちなみに、吸着帯電ローラ31からプラス極性の電流が転写用紙5へ印加される結果、転写用紙5はプラス電荷に帯電するので、これに対して転写搬送ベルト2aにはマイナス極性の誘電電荷が発生し、転写用紙5が転写搬送ベルト2aへ静電的に吸着され、安定的に保持される。従って、転写搬送ベルト2aは、トナー像を転写する場合のプラス極性とは逆極性に帯電したことになる。なお、バイアス転写ローラ31は、特に、ローラ部材に限定することなく、ブラシ部材、シート部材、またはチャージャーなどを用いてもよい。
【0092】
4−1)画像形成ステーションの上流側に配置(図3参照)
バイアス転写ローラ31が、転写用紙搬送ベルト2aに沿ってK(ブラック)の画像形成ステーション1よりも上流側に配置されている場合、バイアス転写ローラ31と対向する領域に画像の先端部が移動してくるタイミングに合致するように、給紙トレイ4から転写用紙5が供給され、転写用紙5への二次転写が一括転写で行われる。なお、バイアス転写ローラ31を、転写搬送ベルト2aがなすベルトループの外側に配置すると、ベルトループ内のレイアウトの自由度が向上し、また、転写搬送ベルト2aのユニット化等に対処しやすくなる。
【0093】
4−2)画像形成ステーションの下流側に配置(図4参照)
また、裏面画像の一括二次転写を行うためのバイアス転写ローラ31は、転写用紙搬送ベルト2aに沿って最も下流側の作像ユニット6Yの下流側に配置してもよい。この場合にも、そのバイアス転写ローラ31を転写搬送ベルト2aがなすベルトループの外側に配置すると、ベルトループ内のレイアウトの自由度を向上させることができ、また、転写搬送ベルト2aのユニット化等に対処しやすくなる。
【0094】
4−3)一括二次転写における転写効率の向上
転写用紙5の裏面へ、転写搬送ベルト2a上で保持するトナー像の一括二次転写を行なう場合に、転写効率を高めるためには、一括転写に先立って、転写時とは逆の電界(マイナス極性)を印加し、転写用紙搬送ベルト2aを帯電させることが有効である。
【0095】
この帯電器としては、図8に示すように、転写搬送ベルト2aの搬送方向下流部で転写用紙5を転写搬送ベルト2aから分離するために、画像形成ステーション1の最も下流側の作像ユニット6Yの下流側に配置される分離帯電器32、或いは、図9に示すように、転写用紙5の分離後に転写搬送ベルト2aの除電を行うために、上述の分離帯電器32の転写搬送ベルト2aを挟んだ反対側に設けられる除電帯電器(ベルト除電器)33等を用いることができる。
【0096】
そして、二次転写が終わった転写用紙5は定着装置3で画像を定着され、フェイスダウン排紙の片面印字が指定されている場合には、装置外の用紙排出部13へと排出され、両面印字が指定されている場合には、転写用紙5の他面への画像形成(逐次転写)を行なうために下方へ向ってUターンし、転写用紙搬送ベルト2aへ誘導される。
【0097】
すなわち、転写用紙5の反転操作を伴わないため、先に一括二次転写によって多色画像を定着された転写用紙5の一方の面が転写用紙搬送ベルト2aがなすベルトループに沿って内側を向く状態で面し、次いで逐次転写を受ける転写用紙5の他方の面がベルトループに沿って外側を向く状態となる。
【0098】
以上のような、片面印字および両面印字における、書き込む潜像の向き、転写方法(手段・方式)、転写搬送ベルト2aと画像形成ステーション1との間の相対的な離間の有無について、以下の表3に示す。
【0099】
【表3】
Figure 0004343499
【0100】
なお、本発明は、多色画像形成装置を、図1等の実施形態に示した構成に限定するものではなく、少なくとも、感光体と現像装置を備えた画像形成ステーションが記録材搬送方向に沿って複数組配列され、記録材の片面または両面に単色または多色の画像形成を行なえるようにした多色画像形成装置であれば、その構成や形式の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0101】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0102】
(1)片面印字、あるいは両面印字における記録材表面への印字の場合はトナー色毎に逐次転写(多重転写)を適用し、両面印字における記録材裏面への印字の場合は一括転写(一括転写が複数回行なわれてもよい)を適用して多色画像を形成するので、従来のような嵩高い記録材反転手段(中間トレイを有する反転搬送路)の配置を不要とした上で、多色画像を記録材の表面、裏面または両面に対して自在に形成することができる。従って、反転に要する時間を短縮化することができるため、印字速度の高速化が可能となり、かつ安定した画像形成が可能となる。また、ジャムの発生も少なくなり、かつ、部品点数の削減により、装置の小型化・単純化・コストの低減化を図ることもできる。
【0103】
(2)片面印字、あるいは両面印字における記録材表面への印字の場合は逐次的に一次転写(多重転写)をおこない、両面印字における記録材裏面への印字の場合は、一括二次転写により多色画像を形成するので、従来のような嵩高い記録材の反転ユニットを用いずに、記録材の表面、裏面または両面に高画質の多色画像を自在に形成することができるため、反転に要する時間を短縮でき、印字速度の高速化が可能となり、また、ジャムの発生も少なくなり、かつ、部品点数の削減により、装置の小型化・単純化・コストの低減化を図ることができる。
【0104】
さらに、一括二次転写された記録材の裏面(一方の面)のトナー像を定着させた後に、逐次的な一次転写によって表面印字を行うため、記録材搬送時におけるトナー色像の保持・安定性を両面未定着のままで定着部まで搬送する場合よりも向上させることができ、画質の安定的な向上を図ることができる。
【0105】
(3)一括転写を行うための二次転写手段を全ての画像形成ステーションに対して記録材搬送方向の上流側に配置しているので、記録材搬送ベルトと画像形成ステーションとを相対的に離間させることによって、一旦転写された記録材裏面のトナー像が、記録材搬送ベルトと各画像形成ステーションの感光体との間に挟まれて撹乱されるのを防止することができる。
【0106】
(4)一括転写を行うための二次転写手段を全ての画像形成ステーションに対して記録材搬送方向の下流側、すなわち定着装置の直前に配置して記録材の裏面にトナー像を転写するので、一旦転写された記録材裏面のトナー像が、記録材搬送ベルトによる搬送中に撹乱されるのを防止することができる。
【0107】
(5)記録材片面または記録材表面への画像形成時と、記録材裏面への画像形成時とで、原稿画像に対して感光体への静電潜像書き込み方向を異ならせるので、従来のような嵩高い記録材の反転ユニットを用いずに、転写紙の表面、裏面または両面に高画質の多色画像を自在に形成することができるため、反転に要する時間を短縮化できるため、印字速度の高速化が可能となり、かつ安定した画像形成が可能となる。また、ジャムの発生も少なくなる。そして、記録材搬送ベルト上のトナー像の極性を転換させる極性転換手段を設けることなく、記録材の両面に対して安定した転写性を得ることができる。
【0108】
(6)記録材の一方の面への画像形成を行う場合には、逐次転写により多色画像を形成し、記録材の他方の面への画像形成を行う場合には、一括二次転写により多色画像を形成するので、記録材の反転ユニットを用いずに、転写紙の表面、裏面または両面に高画質の多色画像を自在に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る多色画像形成装置の表面画像形成および逐次転写時の構成説明図である。
【図2】同裏面画像形成時の構成説明図である。
【図3】同裏面一括転写および排出時の構成説明図である。
【図4】同二次転写手段を最下流側に配設した場合の構成説明図である。
【図5】同二次転写手段の構成説明図である。
【図6】同表面画像形成および逐次転写の場合の別の構成説明図である。
【図7】同両面画像形成時の裏面画像形成時の構成説明図である。
【図8】同分離帯電器の配置位置示す構成説明図である。
【図9】同除電帯電器の配置位置を示す構成説明図である。
【図10】従来の多色画像形成装置の一例を示す構成図である。
【図11】同別の多色画像形成装置の構成説明図である。
【図12】同片面印字の説明図である。
【図13】同両面印字の説明図である。
【図14】同異なる多色画像形成装置の構成説明図である。
【符号の説明】
1−画像形成ステーション
2a−記録材搬送ベルト
5−記録材
31−二次転写手段
61(Y〜K)−現像装置
64(Y〜K)−感光体

Claims (6)

  1. 感光体と現像装置を備えた画像形成ステーションが記録材搬送方向に沿って複数組配列され、記録材の片面または両面に単色または多色の画像形成を行なえるようにした多色画像形成装置において、
    記録材の両面に画像形成をおこなう場合に、記録材の一方の面へ画像を形成する時と記録材の他方の面へ画像を形成する時とで、原稿画像の正像または鏡像となる画像信号を選択して出力する画像処理部と、
    前記画像処理部から出力された画像信号を受け、記録材の両面に対して、それぞれ異なる転写方法を適用して画像を形成する画像形成部と、を具備し、かつ、
    各画像形成ステーションにわたり記録材を搬送可能であり、かつ、各画像形成ステーションで形成されたトナー色像の中間転写が可能な記録材搬送ベルトと、
    前記記録材搬送ベルト上に中間転写されたトナー色像を記録材に一括二次転写するための二次転写手段と、
    記録材搬送路における定着装置の下流側から画像形成ステーションの上流側に記録材を帰還させるように構成され、かつ、経路中にレジストローラが設けられた帰還搬送路と、
    を備え、
    前記帰還搬送路が、前記記録材搬送ベルトの下部走行辺と、前記記録材搬送路における定着装置の下流側から前記記録材搬送ベルトの下部走行辺に接続されるように延びる反転路とによって構成され、かつ、
    前記反転路の下流端部に、記録材の搬送タイミングを制御するための切換えゲートが設けられることを特徴とする多色画像形成装置。
  2. 記録材の一方の面への画像形成を行う場合には、各画像形成ステーションで形成されたトナー色像を、前記記録材搬送ベルトに一次転写し、該記録材搬送ベルト上のトナー色像を、前記二次転写手段により、記録材へ一括二次転写して多色画像を形成する一方、
    記録材の他方の面への画像形成を行う場合には、前記記録材の一方の面に形成した前記トナー色像を定着させた後、各画像形成ステーションで形成されたトナー色像を前記記録材搬送ベルトによって搬送される前記記録材の他方の面へ逐次一次転写して多色画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成装置。
  3. 前記記録材の一方の面への一括二次転写を行うための二次転写手段を、前記記録材搬送ベルトに沿って並列に配列される全ての画像形成ステーションよりも上流側で、かつ、前記記録材搬送ベルトがなすベルトループの外側の位置に配設し、さらに、
    前記記録材搬送ベルトと、全ての画像形成ステーションと、を相対的に接離可能に配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の多色画像形成装置。
  4. 前記記録材の一方の面への一括二次転写を行うための二次転写手段を、前記記録材搬送ベルトに沿って並列に配置される全ての画像形成ステーションよりも下流側で、かつ、前記記録材搬送ベルトがなすベルトループの外側の位置に配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の多色画像形成装置。
  5. 請求項1に記載の多色画像形成装置に適用される多色画像形成方法であって、
    記録材の一方の面への画像形成時と、記録材の他方の面への画像形成時とのいずれであるかに応じて、原稿画像の正像または鏡像となる画像を形成することを特徴とする多色画像形成方法。
  6. 記録材の一方の面への画像形成を行う場合には、各画像形成ステーションの感光体へ原稿画像に対して鏡像となる静電潜像を形成して得たトナー色像を記録材搬送ベルトによって搬送される記録材へ逐次一次転写して多色画像を形成する一方、
    記録材の他方の面への画像形成を行う場合には、各画像形成ステーションの感光体へ原稿画像に対して正像となる静電潜像を形成して得たトナー色像を記録材搬送ベルト上へ一次転写した後に、記録材に対して一括二次転写して多色画像を形成することを特徴とする請求項5に記載の多色画像形成方法。
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