JP3760250B2 - 硫酸抱合型胆汁酸の定量法及びそのキット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫酸抱合型胆汁酸の定量法および硫酸抱合型胆汁酸定量キットに関するものであり、特に、このキットは、肝胆道系疾患診断に有用である。
【0002】
【従来の技術】
肝胆道系疾患によって、血液中の胆汁酸が著しく増加することは、よく知られており、血液中の胆汁酸の定量は、臨床検査において肝機能を調べる上で重要な項目となっている。尿中にあっても胆汁酸は血液中と類似した動態を示すことが明らかにされているが、尿中では胆汁酸の多くが水溶性の高い硫酸抱合型(胆汁酸の3位の水酸基の硫酸エステル型)として存在するようになるため、その測定が容易でなかった。
【0003】
本発明者等は、先にこの硫酸抱合型胆汁酸の3α位の硫酸エステルを効率良く加水分解する酵素:胆汁酸硫酸スルファターゼ(BSS)を開発し、この酵素を主剤として生体試料中の硫酸抱合型胆汁酸を酵素法により簡便に測定する方法を確立した(特開平2−145183)。
【0004】
続いて、この方法による尿中硫酸抱合型胆汁酸の測定が肝胆道系疾患の検査法として、GOT、GPT、γ−GTP、TBA等の血液化学検査と同等の診断効率を示し、この方法が尿による非侵襲的肝機能検査法として有用であることが明らかにされた(肝胆膵、第31巻(1995年)、第2号、315−326頁 )。
【0005】
この方法(従来法)の測定原理は、硫酸抱合型胆汁酸を、まずBSSによって3β−ヒドロキシ胆汁酸に変換させ、この胆汁酸へβ−ヒドロキシステロイド脱水素酵素(β−HSD)を該脱水素酵素の補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の存在下に反応させることにより、3−オキソ胆汁酸と共に生じるNADHを、NADHの高感度発色試薬として汎用されている還元系発色試薬、ニトロテトラゾリウムブルー(NTB)で比色定量する方法に基づいている。しかし、臨床検査法として、多数の検体を人手をかけずに、迅速に測定するという点では、以下の点で未だ充分ではなかった。
【0006】
即ち、尿を検体とするこの方法では、血清に比べて個体差が大きく、尿検体の内因性の発色物質によるブランク値の継続的な増加があって、その程度が尿検体によって変動するため、測定値からそのブランク値を消去するためにBSSを省いたブランク試薬による測定も行なわなければならず、1検体の測定に、2種類の測定を並行して行う必要があり、操作が煩雑である。また、還元系発色試薬のニトロテトラゾリウムブルー(NTB)およびそのホルマザンは、水に溶解しにくく、比色定量に用いるセルを1度使用すると試薬に汚染され、再利用するには、非常に綿密な洗浄が必要となり、自動分析装置への適用が困難になっている。従って、現状では測定は用手法とならざるを得ず、そのため、処理検体数、時間等で制約を受けている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は人手をかけず、より簡便に測定できるようにすべく、汎用されている自動分析装置に適した硫酸抱合型胆汁酸の定量法及びキットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
自動分析装置用分析試薬の条件として、(1)1つの測定反応系で検体ブランクの消去を可能とする、(2)全反応を短時間で完了する、(3)装置の汚染の心配がなく、高感度の測定を可能とする、を挙げて鋭意検討を重ねた。
【0009】
本発明者らは、研究段階において、NTB(以下、比較試薬aとする。)
【0010】
【化1】
【0011】
に代えて試薬として種々の水溶性の還元系発色試薬の使用、例えば、2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウムモノナトリウム塩(以下、比較試薬bとする。)
【0012】
【化2】
【0013】
や2−ベンゾチアゾリル−3−(4−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−5−[4−(2−スルホエチルカルバモイル)フェニル]−2H−テトラゾリウム塩(以下、比較試薬cとする。)
【0014】
【化3】
【0015】
等の試薬を試みた。しかし、これら試薬を使用しても、尿中の発色物質の影響を強く受け、ブランク値が安定せず、自動化には適しておらず、本目的を達成するものではなかった。
【0016】
しかしながら、更なる研究において、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(以下、本還元系発色試薬という。)
【0017】
【化4】
【0018】
(但し、M+は、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを示す。)
を使用することにより、初めて上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0019】
即ち、本発明者等は還元系発色試薬であるテトラゾリウム塩の中で、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩が尿又は血液中の発色物質の影響を受ける程度が極く軽微で、許容範囲内に納まることを見い出した。即ち、本発明では、この試薬を用いることにより、同一セルで第1反応として、第1試薬に含まれる発色試薬を作用させることによって検体中の内因性発色物質によるブランク発色反応を行なわせ、ブランク値として測定後、第2試薬に含まれるBSSを作用させ、検体中の硫酸抱合型胆汁酸の脱硫酸生成物による発色反応を測定、両反応の差から硫酸抱合型胆汁酸を測定することが可能となった。
【0020】
また、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩およびそのホルマザンは、水溶性であることから、セルの洗浄が容易で、装置の汚染の心配が無く、且つ、そのホルマザンの分子吸光係数が ε= 3.7×104 (λ= 438nm) と高いことから、高感度測定が可能であった。
【0021】
即ち、本発明は、硫酸抱合型胆汁酸を胆汁酸硫酸スルファターゼ(BSS)及び還元系発色試薬を用いて定量する方法において、該還元系発色試薬が2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩である硫酸抱合型胆汁酸の定量法及び定量キットを提供する。
【0022】
詳しくは、(1)検体にBSSを作用させ、(2)次いで、得られた3β−ヒドロキシ胆汁酸にニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の存在下、β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素(β−HSD)を作用させ、(3)3−オキソ胆汁酸と共に生じるNADHに、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を作用させることによって生成するホルマザン類を定量することを特徴とする定量法を提供するものである。
【0023】
キットとして、本発明は、β−HSD、NAD、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を含む第1試薬、及びBSSを含む第2試薬を含む硫酸抱合型胆汁酸定量キットを提供する。
【0024】
更に、β−HSDの反応生成物である3−オキソ胆汁酸に作用する脱水素酵素、3−オキソ−5β−ステロイド−Δ4−脱水素酵素(Δ4−DH)を共役させることにより、脱水素反応の結果生じるH+ の受容体として2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩が反応し、更に1分子のホルマザンが生成することから、吸光度値が約2倍になり、この酵素を共役させることにより測定感度は、従来の約2倍にアップすることも見出した。
【0025】
即ち、本発明は、上記定量法の(3)の工程において、(i)3−オキソ胆汁酸と共に生じるNADHに、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を作用させることによって生成するホルマザン類及び(ii)3−オキソ胆汁酸にΔ4−DH及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を作用させることによって生成するホルマザン類の合計量を定量することを特徴とする定量法、及び、上記キットの第1試薬が、β−HSD、NAD、電子キャリアー、Δ4−DH及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を含むキットも提供する。
【0026】
この感度の上昇により、検体量が少なくてすむようになり、検体中の夾雑物の影響も減り、より精密な値が得られるようになった。
【0027】
これら上記定量法は、尿又は血液中の硫酸抱合型胆汁酸を定量することが可能である。
【0028】
上記定量法及びキットに使用される電子キャリアーとは、電子供与体から電子受容体へ電子を移動させる反応を触媒する物質である。
【0029】
【発明の実施の形態】
本還元系発色試薬である2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩は、公知物質である。例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。例えば、モノナトリウム塩として、株式会社同仁化学研究所から、WST−1の名称で販売されているものが使用できる。
【0030】
本発明に使用する各種酵素、BSS、β−HSD及びΔ4−DHは、公知物質であり、いずれの生物由来のものでも用いられ、例えば、いずれも Pseudomonas testosteroni 由来のものが好適に用いられる。また、遺伝子工学的に製造されたものを使用することもできる。
【0031】
BSSは、例えば、Y. Tazuke, K. Matsuda, K. Adachi, & Y. Tsukada; Biosci.Biotech. Biochem., 58, 889-894 (1994) の文献の記載に従って精製し得ることができる。
【0032】
β−HSDは、例えば、Richard M, Schultz, Ernest V. Groman and Lewis L. Engel ; J. Biol. Chem 252, 3775-3783 (1977)の文献の記載に従って精製し得ることができる。あるいは、市販されている例えばSigma Chemical Co. から購入したものを使用することも可能である。
【0033】
Δ4−DHは S. J. Davidson & P. Talalay; J. Biol. Chem.,241, 906-915 (1966) の文献の記載に従って精製し得ることができる。
【0034】
本発明に使用するNADも例えば、市販されているものを使用することができる。
【0035】
本発明に使用される電子キャリアーとしては、例えば、ジアホラーゼやNADHオキシダーゼなどの酵素、及びフェナジンメトサルフェート(PMS)、1−メトキシフェナジニウムメチルサルフェート(1−メトキシPMS)、9−ジメチルアミノベンゾ−α−フェナゾキソニウムクロライド(メルドラブルー)等の物質から選ばれ、1種又は2種以上使用することができる。好ましくは、ジアホラーゼ、1−メトキシフェナジニウムメチルサルフェート及び9−ジメチルアミノベンゾ−α−フェナゾキソニウムクロライドからなる群から選ばれる少なくとも1種である。これら、電子キャリアーは、市販されているものを使用することができ、例えば、ジアホラーゼはオリエンタル酵母工業株式会社、1−メトキシPMS、メルドラブルーは株式会社同仁化学研究所のものが使用できる。
【0036】
本発明の方法を以下に図1及び図2を用いて説明する。
【0037】
図1において、自動分析装置のセル内で、まず、検体、例えば尿又は血液に、NAD、β−HSD、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を含む第1試薬を作用させる反応を第1反応として、検体中の内因性発色物質を所定時間内で反応、発色させ、ブランク値(図1における測定値A)として測定する。所要時間としては、約5分程度である。
【0038】
続いて、第2反応として同一セル内へBSSを含む第2試薬を添加し、検体中に含まれる硫酸抱合型胆汁酸を3β−ヒドロキシ胆汁酸に変換し、該3β−ヒドロキシ胆汁酸を、所定時間内にセル内に存在しているβ−HSDで酸化し、同時に生成するNADHを発色させて吸光度を測定する(測定値B)。その所要時間は、約2分から5分程度である。得られた測定値Bからブランク値(測定値A)を差引いた値から、目的の検体、例えば尿又は血液中の硫酸抱合型胆汁酸値を算出する。
【0039】
また、図2に示すように、β−HSDの反応生成物である3−オキソ胆汁酸に作用する脱水素酵素、Δ4−DHを共役させることにより、脱水素反応の結果生じるH+ の受容体として2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩が反応し、更に1分子のホルマザンが生成することから、吸光度値が約2倍になり、この酵素を共役させることにより測定感度は従来法の約2倍にアップすることも可能となった。
【0040】
即ち、自動分析装置のセル内で、まず、検体、例えば尿又は血液に、NAD、β−HSD、Δ4−DH、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を含む第1試薬を作用させる反応を第1反応として、検体中の内因性発色物質を所定時間内で、反応、発色させ、ブランク値(図1における測定値A)として測定する。所要時間としては、約5分程度である。
【0041】
続いて、第2反応として同一セル内へBSSを含む第2試薬を添加し、検体中に含まれる硫酸抱合型胆汁酸を3β−ヒドロキシ胆汁酸に変換し、該3β−ヒドロキシ胆汁酸を、所定時間内にセル内に存在しているβ−HSDで酸化し、同時に生成するNADH及び3−オキソ胆汁酸を、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩、及び、Δ4−DH及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩で発色させて吸光度を測定する(測定値B)。その所要時間は、約2分から5分程度である。得られた測定値Bからブランク値(測定値A)を差引いた値から、目的の検体、例えば尿又は血液中の硫酸抱合型胆汁酸値を算出する。
【0042】
本発明の検体、例えば尿又は血液中の硫酸抱合型胆汁酸の測定原理は上記の通りであるが、本発明は、生成するNADH(及び3−オキソ胆汁酸)の比色測定法の発色試薬として、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を特定し、この試薬を使用した時、始めて目的とする1つの測定反応系で検体ブランクの消去が可能となることを見出した。
【0043】
検体量としては、適宜選択できる。
【0044】
特に、検体が尿の場合に、その効果が顕著であった。
【0045】
キットとしては、以下の通りである。第1試薬としては、基本的にはβ−HSD、NAD、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(本還元系発色試薬)を含んでいる。更に、感度を倍増させるために、第1試薬にΔ4−DHを含有させることもできる。第2試薬としては、BSSを含んでいる。
【0046】
また、上記成分に加えて、反応促進のため及び干渉物質の影響を除くため、第1試薬及び第2試薬に、界面活性剤やアスコルビン酸酸化酵素(ASOD)、及び緩衝剤を含有させることができる。
【0047】
また、上記各酵素の安定化のために、第1試薬及び第2試薬中に、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、サッカロース、トレハロースなどの糖類、血清アルブミン等を配合しても良い。また、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、アジ化ナトリウム、オキサミド酸を配合していても良い。
【0048】
第1試薬及び第2試薬は、粉末(凍結乾燥品)の状態で、使用時に緩衝液や水を加えることによって調製しても良いし、溶液の状態であっても良い。添加する水又は緩衝液を、キット中に、試薬として含んでいても良い。
【0049】
また、標準物質となる硫酸抱合型胆汁酸(好ましくはグリコリトコール酸−3−硫酸等)を含む試薬を、キット中の試薬としても良い。濃度としては、特に限定されないが、例えば、標準液中の濃度として10μM〜100μM程度になるような濃度がよい。この試薬は粉末(凍結乾燥品)の状態で、使用時に上記に記載の緩衝液や水を加えることによって調製しても良いし、溶液の状態であっても良い。添加する水又は緩衝液を、キット中に、試薬として含んでいても良い。
【0050】
その他、キット中に一般的に使用されている試薬を、本発明のキットに含んでいても良い。
【0051】
これら試薬中の各成分は、キット中有効量含まれ、当業者であればその各成分の有効量を設定することができる。具体例として、以下のように例示する。
【0052】
検体に、第1試薬及び第2試薬が加えられた最終的な反応液中での各成分の濃度としては、以下の範囲で使用できる:
β−HSD :100〜1,000 U/l
NAD :0.3〜5g/l
本還元系発色試薬:0.1〜 2g/l。
【0053】
Δ4−DH :100 〜 3,000 U/l。
【0054】
第1試薬に含まれる電子キャリアーの濃度としては、反応液中のNADHから電子を移動するのに十分な濃度であれば、特に限定されない。例えば、ジアホラーゼの場合、1,000〜20,000 U/l、1−メトキシPMS及びメルドラブルーの場合、0.01〜0.5mMの範囲で使用できる。他の電子キャリアーについては、これらの値を参考して濃度を設定することができる。
【0055】
第2試薬に含まれるBSSの濃度としては、上記反応液中100〜3,000U/l程度である。
【0056】
上記各成分の好ましい範囲としては、以下の通りである。
【0057】
β−HSD :200〜500 U/l
NAD :0.4〜1g/l
本還元系発色試薬 :0.2〜 0.5g/l
電子キャリアー
ジアホラーゼ :2,000〜10,000 U/l
1−メトキシPMS
又はメルドラブルー:0.03〜0.05mM。
【0058】
Δ4−DH :300 〜 1,000 U/l。
【0059】
BSS :200〜500U/l。
【0060】
また、緩衝剤としては、グッドの緩衝剤、具体的には、HEPES、MOPS、TAPS、HEPPSO、TES、TAPSO、POPSO、EPPS、PIPES等が使用できる。反応液中での濃度としては、pH 7 〜 8 の 50〜200 mM グッド緩衝液になるような量配合されているのがよく、これらは、緩衝剤として第1試薬及び/又は第2試薬に配合し、調製時に水を添加して、上記濃度になるように調製しても良いし、調製時に上記濃度の反応液になるように緩衝液を添加しても良い。この添加する水又は緩衝液も、キット中の試薬として、含まれていても良い。
【0061】
ASODは、反応液中で50〜500U/lの濃度で含有されていてもよく、好ましい濃度としては50 〜 200U/lである。
【0062】
含有してもよい界面活性剤としては、Tween系界面活性剤が挙げられ、具体的にはTween 20が反応液中に0.2〜1.5重量%含まれていてもよい。
【0063】
その他、配合しても良い上記各成分も、適当な濃度で配合することができる。
【0064】
本発明の方法は、具体的には以下の通りである。例えば、尿検体の場合、検体10〜20μlに対し、第1試薬を添加、混合して 37℃下所定時間(例えば約5分間)反応した時点の吸光度を読み取り、この値をブランク値とし、続いて第2試薬を添加、混合して更に所定時間(例えば2〜5分間)反応を継続した時点の吸光度を読み取って、この値からブランク値を差し引き、得られる吸光度の増加値を求めることにより行われる。尿検体中の硫酸抱合型胆汁酸値は、同様の操作から得た標準物質を含む標準液での吸光度増加値を標準値として比例計算により求めることができる。
【0065】
血液の場合も、上記の方法と同様に行うことができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、汎用されている臨床検査用自動分析装置を用いて硫酸抱合型胆汁酸の定量が1反応系でできるようになり、測定の操作性が大幅に改善され、人手を要さない自動分析装置での測定が可能となり、検体の測定処理性能の改善も可能となった。
【0067】
【実施例】
以下、実施例を用いて、より詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。本明細書において、特に記載がない限り、%は、重量%を示す。
【0068】
比較例1 還元系発色試薬としてニトロテトラゾリウムブルー(NTB)(比較試薬a)を使用した時の吸光度の経時的変化
還元系発色試薬としてNTBを使用して、下記組成の第1試薬及び第2試薬を用いて、自動分析装置COBAS MIRAにより10種類の尿を検体として測定を行い、吸光度の経時的変化を観測した。反応温度は37℃で、検体20μl、精製水30μl及び第1試薬 160μl添加し5分間反応後、同一セルに第2試薬40μl及び精製水10μl添加し、25秒ごとに550nmの吸光度を測定した。第1試薬及び第2試薬中の各成分濃度は以下の通りである。
【0069】
第1試薬(pH7.5)
ジアホラーゼ(オリエンタル酵母工業株式会社):5,000 U/l
β−HSD(J. Biol. Chem 252, 3775-3783 (1977)の記載に従って精製):500 U/l
β−NAD(オリエンタル酵母工業株式会社):1 g/l
NTB(ナカライテスク株式会社):0.5g/l
ASOD(オリエンタル酵母工業株式会社):200 U/l
Tween20(ナカライテスク株式会社):0.5 重量%
ソルビトール(ナカライテスク株式会社):20 重量%
HEPES(ナカライテスク株式会社):100 mM
第2試薬 (pH7.5)
BSS(Biosci.Biotech. Biochem., 58, 889-894 (1994) の記載に従って精製):2,000 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール:20 重量%
HEPES :100 mM
結果を図3に示した。第1反応のブランク値が直線的に増加し、所定時間の5分間で完結せず、第2反応に移行しても同様の傾向が継続した。また、尿検体によってブランク値の増加傾向に差があった。
【0070】
従って、還元系発色試薬としてNTBを用いた場合、前述のブランク反応を別のセルで並行して行なう方法を取らざるを得ない状況にあった。
【0071】
実施例1 各種テトラゾリウム塩を還元系発色試薬として使用したときの吸光度の経時的変化
以下の各種テトラゾリウム塩を還元系発色試薬として使用したときの吸光度の経時的変化を観測した。
【0072】
還元系発色試薬:
(比較試薬a)NTB(ナカライテスク株式会社)
(比較試薬d)3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H テトラゾリウムブロミド(Sigma chemical Co.)
【0073】
【化5】
【0074】
(比較試薬b)2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(株式会社同仁化学研究所、WST−3)
(比較試薬c)2−ベンゾチアゾリル−3−(4−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−5−[4−(2−スルホエチルカルバモイル)フェニル]−2H−テトラゾリウム塩(株式会社同仁化学研究所、WST−4)
(本還元系発色試薬)2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(株式会社同仁化学研究所、WST−1)
下記組成の第1試薬及び第2試薬を用いて、自動分析装置COBAS MIRAにより尿を検体として測定を行い、吸光度の経時的変化を観測した。反応温度は37℃で、検体20μl、精製水30μl及び第1試薬 160μl添加し5分間反応後、同一セルに第2試薬40μl及び精製水10μl添加し、25秒ごとに吸光度を測定した。比較試薬a、比較試薬c及び比較試薬dを用いた場合は550nmの吸光度、比較試薬b及び本還元系発色試薬を用いた場合は450nmの吸光度を測定した。第1試薬及び第2試薬中の各成分濃度は以下の通りである。
【0075】
第1試薬 (pH7.5)
ジアホラーゼ :5,000 U/l
β−HSD :500 U/l
β−NAD :1 g/l
各種還元系発色試薬 :0.5 g/l
ASOD :200 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
第2試薬 (pH7.5)
BSS :2,000 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
結果を図4に示した。比較試薬a、比較試薬b、比較試薬c及び比較試薬dではブランク値の継続的増加があるのに反して、本還元系発色試薬では反応が速やかに進行し、且つ、尿の内因性発色物質の影響を受けにくいため、ブランク値が許容範囲内で安定していた。
【0076】
実施例2 還元系発色試薬として2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(本還元系発色試薬)を使用したときの吸光度の経時的変化
還元系発色試薬として2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(株式会社同仁化学研究所、WST−1)を使用して、10種類の尿検体での吸光度の経時的変化を実施例1と同様の方法によって観測した。結果を図5に示した。
【0077】
何れの尿検体でもブランク値は5分以内にほぼ安定化し、反応は速やかに進行して、第2試薬添加後、2〜3分の測定で、ブランク値の変動の影響を殆ど受けることなく、硫酸抱合型胆汁酸の測定が可能であった。
【0078】
実施例3 従来の方法と本発明の方法との相関
還元系発色試薬としてNTB(比較試薬a)及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(本還元系発色試薬)を使用した本発明の方法での測定値と従来の方法の測定値との相関関係を、尿を検体として調べた。
【0079】
従来の方法として、「ユーバステック」(マルキン醤油株式会社製)を用いて測定した。具体的には以下の通りである。
【0080】
測定用及び検体盲検用の試験管を用意し、各試験管に尿を200μlを加えた。測定用試験管に以下に記載の第1’試薬酵素液を400μl、検体盲検用試験管に第1’試薬ブランク液を400μl加え混和し、37℃で10分間加温した。各試験管に第2’試薬発色液を500μl加え混和し、更に37℃で10分間加温した。その後各試験管に2Mクエン酸水溶液を100μl加え反応を停止し、それぞれを水を対照として波長540nmで、第1’試薬酵素液を加えた反応液の吸光度(A’)、第1’試薬ブランク液を加えた反応液の吸光度(B’)を測定し、(A’−B’)を求め、標準液(グリコリトコール酸−3−硫酸、50μmol/l)での測定値から各尿中の硫酸抱合型胆汁酸の濃度を定量した。
【0081】
第1’試薬酵素液
BSS :2.5U/ml
ASOD :2.5U/ml
Tris-HCl緩衝液:0.1M(pH7.5)
第1’試薬ブランク液
ASOD :2.5U/ml
Tris-HCl緩衝液:0.1M(pH7.5)
第2’試薬発色液
ジアホラーゼ :4.0 U/ml
β−HSD :0.7 U/ml
β−NAD :1.3 mg/ml
NTB :0.4 mg/ml
リン酸緩衝液 :0.2M(pH7.0)
本発明の方法については、以下の通りである。
【0082】
下記組成の第1試薬及び第2試薬を用いて、日立7070型自動分析装置により各種尿を検体として測定を行った。反応温度は37℃で、検体 20μl及び第1試薬 240μl添加し5分間反応後第2試薬50μl添加、第2試薬添加2分後の450nmの吸光度から第2試薬添加前の450nmの吸光度をブランクとして差し引き、その吸光度差を測定値とした。標準液(グリコリトコール酸−3−硫酸、50μmol/l、(Sigma chemical Co.))での測定値から各尿中の硫酸抱合型胆汁酸の濃度を定量した。
【0083】
第1試薬 (pH7.5)
ジアホラーゼ :5,000 U/l
β−HSD :500 U/l
β−NAD :1 g/l
比較試薬a又は本還元系発色試薬 :0.5 g/l
ASOD :200 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
第2試薬 (pH7.5)
BSS :2,000 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
結果を図6および図7に示した。NTBでは、ブランク値の増加が加算されるため、その分従来法に比べ高値(1.3 倍程度)になり、相関係数も悪くなる傾向にあった。
【0084】
他方、本還元系発色試薬では、従来法との相関係数は r=0.995 と極めて良好で、測定値もほぼ1対1の関係にあって、従来法と同等の正確度の測定法であることが示された。
実施例4 ジアホラーゼを含む第1試薬を用いての本発明の効果
下記組成の第1試薬及び第2試薬を用いて、日立7070型自動分析装置により各濃度(20〜200μmol/l)に調製したグリコリトコール酸−3−硫酸(GLCA-S)溶液及び、5段階に希釈した3種類の尿を検体として測定を行った。還元系発色試薬として、実施例1に記載の2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(本還元系発色試薬)を使用した。反応温度は37℃で、検体 20μl及び第1試薬 240μl添加し5分間反応後第2試薬50μl添加、第2試薬添加2分後の450nmの吸光度から第2試薬添加前の450nmの吸光度をブランクとして差し引き、その吸光度差を測定値とした。
【0085】
第1試薬 (pH7.5)
ジアホラーゼ :5,000 U/l
β−HSD :500 U/l
β−NAD :1 g/l
本還元系発色試薬 :0.5 g/l
ASOD :200 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
第2試薬 (pH7.5)
BSS :2,000 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
結果を図8及び図9に示す。図8に示す様に、GLCA-S濃度と測定値の間には、原点を通る良好な直線性が得られた。図9に示す様に、5段階に希釈した3種類の尿についても直線性が得られた。
【0086】
実施例5 ジアホラーゼ及びΔ4−DHを含む第1試薬を用いての本発明の効果下記組成の第1試薬及び第2試薬を用いて、日立7070型自動分析装置により各濃度(20〜200μmol/l)に調製したグリコリトコール酸−3−硫酸(GLCA-S)溶液及び、5段階に希釈した3種類の尿を検体として測定を行った。還元系発色試薬として、実施例1に記載の2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(本還元系発色試薬)を使用した。反応温度は37℃で、検体 20μl及び第1試薬 240μl添加し5分間反応後第2試薬50μl添加、第2試薬添加2分後の450nmの吸光度から第2試薬添加前の450nmの吸光度をブランクとして差し引き、その吸光度差を測定値とした。
【0087】
第1試薬 (pH7.5)
ジアホラーゼ :5,000 U/l
β−HSD :500 U/l
Δ4−DH :1,000 U/l(J. Biol. Chem.,241, 906-915 (1966) の記載に従って精製)
β−NAD :1 g/l
本還元系発色試薬 :0.5 g/l
ASOD :200 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
第2試薬 (pH7.5)
BSS :2,000 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
結果を図10及び図11に示す。図10に示す様に、GLCA-S濃度と測定値の間には、原点を通る良好な直線性が得られた。図11に示す様に、5段階に希釈した3種類の尿についても直線性が得られた。
【0088】
実施例6 1−メトキシPMSを含有する第1試薬を用いての本発明の効果
下記組成の第1試薬及び第2試薬を用いて、日立7070型自動分析装置により各濃度(20〜200μmol/l)に調製したグリコリトコール酸−3−硫酸(GLCA-S)溶液を検体として測定を行った。還元系発色試薬として、実施例1に記載の2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(本還元系発色試薬)を使用した。反応温度は37℃で、検体 20μl及び第1試薬 240μl添加し5分間反応後第2試薬50μl添加、第2試薬添加2分後の450nmの吸光度から第2試薬添加前の450nmの吸光度をブランクとして差し引き、その吸光度差を測定値とした。
【0089】
第1試薬 (pH7.5)
1−メトキシPMS:0.05 mM(株式会社同仁化学研究所)
β−HSD :500 U/l
β−NAD :1 g/l
本還元系発色試薬 :0.5 g/l
ASOD :200 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
第2試薬 (pH7.5)
BSS :2,000 U/l
Tween20 :0.5 重量%
ソルビトール :20 重量%
HEPES :100 mM
結果を図12に示す。図12に示す様に、GLCA-S濃度と測定値の間には、原点を通る良好な直線性が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法及び従来の方法を示す図である。
【図2】本発明の方法を示す図である。
【図3】自動分析装置を使用して、NTBを還元系発色試薬として各種尿検体(No.1〜10)を測定した時の吸光度の経時的変化(1ポイント: 25秒)を示す図である。
【図4】自動分析装置を使用する尿検体の測定において還元系発色試薬の種類による吸光度の経時的変化(1ポイント: 25秒)を示す図である。
【図5】自動分析装置を使用して、本還元系発色試薬を用いて、各種尿検体(No.1〜10)を測定した時の吸光度の経時的変化(1ポイント: 25秒)を示す図である。
【図6】自動分析装置を使用して、NTBを還元系発色試薬として測定した値と従来法(用手法)の測定値との相関性を示す図である。
【図7】本発明の方法(本還元系発色試薬を用いた自動分析)と従来法 (用手法)の測定値間の相関性を示す図である。
【図8】実施例4における、GLCA-S濃度に対する450nmにおける吸光度変化量の結果を示す図である。
【図9】実施例4における、尿濃度に対する450nmにおける吸光度変化量の結果を示す図である。
【図10】実施例5における、GLCA-S濃度に対する450nmにおける吸光度変化量の結果を示す図である。
【図11】実施例5における、尿濃度に対する450nmにおける吸光度変化量の結果を示す図である。
【図12】実施例6における、GLCA-S濃度に対する450nmにおける吸光度変化量の結果を示す図である。
Claims (7)
- 硫酸抱合型胆汁酸を胆汁酸硫酸スルファターゼ及び還元系発色試薬を用いて定量する方法において、還元系発色試薬が2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩である硫酸抱合型胆汁酸の定量法。
- 請求項1に記載の方法であって、
(1)検体に胆汁酸硫酸スルファターゼを作用させ、
(2)次いで、得られた3β−ヒドロキシ胆汁酸にニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの存在下、β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素を作用させ、
(3)3−オキソ胆汁酸と共に生じるNADHに、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を作用させることによって生成するホルマザン類を定量する
ことを特徴とする定量法。 - 請求項1に記載の方法であって、
(1)検体に胆汁酸硫酸スルファターゼを作用させ、
(2)次いで、得られた3β−ヒドロキシ胆汁酸にニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの存在下、β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素を作用させ、
(3)(i)3−オキソ胆汁酸と共に生じるNADHに、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を作用させることによって生成するホルマザン類及び
(ii)3−オキソ胆汁酸に、3−オキソ−5β−ステロイド−Δ4−脱水素酵素及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を作用させることによって生成するホルマザン類
の合計量を定量する
ことを特徴とする定量法。 - 電子キャリアーが、ジアホラーゼ、1−メトキシフェナジニウムメチルサルフェート及び9−ジメチルアミノベンゾ−α−フェナゾキソニウムクロライドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の定量法。
- 第1試薬及び第2試薬を含む硫酸抱合型胆汁酸定量キットであって、
(I)第1試薬が、β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、電子キャリアー及び2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩を含み、
(II)第2試薬が胆汁酸硫酸スルファターゼを含む
硫酸抱合型胆汁酸定量キット。 - 請求項5に記載のキットであって、第1試薬が、更に3−オキソ−5β−ステロイド−Δ4−脱水素酵素を含むことを特徴とするキット。
- 電子キャリアーが、ジアホラーゼ、1−メトキシフェナジニウムメチルサルフェート及び9−ジメチルアミノベンゾ−α−フェナゾキソニウムクロライドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5又は6に記載のキット。
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