JP2761768B2 - Nadhの定量法及びそれを用いた胆汁酸の定量法 - Google Patents
Nadhの定量法及びそれを用いた胆汁酸の定量法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はNADHの定量法及びそれを用いた胆汁酸の定量
法に関する。さらに詳細には、主として臨床検査の分野
で利用することを目的とするNADHの定量法及びこの反応
系を組合わせた胆汁酸の定量法に関する。
法に関する。さらに詳細には、主として臨床検査の分野
で利用することを目的とするNADHの定量法及びこの反応
系を組合わせた胆汁酸の定量法に関する。
[従来の技術] 従来、臨床検査の分野などでは、NAD+とNADH間の酸化
還元反応を伴う反応を利用し、該酸化還元反応に関与す
る被検物質(例えば、脱水素酵素やその基質等)を測定
する方法が汎用されている。このような例としては、乳
酸脱水素酵素や胆汁酸の定量が挙げられる。前者は、乳
酸とNAD+とを乳酸脱水素酵素の存在下に反応させてピル
ビン酸とNADHを生成させ、生成したNADHを定量すること
により乳酸脱水素酵素の活性を定量するものである。ま
た後者は、3α−ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナ
ーゼ(以下、3α−HSDという)の存在下にその基質で
ある胆汁酸とNAD+とを反応させ、生成するNADHを測定す
ることにより胆汁酸を定量するものである。
還元反応を伴う反応を利用し、該酸化還元反応に関与す
る被検物質(例えば、脱水素酵素やその基質等)を測定
する方法が汎用されている。このような例としては、乳
酸脱水素酵素や胆汁酸の定量が挙げられる。前者は、乳
酸とNAD+とを乳酸脱水素酵素の存在下に反応させてピル
ビン酸とNADHを生成させ、生成したNADHを定量すること
により乳酸脱水素酵素の活性を定量するものである。ま
た後者は、3α−ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナ
ーゼ(以下、3α−HSDという)の存在下にその基質で
ある胆汁酸とNAD+とを反応させ、生成するNADHを測定す
ることにより胆汁酸を定量するものである。
さらに、臨床検査等においては、前記の酸化還元反応
に、一又は二以上の別の反応を共役させた組合せ系を形
成させ、最終的にNADH量として、その別の反応に関与す
る酵素や基質を測定することも多く行われている。その
ような代表的な例を示すと、酵素の例としてはGOT、GPT
の定量を、基質の例としてはグルコース(血糖)の定量
を挙げることができる。
に、一又は二以上の別の反応を共役させた組合せ系を形
成させ、最終的にNADH量として、その別の反応に関与す
る酵素や基質を測定することも多く行われている。その
ような代表的な例を示すと、酵素の例としてはGOT、GPT
の定量を、基質の例としてはグルコース(血糖)の定量
を挙げることができる。
このように、臨床検査の分野では、NADHの生成量を定
量することにより、目的の酵素や基質の測定を行なうこ
とが広く用いられており、従来、NADHの定量には、次の
2つの方法がよく知られている。
量することにより、目的の酵素や基質の測定を行なうこ
とが広く用いられており、従来、NADHの定量には、次の
2つの方法がよく知られている。
波長340nmにおけるNADHの吸光度を測定する方法:こ
の方法は、NAD+は波長340nmには吸収がなく、還元型のN
ADHは吸収をもつため、波長340nmの吸光度の変化を測定
することにより、NADH量を定量するものである。
の方法は、NAD+は波長340nmには吸収がなく、還元型のN
ADHは吸収をもつため、波長340nmの吸光度の変化を測定
することにより、NADH量を定量するものである。
NADHとテトラゾリウム塩化合物を共役反応させ、生成
するホルマザンを測定する方法:この方法は、ジアホラ
ーゼの存在下にNADHでテトラゾリウム塩化合物を還元
し、生成した色素ホルマザンを比色定量するものであ
る。
するホルマザンを測定する方法:この方法は、ジアホラ
ーゼの存在下にNADHでテトラゾリウム塩化合物を還元
し、生成した色素ホルマザンを比色定量するものであ
る。
なお、この他にも螢光を測定する方法もあるが、螢光
光度計は臨床検査の分野ではあまり普及していないので
一般的ではない。
光度計は臨床検査の分野ではあまり普及していないので
一般的ではない。
また、本発明の定量法の一つの測定対象である胆汁酸
(3α−ヒドロキシ胆汁酸)は胆汁の生成分の一部で、
脂質の腸管からの吸収を促進させる作用を有する。胆汁
酸は、通常は閉鎖的な回路で循環し肝細胞で処理されて
いるため、血中濃度は極めて低いが、肝・胆道系の疾患
時には胆汁酸の取り込み、処理等に機能障害が生じて血
中濃度が上昇する。血中胆汁酸濃度は、肝・胆道疾患を
特異的且つ鋭敏に反映するので、肝・胆道疾患の診断に
有用である。
(3α−ヒドロキシ胆汁酸)は胆汁の生成分の一部で、
脂質の腸管からの吸収を促進させる作用を有する。胆汁
酸は、通常は閉鎖的な回路で循環し肝細胞で処理されて
いるため、血中濃度は極めて低いが、肝・胆道系の疾患
時には胆汁酸の取り込み、処理等に機能障害が生じて血
中濃度が上昇する。血中胆汁酸濃度は、肝・胆道疾患を
特異的且つ鋭敏に反映するので、肝・胆道疾患の診断に
有用である。
この胆汁酸の定量法としては、種々の方法が提案され
ているが、例えば、3α−HSDの存在下に胆汁酸とNAD+
とを反応させ、生成したNADHにジアホラーゼの存在下で
テトラゾリウム塩を作用させ、生成したホルマザン色素
を定量する方法(特公昭59−13197号公報)が知られて
いる。
ているが、例えば、3α−HSDの存在下に胆汁酸とNAD+
とを反応させ、生成したNADHにジアホラーゼの存在下で
テトラゾリウム塩を作用させ、生成したホルマザン色素
を定量する方法(特公昭59−13197号公報)が知られて
いる。
[発明が解決しようとする課題] 前記のNADHの定量法のうち、の波長340nmにおけるN
ADHの吸光度を測定する方法は簡便ではあるが、NADHの
分子吸光係数(6.2×103M-1・cm-1)が小さいので感度
が低いという問題がある。特に胆汁酸の測定においては
微量なレベルの測定が要求されるため、この方法では高
精度な測定はできない。
ADHの吸光度を測定する方法は簡便ではあるが、NADHの
分子吸光係数(6.2×103M-1・cm-1)が小さいので感度
が低いという問題がある。特に胆汁酸の測定においては
微量なレベルの測定が要求されるため、この方法では高
精度な測定はできない。
また、のホルマザンを測定する方法は、上記の方
法よりも高感度であるが、テトラゾリウム塩が試料(血
清)中の還元性物質の影響を受けて正の誤差を与える場
合があること;及び生成された色素であるホルマザンが
水に不溶なため、通常は界面活性剤で分散させるが、そ
れでも時間の経過にともない測定装置のキュベット(セ
ル)に該色素が吸着し、測定精度の低下をもたらすとい
う問題がある。このため、前記公報記載の生成ホルマザ
ンを測定する胆汁酸の定量法においても同様な問題が生
ずる。
法よりも高感度であるが、テトラゾリウム塩が試料(血
清)中の還元性物質の影響を受けて正の誤差を与える場
合があること;及び生成された色素であるホルマザンが
水に不溶なため、通常は界面活性剤で分散させるが、そ
れでも時間の経過にともない測定装置のキュベット(セ
ル)に該色素が吸着し、測定精度の低下をもたらすとい
う問題がある。このため、前記公報記載の生成ホルマザ
ンを測定する胆汁酸の定量法においても同様な問題が生
ずる。
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するた
めに創案されたもので、高感度、とりわけ胆汁酸の測定
のように微量レベルの測定にも適用可能なNADHの定量法
及びそれを用いた胆汁酸の定量法を提供することを目的
とする。
めに創案されたもので、高感度、とりわけ胆汁酸の測定
のように微量レベルの測定にも適用可能なNADHの定量法
及びそれを用いた胆汁酸の定量法を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段、作用] 上記の目的を達成するためになされた本発明のNADHの
定量法は、試料中のNADHと酸化型グルタチオンとをグル
タチオン・リダクターゼ(以下、GRという)の存在下に
反応させてNAD+と還元型グルタチオンを生成させ、生成
した還元型グルタチオンとジスルフィド型チオール定量
試薬とを反応させ、該反応により生成したチオール化合
物を測定することによりNADHを定量するか(以下、グル
タチオン共役法という)、又はNADHとL−シスチンとを
シスチン・リダクターゼ(以下、CRという)の存在下に
反応させてNAD+とL−システインを生成させ、生成した
L−システインとジスルフィド型チオール定量試薬とを
反応させ、該反応により生成したチオール化合物を測定
することによりNADHを定量するものである(以下、シス
チン共役法という)。
定量法は、試料中のNADHと酸化型グルタチオンとをグル
タチオン・リダクターゼ(以下、GRという)の存在下に
反応させてNAD+と還元型グルタチオンを生成させ、生成
した還元型グルタチオンとジスルフィド型チオール定量
試薬とを反応させ、該反応により生成したチオール化合
物を測定することによりNADHを定量するか(以下、グル
タチオン共役法という)、又はNADHとL−シスチンとを
シスチン・リダクターゼ(以下、CRという)の存在下に
反応させてNAD+とL−システインを生成させ、生成した
L−システインとジスルフィド型チオール定量試薬とを
反応させ、該反応により生成したチオール化合物を測定
することによりNADHを定量するものである(以下、シス
チン共役法という)。
また、本発明の胆汁酸の定量法は、胆汁酸とNAD+とを
3α−ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼの存在
下に反応させ、生成したNADHを上記のグルタチオン共役
法又はシスチン共役法により定量するものである。
3α−ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼの存在
下に反応させ、生成したNADHを上記のグルタチオン共役
法又はシスチン共役法により定量するものである。
上記のグルタチオン共役法又はシスチン共役法に使用
されるジスルフィド型チオール定量試薬としては、分子
内に電子吸引基(例えば、ニトロ基、カルボキシ基、シ
アノ基、環内窒素原子等)を有する芳香族ジスルフィド
化合物が挙げられ、より具体的には、5,5′−ジチオビ
ス(2−ニトロ安息香酸)(以下、DTNBという)、4,
4′−ジピリジルジスルフィド、2,2′−ジピリジルジス
ルフィド等が例示される。これらのジスルフィド型チオ
ール定量試薬は、還元型グルタチオン又はL−システイ
ンにより化学量論的に還元され、チオール化合物を生成
する。該チオール化合物は、キノイド型又はチオピリド
ン型に異性化し、紫外〜可視部に強い吸収を有するの
で、吸光度を測定することにより還元型グルタチオン又
はL−システインを定量することができる。上記のジス
ルフィド型チオール定量試薬のうち、特にDTNBを用いる
のが好ましい。DTNBは還元されて5−チオ−2−ニトロ
−安息香酸(以下、TNBという)を生成し、該チオール
化合物はキノイド型に異性化し、波長412nm付近に強い
吸収を有するため、臨床検査の分野で血清などの試料を
分析する際の測定波長の点から有利である。
されるジスルフィド型チオール定量試薬としては、分子
内に電子吸引基(例えば、ニトロ基、カルボキシ基、シ
アノ基、環内窒素原子等)を有する芳香族ジスルフィド
化合物が挙げられ、より具体的には、5,5′−ジチオビ
ス(2−ニトロ安息香酸)(以下、DTNBという)、4,
4′−ジピリジルジスルフィド、2,2′−ジピリジルジス
ルフィド等が例示される。これらのジスルフィド型チオ
ール定量試薬は、還元型グルタチオン又はL−システイ
ンにより化学量論的に還元され、チオール化合物を生成
する。該チオール化合物は、キノイド型又はチオピリド
ン型に異性化し、紫外〜可視部に強い吸収を有するの
で、吸光度を測定することにより還元型グルタチオン又
はL−システインを定量することができる。上記のジス
ルフィド型チオール定量試薬のうち、特にDTNBを用いる
のが好ましい。DTNBは還元されて5−チオ−2−ニトロ
−安息香酸(以下、TNBという)を生成し、該チオール
化合物はキノイド型に異性化し、波長412nm付近に強い
吸収を有するため、臨床検査の分野で血清などの試料を
分析する際の測定波長の点から有利である。
前記のグルタチオン共役法及びシスチン共役法はそれ
ぞれ下記の反応式−1及び2で表される。
ぞれ下記の反応式−1及び2で表される。
反応式−1 反応式−2 上記反応式−1で示されるグルタチオン共役法は、酵
素GR(EC1.6.4.2)の存在下、NADHと酸化型グルタチオ
ンとが反応してNAD+と還元型グルタチオンに変換される
反応系に、さらにジスルフィド型チオール定量試薬がチ
オール化合物に変換させる反応系を共役させ、生成した
チオール化合物を測定することにより、NADHを定量する
ものである。本方法をより具体的に説明すると、NADHを
含有する試料液に、酸化型グルタチオン、GR及びジスル
フィド型チオール定量試薬を含む緩衝液(pH5.5〜8程
度、好ましくはpH約7)を添加し、室温ないし加温下で
所定時間(5〜20分間程度、通常10分間程度)反応さ
せ、生成するチオール化合物を測定することにより行わ
れる。生成したチオール化合物の測定は適宜な方法で行
なうことができるが、該チオール化合物の特性波長(通
常300〜450nm)における吸光度を測定する方法が簡便で
好ましく、得られた吸光度より、分子吸光係数に基づき
又は標準試料を用いて予め作成した検量線に基づき、試
料中のNADH量を算出することができる。
素GR(EC1.6.4.2)の存在下、NADHと酸化型グルタチオ
ンとが反応してNAD+と還元型グルタチオンに変換される
反応系に、さらにジスルフィド型チオール定量試薬がチ
オール化合物に変換させる反応系を共役させ、生成した
チオール化合物を測定することにより、NADHを定量する
ものである。本方法をより具体的に説明すると、NADHを
含有する試料液に、酸化型グルタチオン、GR及びジスル
フィド型チオール定量試薬を含む緩衝液(pH5.5〜8程
度、好ましくはpH約7)を添加し、室温ないし加温下で
所定時間(5〜20分間程度、通常10分間程度)反応さ
せ、生成するチオール化合物を測定することにより行わ
れる。生成したチオール化合物の測定は適宜な方法で行
なうことができるが、該チオール化合物の特性波長(通
常300〜450nm)における吸光度を測定する方法が簡便で
好ましく、得られた吸光度より、分子吸光係数に基づき
又は標準試料を用いて予め作成した検量線に基づき、試
料中のNADH量を算出することができる。
上記の方法において、試料中のNADH含量としては3mM
程度以下、好ましくは1.5mM程度以下に調整するのがよ
い。
程度以下、好ましくは1.5mM程度以下に調整するのがよ
い。
緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝
液等が例示される。緩衝液に含有される酸化型グルタチ
オンの濃度としては0.3〜3.0mM程度、好ましくは1mM程
度とされ、ジスルフィド型チオール定量試薬の濃度とし
ては0.5〜5mM程度、好ましくは1mM程度とされる。またG
Rの濃度としては1〜20単位/ml、好ましくは10単位/ml
程度とされる。なお、還元型グルタチオン及び反応生成
物であるチオール化合物の自動酸化を防止するため、該
緩衝液にはEDTAを添加するのが好ましく、EDTAの濃度と
しては1mM〜0.1M程度とすればよい。また自動酸化の防
止はEDTAとα,α′−ジピリジルを共存させることによ
っても行なうことができる。
液等が例示される。緩衝液に含有される酸化型グルタチ
オンの濃度としては0.3〜3.0mM程度、好ましくは1mM程
度とされ、ジスルフィド型チオール定量試薬の濃度とし
ては0.5〜5mM程度、好ましくは1mM程度とされる。またG
Rの濃度としては1〜20単位/ml、好ましくは10単位/ml
程度とされる。なお、還元型グルタチオン及び反応生成
物であるチオール化合物の自動酸化を防止するため、該
緩衝液にはEDTAを添加するのが好ましく、EDTAの濃度と
しては1mM〜0.1M程度とすればよい。また自動酸化の防
止はEDTAとα,α′−ジピリジルを共存させることによ
っても行なうことができる。
前記反応式−2で示されるシスチン共役法は、酵素CR
(EC1.6.4.1)の存在下、NADHとL−シスチンとが反応
してNAD+とL−システインとに変換される反応系に、さ
らにジスルフィド型チオール定量試薬がチオール化合物
に変換される反応系を共役させ、生成したチオール化合
物を測定することにより、NADHを定量するものである。
本方法をより具体的に説明すると、NADHを含有する試料
液に、L−シスチン、CR及びジスルフィド型チオール定
量試薬を含む緩衝液(pH5.5〜8程度、好ましくはpH約
7)を添加し、室温ないし加温下に所定時間(5〜20分
間程度、通常10分間程度)反応させ、生成するチオール
化合物を測定することにより行われる。生成したチオー
ル化合物の測定及びNADH量の算出は、上記グルタチオン
共役法と同様にして行なうことができる。
(EC1.6.4.1)の存在下、NADHとL−シスチンとが反応
してNAD+とL−システインとに変換される反応系に、さ
らにジスルフィド型チオール定量試薬がチオール化合物
に変換される反応系を共役させ、生成したチオール化合
物を測定することにより、NADHを定量するものである。
本方法をより具体的に説明すると、NADHを含有する試料
液に、L−シスチン、CR及びジスルフィド型チオール定
量試薬を含む緩衝液(pH5.5〜8程度、好ましくはpH約
7)を添加し、室温ないし加温下に所定時間(5〜20分
間程度、通常10分間程度)反応させ、生成するチオール
化合物を測定することにより行われる。生成したチオー
ル化合物の測定及びNADH量の算出は、上記グルタチオン
共役法と同様にして行なうことができる。
上記の方法において、試料中のNADH含量、緩衝液の種
類、L−シスチンの濃度、酵素CRの濃度、ジスルフィド
型チオール定量試薬の濃度等は上記グルタチオン共役法
と略同様である。
類、L−シスチンの濃度、酵素CRの濃度、ジスルフィド
型チオール定量試薬の濃度等は上記グルタチオン共役法
と略同様である。
本発明のNADHの定量法は、高感度であると共に試料中
の還元性夾雑物質等の影響を受けないため、NADHの定量
を介して酵素活性や基質量を定量する種々の方法の何れ
にも適用することができる。
の還元性夾雑物質等の影響を受けないため、NADHの定量
を介して酵素活性や基質量を定量する種々の方法の何れ
にも適用することができる。
また、本発明の他の目的は、上記グルタチオン共役法
又はシスチン共役法を用いて、血清、尿、胆汁等に含有
される胆汁酸の定量法を提供するもので、グルタチオン
共役法又はシスチン共役法は従来のNADHの定量法の問題
点を解決した優れた方法であるので、胆汁酸のような微
量レベルの測定に好適に用いられる。
又はシスチン共役法を用いて、血清、尿、胆汁等に含有
される胆汁酸の定量法を提供するもので、グルタチオン
共役法又はシスチン共役法は従来のNADHの定量法の問題
点を解決した優れた方法であるので、胆汁酸のような微
量レベルの測定に好適に用いられる。
上記の胆汁酸の定量法は下記の反応式−3で表され
る。
る。
反応式−3 又は 即ち、胆汁酸(3α−ヒドロキシ胆汁酸)はNAD+と共
に3α−HSDの作用で、3−ケト胆汁酸とNADHに変換さ
れる。ここで生成されたNADHを前記のグルタチオン共役
法又はシスチン共役法と組合わせて定量することによ
り、胆汁酸の定量を行うことができる。本方法の一例
を、グルタチオン共役法を用いて吸光度測定により行な
う例でより具体的に説明すると、胆汁酸を含有する試料
液に、酸化型グルタチオン、ジスルフィド型チオール定
量試薬、GR及びNAD+を含有する緩衝液〔I〕(pH5.5〜
8程度、好ましくはpH約7)を添加し、室温ないし加温
下にて所定時間(約5〜10分間)放置した後、吸光度の
測定を行なう(ブランク)。次いで3α−HSDを含有す
る緩衝液〔II〕(pH5.5〜8程度、好ましくはpH約7)
を添加して室温ないし加温下に所定時間(5〜20分間程
度、通常15分間程度)反応させ、反応液の吸光度を測定
する。得られた吸光度からブランクの吸光度を差し引い
た吸光度差を求め、該吸光度差より分子吸光係数に基づ
いて又は標準試料を用いて予め作成した検量線に基づい
て、胆汁酸量を算出することができる。
に3α−HSDの作用で、3−ケト胆汁酸とNADHに変換さ
れる。ここで生成されたNADHを前記のグルタチオン共役
法又はシスチン共役法と組合わせて定量することによ
り、胆汁酸の定量を行うことができる。本方法の一例
を、グルタチオン共役法を用いて吸光度測定により行な
う例でより具体的に説明すると、胆汁酸を含有する試料
液に、酸化型グルタチオン、ジスルフィド型チオール定
量試薬、GR及びNAD+を含有する緩衝液〔I〕(pH5.5〜
8程度、好ましくはpH約7)を添加し、室温ないし加温
下にて所定時間(約5〜10分間)放置した後、吸光度の
測定を行なう(ブランク)。次いで3α−HSDを含有す
る緩衝液〔II〕(pH5.5〜8程度、好ましくはpH約7)
を添加して室温ないし加温下に所定時間(5〜20分間程
度、通常15分間程度)反応させ、反応液の吸光度を測定
する。得られた吸光度からブランクの吸光度を差し引い
た吸光度差を求め、該吸光度差より分子吸光係数に基づ
いて又は標準試料を用いて予め作成した検量線に基づい
て、胆汁酸量を算出することができる。
上記の緩衝液〔I〕としてはリン酸緩衝液、トリス緩
衝液等が用いられ、該緩衝液中のNAD+の濃度は、試料中
の胆汁酸濃度に依存するが、1〜5mM程度、通常3mM程度
とされる。また該緩衝液中の酸化型グルタチオン濃度、
ジスルフィド型チオール定量試薬濃度及びGR濃度は、前
記のグルタチオン共役法によるNADHの定量法における濃
度と略同様である。なお、試料が血清等の場合、試料中
に含まれる乳酸脱水素酵素の影響を排除するため、オキ
ザミン酸塩(例えば、オキザミン酸カリウム等)を添加
するのが好ましく、該オキザミン酸塩は5〜30mM程度、
好ましくは20mM程度添加される。
衝液等が用いられ、該緩衝液中のNAD+の濃度は、試料中
の胆汁酸濃度に依存するが、1〜5mM程度、通常3mM程度
とされる。また該緩衝液中の酸化型グルタチオン濃度、
ジスルフィド型チオール定量試薬濃度及びGR濃度は、前
記のグルタチオン共役法によるNADHの定量法における濃
度と略同様である。なお、試料が血清等の場合、試料中
に含まれる乳酸脱水素酵素の影響を排除するため、オキ
ザミン酸塩(例えば、オキザミン酸カリウム等)を添加
するのが好ましく、該オキザミン酸塩は5〜30mM程度、
好ましくは20mM程度添加される。
緩衝液〔II〕としてはリン酸緩衝液、トリス緩衝液等
が用いられ、該緩衝液中の3α−HSDの濃度としては1
〜20単位/ml程度、好ましくは10単位/ml程度とされる。
が用いられ、該緩衝液中の3α−HSDの濃度としては1
〜20単位/ml程度、好ましくは10単位/ml程度とされる。
なお、緩衝液〔I〕及び〔II〕には、還元型グルタチ
オン及びチオール化合物の自動酸化を防止するため、ED
TAを添加するのが好ましい。
オン及びチオール化合物の自動酸化を防止するため、ED
TAを添加するのが好ましい。
本発明の胆汁酸の定量法をシスチン共役法を用いて行
なうには、上記方法中のグルタチオン共役法を、前述の
シスチン共役法に変更することにより、実質的に同様な
方法で行なうことができる。
なうには、上記方法中のグルタチオン共役法を、前述の
シスチン共役法に変更することにより、実質的に同様な
方法で行なうことができる。
[発明の効果及び作用] 本発明のNADHの定量法によれば、高感度であると共に
試料中の還元性物質の影響やキュベット内への色素沈着
の影響を受けることなくNADHの定量ができるという効果
を奏する。即ち、本発明のグルタチオン共役法及びシス
チン共役法では、生成物であるチオール化合物の分子吸
光係数が大きいのみならず、1分子のNADHより2分子の
チオール化合物が生成するので、測定感度を上げること
ができる。例えば、前記TNBの分子吸光係数は13.6×103
M-1・cm-1であり、また1分子のNADHから2分子のTNBが
生成することから、NADH(分子吸光係数:6.2×103M-1・
cm-1)を波長340nmで測定する従来法に比べて約4.4倍
(13.6×103×2/6.2×103≒4.4倍)感度を上昇させるこ
とができる。また、本発明で用いるチオール−ジスルフ
ィド交換反応はSH基の特異的な測定法であるため、従来
のホルマザンを測定する方法のように他の還元性物質の
影響を受けることがない。さらに生成したチオール化合
物はホルマザンに比べて可溶性であるため、キュベット
(セル)への吸着の問題もない。
試料中の還元性物質の影響やキュベット内への色素沈着
の影響を受けることなくNADHの定量ができるという効果
を奏する。即ち、本発明のグルタチオン共役法及びシス
チン共役法では、生成物であるチオール化合物の分子吸
光係数が大きいのみならず、1分子のNADHより2分子の
チオール化合物が生成するので、測定感度を上げること
ができる。例えば、前記TNBの分子吸光係数は13.6×103
M-1・cm-1であり、また1分子のNADHから2分子のTNBが
生成することから、NADH(分子吸光係数:6.2×103M-1・
cm-1)を波長340nmで測定する従来法に比べて約4.4倍
(13.6×103×2/6.2×103≒4.4倍)感度を上昇させるこ
とができる。また、本発明で用いるチオール−ジスルフ
ィド交換反応はSH基の特異的な測定法であるため、従来
のホルマザンを測定する方法のように他の還元性物質の
影響を受けることがない。さらに生成したチオール化合
物はホルマザンに比べて可溶性であるため、キュベット
(セル)への吸着の問題もない。
また、本発明の胆汁酸の定量法は、上記の優れた効果
を有するグルタチオン共役法又はシスチン共役法を用い
たものであり、胆汁酸のように微量レベルの被検物質で
も高精度で測定できるという効果を奏する。
を有するグルタチオン共役法又はシスチン共役法を用い
たものであり、胆汁酸のように微量レベルの被検物質で
も高精度で測定できるという効果を奏する。
[実施例] 以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 NADH標準液を試料とし、ジスルフィド型チオール定量
試薬としてDTNBを用い、グルタチオン共役法によりNADH
の定量を行なった。
試薬としてDTNBを用い、グルタチオン共役法によりNADH
の定量を行なった。
まず、各種濃度のNADH溶液0.1ml(NADHを安定化させ
るために0.01N水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた)
を下記の組成からなる試薬(1)2.5mlと混和し、10分
間放置した後に波長415nmの吸光度を測定した。
るために0.01N水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた)
を下記の組成からなる試薬(1)2.5mlと混和し、10分
間放置した後に波長415nmの吸光度を測定した。
試薬(1):1mM EDTA 2Na、1mM酸化型グルタチオン、1m
M DTNB及び10単位/mlGRを含む0.1Mリン酸緩衝液pH7.0 その結果を第1図に示す。第1図に示されるように少
なくともNADHが1.5mMまでは直線性が得られ、NADHが波
長415nmの吸光度測定により定量できることが判明し
た。
M DTNB及び10単位/mlGRを含む0.1Mリン酸緩衝液pH7.0 その結果を第1図に示す。第1図に示されるように少
なくともNADHが1.5mMまでは直線性が得られ、NADHが波
長415nmの吸光度測定により定量できることが判明し
た。
実施例2 試料として胆汁酸の一成分であるコール酸を用い、3
α−HSDの存在下NAD+をNADHに還元し、生成したNADHをD
TNBを用いたグルタチオン共役法で定量することにより
コール酸の定量を行なった。
α−HSDの存在下NAD+をNADHに還元し、生成したNADHをD
TNBを用いたグルタチオン共役法で定量することにより
コール酸の定量を行なった。
まず、各種濃度のコール酸ナトリウム溶液100μに
下記の組成からなる試薬(2)2.0mlを加え37℃で5分
間加温後、波長415nmの吸光度(A)を測定した。次い
で、下記の組成からなる試薬(3)0.5mlを加え37℃で1
5分間加温し、波長415nmの吸光度(B)を測定し、吸光
度差(B−A)を求めた。
下記の組成からなる試薬(2)2.0mlを加え37℃で5分
間加温後、波長415nmの吸光度(A)を測定した。次い
で、下記の組成からなる試薬(3)0.5mlを加え37℃で1
5分間加温し、波長415nmの吸光度(B)を測定し、吸光
度差(B−A)を求めた。
試薬(2):1mM EDTA 2Na、1mM酸化型グルタチオン、1m
M DTNB、10単位/mlGR及び3mM NAD+を含む0.1Mリン酸緩
衝液pH7.0 試薬(3):1mM EDTA 2Na及び10単位/ml3α−HSDを含む
0.1Mリン酸緩衝液pH7.0 コール酸ナトリウム濃度に対して吸光度差(B−A)
をプロットした図を第2図に示す。第2図に示されるよ
うに少なくともコール酸ナトリウムが0.5mMまでは直線
性が得られ、コール酸ナトリウム(即ち胆汁酸)が波長
415nmの吸光度測定により定量できることが判明した。
M DTNB、10単位/mlGR及び3mM NAD+を含む0.1Mリン酸緩
衝液pH7.0 試薬(3):1mM EDTA 2Na及び10単位/ml3α−HSDを含む
0.1Mリン酸緩衝液pH7.0 コール酸ナトリウム濃度に対して吸光度差(B−A)
をプロットした図を第2図に示す。第2図に示されるよ
うに少なくともコール酸ナトリウムが0.5mMまでは直線
性が得られ、コール酸ナトリウム(即ち胆汁酸)が波長
415nmの吸光度測定により定量できることが判明した。
実施例3 試料としてヒト血清(10検体)を使用し、グルタチオ
ン共役法を用いた本発明の胆汁酸の定量法により胆汁酸
の定量を行なった。
ン共役法を用いた本発明の胆汁酸の定量法により胆汁酸
の定量を行なった。
まず、ヒト血清100−μに下記の組成からなる試薬
(4)2.0mlを加え37℃で5分間加温後、波長415nmの吸
光度(A)を測定した。次いで、実施例2で用いた試薬
(3)0.5mlを加え37℃で15分間加温し、波長415nmの吸
光度(B)を測定し、吸光度差(B−A)を求めた。そ
して胆汁酸濃度が既知の標準液を試料に用いて同様に操
作し、得られた検量線からこれらのヒト血清中の胆汁酸
の値を求めた。
(4)2.0mlを加え37℃で5分間加温後、波長415nmの吸
光度(A)を測定した。次いで、実施例2で用いた試薬
(3)0.5mlを加え37℃で15分間加温し、波長415nmの吸
光度(B)を測定し、吸光度差(B−A)を求めた。そ
して胆汁酸濃度が既知の標準液を試料に用いて同様に操
作し、得られた検量線からこれらのヒト血清中の胆汁酸
の値を求めた。
試薬(4):実施例2で用いた試薬(2)に、試料であ
るヒト血清中の乳酸脱水素酵素の影響を除くためオキザ
ミン酸カリウム20mMを添加したもの。
るヒト血清中の乳酸脱水素酵素の影響を除くためオキザ
ミン酸カリウム20mMを添加したもの。
一方、対照として、従来法であるホルマザン法に基づ
いて、これらのヒト血清中の胆汁酸量を求めた。そし
て、両者の測定値を比較したところ、相関係数0.93とな
りよく相関しており、本発明の方法により胆汁酸の定量
を行えることが明らかとなった。さらに、この際、本発
明の方法はホルマザン法に比べ、吸光度変化量が約1.26
倍大きく、高感度であった。
いて、これらのヒト血清中の胆汁酸量を求めた。そし
て、両者の測定値を比較したところ、相関係数0.93とな
りよく相関しており、本発明の方法により胆汁酸の定量
を行えることが明らかとなった。さらに、この際、本発
明の方法はホルマザン法に比べ、吸光度変化量が約1.26
倍大きく、高感度であった。
実施例4 NADH標準液を試料とし、ジスルフィド型チオール定量
試薬としてDTNBを用い、シスチン共役法によりNADHの定
量を行なった。
試薬としてDTNBを用い、シスチン共役法によりNADHの定
量を行なった。
まず、各種濃度のNADH溶液0.1ml(NADHを安定化させ
るために0.01N水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた)
を下記の組成からなる試薬(5)2.5mlと混和し、10分
間放置した後に波長415nmの吸光度を測定した。
るために0.01N水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた)
を下記の組成からなる試薬(5)2.5mlと混和し、10分
間放置した後に波長415nmの吸光度を測定した。
試薬(5):1mM EDTA 2Na、1mM L−シスチン、1mM DTNB
及び10単位/mlCRを含む0.1Mリン酸緩衝液pH7.0 その結果を第3図に示す。第3図に示されるように少
なくともNADHが1.5mMまでは直線性が得られ、NADHが波
長415nmの吸光度測定により定量できることが判明し
た。
及び10単位/mlCRを含む0.1Mリン酸緩衝液pH7.0 その結果を第3図に示す。第3図に示されるように少
なくともNADHが1.5mMまでは直線性が得られ、NADHが波
長415nmの吸光度測定により定量できることが判明し
た。
実施例5 試料として胆汁酸の一成分であるコール酸を用い、3
α−HSDの存在下NAD+をNADHに還元し、生成したNADHをD
TNBを用いたシスチン共役法で定量することによりコー
ル酸の定量を行なった。
α−HSDの存在下NAD+をNADHに還元し、生成したNADHをD
TNBを用いたシスチン共役法で定量することによりコー
ル酸の定量を行なった。
まず、各種濃度のコール酸ナトリウム溶液100μに
下記の組成からなる試薬(6)2.0mlを加え37℃で5分
間加温後、波長415nmの吸光度(A)を測定した。次い
で、下記の組成からなる試薬(7)0.5mlを加え37℃で1
5分間加温し、波長415nmの吸光度(B)を測定し、吸光
度差(B−A)を求めた。
下記の組成からなる試薬(6)2.0mlを加え37℃で5分
間加温後、波長415nmの吸光度(A)を測定した。次い
で、下記の組成からなる試薬(7)0.5mlを加え37℃で1
5分間加温し、波長415nmの吸光度(B)を測定し、吸光
度差(B−A)を求めた。
試薬(6):1mM EDTA 2Na、1mM L−シスチン、1mM DTN
B、10単位/mlCR及び3mM NAD+を含む0.1Mリン酸緩衝液pH
7.0 試薬(7):1mM EDTA 2Na及び10単位/ml3α−HSDを含む
0.1Mリン酸緩衝液pH7.0 コール酸ナトリウム濃度に対して吸光度差(B−A)
をプロットした図を第4図に示す。第4図に示されるよ
うに少なくともコール酸ナトリウムが0.5mMまでは直線
性が得られ、コール酸ナトリウム(即ち胆汁酸)が波長
415nmの吸光度測定により定量できることが判明した。
B、10単位/mlCR及び3mM NAD+を含む0.1Mリン酸緩衝液pH
7.0 試薬(7):1mM EDTA 2Na及び10単位/ml3α−HSDを含む
0.1Mリン酸緩衝液pH7.0 コール酸ナトリウム濃度に対して吸光度差(B−A)
をプロットした図を第4図に示す。第4図に示されるよ
うに少なくともコール酸ナトリウムが0.5mMまでは直線
性が得られ、コール酸ナトリウム(即ち胆汁酸)が波長
415nmの吸光度測定により定量できることが判明した。
実施例6 試料としてヒト血清(10検体)を使用し、シスチン共
役法を用いた本発明の胆汁酸の定量法により胆汁酸の定
量を行なった。
役法を用いた本発明の胆汁酸の定量法により胆汁酸の定
量を行なった。
まず、ヒト血清100μに下記の組成からなる試薬
(8)2.0mlを加え37℃で5分間加温後、波長415nmの吸
光度(A)を測定した。次いで、実施例5で用いた試薬
(7)0.5mlを加え37℃で15分間加温し、波長415nmの吸
光度(B)を測定し、吸光度差(B−A)を求めた。そ
して胆汁酸濃度が既知の標準液を試料に用いて同様に操
作し、得られた検量線からこれらのヒト血清中の胆汁酸
の値を求めた。
(8)2.0mlを加え37℃で5分間加温後、波長415nmの吸
光度(A)を測定した。次いで、実施例5で用いた試薬
(7)0.5mlを加え37℃で15分間加温し、波長415nmの吸
光度(B)を測定し、吸光度差(B−A)を求めた。そ
して胆汁酸濃度が既知の標準液を試料に用いて同様に操
作し、得られた検量線からこれらのヒト血清中の胆汁酸
の値を求めた。
試薬(8):実施例5で用いた試薬(6)に、試料であ
るヒト血清中の乳酸脱水素酵素の影響を除くためオキザ
ミン酸カリウム20mMを添加したもの。
るヒト血清中の乳酸脱水素酵素の影響を除くためオキザ
ミン酸カリウム20mMを添加したもの。
一方、対照として、従来法であるホルマザン法に基づ
いて、これらのヒト血清中の胆汁酸量を求めた。そし
て、両者の測定値を比較したところ、相関係数0.91とな
りよく相関しており、本発明の方法により胆汁酸の定量
を行えることが明らかとなった。また、実施例3と同様
に、本発明の方法はホルマザン法に比べて高感度であっ
た。
いて、これらのヒト血清中の胆汁酸量を求めた。そし
て、両者の測定値を比較したところ、相関係数0.91とな
りよく相関しており、本発明の方法により胆汁酸の定量
を行えることが明らかとなった。また、実施例3と同様
に、本発明の方法はホルマザン法に比べて高感度であっ
た。
第1図は実施例1におけるNADH濃度と吸光度との相関を
示す図、 第2図は実施例2におけるコール酸ナトリウム濃度と吸
光度差との相関を示す図、 第3図は実施例4におけるNADH濃度と吸光度との相関を
示す図、及び 第4図は実施例5におけるコール酸ナトリウム濃度と吸
光度差との相関を示す図である。
示す図、 第2図は実施例2におけるコール酸ナトリウム濃度と吸
光度差との相関を示す図、 第3図は実施例4におけるNADH濃度と吸光度との相関を
示す図、及び 第4図は実施例5におけるコール酸ナトリウム濃度と吸
光度差との相関を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】還元型β−ニコチンアミドアデニンジヌク
レオチド(以下、NADHという)と酸化型グルタチオンと
をグルタチオン・リダクターゼの存在下に反応させる
か、又はNADHとL−シスチンとをシスチン・リダクター
ゼの存在下に反応させて、それぞれ酸化型β−ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチド(以下、NAD+という)と
還元型グルタチオン又はNAD+とL−システインを生成さ
せ、生成した還元型グルタチオン又はL−システインを
それぞれジスルフィド型チオール定量試薬と反応させ、
該反応により生成したチオール化合物を測定することを
特徴とするNADHの定量法。 - 【請求項2】ジスルフィド型チオール定量試薬が、5,
5′−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)である請求項
1記載のNADHの定量法。 - 【請求項3】胆汁酸とNAD+とを3α−ヒドロキシステロ
イド・デヒドロゲナーゼの存在下に反応させ、生成した
NADHを請求項1又は請求項2記載の方法で定量すること
を特徴とする胆汁酸の定量法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26113989A JP2761768B2 (ja) | 1988-10-07 | 1989-10-05 | Nadhの定量法及びそれを用いた胆汁酸の定量法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25434888 | 1988-10-07 | ||
JP63-254348 | 1988-10-07 | ||
JP26113989A JP2761768B2 (ja) | 1988-10-07 | 1989-10-05 | Nadhの定量法及びそれを用いた胆汁酸の定量法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02200200A JPH02200200A (ja) | 1990-08-08 |
JP2761768B2 true JP2761768B2 (ja) | 1998-06-04 |
Family
ID=26541646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26113989A Expired - Lifetime JP2761768B2 (ja) | 1988-10-07 | 1989-10-05 | Nadhの定量法及びそれを用いた胆汁酸の定量法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2761768B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016044132A1 (en) * | 2014-09-15 | 2016-03-24 | Rapid Diagnostek, Inc. | Mass detection through redox coupling |
JP7234923B2 (ja) * | 2017-05-24 | 2023-03-08 | ニプロ株式会社 | 測定対象物質を補酵素として測定する物質測定方法 |
-
1989
- 1989-10-05 JP JP26113989A patent/JP2761768B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02200200A (ja) | 1990-08-08 |
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