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JP2744938B2 - 多孔質高強度低熱伝導窒化ケイ素質セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

多孔質高強度低熱伝導窒化ケイ素質セラミックス及びその製造方法

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Publication number
JP2744938B2
JP2744938B2 JP8035545A JP3554596A JP2744938B2 JP 2744938 B2 JP2744938 B2 JP 2744938B2 JP 8035545 A JP8035545 A JP 8035545A JP 3554596 A JP3554596 A JP 3554596A JP 2744938 B2 JP2744938 B2 JP 2744938B2
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JP
Japan
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silicon nitride
strength
single crystal
sintered body
seed crystal
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JP8035545A
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JPH09208328A (ja
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喜代司 平尾
イー ブリト マヌエル
素弘 鳥山
修三 神崎
寿之 今村
岳根 平井
康弘 茂垣
Original Assignee
工業技術院長
ファインセラミックス技術研究組合
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Supercharger (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定方向において
高い強度を持ちかつ微細な気孔を均一に分散させること
により低熱伝導化された多孔質低熱伝導窒化ケイ素質セ
ラミックス及びその製造方法に関するものである。本発
明の多孔質低熱伝導窒化ケイ素質セラミックスは、高強
度を要求される高温断熱部材、例えば、遮熱エンジン部
品、ディーゼルエンジン部品などの材料として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、高い強度を持つ高温断熱部材と
して、以下に示す技術があげられる。 母材金属表面へのセラミックスの溶射(例えば、特
開昭61−169241号公報)。 この技術のねらいは、母材金属表面へセラミックスを溶
射することによって耐熱性と断熱性の向上を図ることに
あるが、溶射膜自体の強度不足、金属母材と溶射膜との
剥離、プロセスが煩雑などの点でいまだ改善すべき問題
がある。 部材のセラミックス化(I)─────窒化ケイ素
質セラミックスの適用(例えば、Jurnal of
Materials Science,vol.15,
p.2661(1980)) この技術のねらいは、高強度と耐熱性を達成することに
あるが、高強度は達成されているが(1GPa程度)、
熱伝導率はさほど低くない(30〜40W/m・K程
度)という問題点がある。 部材のセラミックス化(II)─────Siの反
応焼結時における第二成分の添加(例えば、日本セラミ
ックス協会論文誌,102,〔6〕598−602(1
994)) この技術のねらいは、窒化ケイ素質セラミックスの低熱
伝導化にある。しかしながら、低熱伝導は達成されてい
るが(2〜4W/m・K)、強度が低い(200MPa
程度)という問題点があり、その改善が課題となってい
る。
【0003】ここで、窒化ケイ素セラミックスに係わる
これまでの技術についてさらに概観してみると、窒化ケ
イ素は、酸化物セラミックスと比べて、共有結合性が強
く高温での安定性に優れるため、高温構造材料として材
料開発が行われ、最近では自動車用ターボチャージャー
をはじめとして一部エンジン用部品として使われ始めて
いる。従来の高強度窒化ケイ素セラミックスは高い強度
は達成されているものの、熱伝導率は上述したように3
0〜40W/mKと比較的高く、断熱構造部材として使
用するには満足できるものではなかった。一般的に、熱
伝導率を低下させるには気孔を分散させることが有効で
ある。ところが、等方的な粒子形を持つマトリックス中
に気孔を分散させると、強度は大きく低下することが知
られている。例えば、J.Am.Ceram.So
c.,73
〔9〕pp.2684−89(1990)で
は10%の気孔が存在すると強度は40%程度も低下す
ることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
手法では、高強度と低熱伝導性を合わせ持つ材料を作製
することは困難であった。本発明の目的は、高い強度と
低い熱伝導率を合わせ持つ多孔質窒化ケイ素質セラミッ
クス及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、本発明に
先立ち、窒化ケイ素セラミックスの微構造制御について
研究を行い、少量の単結晶β−窒化ケイ素柱状粒子を種
結晶として原料粉末に添加し、シート成形手法により種
結晶を配向させた成形体を焼成することにより、種結晶
を核として粒成長した粗大柱状粒子が面内で配向した組
織を持つ焼結体が得られ、本焼結体は配向方向に垂直な
方向で高い強度と高い靱性を合わせ持つことを見いだ
し、先に特許出願(特願平6−336177号)を行っ
た。さらに、本研究を進めた結果、種結晶の添加量を増
大させた場合、種結晶から成長した粗大柱粒子が交錯し
かつ柱状粒子間に微細な気孔が閉じこめられた組織を持
つ多孔質な焼結体となり、強度を低下させることなく気
孔を導入(多孔質化)できること、すなわち、窒化ケイ
素質セラミックスの持つ高い強度を維持した状態で、組
織中に気孔を導入する技術を開発することに成功して、
本発明の高い強度と低い熱伝導率を合わせ持つ多孔質窒
化ケイ素質焼結体を得るに至った。
【0006】すなわち、本発明は、窒化ケイ素原料粉末
と焼結助剤よりなる混合物に、窒化ケイ素原料粉末より
も大きな短径を持つ棒状のβ−窒化ケイ素単結晶を10
体積%以上添加し、シート成形、押出し成形等の成形手
法を用いて、棒状β−窒化ケイ素単結晶が面内に配向し
た成形体を作製した後、当該成形体を焼成し、添加した
棒状β−窒化ケイ素単結晶を結晶成長核として柱状窒化
ケイ素粒子を発達させることにより、これらの柱状粒子
を交錯した状態で分散させたことを特徴とする多孔質高
強度低熱伝導窒化ケイ素質焼結体の製造方法、に係るも
のである。また、本発明は、上記の製造方法により得ら
れる相対密度が70〜90%の範囲にあり、かつ柱状粒
子が互いに交錯した組織を持つ多孔質高強度低熱伝導窒
化ケイ素質焼結体、に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明についてさらに詳
細に説明する。本発明の多孔質高強度低熱伝導窒化ケイ
素質焼結体の製造プロセスの基本構成は以下に示す通り
である。尚、種結晶(棒状β−窒化ケイ素単結晶)の添
加量等の具体的構成については後述の通りである。 (1)窒化ケイ素原料粉末に焼結助剤と棒状β−窒化ケ
イ素単結晶(好ましくは10体積%以上)を添加した混
合粉末を調製する。 (2)シート成形あるいは押出し成形により、棒状β−
窒化ケイ素単結晶粒子が面内配向した成形体を作製す
る。 (3)得られた成形体を焼成する。
【0008】本発明により多孔質高強度低熱伝導窒化ケ
イ素質焼結体を作製するには、まず、窒化ケイ素原料粉
末に所定量の焼結助剤を添加する。窒化ケイ素原料はα
型、β型、あるいは非晶質のいずれの結晶系のものを用
いてもよいが、平均粒径0.5μm以下の微粉末を用い
ることが望ましい。焼結助剤としては、MgO、Ca
O、Al2 3 、Y2 3 、Yb2 3 、HfO2 、S
2 3 、CeO2 、ZrO2 、SiO2 、Cr
2 3 、AlN等、一般に用いられるものが使用され
る。
【0009】これら焼結助剤の組合せ、添加量は、焼成
温度、時間あるいは焼成時の窒素ガス圧などの焼成条件
により異なるが、それぞれの焼成条件において、(1)
試料の相対密度が70〜90%になるように、また、
(2)種結晶から成長した柱状粒子が互いに交錯した組
織が得られるように選択される。試料の相対密度が70
%以下であると気孔が互いに繋がり、強度が著しく低下
する。一方、90%以上の場合は熱伝導率の低下割合は
小さい。また、焼成中に窒化ケイ素を柱状に異方粒成長
させ柱状粒子を交錯させるために、焼結助剤としてY2
3 やYb2 3等の希土類酸化物を含むことが望まし
い。さらに、焼結助剤としてAlNを含有するものは、
種結晶から熱伝導率の低いβ−サイアロン(Si6-Z
z z 8-z ,Z =0〜4.2)が成長するので材料
のより低熱伝導化が可能である。
【0010】また、これらの原料の混合に当たっては、
粉体の混合あるいは混練に用いられる通常の機械を使用
することができる。この場合は、湿式、乾式のどちらで
もよいが、望ましくは湿式において混合される。湿式混
合においては、水、メタノール、エタノール、トルエン
などの溶剤が用いられるが、窒化ケイ素の酸化を抑える
ために有機溶媒を用いることが望ましい。有機溶剤を用
いた場合はソルビタンモノオレートなどの分散剤を用い
ることにより効果的に混合を行うことができる。
【0011】次に、この様にして得られた混合粉末に種
結晶として棒状のβ−窒化ケイ素単結晶を10体積%以
上、望ましくは15体積%添加する。添加量が10体積
%以下では、種結晶の添加量が少なく、従って得られた
焼結体は緻密質であり、種結晶を核として成長した粗大
柱状粒子が微細な窒化ケイ素マトリックス粒子中に面内
配向して分散した組織を持つが、高緻密化され、低熱伝
導化することができない。添加量が10体積%以上で
は、焼成中に粗大柱状粒子は互いに接触し、粗大粒子に
囲まれた領域では緻密化が妨げられ、この部分が最終的
に気孔となり、多孔質、低熱伝導化が達成される。従っ
て、種結晶の添加量は10体積%以上とした。また、種
結晶の形状は用いた窒化ケイ素原料粉末の平均粒径より
大きく、アスペクト比が2以上であることが望ましい。
種結晶の短径が原料の平均粒径より小さいと焼成中に助
剤中に溶解するため、種結晶としての役目を果たさな
い。一方、アスペクト比が2以下の場合は、シート成形
等において、種結晶を面内配向させることができず、従
って種結晶から成長した柱状粒子がランダムに分散した
組織となり強度は著しく低下する。
【0012】種結晶として用いる棒状のβ−窒化ケイ素
単結晶は、市販のβ−窒化ケイ素ウィスカーを用いるこ
ともできるが、大きさが均一でなく、また格子欠陥、不
純物を多く含むために、例えば、日本セラミックス協会
学術論文誌,101[9]1071-1073(1993) に報告した手法等
により作製された高純度でかつ、大きさの揃った棒状β
−窒化ケイ素単結晶を用いることが望ましい。種結晶の
原料粉末への添加においては、窒化ケイ素原料と焼結助
剤を前記湿式混合により十分混合して得られたスラリー
中へ超音波分散あるいは、樹脂ポットと樹脂コートボー
ルを用いたポット混合等の手法により、種結晶を破壊し
ない様に行うことが重要である。
【0013】次に、上述のようにして得られた混合スラ
リーは、適量の有機バインダーを添加混合した後、種結
晶を配向させるために、ドクターブレード法等によるシ
ート成形、あるいは押出し成形を用いて生成形体に成形
される。特にシート成形を行った場合は所定の厚みを得
るために成形後、加熱圧着が行なわれる。
【0014】次に、前記成形体は、通常の焼成方法、す
なわち、まず600〜1000℃程度の温度で仮焼を行
い、成形バインダーを加熱除去した後、1700〜20
00℃の温度、1〜200気圧の窒素中で焼成される。
この際、高強度と低熱伝導を同時に発現させるために、
焼成試料は相対密度が70〜90%の範囲にあり、かつ
種結晶から成長した柱状粒子が互いに交錯した組織を持
つことが重要である。
【0015】このようにして得られた本発明の多孔質高
強度低熱伝導窒化ケイ素質セラミックスは、種結晶から
成長した柱状粒子が面内で配向した状態で交錯し、かつ
柱状粒子間に数ミクロン程度の微細な気孔が閉じこめら
れた微構造を有する。そして、試料の熱伝導率は気孔の
導入により低下し、また、柱状粒子が面内配向しかつ導
入された気孔は小さく互いに連結することなく分散して
いる等の理由により、粒子の配向方向に垂直な方向にお
いて高い強度を発現する。本発明によれば、理論密度の
85%以下の密度でありながら粒子の配向方向に垂直な
方向において、強度が700MPa以上、かつ低熱伝導
化された多孔質高強度低熱伝導窒化ケイ素質セラミック
スを得ることができる。
【0016】尚、種結晶の添加量が少ない(5体積%添
加)高強度・高靱性窒化ケイ素焼結体(比較例)の微構
造の模式図を図1に示す。また、本発明により得られる
窒化ケイ素質セラミックスの微細組織を図2に示す。比
較例では種結晶の添加量が少なく、従って得られた焼結
体は緻密質であり、種結晶を核として成長した粗大柱状
粒子が微細な窒化ケイ素マトリックス粒子中に面内配向
して分散した組織を持つ。同様に、本発明においても、
種結晶から成長した粗大柱状粒子は微細な窒化ケイ素マ
トリックス粒子中に面内配向して分散している。しか
し、種結晶の添加量が多いので、焼成中に粗大柱状粒子
は互いに接触し、粗大柱状粒子に囲まれた領域では緻密
化が妨げられ、この部分が最終的に気孔となり、図2に
模式的に示す様に球状の気孔が分散した組織となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って具体的に説明
する。 実施例1 (1)棒状β−窒化ケイ素単結晶が面内に配向した成形
体の作成 2m2 の比表面積を持つα−Si3 4 原料粉末30g
に2.418gのY23 及び1.288gのSiO2
を添加し、メタノールを分散媒とし窒化ケイ素製ボール
とポットを用い、遊星ミルを用いて混合を行った。真空
エバポレータを用いてメタノールを除去し、さらに12
0℃で真空乾燥後、60メッシュの篩いを通過させ、種
結晶作製用配合物を得た。窒化ケイ素ルツボに配合物を
入れ、5気圧窒素中1850℃で2時間加熱を行い、得
られた凝集塊を再び60メッシュの大きさまで解砕し
た。
【0018】この様にして得られた粉末をフッ酸・硝酸
混合水溶液(フッ酸:硝酸:水=45:5:50体積
%)、硫酸、希フッ酸、アンモニア水で順次処理を行
い、ガラス相成分であるY2 3 とSiO2 を除去し、
短径1.4μm、アスペクト比4の棒状β−窒化ケイ素
単結晶を得た。この種結晶は酸素含有量0.26%以
下、イットリウム含有量1.3ppm以下の極めて高純
度なものであった。
【0019】(2)多孔質高強度低熱伝導窒化ケイ素焼
結体の作製 本実施例における原料の配合は、以下のとおりである。 配合:α−Si3 4 +5重量%Y2 3 +2重量
%Al2 3 +10体積%棒状窒化ケイ素単結晶(棒状
窒化ケイ素単結晶の短径は1.4μm、長径5.6μ
m) α−Si3 4 原料粉末(比表面積10m2 /g、平均
粒径0.1μm)にY2 3 とAl2 3 の焼結助剤、
さらに外掛けで3重量%の分散剤〔ジアミンRRT、花
王(株)製〕を添加し、トルエン−ブタノール混合液
(トルエン80体積%、ブタノール20体積%)分散媒
とし窒化ケイ素製ボールとポットを用い、遊星ミルで3
時間混合を行った。得られたスラリーに上記種結晶を1
0体積%添加し、樹脂ポットと樹脂コートボールを用い
て24時間混合後、さらに粉体に対して9重量%のバイ
ンダー(ポリビニルブチラール樹脂)、2.25重量%
の可塑剤(アジピン酸ジオクチル)を添加後、48時間
混合を行った。この様にして得られたスラリーをドクタ
ーブレード法により、厚さ150μmのグリーンシート
に成形した。
【0020】電子顕微鏡で、グリーンシートを観察した
結果、シート成形面において平面的に配向しているのが
確認された。グリーンシートを45×50mmの形状に
切断後、同一方向に50枚を重ね合わせ130℃、70
kg/cm2 の圧力で加熱圧着した。得られたシート積
層体を95%N2 −5%H2 の混合ガスフロー中600
℃で2時間仮焼し、有機バインダーを除去した。この仮
焼体をカーボンルツボに設置し、Si3 4 粉末で覆っ
た後、9気圧の加圧窒素中1850℃で6時間保持し、
焼結体を得た。
【0021】(3)焼結体の特性 試料の密度及び強度を測定するために得られた焼成体か
らシート成形方向が試料の長手方向になるように3×4
×40mmの試験片を切り出した。得られた試験片を#
400のダイヤホィールで研削後、密度測定、JIS
R−1601による室温4点曲げ強度測定を行った。さ
らに、焼成体から直径10mm、厚さ2mmの円板状試
料を切り出し、レーザーフラッシュ法にて室温での熱伝
導率を測定した。また、試料を鏡面研摩後、CF4 ガス
中にてプラズマエッチング処理を施し微細組織の観察を
行った。図3に上記焼成体の研摩エッチング面の電子顕
微鏡写真(×2000)を示す。尚、表1中の密度は理
論密度を基礎とする相対密度(%)で示してある。
【0022】なお、比較のため、種結晶を添加しない焼
結体、及び種結晶を単に混合添加しただけの成形体を通
常のプレス法により作製し、同様に9気圧窒素中、18
50℃で6時間焼成し、得られた焼結体について評価を
行った結果も表1に合わせて示してある。
【0023】
【表1】
【0024】得られた焼結体の特性は、焼結体相対密度
が90%、4点曲げ強度が950MPa、熱伝導率が2
5W/mKであった。
【0025】実施例2 本実施例における原料の配合は、以下の通りである。 配合:α−Si3 4 +5重量%Y2 3 +2重量
%Al2 3 +15体積%棒状窒化ケイ素単結晶(棒状
窒化ケイ素単結晶の短径は1.4μm、長径5.6μ
m) 上記原料の配合の他は実施例1と同様にして焼結体を製
造した。得られた焼結体の特性は、焼結体相対密度が8
4%、4点曲げ強度が720MPa、熱伝導率が20W
/mKであった。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高強度で低熱伝導化された窒化ケイ素質焼結体を得るこ
とができる。本発明により製造される窒化ケイ素質焼結
体は、高強度の発現が達成されており、粗大柱状粒子が
面内に配向して交錯し、かつ存在する気孔が球状で互い
にほとんど接触しない組織を発現させたことにより、理
論密度の85%以下の密度でありながら粒子の配向方向
に垂直な方向において700MPa以上の高い強度を持
つ。また、低熱伝導化が達成されており、15%以上の
気孔が導入されることにより、熱伝導率が低下する。な
お、マトリックスである窒化ケイ素にアルミナを固溶さ
せ、サイアロン化することによりさらに熱伝導率を低下
させることが可能である。さらに、本発明の多孔質低熱
伝導窒化ケイ素質セラミックスは、高強度を要求される
高温断熱部材、例えば、遮熱エンジン部品、ディーゼル
エンジン部品などの材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】高強度・高靱性窒化ケイ素焼結体(比較例)の
微構造の模式図を示す。
【図2】本発明により得られた多孔質高強度低熱伝導窒
化ケイ素質焼結体の微細構造の模式図を示す。
【図3】本発明により得られた多孔質高強度低熱伝導窒
化ケイ素質セラミックスの研摩エッチング面の電子顕微
鏡写真(×2000)を示す。なお、観察はシート成形
面に平行な面で行った。
【符号の説明】
a 微細な窒化ケイ素マトリックス b 粗大柱状粒子(cより成長) c 棒状β−窒化ケイ素単結晶 d 気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神崎 修三 愛知県春日井市藤山台8丁目12番地の4 (72)発明者 今村 寿之 愛知県名古屋市北区川中町12番19号 ヴ ィラ渡辺203 (72)発明者 平井 岳根 愛知県名古屋市北区上飯田西町1丁目13 番地 黄桜名古屋ハイツ403 (72)発明者 茂垣 康弘 愛知県名古屋市守山区苗代1丁目14番地 16号 コーポ中央303 審査官 後谷 陽一 (56)参考文献 特開 平8−34670(JP,A) 特開 平8−112705(JP,A) 特開 平7−291736(JP,A) 特開 平5−221738(JP,A) 特開 平3−290368(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ケイ素原料粉末と焼結助剤よりなる
    混合物に、窒化ケイ素原料粉末よりも大きな短径を持つ
    棒状のβ−窒化ケイ素単結晶を10体積%以上添加し、
    シート成形、押出し成形等の成形手法を用いて、棒状β
    −窒化ケイ素単結晶が面内に配向した成形体を作製した
    後、当該成形体を焼成し、添加した棒状β−窒化ケイ素
    単結晶を結晶成長核として柱状窒化ケイ素粒子を発達さ
    せることにより、これらの柱状粒子を交錯した状態で分
    散させたことを特徴とする多孔質高強度低熱伝導窒化ケ
    イ素質焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の製造方法により得ら
    れる相対密度が70〜90%の範囲にあり、かつ柱状粒
    子が互いに交錯した組織を持つ多孔質高強度低熱伝導窒
    化ケイ素質焼結体。
JP8035545A 1996-01-30 1996-01-30 多孔質高強度低熱伝導窒化ケイ素質セラミックス及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2744938B2 (ja)

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