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JP3501317B2 - 高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体および窒化ケイ素質焼結体製絶縁基板 - Google Patents

高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体および窒化ケイ素質焼結体製絶縁基板

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JP3501317B2
JP3501317B2 JP18600395A JP18600395A JP3501317B2 JP 3501317 B2 JP3501317 B2 JP 3501317B2 JP 18600395 A JP18600395 A JP 18600395A JP 18600395 A JP18600395 A JP 18600395A JP 3501317 B2 JP3501317 B2 JP 3501317B2
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less
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崎 尚 登 広
本 裕 介 岡
宗 淑 雄 秋
藤 元 英 安
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体用絶縁基板をは
じめとして、自動車,機械装置,化学装置,宇宙航空機
器などの幅広い分野において使用される各種構造部品の
素材として利用でき、高い破壊靭性値と優れた強度に加
えて、高い熱伝導率を有するファインセラミックス材料
としての高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体およびその製造
方法ならびに窒化ケイ素質焼結体製絶縁基板に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、常
温および高温で化学的に安定であり、高い機械的強度を
有するため、摺動部材,エンジン部材などとして好適な
材料である。さらに、高い絶縁性を利用して、電気絶縁
材料としても使用されている。
【0003】例えば、半導体用の電気絶縁基板として
は、電気絶縁性に加えて優れた放熱特性を得ることがで
きるように高い熱伝導率が要求される。そして、このよ
うな材料としては、BeOを添加したSiCやAlN等
が開発されている。しかし、SiCやAlNは強度や靭
性が低いため、製品の形状や取扱いの点で問題があっ
た。
【0004】一方、窒化ケイ素質焼結体は、強度や靭性
に優れるため、機械部品への適用が進んでいる材料では
あるが、熱伝導率がSiCやAlNと比べて低いため、
優れた放熱特性をも必要とされる電気絶縁基板への適用
は十分には進んでいなかった。このように熱伝導率が低
い理由は、窒化ケイ素の焼結のために添加される焼結助
剤成分の一部が、窒化ケイ素粒内へ固溶したり、粒界に
偏在したりするため、フォノン(セラミックス中で熱を
伝達する機構)が散乱されることが原因である。そして
例えば、焼結助剤としてYとAlを添加し
た典型的な焼結体では、熱伝導率は15W/(m・K)
程度であった。
【0005】窒化ケイ素質焼結体の熱伝導率を高める研
究としては、日本セラミックス協会学術論文誌 198
9年1月号56〜62ページに記載されているように、
Alを焼結助剤として添加せずに6mol%のY
を添加して1750℃でHIP(熱間等方圧圧
縮)することにより熱伝導率70W/(m・K)を得た
研究が有る。
【0006】また、特開平4−175268号や特開平
4−219371号公報に記載されているように、焼結
体中のAl,O含有量を低下させ、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,
Ni,Nd,Hoの金属を添加し、場合によってはY
を焼結助剤として添加することにより熱伝導率40
W/(m・K)以上を得る方法が公知である。
【0007】この様に、現在までのところ、焼結体中の
Al含有量を低減させ、Yを添加して焼結するこ
とにより、70W/(m・K)程度の熱伝導率が達成さ
れている。
【0008】他方、窒化ケイ素質焼結体の強度や靭性を
向上させるための手法として、本発明者の一部は、窒化
ケイ素(主にβ型)の焼結および粒成長の研究を行い、
特開平2−255573号で、高純度のβ型窒化ケイ素
粉末の粒度分布を調整することにより高強度な焼結体が
得られることを示した。また、特開平6−166571
号では低純度の粉末を用いたときでも適度な粒度調整に
より比較的高強度の焼結体が得られること示した。さら
に、特開平7−2571号,特開平5−39060号,
特開平6−239666号では、焼結助剤と焼成条件の
最適化により焼結体の機械的特性が向上することを示し
た。
【009】さらにまた、特開平7−101775号で
は、Ybを主成分とすることによりさらに信頼性
が向上することを示した。さらにまた、特開平7−10
1777号では、β型窒化ケイ素とβ型サイアロンの複
合組織とすることにより、強度と靭性が両立することを
示した。また、特開平6−16475号において焼結体
中に鉄やカルシウムを含むと金属との接合性に優れるも
のとなることを示した。そして、このような研究によ
り、窒化ケイ素質焼結体の強度や靭性が向上した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電気絶縁性高熱伝導セラミックスとして知られているS
iCやAlNは、熱伝導率としては200W(m・K)
以上の特性が得られているが、強度や靭性が低いという
問題点がある。例えば、AlNの強度は300MPa,
破壊靭性は3MPa√m程度であり、SiCの強度は5
00MPa,破壊靭性は3MPa√m程度である。
【0011】一方、窒化ケイ素質焼結体の強度は600
MPa,破壊靭性は5MPa√m以上と機械的特性に優
れているが、熱伝導率は通常の場合20W/(m・K)
程度、最高でも70W/(m・K)と低いという問題点
があったことから、熱伝導率が高いうえに機械的特性に
も優れているセラミックス材料の開発が望まれていると
いう課題があった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題を解決
するためになされたものであって、優れた強度と破壊靭
性を持ち、機械的特性に優れていると共に、より一層優
れた高熱伝導特性を持つことによって、例えば放熱特性
の優れた半導体用絶縁基板の素材としても好適な窒化ケ
イ素質焼結体を得ることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる窒化ケイ
素質焼結体は、焼結体のAl量および焼結助剤に起因す
る金属元素の種類と量を厳選してなされたものであっ
て、請求項1に記載しているように、85重量%以上9
9重量%以下のβ型窒化ケイ素粒と残部が酸化物または
酸窒化物の粒界相とから構成され、焼結体中に粒界相と
して、Yを0.47重量%以上2.36重量%以下、N
dを0.51重量%以上2.57重量%以 下含み、焼結
体中粒界相のAl含有量が80ppm以下であり、気孔
率が2.8%以下でかつβ型窒化ケイ素粒のうち短軸径
5μm以上を持つものの割合が11体積%以上60体積
%以下であることを特徴とするものである。
【0014】そして、本発明に係わる他の窒化ケイ素質
焼結体は、焼結体のAl量および焼結助剤に起因する金
属元素の種類と量を厳選してなされたものであって、
求項2に記載しているように、85重量%以上99重量
%以下のβ型窒化ケイ素粒と残部が酸化物または酸窒化
物の粒界相とから構成され、焼結体中に粒界相として、
Yを0.47重量%以上1.97重量%以下、Ndを
0.51重量%以上1.97重量%以下含み、焼結体中
粒界相のAl含有量が80ppm以下であり、気孔率が
2.8%以下でかつβ型窒化ケイ素粒のうち短軸径5μ
m以上を持つものの割合が36体積%以上42体積%以
であることを特徴とするものである。
【0015】 同じく、本発明に係わる更に他の窒化ケ
イ素質焼結体は、請求項3に記載しているように、85
重量%以上98.22重量%以下のβ型窒化ケイ素粒と
残部が酸化物または酸窒化物の粒界相とから構成され、
焼結体中に粒界相として、Yを0.63重量%以上2.
36重量%以下、Ndを1.03重量%以上2.57重
量%以下含み、Mgを0.12重量%以上4.82重量
%以下含み、焼結体中粒界相のAl含有量が60ppm
以下であり、気孔率が2.2%以下でかつβ型窒化ケイ
素粒のうち短軸径5μm以上を持つものの割合が11体
積%以上60体積%以下であることを特徴とするもので
ある。
【0016】 同じく、本発明に係わる他の窒化ケイ素
質焼結体は、請求項4に記載しているように、85重量
%以上97.62重量%以下のβ型窒化ケイ素粒と残部
が酸化物または酸窒化物の粒界相とから構成され、焼結
体中に粒界相として、Yを0.63重量%以上1.97
重量%以下、Ndを1.03重量%以上2.57重量%
以下含み、Mgを0.72重量%以上3.98重量%以
下含み、焼結体中粒界相のAl含有量が60ppm以下
であり、気孔率が1.8%以下でかつβ型窒化ケイ素粒
のうち短軸径5μm以上を持つものの割合が18体積%
以上60体積%以下であることを特徴とするものであ
る。
【0017】 また、本発明に係わる他の高熱伝導率窒
化ケイ素質焼結体においては、請求項5に記載している
ように、線インターセプト法で測定したβ型窒化ケイ素
粒の数平均粒径が0.8μm以上10μm以下であるこ
とを特徴とするものである。
【0018】 更に、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結
体製絶縁基板は、請求項に記載しているように、上記
窒化ケイ素質焼結体を素材とし、その実施態様において
は、請求項に記載しているように、絶縁基板が絶縁放
熱基板であるものとすることができる。
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の作用】本発明に係わる高熱伝導率窒化ケイ素質
焼結体は、請求項1に記載しているように、85重量%
以上99重量%以下のβ型窒化ケイ素粒と残部が酸化物
または酸窒化物の粒界相とから構成される。ここで、窒
化ケイ素粒の構成相がβ型であるものとしているのは、
α型窒化ケイ素は熱伝導率が低いためである。そして、
β型窒化ケイ素粒が85重量%未満では粒界相の量が多
くなり、熱伝導率が低下するので好ましくなく、また、
99重量%を超えると気孔率が高くなるため熱伝導率が
低下するので好ましくないことによる。
【0022】そして、焼結体中に粒界相として、Y及び
Ndを含む。これらの元素は、酸化物の形で添加したと
きに窒化ケイ素の焼結を促進する作用・効果が有り、か
つ、粒界相中に残存したときに熱伝導率を低下させない
作用・効果がある。
【0023】 そしてまた、請求項1に記載しているよう
に、焼結体中粒界相のAl原子含有量が80pm以下、
好ましくは70pm以下、より好ましくは60pm以下
としており、このAl原子含有量は少なければ少ない程
よい。従って、添加する焼結助剤としてAlやA
lN等のAlを含むものは極力避けた方が良い。そし
て、焼結助剤中のAl原子含有量が1重量%を超えると
粒界相中のAlの一部が窒化ケイ素粒内に固溶してサイ
アロンとなるため、フォノンが散乱されて熱伝導率が低
下するので好ましくない。
【0024】 さらにまた、同じく請求項1に記載してい
るように、焼結体中の気孔率は2.8%以下であるもの
とするのがよく、気孔率が2.8%を超えると機械的特
性が低下し、熱伝導率も低下するので好ましくない。そ
して、焼結体の微構造としては、β型窒化ケイ素の粒子
の大きさが重要であり、β型窒化ケイ素粒のうち短軸径
5μm以上を持つものの割合が11体積%以上60体積
%以下であるものとするのがよい。ここで、β型窒化ケ
イ素粒のうち短軸径5μm以上を持つものの割合が11
体積%未満では粒子が細かいため熱伝導率が低下するの
で好ましくなく、60体積%を超えると強度が低下する
ので好ましくない。
【0025】 このような構成をもつ本発明に係わる窒化
ケイ素質焼結体は、その熱伝導率が80W/(m・K)
以上であるものとすることがとくに好ましい。この場
合、熱伝導率が80W/(m・K)未満では、放熱基板
して用いるのに不十分である傾向となる。また、機械的
特性は、JIS−R1607で制定されるSEPB法で
測定した破壊靭性が7MPa√m以上、JIS−R16
01で制定される4点曲げ法で測定した曲げ強度が60
0MPa以上であるものとすることがとくに好ましく、
これらの値よりも低い場合には機械的特性が不十分であ
る傾向となる。
【0026】 さらに、焼結体の切断面を観察したと
き、短軸径が5μm以上を持つものの粒子の面積の合計
が観察面積の10面積%以上60面積%以下であるもの
とすることがとくに望ましく、このようにすると、機械
的特性と熱伝導率がより一層向上するものとなる。
【0027】 さらにまた、請求項に記載しているよ
うに、線インターセプト法で測定したβ型窒化ケイ素粒
の数平均粒径が0.8μm以上10μm以下であるもの
となるように組織制御するとよい。
【0028】 ここで、線インターセプト法,β型窒化ケ
イ素粒の短軸径,面積%等は、下記により測定する。
【0029】 まず、焼結体を4×4×3mm程度に切断
した後、一面をダイヤモンドペーストで研磨およびラッ
ピングすることにより鏡面に仕上げ、この面をCF4ガ
ス中でプラズマエッチングして、窒化ケイ素粒子が見え
るようにする。
【0030】 次に、SEM(走査型電子顕微鏡)により
研磨面上の窒化ケイ素粒子の形態を写真に撮る。そし
て、得られたSEM写真上でランダムに直線を引き、直
線が横切る全ての窒化ケイ素粒子の粒径を求める。この
平均を線インターセプト法で求めた窒化ケイ素粒子の数
平均とする。さらに、このSEM写真を画像処理装置を
用いて全ての窒化ケイ素粒子の短軸径と面積を画像処理
により測定する。この後、測定されたデータを基に短軸
径が5μm以上を持つものの粒子の面積が合計で観測視
野に占める割合を面積%とする。
【0031】 本発明に係わる高熱伝導率窒化ケイ素質焼
結体において、β型窒化ケイ素粒の大きさを制御するこ
とにより熱伝導率が高くなる理由は以下の通りと考えら
れる。
【0032】 すなわち、熱の伝達機構であるフォノン
は、窒化ケイ素粒内では良く伝わり、粒界相では散乱さ
れる。従って、1個の粒子が大きくなると散乱の程度が
減って熱伝導率が向上する。しかし、1個の粒子が大き
くなりすぎると機械的特性が低下する。
【0033】 本発明で、粒子の大きさやその割合を規定
した理由は次に示す通りである。β型窒化ケイ素粒のう
ち短軸径5μm以上を持つものの割合が11体積%以上
60体積%以下であるものとしているのは、短軸径5μ
m以上を持つものの割合が11体積%未満では粒子が細
かいため熱伝導率が低下し、60体積%を超えると強度
が低下するためである。
【0034】 この場合における体積割合の求め方は、
特に規定はしないが、一つの方法として、焼結体をフッ
化水素酸で処理し、窒化ケイ素粒子をバラバラにして取
り出してSEM観察する方法がある。今回は、面積%の
値を体積%として見積もった。そして、焼結体の切断面
を観察したとき、短軸径が5μm以上を持つものの粒子
の面積の合計が観察面積の10面積%以上60面積%以
下であるのがより好ましいとしているのは、上記体積%
における理由と同様に、10面積%未満では粒子が細か
いため熱伝導率が低下する傾向となり、60面積%を超
えると強度が低下する傾向となるためである。
【0035】 さらにまた、請求項に記載しているよ
うに、焼結体の切断面における線インターセプト法で測
定したβ型窒化ケイ素粒の数平均粒径が0.8μm以上
10μm以下であるのがより好ましいとしているのは、
0.8μm未満では粒子が細かいため熱伝導率が低下す
る傾向となり、10μmを超えると粒子が粗くなるため
強度が低下する傾向となるためである。
【0036】 上述のように、焼結体中に残存する助剤成
分も機械的特性および熱伝導率に重要な影響を及ぼすこ
とが明らかとなり、本発明の高熱伝導率窒化ケイ素質焼
結体では、焼結体中に粒界相として、Mg,Ca,S
r,Ba,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,
Dy,Ho,Er,Ybのうちから選ばれる金属元素を
含めることができる。この中でも特に、1.焼結体中に
粒界相として、Yを0.47重量%以上2.36重量%
以下、Ndを0.51重量%以上2.57重量%以下含
み、焼結体中粒界相のAl含有量が80ppm以下であ
る組成(請求項1)2.焼結体中に粒界相として、Yを
0.63重量%以上2.36重量%以下、Ndを1.0
3重量%以上2.57重量%以下含み、Mgを0.12
重量%以上4.82重量%以下含み、焼結体中粒界相の
Al含有量が60ppm以下である組成(請求項3)の
ものが、特に、熱伝導率が高くなることが明らかとなっ
た。
【0037】 その理由は、 1.焼結体中に粒界相として、Yを0.47重量%以上
2.36重量%以下、Ndを0.51重量%以上2.5
7重量%以下含み、焼結体中粒界相のAl含有量が80
ppm以下である組成とするのが好ましいのは、Yが
0.47重量%未満、Ndが0.51重量%未満では
密化が困難なため熱伝導率が低下する傾向となり、Yが
2.36重量%、Ndが2.57重量%を超えると粒界
相が多くなるため熱伝導率が低下する傾向となることに
よる。また、Al含有量が80ppmを超えると熱伝導
率が低下する傾向となることによる。
【0038】 2.上記の中でも、焼結体中に粒界相とし
、Yを0.63重量%以上2.36重量%以下、Nd
を1.03重量%以上2.57重量%以下含み、Mgを
0.12重量%以上4.82重量%以下含み、焼結体中
粒界相のAl含有量が60ppm以下である組成とすれ
ば、特に熱伝導率が優れたものとなる。そして、Yが
0.63重量%未満、Ndが1.03重量%未満では緻
密化が困難なため熱伝導率が低下する傾向となり、Yが
2.36重量%、Ndが2.57重量%を超えると粒界
相が多くなるため熱伝導率が低下する傾向となることに
よる。さらに、Mgが0.12重量%未満では緻密化が
困難なため熱伝導率が低下する傾向となり、4.82重
量%を超えると粒界相が多くなるため熱伝導率が低下す
る傾向となることによる。また、Al含有量が60pp
mを超えると熱伝導率が低下する傾向となることによ
る。
【0039】 また、本発明における高熱伝導率窒化ケイ
素質焼結体の製造方法は、特に限定されないが、以下の
方法が有る。
【0040】 すなわち、Al含有量が0.1重量%以
下で、α−Si含有率が90重量%以上またはβ
−Si含有率が80重量%以上である窒化ケイ素
粉末に、焼結助剤として、Yを0.6重量%以上
2.5重量%以下、Ndを0.6重量%以上2.
3重量%以下添加して成形した後、1気圧以上500気
圧以下の窒素ガス圧下で、1700℃以上2300℃以
下の温度で、請求項1ないしのいずれかに記載の焼結
体が得られるまで焼成する製造方法である。
【0041】 この場合、原料粉末は、α型窒化ケイ
素,アモルファス,β型窒化ケイ素のいずれでも良く、
また、これらの混合物であってもよい。しかし、α−S
含有率が90重量%以上またはβ−Si
含有率が80重量%以上である窒化ケイ素原料粉末を用
いる。この理由は、α型を出発とすると、出発原料は全
て液相に溶解した後にβ相となるため、出発原料中の窒
化ケイ素粒子内の不純物が粒界相中に除去されるためで
ある。そして、α−Si含有率が90重量%以上
であるとその効果が大きい。また、高熱伝導率に加えて
特に靭性にも優れたものとする場合は、β−Si
含有率が80重量%以上である窒化ケイ素原料粉末を用
いるのがよい。この理由は、β型を出発とすると、出発
原料中の粗大粒子が選択的に粒成長するため、柱状粒子
が発達しやすいことによるものである。そして、β−S
含有率が80重量%以上であるとその効果が大
きい。さらに、原料粉末の純度は高ければ高いほど良
く、特に、Al含有量は0.1重量%以下である。ここ
で、Al含有量が0.1重量%を超えると、窒化ケイ素
粒内のAl含有量が多くなるため、粒内でフォノンが散
乱されて熱伝導率が低下する傾向となる。
【0042】 焼結助剤としては、Mg,Ca,Sr,
Ba,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,D
y,Ho,Er,Ybのうちから選ばれる1種または2
種以上の元素の酸化物焼結助剤を0.98重量%以上
8.22重量%以下の範囲内で添加できる。これらの酸
化物焼結助剤は、従来の窒化ケイ素の焼結助剤として用
いられているものの中から、焼結性に優れかつ熱伝導率
を低減させないものを本発明の研究により選定したもの
である。そして、この焼結助剤の添加量が0.98重量
%未満では焼結助剤としての作用が不十分であって良好
なる焼結性が得られない傾向となり、8.22重量%超
過では粒界相の量が多くなるため熱伝導率が低下する傾
向となる。これらの焼結助剤の中で特に優れた熱伝導率
が得られるものとして、 1.Yを0.6重量%以上2.5重量%以下、N
を0.6重量%以上2.3重量%以下添加 3.Yを0.6重量%以上2.5重量%以下、N
を0.6重量%以上2.3重量%以下、MgO
を0.2重量%以上6.6重量%以下添加
【0043】 その理由は、 1.Yを0.6重量%以上2.5重量%以下、N
を0.6重量%以上2.3重量%以下添加した
組成では、酸化物が規定量未満では緻密化が困難なため
熱伝導率が低下する傾向となり、規定量を超えると粒界
相が多くなるため熱伝導率が低下する傾向となることに
よる。
【0044】 2.Yを0.6重量%以上2.5重
量%以下、Ndを0.6重量%以上2.3重量%
以下、MgOを0.2重量%以上6.6重量%以下添加
した組成では、特に、熱伝導率に優れたものとすること
ができるが、酸化物が規定量未満では緻密化が困難なた
め熱伝導率が低下する傾向となり、規定量を超えると粒
界相が多くなるため熱伝導率が低下する傾向となること
による。
【0045】 次に、このようにして調整された窒化ケイ
素粉末と酸化物焼結助剤との混合物を成形する。成形の
手法は特に限定されないが、通常のセラミックスの成形
方法である、金型成形,ラバープレス成形,鋳込み成
形,テープ成形(ドクターブレード法),射出成形,押
出し成形等が用いられる。
【0046】 焼結は、窒素ガス圧下のガス圧焼結法ま
たはホットプレスにより行われることとするのが良く、
上述のように、成形体を、1気圧以上500気圧以下の
窒素ガス圧下で、1700℃以上2300℃以下の温度
で、請求項1ないしのいずれかに記載の焼結体が得ら
れるまで焼成する。ここで、窒素ガス圧力が1気圧未満
では、窒化ケイ素が熱分解を起こし、緻密化が困難とな
るため熱伝導率が低下する。また、500気圧を超える
と、焼結体の気孔の中に高圧のガスが閉じ込められるた
めに緻密化が困難となり熱伝導率が低下する。焼成温度
は、1700℃未満では緻密化が困難であり、また、粒
成長が進まないため熱伝導率が低下する。しかし、23
00℃超過では粒成長は進み熱伝導率は向上するものの
粗大粒子が大きくなりすぎて強度が低下する。そして、
最適な焼成温度および焼成時間は、焼結助剤の種類およ
び量により異なるが、気孔率が5%以下でかつ請求項1
ないしのいずれかに記載の焼結体が得られるまで焼成
する。ここで、気孔率が5%を超えると熱伝導率が低下
することとなり、請求項1ないしのいずれかに記載の
焼結体が得られないと熱伝導率が低下することとなる。
【0047】 さらに、熱伝導率の向上に加えてより一
層の優れた機械的特性および熱伝導率を得るには、1気
圧以上100気圧以下の窒素ガス圧下で、1700℃以
上1900℃以下の温度で、気孔率が5%以下となるま
で予備焼成した後、炭素が存在する雰囲気下で100気
圧以上の窒素ガス圧下で1900℃以上の温度で、請求
項1ないしのいずれかに記載の焼結体が得られるまで
焼成することができる。これは、予備焼成で粒成長をあ
まりさせないで密度を上げておいて、粒成長のための熱
処理を炭素が存在する雰囲気下で100気圧以上の窒素
ガス圧下で行うことにより、粒成長時に焼結体中の酸素
不純物を低減する作用・効果が有り、熱伝導率が向上し
うる。なお、予備焼成が1700℃未満では緻密化が困
難であり、熱伝導率が低下する傾向となり、1900℃
超過では粒成長が進むため酸素不純物低減の作用・効果
が少ない傾向となる。また、100気圧未満では、炭素
と窒化ケイ素が反応して炭化ケイ素が生成するため熱伝
導率が低下する傾向となる。
【0048】 さらにまた、請求項に記載しているよ
うに、本発明の高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体は、通常
の絶縁基板に用いると、強度,靭性に優れたものとな
り、請求項に記載しているように、窒化ケイ素質焼結
体製絶縁放熱基板に用いると、強度,靭性,熱伝導率が
優れるため、最適な絶縁放熱基板が得られることとな
る。
【0049】
【実施例】実施例1〜3,11〜18及び22〜26、
参考例1〜13 平均粒径0.5μm,Al含有量0.005重量%,α
−Si含有量95重量%の窒化ケイ素粉末(粉末
A)、または、平均粒径0.8μm,Al含有量0.0
04重量%,β−Si含有量92重量%の窒化ケ
イ素粉末(粉末C)に、表1,表3,表5に示す組成の
酸化物焼結助剤を添加し、エタノールを添加した湿式ボ
ールミルにより94時間混合粉砕した。次いで、空気中
でスプレードライヤーを用いて乾燥した後、20MPa
の圧力で金型成形したあと、200MPaの圧力でラバ
ープレスを施すことにより、直径13mm,高さ4mm
の円盤状成形体および6×6×50mmの直方体成形体
を得た。次に、各成形体を黒鉛のガス圧炉を用いて、同
じく表1,表3,表5に示す窒素ガス圧力,焼成温度,
焼成時間の条件で焼成した。
【0050】 このようにして得られた各焼結体の気孔率
は表2,表4,表6に示すようにいずれも5%以下であ
った。また、X線回折によれば、焼結体からはβ−Si
のみのピークが測定され、α−Siは存在
しないことが確認された。
【0051】 続いて、直方体の焼結体を800メッシュ
のダイヤモンドホイールで平面研削し、3×4×40m
mの形状に加工し、JIS−R1601に準じた室温4
点曲げにより曲げ強度を求めると共に、JIS−R16
07に準じたSEPB法(試験片の3×40mmの面に
ビッカース圧痕を加え、これから予亀裂を生じさせ、こ
の予亀裂から破壊する手法)により破壊靭性値を求め
た。こられの結果は表2,表4,表6に示すように、全
ての焼結体において破壊靭性が7MP√m以上,曲げ強
度が600MPa以上であった。
【0052】 次に、各焼結体を4×4×3mmに切断加
工し、4×4mmの面をダイヤモンドペーストで研磨加
工して鏡面に仕上げた。そして、研磨面を7.8%の酸
素を含むCF4ガス雰囲気中において、40Wの出力で
2分間プラズマエッチング処理を施したあと、SEMに
より研磨面上の0.25mm2の面積の窒化ケイ素粒子
の形態を写真に撮った。そして、このSEM写真を画像
処理装置を用いて、全ての窒化ケイ素粒子の短軸径と面
積を画像処理により図1に示す要領で測定した。そし
て、ここで得られたSEM写真に図2に示す要領でラン
ダムに直線Aを引き、直線が横切る全ての窒化ケイ素粒
子Bの粒径Cを求めた。そして、この平均を、線インタ
ーセプト法で求めた窒化ケイ素粒子の数平均とした。そ
してさらに、測定されたデータを基に短軸径が5μm以
上を持つものの粒子の面積の合計が観測視野に占める割
合を面積率(%)とした。
【0053】 表2,表4,表6に示すように、短軸径が
5μm以上を持つものの粒子の面積の合計がいずれの焼
結体においても観察面積の10面積%以上60面積%以
下であり、線インターセプト法で測定したβ型窒化ケイ
素粒の数平均粒径はいずれの焼結体においても0.8μ
m以上10μm以下であった。
【0054】 次に、円盤状焼結体を直径10mm,高
さ1mmの円盤状に研削加工し、レーザフラッシュ法
(JIS−R1611に準拠)により熱拡散率と比熱を
測定した。このうち、熱拡散率の測定では、試料の表面
に黒鉛皮膜を形成した後、300Kの温度に保って真空
中でレーザパルスを照射して、反対面の温度変化を赤外
線温度検出器で測定し、対数法により熱拡散率を求め
た。また、比熱の測定では、試料に黒鉛製薄板(直径1
1mm,厚さ0.25mm)を張り付け、300Kの温
度に保って大気中でレーザパルスを照射し、反対面の温
度変化をPt:Pt−Rh13重量%の熱電対を用いて
測定し、ニッケルを標準試料として求めた。測定はそれ
ぞれの焼成条件に対して3点の試料について各3回の測
定を行い、平均値を用いた。熱拡散率(α),比熱
(c),およびアルキメデス法で求めた密度(ρ)のデ
ータを用いて熱伝導率(κ)を κ=αcρ (1) により計算した。実施例1〜3,11〜18及び22〜
26の試料の熱伝導率は、同じく表2,表4,表6に示
すように全て80W/(m・K)以上であった。
【0055】 このように、本発明により窒化ケイ素質焼
結体中のAl含有量および焼結助剤の組成と量を制御
し、さらに、焼結体中のβ型窒化ケイ素粒子の大きさを
制御することにより、強度,靭性等の機械的特性と優れ
た熱伝導率を併せ持つ焼結体が得られた。
【0056】 また、この材料で、50×50×0.6m
mの薄板を作製したところ、放熱基板として良好な製品
であった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】比較例1〜10 平均粒径0.5μm,Al含有量0.005重量%,α
−Si含有量95重量%の窒化ケイ素粉末(粉末
A)、または、平均粒径1.5μm,Al含有量0.1
5重量%,α−Si含有量70重量%の窒化ケイ
素粉末(粉末B)を用いて、表7に示す組成の酸化物焼
結助剤を添加し、上記実施例と同様にして粉砕,乾燥,
成形を行ったのち同じく表7に示す条件で焼成した。
【0064】 次いで、上記実施例と同様にして各焼結体
の気孔率,曲げ強度,靭性,組織,熱伝導率を測定し
た。この結果、表8に示すように、比較例の焼結体で
は、強度,靭性,熱伝導率のいずれにも優れた特性を持
つ焼結体は得られなかった。
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】実施例31〜35 平均粒径0.5μm,Al含有量0.005重量%,α
−Si含有量95重量%の窒化ケイ素粉末(粉末
A)に、表9の実施例の欄に示す組成の酸化物焼結助剤
を添加し、エタノールを添加した湿式ボールミルにより
94時間混合粉砕した。次いで、空気中でスプレードラ
イヤーを用いて乾燥した後、20MPaの圧力で金型成
形したあと、200MPaの圧力でラバープレスを施す
ことにより、直径13mm,高さ4mmの円盤状成形体
および6×6×50mmの直方体成形体を得た。次に、
各成形体を窒化ホウ素製のるつぼに入れて極力炭素が入
らない雰囲気で、黒鉛抵抗加熱式のガス圧炉を用いて、
表9の実施例の欄に示す焼成ガス圧力,温度および時間
の条件で予備焼成したところ、同じく表9の実施例の欄
に示すように予備焼成体の気孔率がいずれも5%以下と
なっていた。
【0068】 次いで、各予備焼成体を黒鉛製のるつぼに
入れ、炭素雰囲気で黒鉛抵抗加熱式のガス圧炉を用い
て、同じく表9の実施例の欄に示すガス圧力,温度およ
び時間の条件で熱処理した。そして、得られた焼結体の
物性を前記実施例と同様の方法で測定したところ、表1
0の実施例の欄に示す結果であった。
【0069】 表10の実施例の欄に示すように、本発明
により窒化ケイ素質焼結体中のAl含有量および焼結助
剤の組成と量を制御し、さらに、焼結体中のβ型窒化ケ
イ素粒子の大きさを制御することにより、強度,靭性等
の機械的特性と優れた熱伝導率を併せ持つ焼結体が得ら
れた。
【0070】
【表9】
【0071】
【表10】
【0072】比較例11〜14 平均粒径0.5μm,Al含有量0.005重量%,α
−Si3N4含有量95重量%の窒化ケイ素粉末(粉末
A)に、表9の比較例の欄に示す組成の酸化物焼結助剤
を添加し、上記実施例と同様にして粉砕,乾燥,成形を
行ったのち、同じく表9の比較例の欄に示す条件で予備
焼成および熱処理を行った。
【0073】 次いで、上記実施例と同様にして焼結体の
物性を測定したところ、表10の比較例の欄に示す結果
であった。
【0074】 表10の比較例の欄に示す結果より明らか
なように、比較例では、強度,靭性,熱伝導率を併せ持
つ焼結体は得られなかった。
【0075】
【発明の効果】本発明に係わる高熱伝導率窒化ケイ素質
焼結体は、請求項1に記載しているように、85重量%
以上99重量%以下のβ型窒化ケイ素粒と残部が酸化物
または酸窒化物の粒界相とから構成され、焼結体中に粒
界相として、Yを0.47重量%以上2.36重量%以
下、Ndを0.51重量%以上2.57重量%以下含
み、焼結体中粒界相のAl含有量が80ppm以下であ
り、気孔率が2.8%以下でかつβ型窒化ケイ素粒のう
ち短軸径5μm以上を持つものの割合が11体積%以上
60体積%以下であるものとしたから、請求項2に記載
しているように、85重量%以上99重量%以下のβ型
窒化ケイ素粒と残部が酸化物または酸窒化物の粒界相と
から構成され、焼結体中に粒界相として、Yを0.47
重量%以上1.97重量%以下、Ndを0.51重量%
以上1.97重量%以下含み、焼結体中粒界相のAl含
有量が80ppm以下であり、気孔率が2.8%以下で
かつβ型窒化ケイ素粒のうち短軸径5μm以上を持つも
のの割合が36体積%以上42体積%以下であるものと
したから、請求項3に記載しているように、85重量%
以上98.22重量%以下のβ型窒化ケイ素粒と残部が
酸化物または酸窒化物の粒界相とから構成され、焼結体
中に粒界相として、Yを0.63重量%以上2.36重
量%以下、Ndを1.03重量%以上2.57重量%以
下含み、Mgを0.12重量%以上4.82重量%以下
含み、焼結体中粒界相のAl含有量が60ppm以下で
あり、気孔率が2.2%以下でかつβ型窒化ケイ素粒の
うち短軸径5μm以上を持つものの割合が11体積%以
上60体積%以下であるものとしたから、請求項4に記
載しているように、85重量%以上97.62重量%以
下のβ型窒化ケイ素粒と残部が酸化物または酸窒化物の
粒界相とから構成され、焼結体中に粒界相として、Yを
0.63重量%以上1.97重量%以下、Ndを1.0
3重量%以上2.57重量%以下含み、Mgを0.72
重量%以上3.98重量%以下含み、焼結体中粒界相の
Al含有量が60ppm以下であり、気孔率が1.8%
以下でかつβ型窒化ケイ素粒のうち短軸径5μm以上を
持つものの割合が18体積%以上60体積%以下である
ものとしたから、強度,靭性等の機械的特性に優れてい
ると共に、熱伝導率が高いファインセラミックス高熱伝
導率窒化ケイ素質焼結体が提供されることになるという
著しく優れた効果がもたらされる。
【0076】
【0077】 また、請求項に記載しているように、
線インターセプト法で測定したβ型窒化ケイ素粒の数平
均粒径が0.8μm以上10μm以下であるものとする
ことによって、機械的特性と熱伝導率が向上した高熱伝
導率窒化ケイ素質焼結体が提供されることになるという
著しく優れた効果がもたらされる。
【0078】 また、請求項に記載しているように、
請求項1ないしのいずれかに記載の窒化ケイ素質焼結
体を素材とした窒化ケイ素質焼結体製絶縁基板では、機
械的強度に優れていると共に熱伝達特性に優れた絶縁基
板とすることが可能であるという著しく優れた効果がも
たらされる。
【0079】 そして、請求項に記載しているよう
に、絶縁基板が絶縁放熱基板であるものとすることによ
って、機械的強度に優れていると共に放熱特性に優れた
絶縁基板(例えば、半導体用電気絶縁放熱基板)とする
ことが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
【0080】
【0081】
【図面の簡単な説明】
【図1】短軸径5μm以上を持つβ型窒化ケイ素粒子の
面積率(%)の求め方を示す説明図であって、短軸径5
μm以上のβ型窒化ケイ素粒子について各粒子の短軸径
と面積を画像処理により求め、全体の面積との割合を計
算する際の説明図である。
【図2】線インターセプト法による平均粒径の求め方を
示す説明図であって、窒化ケイ素のSEM写真にランダ
ムに線Aを引き、線Aが窒化ケイ素粒子を横切った長さ
を各粒子の粒径とし、線Aを数多く引いて粒子の粒径を
求め、その平均を平均粒径とする際の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安 藤 元 英 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (56)参考文献 特開 平7−101775(JP,A) 特開 平3−218975(JP,A) 特開 平6−135771(JP,A) 特開 平5−254943(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/584 - 35/596

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 85重量%以上99重量%以下のβ型窒
    化ケイ素粒と残部が酸化物または酸窒化物の粒界相とか
    ら構成され、焼結体中に粒界相として、Yを0.47重
    量%以上2.36重量%以下、Ndを0.51重量%以
    上2.57重量%以下含み、焼結体中粒界相のAl含有
    量が80ppm以下であり、気孔率が2.8%以下でか
    つβ型窒化ケイ素粒のうち短軸径5μm以上を持つもの
    の割合が11体積%以上60体積%以下であることを特
    徴とする高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体。
  2. 【請求項2】 85重量%以上99重量%以下のβ型窒
    化ケイ素粒と残部が酸化物または酸窒化物の粒界相とか
    ら構成され、焼結体中に粒界相として、Yを0.47重
    量%以上1.97重量%以下、Ndを0.51重量%以
    上1.97重量%以下含み、焼結体中粒界相のAl含有
    量が80ppm以下であり、気孔率が2.8%以下でか
    つβ型窒化ケイ素粒のうち短軸径5μm以上を持つもの
    の割合が36体積%以上42体積%以下であることを特
    徴とする高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体。
  3. 【請求項3】 85重量%以上98.22重量%以下の
    β型窒化ケイ素粒と残部が酸化物または酸窒化物の粒界
    相とから構成され、焼結体中に粒界相として、Yを0.
    63重量%以上2.36重量%以下、Ndを1.03重
    量%以上2.57重量%以下含み、Mgを0.12重量
    %以上4.82重量%以下含み、焼結体中粒界相のAl
    含有量が60ppm以下であり、気孔率が2.2%以下
    でかつβ型窒化ケイ素粒のうち短軸径5μm以上を持つ
    ものの割合が11体積%以上60体積%以下であること
    を特徴とする高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体。
  4. 【請求項4】 85重量%以上97.62重量%以下の
    β型窒化ケイ素粒と残部が酸化物または酸窒化物の粒界
    相とから構成され、焼結体中に粒界相として、Yを0.
    63重量%以上1.97重量%以下、Ndを1.03重
    量%以上2.57重量%以下含み、Mgを0.72重量
    %以上3.98重量%以下含み、焼結体中粒界相のAl
    含有量が60ppm以下であり、気孔率が1.8%以下
    でかつβ型窒化ケイ素粒のうち短軸径5μm以上を持つ
    ものの割合が18体積%以上60体積%以下であること
    を特徴とする高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体。
  5. 【請求項5】 線インターセプト法で測定したβ型窒化
    ケイ素粒の数平均粒径が0.8μm以上10μm以下で
    あることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記
    載の高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないしのいずれかに記載の窒
    化ケイ素質焼結体を素材としていることを特徴する窒化
    ケイ素質焼結体製絶縁基板。
  7. 【請求項7】 絶縁基板が絶縁放熱基板であることを特
    徴とする請求項に記載の窒化ケイ素質焼結体製絶縁基
    板。
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