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JP2553319B2 - 可変速発電電動装置 - Google Patents

可変速発電電動装置

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Publication number
JP2553319B2
JP2553319B2 JP6135257A JP13525794A JP2553319B2 JP 2553319 B2 JP2553319 B2 JP 2553319B2 JP 6135257 A JP6135257 A JP 6135257A JP 13525794 A JP13525794 A JP 13525794A JP 2553319 B2 JP2553319 B2 JP 2553319B2
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JP
Japan
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generator
motor
slip
power system
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JP6135257A
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忠洋 柳澤
隆久 影山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/475,652 priority patent/US5729118A/en
Priority to TW084105884A priority patent/TW266344B/zh
Priority to EP95109225A priority patent/EP0688095B1/en
Priority to DE69512139T priority patent/DE69512139T2/de
Priority to CN95108546A priority patent/CN1052123C/zh
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Priority to KR1019950016127A priority patent/KR0182336B1/ko
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P23/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by a control method other than vector control
    • H02P23/08Controlling based on slip frequency, e.g. adding slip frequency and speed proportional frequency
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P9/00Arrangements for controlling electric generators for the purpose of obtaining a desired output
    • H02P9/007Control circuits for doubly fed generators
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P9/00Arrangements for controlling electric generators for the purpose of obtaining a desired output
    • H02P9/42Arrangements for controlling electric generators for the purpose of obtaining a desired output to obtain desired frequency without varying speed of the generator

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力系統の安定度改善
に貢献できる可変速発電電動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】同期機を用いた従来の発電電動装置に代
わり、巻線形誘導発電電動機を用いた可変速発電電動装
置が実用化されてきた。この可変速発電電動装置は、一
次巻線が電力系統に接続され二次巻線が交流励磁される
巻線形誘導発電電動機(以下誘導機1と呼ぶ。)と、誘
導機の回転軸に結合された原動機/負荷とから構成され
るものであり、系統周波数から決まる同期速度とは異な
る回転速度で運転できることから、運転効率を最適化で
きる,或いは系統故障時に従来同期機の動揺抑制に寄与
できる等の特徴を有している。但し、同期速度とは異な
る回転速度で運転するために、同期速度と回転速度の差
で決まる周波数の交流で二次巻線を励磁する必要があ
る。(電気協会雑誌昭和61年3月号34頁他参照)ここに
同期速度N1 は、系統周波数f1 と発電電動機の極数p
から決まり、N1=120f1 /pと定義される回転速
度である。すなわち、同期速度N1 は固定値ではなく系
統周波数f1 が変化すると同期速度も変化する。
【0003】可変速発電電動装置は、系統周波数から決
まる同期速度に固定されることなく運用上最適な回転速
度に制御できること、同期速度と回転速度の差ので決ま
る周波数の交流で二次巻線を励磁することがその特徴と
なっている。
【0004】可変速発電電動装置は、交流励磁制御装置
によって誘導機の有効電力を制御でき、原動機/負荷制
御装置によって原動機/負荷のトルクを制御できるの
で、回転速度制御は交流励磁制御装置,原動機/負荷制
御装置いずれによっても可能である。(昭和61年電気学
会全国大会1026号他参照)交流励磁制御装置によって回
転速度制御が行われている一例は、特公平 3-51910、特
開昭61-247299 に示されている。また、特開平1-231698
に示されている例は、原動機が図示されていないが、原
動機/負荷制御装置によって回転速度制御が行われてい
る一例であると言える。
【0005】何故ならば、特開平1-231698に示されてい
る例では、交流励磁装置(サイクロコンバ―タ)で有効
電力を制御しているので、回転速度は他の制御装置、す
なわち図示されていない原動機制御装置で制御している
ことが前提となっている。
【0006】また、特開昭61-173698 、特開昭62-7149
7、特開昭62-71498も原動機/負荷制御装置によって回
転速度制御が行われている一例である。以下に可変速揚
水発電システムを例にして、従来の可変速発電電動装置
の構成と作用を説明する。
【0007】なお、以下の説明において、全ての変数,
定数は各々の基準値で無次元化された値とし、更に説明
中で使用しているε・jθ1 、ε・jθ2 、ε・jθ
R 、ε・j(θ2 +φ* )は指数関数を示している。例
えばε・jθ1exp(jθ1 )を意味する。
【0008】従って、図中で異なる単位量が用いられて
いるとしても、前記無次元化が施こされているものとし
て取りあつかう。異なる単位量間で直接加減算が行なわ
れているように見える場合でも、実際には何も問題はな
い。
【0009】まず最初に、交流励磁制御装置によって回
転速度制御が行われている可変速揚水発電システムの例
を説明する。図10にそのシステム構成を示す。図10
において、巻線形誘導発電電動機1(以下、誘導機1と
称する。)はその回転子にポンプ水車2が連結され、二
次巻線は周波数変換器であるサイクロコンバ―タ3によ
って交流励磁される。可変速運転に際し最適な回転速
度,ガイドベ―ン開度は、有効電力設定器6の出力P*
と落差検出器7の出力Hから、関数発生器8で求めら
れ、各々回転速度指令N* ,ガイドベ―ン開度指令Y*
となる。
【0010】ガイドベ−ン開度制御装置140 は、ガイド
ベ―ン開度制御器41とガイドベ―ン開度指令Y* とガイ
ドベ―ン開度Yの差を演算する減算器42とから構成さ
れ、油圧サ―ボモ―タ4を介してポンプ水車2のガイド
ベ―ン開度Yがガイドベ―ン開度指令Y* と一致するよ
うに制御する。
【0011】電圧制御装置120 は、電圧設定器5の出力
* と電圧変成器17,電圧検出器23で検出する誘導機1
の一次電圧V1 との差を演算する減算器22と、電圧制御
器21とから構成され、電圧設定器5の出力V* と誘導機
1の一次電圧V1 が等しくなるようにd軸電流指令値I
d * を演算する。
【0012】ここにd軸電流は誘導機1の一次電圧v1
に対して90°遅れた電流成分で、無効電力はこのd軸電
流に比例する。速度制御装置130は、誘導機1の回転
子に取り付けられ回転速度に比例した周波数の交流信号
を出力する速度信号発生器33,周波数に比例した電圧を
発生する速度検出器34から得る速度信号NR と回転速度
指令N* との偏差を演算する減算器32と、速度制御器31
から構成され、この偏差からN* とNR が等しくなるよ
うにq軸電流指令値Iq * を演算する。
【0013】Idq軸電流検出装置100 は、誘導機1の
回転子に取り付けられた回転子の位相検出器19の出力ε
・jθR と、電圧変成器17,位相検出器19で検出する誘
導機1の一次電圧v1 の位相ε・jθ1 から誘導機1の
二次電流の位相基準ε・jθ2 を検出するフェ―ズドロ
ックル―プ回路16(以下、PLL回路16と言う)、誘導
機1の二次電流i2 を検出する電流検出器15と、誘導機
1の二次電流i2 と誘導機1の二次電流の位相基準ε・
jθ2 からIdq軸電流検出を検出するIdq軸電流検
出器14とで構成され、誘導機1の二次電流のd軸電流
Id、q軸電流Iqを検出する。
【0014】ここに位相信号ε・jθR 、ε・jθ1
ε・jθ2 は、回転子の電気角θRから決まるベクトル
cosθR +jsinθR 、電圧v1 の位相角θ1 から
決まるベクトルcosθ1 +jsinθ1 ,θ1 −θR
(これをθ2 と呼ぶ)から決まるベクトルcosθ2
jsinθ2 である。
【0015】PLL回路16はその一例として、図11に示
されるようにε・jθ1 とε・j(θR +θ2 )の差を
求めるベクトル減算器 161と比例積分演算器 162とベク
トル発生器 163とベクトル加算器 164とで構成される。
【0016】二次電流制御装置110 は、d軸電流指令値
d * とd軸電流Id の差を演算する減算器12と、q軸
電流指令値Iq *q軸電流I q の差を演算する減算器
13と電流制御器11とから構成され、d軸電流Id がd
軸電流指令値Id * に、q軸電流Iq がq軸電流指令値
q * に一致するようにサイクロコンバ―タの点弧角
を制御する。
【0017】図10のように構成された可変速揚水発電シ
ステムは、V=V* ,NR =N* ,Y=Y* ,Id =I
d * ,Iq =Iq * となるように運転されるので、電圧
がV* (通常定格電圧に設定される)のもと有効電力設
定値 * と落差Hでの最適な運転(回転速度がN* ,ガ
イドベ―ン開度がY* での運転)が可能となる。
【0018】また、Id =Id * ,Iq =Iq * で運転
すると、誘導機1の二次巻線は、電力系統の周波数f1
と回転速度NR に対応する周波数fR の差の周波数の交
流で励磁されることは次のように説明できる。なお、こ
こで“対応する”とは、誘導機1の極数が決定されると
一義的に決定される回転速度と周波数との関係という意
味である。
【0019】Id =Id * ,Iq =Iq * の状態では、
誘導機1の二次電流i2 は、tanφ* =Iq * /Id
* とすると(1)式で表される。
【0020】
【数1】i2励磁周波数f2 は、i2 の位相角(θ2
+φ* )を微分して求められる。θ2 =θ1 −θR であ
り、φ* は一定値であるので f2 =d(θ2 +φ* )/dt=d(θ1 −θR )/dt θ1 ,θR を微分するとf1 ,fR となるので、励磁周
波数f2 は(2)式で表される。
【0021】
【数2】 f2 =f1 −fR ……………………………………………(2) (2)式から誘導機1の励磁周波数f2 はすべり周波数
S (ただしfS =f1−fR )となることが分かる。
励磁周波数f 2 はすべり周波数f S と電気的に同期をと
ることを前提としており、即ちf 2 =f S となるため、
以下励磁周波数f 2 をすべり周波数f S の用語に統一し
て説明する。
【0022】次に、ガイドベ―ン開度制御装置によって
回転速度制御が行われている可変速揚水発電システムの
例を説明する。図12にそのシステム構成を示す。図12に
おいて、誘導機1,ポンプ水車2,サイクロコンバ―タ
3,有効電力設定器6,落差検出器7,関数発生器8,
油圧サ―ボモ―タ4,ガイドベ―ン開度制御器41と減算
器42とで構成されるガイドベ−ン開度制御装置140 、電
圧設定器5,電圧変成器17と電圧検出器23と減算器22と
電圧制御器21とで構成される電圧制御装置120 ,回転子
の位相検出器19と電圧変成器17と系統周波数の位相検出
器18とPLL回路16と電流検出器15とIdq 検出器14
とで構成されるIdq軸検出装置100,減算器12と電流制
御器11とで構成される二次電流制御装置110 は図10と同
一であるので説明は省略する。
【0023】図10と異なっているのは、速度制御装置13
0 のかわりに、速度制御器31と減算器32と加算器33とで
構成される速度制御装置160 は、速度制御器31の出力N
C とガイドベ―ン開度指令値Y* を補正して、補正され
たガイドベ―ン開度指令値Y*1を演算している点と、電
流検出器71,有効電力検出器72,減算器73,有効電力制
御器74から構成される有効電力制御部170 を追加してい
る点である。
【0024】有効電力制御部170 は、有効電力指令値P
* と前記有効電力検出器72の出力Pが一致するように有
効電力制御器74はq軸電流指令値Iq * を出力する。ま
た、速度制御装置160 は、速度指令値N* と回転速度N
R が一致するようにガイドベ―ン開度指令値Y* を補正
する信号NC を出力し、ガイドベ―ン開度Yを補正され
たガイドベ―ン開度指令値Y1 * と一致させるようにガ
イドベ―ン制御装置140 が動作する。関数発生器8が正
確であると補正信号NC は零になる。
【0025】従って、このような構成でも図10のシステ
ムと同様に、V=V* ,NR =N*,Y=Y* ,Id
d * ,Iq =Iq * となるように運転されるので、電
圧がV* のもと有効電力設定値 * と落差Hでの最適な
運転(回転速度がN* ,ガイドベ―ン開度がY* での運
転)が可能となる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】従来の可変速発電電動
装置では、系統周波数から決まる同期速度に固定される
ことなく運用上最適な回転速度に制御できることから、
種々の特徴が発揮できる反面、回転速度が系統周波数と
独立して制御されることから下記の問題があった。
【0027】第1の問題点;電力系統の周波数或いは回
転速度が大きく変動した場合に運転不能になる恐れがあ
る。誘導機1の二次巻線に誘起される電圧はすべりに比
例するが、この電圧がサイクロコンバ―タが出力できる
電圧v2MAXを越えると、サイクロンコンバ―タによる誘
導機1の二次電流の制御が出来なくなり、運転は継続出
来なくなる。すべりSは同期速度N1 と誘導機1の回転
速度NR から決まるが、周波数によっても表示すことが
出来、(3)式で表される。
【0028】
【数3】 S=(N1 −NR )/N1 =(f1 −fR )/f1 ……………(3) (3)式からも分かるように、回転速度が一定(即ちN
R ,fR 一定)でも、電力系統の周波数f1 が大きく変
動した場合には、すべりSが大きくなり運転不能になる
恐れがある。例えばf1 が 100%,fR が95%でSが5
%の時、f1 が 105%に変動すると、すべりSは10%に
なる。
【0029】同様に電力系統の周波数が一定(即ちf
1 ,N1 一定)でも、回転速度が大きく変動した場合に
は、すべりが大きくなり運転不能になる恐れがある。
例えばN1 が 100%,NR が95%ですべりSが5%の
時、NR が90%に変動すると、すべりSは10%になる。
特にガイドベ―ン制御で回転速度制御を行っている可変
速発電電動装置の場合は、有効電力変化時の回転速度変
化が大きいので、すべりが大きくなり運転不能になる恐
れが多いので、何らかの対策が必要になる。
【0030】第2の問題点;同期化力が働かないので電
力系統の周波数変動抑制に貢献できない。電力系統の周
波数が低下した場合を例に説明する。
【0031】同期機を用いた従来の発電電動装置の場合
は、図16の特性図が示すように、電力系統の周波数 1
が低下すると、発電運転中であれば発電電動機出力が増
加して、電力系統の周波数 1 に対応する回転速度 R
まで速度が低下して電力系統との同期が保たれる。揚水
運転中であれば、同期機入力が減少して、電力系統の周
波数に対応する回転速度NR まで速度が低下して電力系
統との同期が保たれる。
【0032】この場合の同期機出力の増加,同期機入力
の減少を同期化力と言われているが、同期化力は電力系
統の周波数が低下するのを抑制する方向の変化であり、
電力系統の周波数変動抑制に貢献していると言える。
【0033】一方、可変速発電電動装置の場合は、図15
の特性図が示すように、電力系統の周波数 1 が低下し
た場合、同期化力によって回転速度が低下しようとする
が、回転速度は電力系統の周波数f 1 とは関係なく前述
のようにNR に制御されているため、同期化力は打ち消
されて誘導機出力の増加(或いは誘導機入力の減少)も
回転速度の低下も生じない。
【0034】このことは可変速発電電動装置は、電力系
統の周波数変動抑制に貢献していないと言える。第3の
問題点;ガバナフリ―機能が無いので電力系統の周波数
変動抑制に貢献できない。
【0035】同期機を用いた従来の発電電動装置の場合
は、発電運転中は原動機の回転速度制御機能により、上
述のように電力系統の周波数f1 の低下に伴って回転速
度が低下すると、それを抑制するように原動機の出力を
変化するいわゆるガバナフリ―機能が有る。このガバナ
フリ―機能は電力系統の周波数変動抑制に貢献してお
り、電力系統の周波数f 1 の低下に伴う原動機の回転速
度の低下を抑制するように原動機の出力を変化させる機
能をガバナフリ−機能という。
【0036】一方、可変速発電電動装置の場合は、電力
系統の周波数f1 が低下しても上述のように回転速度は
変化しないので、原動機の出力は変化しない。このこと
は、発電電動装置に於ける原動機の回転速度制御機能で
はガバナフリ―の効果が無く、電力系統の周波数変動抑
制に貢献出来ないと言える。
【0037】上記第1の問題点を解決すべく、すべりを
検出してすべりが設定値を越えた量に応じて交流励磁制
御装置による有効電力補正を行う方法が提案されてい
る。(特開平1-231698)この方式は、図13に示されるよ
うに図12に対して、PLL出力信号から誘導機1のすべ
り周波数f s を検出するすべり周波数検出器81,すべり
周波数fs がすべり幅設定値fm を越えた量を検出する
すべり超過検出器82,一次遅れ演算器83,有効電力指令
値P* から一次遅れ演算器83の出力PC を減算して、補
正された有効電力指令値P1 * を出力する減算器84から
成るすべり周波数制限装置180 を追加している。
【0038】本方式では、すべり周波数制限装置により
すべり周波数fs は、すべり幅設定値fm から大きく越
えることはなくなるので、すべりも過大になることは
なく、安定に運転が出来る。
【0039】しかしながら、この方式では第2および第
3の問題点が解決されておらず、電力系統の周波数変動
抑制の面からは従来と変わらない。上記第3の問題点を
解決すべく、電力系統の周波数変動を検出し、それによ
り、有効電力設定器6の出力P* を修正する方法が提案
されている。(特公平 3-51910)この方式は図14に示さ
れるように図10に対して、周波数検出器85,変動率演算
器86,加算器84から成る電力系統周波数抑制手段181
追加している。本方式では、電力系統周波数変動抑制手
181 により、電力系統の周波数変動に応じて有効電力
指令値を補正し、その結果有効電力は電力系統の周波数
変動を抑制する方向に変化するので、電力系統の周波数
変動抑制に貢献する。
【0040】しかしながら、この方法では、第1および
第2の問題点が解決されておらず、不完全な改善に留っ
ている。本発明の第1の目的は,電力系統の周波数が大
きく変動した場合にも運転不能になることのない、可変
速発電電動装置を提供することである。
【0041】第2の目的は、同期化力を打ち消すことの
無い可変速発電電動装置を実現して、電力系統の周波数
変動抑制に貢献出来るようにすることである。第3の目
的は、電力系統の周波数変動を抑制する制御機能を付加
した可変速発電電動装置を提供することである。
【0042】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明において
は、上記第1及び第2の目的を達成するために、一次巻
線が電力系統に接続され、二次巻線が交流励磁される巻
線形誘導発電電動機と、前記巻線形誘導発電電動機の回
転軸に結合された原動機/負荷とから構成される可変速
発電電動装置において、前記電力系統の電力デ−タと前
記回転軸の回転デ−タに基いて前記交流励磁のすべり周
波数を検出するすべり周波数検出手段と、前記交流励磁
のすべり周波数がすべり周波数指令値になるように前記
交流励磁の周波数を制御するすべり周波数制御手段と
有することを特徴とする可変速発電電動装置。
【0043】請求項2の発明においては、上記第2及び
第3の目的を達成するために、一次巻線が電力系統に接
続され二次巻線が交流励磁される巻線形誘導発電電動機
と、巻線形誘導発電電動機の回転軸に結合された原動機
/負荷とから構成される可変速発電電動装置において、
前記電力系統の電力デ−タまたは前記回転軸の回転デ−
タのいずれか一方のデ−タに基づき前記原動機/負荷の
トルクを補正する原動機/負荷トルク補正手段とを有す
ることを特徴とする。
【0044】請求項3の発明においては、上記第2及び
第3の目的を達成するために、一次巻線が電力系統に接
続され二次巻線が交流励磁される巻線形誘導発電電動機
と、巻線形誘導発電電動機の回転軸に結合された原動機
/負荷とから構成される可変速発電電動装置において、
前記電力系統の電力デ−タまたは前記回転軸の回転デ−
タのいずれか一方のデ−タに基づきすべり周波数指令値
補正手段とを有することを特徴とする。
【0045】請求項4の発明においては、請求項1ない
し請求項3において、前記回転デ−タとして前記巻線形
誘導発電電動機の回転軸の回転速度または回転軸の回転
角のいずれか一方を用い、前記電力デ−タとして前記電
力系統の周波数または前記電力系統の電圧位相のいずれ
か一方を用いたことを特徴とする可変速発電電動装置。
【0046】請求項5の発明においては、請求項1ない
し請求項4のいずれかにおいて、す べり周波数制御手段
から出力されるすべり周波数指令値を規定値以内に制限
する手段を有することを特徴とする可変速発電電動装
置。
【0047】
【作用】請求項1のように構成された可変速発電電動装
置の作用を説明する。本発明によれば、すべり周波数制
御手段を設けていることから、すべり周波数f s (即ち
1 −f R )は一定に制御されるので、(3)式の分子
は一定となる。
【0048】従って、例えば、電力系統の電力デ−タの
1信号である電力系統の周波数が変動してもすべりが変
動しないようになる。例えば、f 1 が 100%,f R が95
%でSが5%の時、f 1 が 105%に変動しても、f s
一定になるようにf R が 100%に制御されるので、すべ
りSは5%から 4.76 %に変化するだけで、その変動は
小さい。
【0049】前述のように、電力系統の周波数が変動し
た場合、すべり周波数が変動しないように回転速度が電
力系統の周波数変動とほぼ同じ割合で変化するが、この
変化は同期機が同期化力によって回転速度が変化するの
と等価であり、同期化力を打ち消さない可変速発電電動
装置となっていることを意味する。
【0050】請求項2および請求項4のように構成され
た可変速発電電動装置の作用を説明する。 本発明によれ
ば、例えば、回転軸の回転デ−タの1信号である回転速
度Nの変動ΔNに比例して原動機/負荷のトルクをΔτ
M 補正させると、すべり周波数制御によりすべり周波数
s は一定に制御されていることから、後述のようにΔ
τ M は電力系統の周波数f 1 の変動量に比例し、誘導機
1の有効電力もΔτ M 補正される。上記回転速度の代り
に回転軸の回転デ−タとして回転角を用いても同様の作
用が行われる。
【0051】また、電力系統の電力デ−タの1信号であ
る周波数の変動、または、電圧位相に基づき原動機/負
荷のトルク及び誘導機1の有効電力を補正するので、同
様にガバナフリ―機能を発揮することが分かる。
【0052】従って、請求項2および請求項4の手段を
用いた可変速発電電動装置は、電力系統の周波数f 1
変動,電圧位相、回転軸の回転速度,回転角に応じて原
動機/負荷のトルク及び誘導機1の有効電力を変化させ
る機能即ちガバナフリ―機能を発揮することが分かる。
【0053】請求項3および請求項4のように構成され
た可変速発電電動装置の作用を説明する。 本発明によれ
ば、例えば、回転軸の回転デ−タの1信号である回転速
度Nの変動ΔNに応じて、すべり周波数指令値f s *
補正する。すべり周波数制御によりすべり周波数f s
すべり周波数指令値f s * に一致するように制御されて
いることから、後述のように、すべり周波数指令値f s
* を補正したことにより変化する誘導機1の有効電力の
補正量ΔP E は、電力系統の周波数変動Δf 1 に応じた
値となる。
【0054】また、上記回転速度の代りに回転軸の回転
デ−タとして回転角を用いても同様な作用が行われる。
また、例えば、電力系統の電力デ−タの1信号である周
波数と基準周波数の差Δf 1 、または、電圧位相に応じ
てすべり周波数の指令値f s * を補正する。この場合、
すべり周波数制御によりすべり周波数f s は、すべり周
波数指令値f s * に一致するように制御されていること
から、後述のように、すべり周波数指令値f s * を補正
したことにより変化する誘導機1の有効電力の補正量Δ
E は、電力系統の周波数変動Δf 1 、または、電圧位
相に応じた値となる。
【0055】請求項5のように構成された可変速発電電
動装置の作用を説明する。本発明は、すべり周波数指令
値を制限する手段を設けて、すべり周波数指令値 を規定
値以内に制限すると、電力系統の周波数が変動しても前
述のようにすべりが規定値以内に制限される。
【0056】
【実施例】以下の説明は全ての変数,定数は各々の基準
値で無次元化された値とする。本発明に係る可変速発電
電動装置の実施例を図面を参照して説明する。本発明
に係る第1の実施例の構成図を図1に示す。誘導機1,
ポンプ水車2,サイクロコンバ―タ3,有効電力設定器
6,落差検出器7,関数発生器8,油圧サ―ボモ―タ
4,ガイドベ―ン開度制御器41,減算器42とで構成され
るガイドベ―ン開度制御装置140 、電圧設定器5,電圧
変成器17と電圧制御器21と減算器22と電圧検出器23とで
構成される電圧制御装置120 、Idq 検出器14と電流
検出器15とPLL回路16と電圧変成器17と系統周波数の
位相検出器18と回転子の位相検出器19とで構成されるI
dq軸検出装置100,電流制御器11と減算器12とで構成さ
れる二次電流制御装置110 は、図10と同一であるので説
明は省略する。
【0057】図10と異なっているのは、速度制御装置13
0 の代わりに、速度指令値N* からすべり周波数指令値
s * を演算するすべり周波数指令値発生器51,すべり
周波数指令値fs * とPLL回路16の内部出力であるす
べり周波数f s の差を演算する減算器52、そしてこの偏
差にもとづきq軸電流指令値Iq * を出力するすべり周
波数制御器53とから構成されるすべり周波数制御装置15
0 を設けたことである。すべり周波数指令値発生器51は
図2に示されるように減算器 511,係数器 512で構成さ
れ、その演算内容は(4)式で表される。
【0058】
【数4】 fs * =N0 −N* …………………………………………(4) に応じた値となる。ここにN0 は基準同期速度であり、
電力系統の周波数f1 の基準値f0 (例え ば、50Hzまた
は60Hz)に対応した回転速度を意味する。
【0059】次に、本実施例の作用を図9の特性図を参
照して説明する。PLL回路16のすべり周波数f s は、
前述のように(2)式で表されるが、回転速度で表すと
(5)式で表される。
【0060】
【数5】 s =N1 −NR ……………………………………………(5) すべり周波数制御器53の動作により、fs * s に制
御されるので、(4)(5)式から(6)式が成り立
つ。
【0061】
【数6】 NR =N* +N1 −N0 ……………………………………(6) 回転速度NR は、(6)式に示されるようにN* +N1
−N0 に制御されることが分かる。
【0062】また、すべり周波数fs を(4)式のよう
に電力系統の周波数f1 に無関係に制御されるので、前
述のように電力系統の周波数が変動してもすべりは変動
しない。
【0063】電力系統の周波数が変動した場合、すべり
周波数が変動しないように回転速度が電力系統の周波数
変動とほぼ同じ割合で変化する((6)式参照)が、こ
の変化は同期機が同期化力によって回転速度が変化する
のと等価であり、同期化力を打ち消さない可変速発電電
動装置となっていることを意味する。
【0064】すなわち、本実施例によれば、可変速発電
電動装置の回転速度NR は、N* +N1 −N0 に制御さ
れるが、N* はN1 −N0 に対して十分大きいので、最
適な回転速度N* の近傍で運転でき、しかも電力系統の
周波数変動に応動してN* からN1 −N0 変動すること
になる。
【0065】前述のように、電力系統の周波数変動に応
動して回転速度が変動するのは、同期化力を打ち消して
いないことであり、電力系統の周波数変動抑制に貢献出
来る。
【0066】なお、本実施例では原動機/負荷として、
ポンプ水車の場合で説明したが、水車,ポンプ,蒸気タ
―ビン,はずみ車,風車等慣性を持った回転体を用いて
も同様の効果が得られる。
【0067】また、PLL回路が集積化されて内部出力
を取り出せない場合は、他のすべり周波数の検出方法を
とっても同等の作用・効果を示すことは明らかである。
【0068】以下に、他のすべり周波数検出方法の一例
としての他の実施例を示す。すべり周波数 s をPLL
回路の内部から検出する代わりに、電力系統の周波数f
1 と回転速度NR から、すべり周波数fs をf1 −NR
として検出しても同様の効果が得られる。
【0069】図3に、図1のすべり周波数検出回路とは
異なる構成を有する第2の実施例を示す。図3では図1
に対して、速度信号発生器33, 速度検出器34,系統周波
数検出器35,減算器36から構成されるすべり周波数検出
回路165 を追加して、図1のPLL回路16からの出力信
である2 の代わりに、減算器36の出力信号であるす
べり周波数s を用いている点が異なっている。作用・
効果は図1と同一であるので説明は省略する。
【0070】同様に、PLL回路16の他の出力信号であ
る二次電流位相基準εからその周波数を検出することで
も、すべり周波数を検出することが出来る。その一例
は、従来技術例で示した図13の周波数/電圧変換機81に
示されているので説明は省略する。
【0071】上記はすべり周波数の検出方法の一例であ
るが、すべり周波数の検出方法がいずれの手法をとって
も、本発明は同等の作用・効果を示すことは明らかであ
る。
【0072】次に、本発明に係る可変速発電電動装置
第3の実施例を図面を参照して説明する。本実施例は、
第1の実施例のすべり周波数指令値発生器51を図2の構
成から、図4に示す構成に変更することで構成される。
即ち、係数器 512の出力にリミッタ 513を追加する。
【0073】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例は、すべり周波数指令値fs * が規定値にリミットさ
れるので、すべり周波数指令値s * になるように制御
されているすべり周波数f s は規定値を越えることはな
い。
【0074】すなわち、本実施例によれば、すべり周波
数は規定値を越えることはないので、すべりも規定値を
越えることはない。従って電力系統の周波数が大きく変
動した場合でも運転不能になることはなく、安定に運転
が維持できる。
【0075】本発明に係る可変速発電電動装置の第4の
実施例を図面を参照して説明する。本実施例の構成図を
図5に示す。図5は、図1に対して速度信号発生器33,
速度検出器34から構成される回転速度検出手段と、速度
指令値N* と回転速度 R の差を演算する減算器61,減
算器61の出力からガイドベ―ン開度指令値Y* を補正す
る信号τC を演算するトルク補正器62,ガイドベ―ン開
度指令値Y* に前記補正信号τC を加算する加算器63と
から構成されるトルク補正手段160 を追加している。次
に、本実施例の作用を説明する。本実施例では補正信号
τC は(7)式で求める。
【0076】
【数7】 τC =K(N* −NR ) ……………………………………(7) ここにKは速度調定率すべり周波数制御によって、
(6)式が成り立つので、補正信号τC により、原動機
/負荷のトルクが補正される量ΔτM は(8)式で表さ
れる。
【0077】
【数8】 ΔτM =τC =−K(N1 −N0 )=−K(f1 −f0 ) ………(8) 原動機/負荷のトルクがΔτM 補正されると、誘導機1
の回転速度,すべりが変化しようとするが、すべり周波
数制御によって誘導機1の有効電力をΔτM 補正してす
べりの変化を抑える。従って、誘導機1の有効電力は電
力系統の周波数変動(f1 −f0 )に応じて補正され
る。
【0078】すなわち、本実施例によれば、第1の実施
例の効果に加えて、電力系統の周波数の変動に応じて、
原動機/負荷のトルク及び誘導機1の有効電力を変化さ
せる機能即ちガバナフリ―機能を発揮することが出来る
ので、電力系統の周波数の変動抑制によりいっそう貢献
できる。
【0079】本発明に係る可変速発電電動装置の第5の
実施例を図面を参照して説明する。本実施例の構成図を
図6に示す。図6は、図1に対して電力系統の周波数f
1 と基準周波数の差Δf1 を検出する周波数偏差検出器
64と、前記Δf1 からガイドベ―ン開度指令値Y* を補
正する信号τC を演算するトルク補正器65,ガイドベ―
ン開度指令値Y* に前記補正信号τC を加算する加算器
63とから構成されるトルク補正手段161 を追加してい
る。次に、本実施例の作用を説明する。本実施例では、
補正信号τC は(9)式で求める。
【0080】
【数9】 τC =−KF Δf1 …………………………………………(9) ここにKF は周波数調定率補正信号τC により、原動機
/負荷のトルクが補正される量をΔτM とすると、Δτ
M は(14)式で表される。
【0081】
【数10】 ΔτM =τC =−KF Δf1 ………………………………(10) 前述のように、すべり制御によって誘導機1の有効電力
もΔτM 補正される。(10)式から、第5の実施例の
変速発電電動装置は、電力系統の周波数f1 の変動Δf
1 に応じて、原動機/負荷のトルク及び誘導機1の有効
電力を変化させる機能即ちガバナフリ―機能を発揮する
ことが分かる。
【0082】すなわち、本実施例によれば、第1の実施
例の効果に加えて、電力系統の周波数の変動に応じて、
原動機/負荷のトルク及び誘導機1の有効電力を変化さ
せる機能即ちガバナフリ―機能を発揮することが出来る
ので、電力系統の周波数の変動抑制によりいっそう貢献
できる。
【0083】本発明に係る可変速発電電動装置の第6の
実施例を図面を参照して説明する。本実施例の構成図を
図7に示す。図7は、図1に対して速度信号発生器33,
速度検出器34から構成される回転速度検出手段を追加
し、更にすべり周波数指令値発生器51の代わりに、速度
指令値N* と回転速度NR からすべり周波数指令値fs
* を演算するすべり周波数指令値発生器54から構成され
るすべり周波数制御装置151 を構成している。
【0084】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例では、回転速度に応じて(11)式により、すべり周波
数指令値f s * を補正する。
【0085】
【数11】 但し、fso * は電力系統の周波数変動が零の時のすべり
周波数指令値,TN は補正積分時定数, は積分を表す。
【0086】fso * は一定であり、またすべり周波数制
御によってすべり周波数f s がすべり周波数指令値fs
* に一致するように制御されているので、(11)式は
(12)式に変形出来る。
【0087】
【数12】 dfs * /dt=(fR * −fR )/TN ={(f0 −fs * )−(f1 s )}/TN =−Δf1 /TN …………………………(12)すべり周波数指令値s * を補正したことにより変化す
る誘導機1の有効電力の補正量ΔPE とすると、回転軸
の運動方程式から(13)式が成り立つ。
【0088】
【数13】 但しTA は発電電動装置の加速時定数であり、d/dt
は微分を表す。また有効電力,回転速度,周波数は全て
発電方向を正としている。fs * s として、(12)
式を(13)式に代入すると、(13)式は(14)式とな
る。
【0089】
【数14】 −ΔPE =NRA (dΔf1 /dt+Δf1 /TN ) …………(14) (14)式から、第6の実施例の可変速発電電動装置は、
電力系統の周波数変動Δf1 に応じて有効電力PE を変
化させる作用をすることが分かる。
【0090】すなわち、本実施例によれば、第1の実施
例の効果に加えて、電力系統の周波数の変動に応じて、
可変速発電電動装置の有効電力を変化させることが出来
るので、電力系統の周波数の変動抑制によりいっそう貢
献できる。この機能はすべり周波数制御が出来ない同期
機(何故ならば、同期機は直流励磁しているから)を用
いた発電電動装置では実現できない効果であり、本可変
速発電電動装置の特長となる。
【0091】本発明に係る可変速発電電動装置の第7の
実施例を図面を参照して説明する。本実施例の構成図を
図8に示す。図8は、図1に対して電力系統の周波数f
1 と基準周波数の差Δf1 を検出する周波数偏差検出器
64を追加し、更にすべり周波数指令値発生器51の代わり
に、速度指令値N* と前記Δf1 からすべり周波数指令
値fs * を演算するすべり周波数指令値発生器55を用い
てすべり周波数制御装置152 を構成している。
【0092】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例では、電力系統の周波数 1 と基準周波数の差Δf1
に応じて(15)式により、すべり周波数指令値s *
補正する。
【0093】
【数15】 (15)式は(16)式に変形出来る。
【0094】
【数16】 dfs * /dt=−Δf1 /TN …………………………(16) (16)式は(12)式と同一の結果になっているので、本
実施例も第6の実施例と同様な作用となる。
【0095】すなわち、本実施例によれば、第1の実施
例の効果に加えて、電力系統の周波数の変動に応じて、
可変速発電電動装置の有効電力を変化させることが出来
るので、電力系統の周波数の変動抑制によりいっそう貢
献できる。この機能はすべり周波数制御が出来ない同期
機(何故ならば、同期機は直流励磁しているから)を用
いた発電電動装置では実現できない効果であり、本可変
速発電電動装置の特長となる。
【0096】また、巻線形誘導発電電動機の一次電圧の
位相,周波数、又は、一次電流の位相,周波数に基づい
て、すべり周波数の検出,原動機/負荷のトルクの補
正,すべり周波数指令値の補正を行ってもよい。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、電力系統の周波数が大
きく変動した場合にもすべりの変動は抑制され、また同
期化力を打ち消すことの無く電力系統の周波数変動に追
従でき、更に電力系統の周波数変動を抑制する方向に有
効電力を変化させられるので、電力系統の周波数が大き
く変動した場合にも運転不能になることはなく、電力系
統の周波数変動抑制に貢献出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の可変速発電電動装置の
構成図。
【図2】 本発明の第1の実施例のすべり周波数指令値発
生器の構成図。
【図3】 本発明の第2の実施例の可変速発電電動装置の
構成図。
【図4】 本発明の第3の実施例の可変速発電電動装置の
構成図。
【図5】 本発明の第4の実施例の可変速発電電動装置の
構成図。
【図6】 本発明の第5の実施例の可変速発電電動装置の
構成図。
【図7】 本発明の第6の実施例の可変速発電電動装置の
構成図。
【図8】 本発明の第7の実施例の可変速発電電動装置の
構成図。
【図9】 本発明に係る可変速発電電動装置の動作を示す
特性図。
【図10】 従来の可変速発電電動装置の構成図。
【図11】 従来の可変速発電電動装置に用いられるPL
L構成図。
【図12】 従来の可変速発電電動装置の他の構成図。
【図13】 従来の可変速発電電動装置の他の構成図。
【図14】 従来の可変速発電電動装置の他の構成図。
【図15】 従来の可変速発電電動装置の動作を示す特性
図。
【図16】 従来の同期機を用いた発電電動装置の動作を
示す特性図。
【符号の説明】
1…巻線形誘導発電電動機、2…ポンプ水車、3…サイ
クロコンバ−タ 4…油圧サ−ボモ−タ、5…電圧設定器、6…有効電力
設定器 7…落差検出器、8…関数発生器、11…電流制御器 14…IdIq 検出器、15…電流検出器、16…PLL 回路、17
…電圧変成器 18,19 …位相検出器、21…電圧制御器、23…電圧検出
器、31…速度制御器 33…速度信号発生器、34…速度検出器、35…系統周波数
検出器 41…ガイドベ−ン開度制御器、51,54,55…すべり周波数
指令値発生器 53…すべり周波数制御器、62,65 …トルク補正器、81…
すべり周波数検出器82…すべり超過検出器、83…一次遅
れ演算器、85…すべり周波数検出器 86…変動率演算器、100 …Idq 軸検出装置、110 …二次
電流制御装置 120 …電圧制御装置、130,160 …速度制御装置 140 …ガイドベ−ン開度制御装置、150,151,152 …すべ
り周波数制御装置 161 …トルク補正手段、165 …すべり周波数検出回路、
170 …有効電力制御部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次巻線が電力系統に接続され、二次巻線
    が交流励磁される巻線形誘導発電電動機と、前記巻線形
    誘導発電電動機の回転軸に結合された原動機/負荷とか
    ら構成される可変速発電電動装置において、前記電力系統の電力デ−タと前記回転軸の回転デ−タに
    基いて前記交流励磁のすべり周波数を検出するすべり周
    波数検出手段と、 前記交流励磁のすべり周波数がすべり周波数指令値にな
    るように前記交流励磁の周波数を制御するすべり周波数
    制御手段と を有することを特徴とする可変速発電電動装
    置。
  2. 【請求項2】前記電力デ−タまたは前記回転デ−タのい
    ずれか一方のデ−タに基づき前記原動機/負荷のトルク
    を補正する原動機/負荷トルク補正手段を有することを
    特徴とする請求項1記載の可変速発電電動装置。
  3. 【請求項3】前記電力デ−タまたは前記回転デ−タのい
    ずれか一方のデ−タに基づき前記すべり周波数指令値を
    補正するすべり周波数指令値補正手段を有することを特
    徴とする請求項1記載の可変速発電電動装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3において、前記回
    転デ−タとして前記巻線形誘導発電電動機の回転軸の回
    転速度または回転軸の回転角のいずれか一方を用い、前
    記電力デ−タとして前記電力系統の周波数または前記電
    力系統の電圧位相のいずれか一方を用いたことを特徴と
    する可変速発電電動装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかにおい
    て、すべり周波数制御手段から出力されるすべり周波数
    指令値を規定値以内に制限する手段を有することを特徴
    とする可変速発電電動装置。
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