JP3495140B2 - 巻線形誘導機の電圧制御装置 - Google Patents
巻線形誘導機の電圧制御装置Info
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Description
を励磁し一次側を電力系統に接続する静止セルビウスシ
ステムの巻線形誘導機の電圧制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来においては、揚水発電所では発電電
動機として同期機を使用しているので、回転速度は同期
速度で一定である。そのため、発電運転時は有効電力と
落差が決まればガイドべーン開度も決まり、その時の運
転状態は発電電動機に直結されたポンプ水車に取っては
効率が良いとは限らない。一方、揚水運転時は揚程が決
まればポンプ水車への入力が一定となり、発電電動機で
消費する有効電力は一定となり有効電力を操作すること
ができない。 【0003】そこで、最近は揚水発電所に可変速揚水発
電システムを適用するようになっている。これは、発電
電動機として巻線形誘導機を使用し、巻線形誘導機の二
次側を低周波で交流励磁して、巻線形誘導機の回転子が
同期速度でなくても一次側の系統電圧と同期運転できる
ようにしている。これにより、ポンプ水車の最高効率点
での運転を可能とする。即ち、巻線形誘導機の回転子の
位相及び回転速度を検出して、巻線形誘導機の二次側を
低周波の交流で励磁する周波数変換器の出力を制御す
る。これにより、巻線形誘導機の回転子が同期速度でな
くても一次側の系統周波数に常に同期させることができ
るようにしている。 【0004】このような可変速揚水発電システムでは、
発電運転中はポンプ水車が常に高効率で運転できるよう
に、有効電力、ガイドべーン開度、回転速度の関係を操
作し、また、揚水運転中は、回転速度の3乗で有効電力
が変わることから、回転速度を変化させることで容易に
有効電力を調整することができる。 【0005】また、いわゆるベクトル制御にて、巻線形
誘導機の一次電流についてトルク成分と励磁成分とを独
立に制御することができる。即ち、三相交流を直交座標
系に座標変換し、周波数変換器の出力電流、及び巻線形
誘導機の一次電流についてトルク成分(有効電力、回転
速度に係わる成分)と励磁成分(無効電力、電圧に係わ
る部分)とを独立に制御することができる。従って、高
効率の運転が可能となる。 【0006】図2は、そのような可変速揚水発電システ
ムにおける巻線形誘導機の電圧制御装置の構成図であ
る。巻線形誘導機1は主変圧器5を介して電力系統に接
続されている。この巻線形誘導機1の制御系は階層構造
になっており、マイナループとして電流制御ループL1
を有している。この電流制御ループL1は周波数変換器
2の出力電流のうち励磁成分を制御する電流制御器4で
構成される。なお、この電流制御器4は電圧制御器7か
らの端子電圧調整信号を入力しその電流指令に周波数変
換器2の出力電流が一致するように周波数変換器2にゲ
ートパルスを出力することになる。 【0007】この電流制御ループの外側には端子電圧制
御ループL2が設けられている。端子電圧制御ループL
2は、電圧検出器3で検出された巻線形誘導機1の端子
電圧が予め定められた設定値となるように電圧制御器7
で制御するもので、その端子電圧調整信号を電流制御器
4に出力する。 【0008】さらに、この端子電圧制御ループの外側に
プラント電圧即ち系統電圧を一定にするための系統電圧
制御ループL3が設けられている。系統電圧制御ループ
L3は系統電圧をプラント電圧検出器6で検出し、系統
電圧が所定の指令値、例えば定格電圧を維持するように
プラント電圧制御器9で制御する。プラント電圧制御器
9からの系統電圧調整信号は電圧制御器7に入力され
る。 【0009】この場合のプラント電圧制御器9からの系
統電圧調整信号を電圧制御器7で入力処理するプラント
電圧制御方式には次の2種類がある。 【0010】図3に示すプラント電圧制御方式は、系統
電圧が所定の指令値に一致するように、プラント電圧制
御器9からの系統電圧調整信号を、電圧制御器7の端子
電圧偏差信号にバイアス信号として加えるようにしたも
のである。即ち、電圧制御器7では電圧検出器3で検出
した巻線形誘導機1の端子電圧と電圧設定器20に設定
された設定値との端子電圧偏差信号を加算器23で求
め、求められた端子電圧偏差信号を加算器21に入力す
る。この加算器21では端子電圧偏差信号にプラント電
圧制御器9からの系統電圧調整信号を加算する。そし
て、ループフィルタ22を介して、電流制御器4に出力
する。 【0011】ここでの、ループフィルタ22は電圧制御
を意味し、入力される信号を以下の伝達関数に基づいて
処理する。 【0012】 比例制御 :G(S)=K 積分制御 :G(S)=1/TS (比例+積分)制御:G(S)=K+1/TS =(1+KTS)/TS 一方、図4に示すプラント電圧制御方式は、プラント電
圧制御器9は、プラント電圧制御器9からの系統電圧調
整信号を電圧設定器20への増減信号に変換し、プラン
ト電圧検出器6で検出した系統電圧が指令値例えば定格
電圧に一致するよう電圧設定値を増減させるようにした
ものである。即ち、端子電圧設定器20の設定値をプラ
ント電圧制御器9からの系統電圧調整信号で調節し、電
圧制御器7では電圧検出器3で検出した巻線形誘導機1
の端子電圧と、系統電圧調整信号で調整された電圧設定
器20の設定値との端子電圧偏差信号を加算器21で求
め、この加算器21で求めた端子電圧偏差をループフィ
ルタ22を介して、電流制御器4に出力する。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】ところが、可変速揚水
発電システムでは発電電動機の電気的時定数が小さいこ
とから、周波数変換器2の出力電流を高速に制御でき、
端子電圧制御も高速に制御できるので、プラント電圧制
御器9からの制御信号に対して敏感に反応してしまう。
つまり、他の発電所の定速機や同じ発電所内の隣接機の
プラント電圧制御器よりも早く反応して系統電圧を所定
の指令値に維持しようとする。従って、可変速機が無効
電力を供給することになるので、他の発電所の定速機や
隣接機はプラント電圧制御がほとんど機能しなくなり、
可変速機に余分な負担がかかる。 【0014】また、電流制御と電圧制御の応答速度を定
速機と同じにすることも考えられるが、可変速機には電
流制御の高速性を応用した他の機能(速度制御、すべり
制御、そしてガバナフリーで電流指令を直接操作する場
合)があるので、電流制御及び電圧制御の応答速度は可
変速機とした可能な速さの応答速度としなければならな
い。従って、電流制御と電圧制御の応答速度を定速機と
同じにすることはできない。 【0015】本発明の目的は、系統電圧が変動した場
合、可変速機のプラント電圧制御が他の発電所の定速機
や同じ発電所内の隣接機のプラント電圧制御と協調を取
り、無効電力の供給を適切に負担することができる巻線
形誘導電動機の電圧制御装置を得ることである。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明は、巻線形誘導機
の一次側を主変圧器を介して電力系統に接続し、前記巻
線形誘導機の二次側に周波数変換器を介して可変周波数
の二次電流を供給し、前記巻線形誘導機を可変速運転す
るようにした巻線形誘導機の電圧制御装置において、前
記巻線形誘導機の二次巻線に供給する二次電流を制御す
る電流制御器と、前記巻線形誘導機の端子電圧が予め定
めた設定値となるように前記電流制御器に端子電圧調整
信号を出力する電圧制御器と、前記主変圧器の系統側の
系統電圧が所定の指令値になるように系統電圧調整信号
を出力するためのプラント電圧制御器と、前記プラント
電圧制御器からの系統電圧調整信号に位相補償を行う位
相補償器とを備え、前記位相補償器はプラント電圧制御
器からみた位相補償器、前記電圧制御器、前記電流制御
器の総合的な特性が定速機用のプラント電圧制御と同等
な特性となるよう位相補償の値を選択することにより、
前記電力系統に接続された他の発電機の系統電圧調整信
号と同等な特性となるような系統電圧調整信号を前記電
圧制御器に出力するようにしたものである。 【0017】 【作用】系統電圧が変動したとき、プラント電圧制御器
は主変圧器の系統側の系統電圧が所定の指令値になるよ
うに系統電圧調整信号を出力する。位相補償器はプラン
ト電圧制御器からの系統電圧調整信号に位相補償を行
い、電力系統に接続された他の発電機の系統電圧調整信
号と同等な特性となるような系統電圧調整信号を電圧制
御器に出力する。電圧制御器は系統電圧調整信号を加味
して巻線形誘導機の端子電圧が予め定めた設定値となる
ように電流制御器に端子電圧調整信号を出力し、電流制
御器は端子電圧調整信号に基づいて巻線形誘導機の二次
巻線に供給する二次電流を制御する。従って、系統電圧
が変動したとき可変速機である巻線形誘導機が系統電圧
調整のための無効電力を全て負担するようなことはなく
なり、他の定速機との適切な分担が可能となる。 【0018】 【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1に発明の実施例の構成図を示す。図2
に示した従来例のものに対し位相補償器8を追加した設
け、プラント電圧制御器9からの系統電圧調整信号に位
相補償を行い、電力系統に接続された他の発電機の系統
電圧調整信号と同等な特性となるような系統電圧調整信
号を電圧制御器7に出力するようにしている。 【0019】図1において、巻線形誘導機1は主変圧器
5を介して電力系統に接続されている。この巻線形誘導
機1の制御系は階層構造になっており、マイナループと
して電流制御ループL1を有している。この電流制御ル
ープは周波数変換器2の出力電流のうち励磁成分を制御
する電流制御器4で構成される。つまり、電流制御ルー
プは可変速機制御系のマイナループであり、電流制御器
4が周波数変換器2の出力電流が電圧制御器7からの励
磁電流指令と一致するよう制御することになる。なお、
この電流制御器4は電圧制御器7からの端子電圧調整信
号を入力し、その電流指令に周波数変換器2の出力電流
が一致するように周波数変換器2にゲートパルスを出力
する。 【0020】この電流制御ループの外側には端子電圧制
御ループL2が設けられている。つまり、電流制御ルー
プL1の一段外側のループは、巻線形誘導機1の端子電
圧制御ループL2であり、電圧制御器7が電圧検出器3
で検出した端子電圧と電圧制御器7内にある電圧設定と
が一致するよう制御する。従って、この端子電圧制御ル
ープL2では、電圧検出器3で検出された巻線形誘導機
1の端子電圧が予め定められた設定値となるように電圧
制御器7で制御し、その端子電圧調整信号を電流制御器
4に出力することになる。 【0021】さらに、この端子電圧制御ループL2の外
側にプラント電圧即ち系統電圧を一定にするための系統
電圧制御ループL3が設けられている。この系統電圧制
御ループL3は端子電圧制御ループの一段外側のループ
であり、プラント電圧制御器9がプラント電圧検出器6
からの系統電圧の値がプラント電圧制御器9内にあるプ
ラント電圧設定値と一致するよう制御する。従って、系
統電圧制御ループL3ではプラント電圧検出器6で検出
した系統電圧が、所定の指令値例えば定格電圧を維持す
るようにプラント電圧制御器9で制御することになる。 【0022】プラント電圧制御器9からの系統電圧調整
信号は、位相補償器8を介して電圧制御器7に入力され
る。つまり、このプラント電圧制御器9の出力である系
統電圧調整信号を位相補償器8を介すことにより、進み
遅れ位相補償を行う。この位相補償器8の値を適当に選
択することにより、プラント電圧制御器9から見た位相
補償器8、電圧制御器9、電流制御器4の総合的な特性
が定速機用のプラント電圧制御と同等な特性とすること
ができる。本実施例では、この位相補償器8で、そのよ
うな電力系統に接続された他の発電機の系統電圧調整信
号と同等な特性となるような系統電圧調整信号を得る。 【0023】この調整された系統電圧調整信号は、電圧
制御器7に入力される。電圧制御器7は系統電圧調整信
号を加味して巻線形誘導機1の端子電圧が予め定めた設
定値となるように電流制御器7に端子電圧調整信号を出
力する。従って、電流制御器7は端子電圧調整信号に基
づいて巻線形誘導機1の二次巻線に供給する二次電流を
制御する。 【0024】これにより、系統電圧が変動したとき、プ
ラント電圧制御器9は主変圧器5の系統側の系統電圧が
所定の指令値になるように系統電圧調整信号を出力する
ことになり、位相補償器8はプラント電圧制御器9から
の系統電圧調整信号に位相補償を行う。従って、位相補
償器8は電力系統に接続された他の発電機の系統電圧調
整信号と同等な特性となるような系統電圧調整信号を電
圧制御器に出力するので、可変速機である巻線形誘導機
が系統電圧調整のための無効電力を全て負担するような
ことはなくなり、他の定速機との適切な分担が可能とな
る。 【0025】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、系統電圧
が変動し、電力系統に接続された各発電所のプラント電
圧制御機能が反応した場合、可変速機のみが無効電力を
背負い込むことなく、各発電所の各号機が適切に無効電
力を分担して電力系統に供給することができる。
図。 【符号の説明】 1 巻線形誘導機 2 周波数変換器 3 電圧検出器 4 電流制御器 5 主変圧器 6 プラント電圧検出器 7 電圧制御器 8 位相補償器 9 プラント電圧制御器 20 電圧設定器 21 加算器 22 ループフィルタ 23 加算器
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 巻線形誘導機の一次側を主変圧器を介し
て電力系統に接続し、前記巻線形誘導機の二次側に周波
数変換器を介して可変周波数の二次電流を供給し、前記
巻線形誘導機を可変速運転するようにした巻線形誘導機
の電圧制御装置において、 前記巻線形誘導機の二次巻線に供給する二次電流を制御
する電流制御器と、 前記巻線形誘導機の端子電圧が予め定めた設定値となる
ように前記電流制御器に端子電圧調整信号を出力する電
圧制御器と、 前記主変圧器の系統側の系統電圧が所定の指令値になる
ように系統電圧調整信号を出力するためのプラント電圧
制御器と、 前記プラント電圧制御器からの系統電圧調整信号に位相
補償を行う位相補償器とを備え、 前記位相補償器はプラント電圧制御器からみた位相補償
器、前記電圧制御器、前記電流制御器の総合的な特性が
定速機用のプラント電圧制御と同等な特性となるよう位
相補償の値を選択することにより、前記電力系統に接続
された他の発電機の系統電圧調整信号と同等な特性とな
るような系統電圧調整信号を前記電圧制御器に出力する
ことを特徴とする巻線形誘導機の電圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13749195A JP3495140B2 (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 巻線形誘導機の電圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13749195A JP3495140B2 (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 巻線形誘導機の電圧制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08317568A JPH08317568A (ja) | 1996-11-29 |
JP3495140B2 true JP3495140B2 (ja) | 2004-02-09 |
Family
ID=15199898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13749195A Expired - Fee Related JP3495140B2 (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 巻線形誘導機の電圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3495140B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2568499T3 (es) | 2001-09-28 | 2016-04-29 | Wobben Properties Gmbh | Procedimiento para el funcionamiento de una planta de energía eólica |
-
1995
- 1995-05-12 JP JP13749195A patent/JP3495140B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08317568A (ja) | 1996-11-29 |
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