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JP2019049334A - スペーサエキスパンダ - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルスラッジの堆積及び固着しにくい表面形態を見出し、長期間のエンジン運転においても、スペーサエキスパンダとサイドレール間の固着が発生することなく、優れたオイルコントロール機能を維持し得る組合せオイルコントロールリング用のスペーサエキスパンダを提供する。【解決手段】スペーサエキスパンダのサイドレールの上側面又は下側面に対向する平坦な部分の粗さ曲線の最大谷深さRvが2.5 μm以下になるようにする。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関のピストンに装着され、一対の円環状のサイドレールと組合せてオイルコントロールリングに使用されるスペーサエキスパンダに関する。
自動車エンジンにおいては、長時間の運転に伴い、エンジンオイルが加熱され、ブローバイガスに曝されることにより、エンジンオイル中に炭化水素の未燃焼物質やオイル添加剤の変性物が混在する状態となる。また、ディーゼルエンジンでは、さらにカーボンの微粒子も混在する状態となる。このような炭化水素の未燃焼物質、オイル添加剤変性物及びカーボン微粒子を、総じて「オイルスラッジ」という。オイルスラッジがエンジン部品に付着・堆積すると、部品を摩耗させたり、潤滑油の通路を塞いだりして、オイルコントロールリング(以下、特に意図しない限り「オイルリング」という。)等のエンジン部品の機能に支障を来すことがある。オイルリングでは、特にひどい場合、スペーサエキスパンダとサイドレールが固着し、互いに離間し独立した一対のサイドレールの動きを阻害してオイルコントロール機能を充分に発揮することができなくなる。
オイルリングへのオイルスラッジの付着及び堆積防止法として、従来技術には、スペーサエキスパンダやサイドレールの表面に固着防止のためのコーティングを施す方法や、スペーサエキスパンダを構造的にオイルスラッジが堆積しにくい形状にすることが開示されている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、フッ素系の樹脂被膜又はフッ素系樹脂を含有する樹脂被膜、特許文献3には、フルオロアルキル基置換アルコキシドを含む被膜、特許文献4には、無機ポリシラザンを含む前駆体ポリマーの親水性被膜、特許文献5には、表面自由エネルギーと水素結合力が低い金属被膜をコーティングする方法が開示されている。これらの被膜は、撥水撥油性、若しくはそれらと反対に親水性の被膜、又はオイルスラッジの付着力に着目して検討された固着防止方法である。
一方、構造上の対策として、特許文献6には、スペーサエキスパンダの山部及び谷部の各中央部分(中手部)に鉛化合物等の異物を通過させるに十分な大きさの穴を波形の立ち上がり部にまでは及ばないように穿設したオイルリング、特許文献7や特許文献8には、中手部に径方向に溝が形成されオイルの流出口として耳部に当該溝と連通する貫通孔が形成された構造のスペーサエキスパンダ、特許文献9には、山部と谷部を結ぶ脚部の軸方向からの傾斜角度θを15°以上として、山部と谷部の円周方向長さを短くすることによって、中手部とサイドレールの間の隙間にオイルスラッジが堆積しにくい構造としたスペーサエキスパンダ、特許文献10及び11には、円周方向のオイルの流れを生じさせる中手部が略円周方向に凸形状とした構造のスペーサエキスパンダが開示されている。
しかしながら、特許文献1〜5のコーティングを施す方法では余計な工程が増えてコストアップに繋がり、特許文献6の穿設する方法でも加工が難しく高価なものとなってしまう。また、特許文献7〜8のような中手部に溝を形成する方法では、エンジン停止時にはオイルが溝部に滞留することからオイルスラッジが堆積しやすく、エンジンの運転停止を繰り返すような運転パターンでは耐久性が充分であるとはいえない。
特開2002-310299号公報 特開2003-254155号公報 特開2000-027995号公報 特開2006-258110号公報 WO 2011/043364 A1号公報 実開昭59-127856号公報 米国特許第5195758号公報 特開2011-185383号公報 特開2013-245780号公報 特開2016-200191号公報 特開2016-200193号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、オイルスラッジの堆積及び固着しにくい表面形態を見出し、長期間のエンジン運転においても、スペーサエキスパンダとサイドレール間の固着が発生することなく、優れたオイルコントロール機能を維持し得る組合せオイルコントロールリング用のスペーサエキスパンダを提供することを課題とする。
本発明者は、結晶粒径の異なる帯状鋼線素材から塑性加工によってスペーサエキスパンダを成形したときに、スペーサエキスパンダの平坦な部分の粗さ曲線が結晶粒径に依存し、特にオイルスラッジの付着・堆積が、粗さ曲線の最大谷深さRvと密接に関係していることを発見し、本発明のスペーサエキスパンダに想到することができた。
すなわち、本発明のスペーサエキスパンダは、一対の円環状のサイドレールと組合せてオイルコントロールリングに使用されるスペーサエキスパンダであって、前記スペーサエキスパンダの前記サイドレールの上側面又は下側面に対向する平坦な部分の粗さ曲線の最大谷深さRvが2.5 μm以下であることを特徴とする。
また、前記スペーサエキスパンダの母材は平均結晶粒径25 μm以下のオーステナイト系ステンレス鋼からなることが好ましい。前記オーステナイト系ステンレス鋼は、Feに加えて、質量%で、C:0.15%以下、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、Ni:7〜11.0%、Cr:17.0〜21.0%、を含むことが好ましい。あるいは、Feに加えて、C:0.15%以下、Si:1.0%以下、Mn:5.0〜10.0%、Ni:3.0〜6.5%、Cr:15.5〜20.0%、を含むことが好ましい。
また、前記スペーサエキスパンダの前記サイドレールの上側面又は下側面に対向する前記平坦な部分の粗さ曲線の最大山高さRpは2.0 μm以下であることが好ましい。
また、前記スペーサエキスパンダは、固着防止被膜を有することが好ましい。さらに、前記スペーサエキスパンダは、少なくとも耳部のサイドレール押圧面に窒化層を有することが好ましい。
本発明のスペーサエキスパンダは、サイドレールの上側面又は下側面に対向する平坦な部分において粗さ曲線の最大谷深さRvが2.5 μm以下で、平坦部分の凹みが浅く小さいので、粘性の高いオイルスラッジが溜まる面積が少ない。また、流動するオイルによってオイルスラッジが凹みから排出されやすく、オイルスラッジの付着・堆積が生じ難くなり、スペーサエキスパンダとサイドレール間の固着発生という重大な問題を回避することが可能となる。従来の固着防止コーティングやオイルスラッジの堆積しにくい構造と組み合わせれば、さらに長期間に亘って固着発生を回避しることが可能となる。
本発明のスペーサエキスパンダの一例であり、その一部を示す斜視図である。 図1に示すスペーサエキスパンダに一対のサイドレールを組合せたオイルリングとしての断面図である。 本発明のスペーサエキスパンダが帯状鋼線素材から成形される形状変化を模式的に示した図である。 実施例1のスペーサエキスパンダの平坦な部分の粗さ曲線を示した図である。 実施例1のスペーサエキスパンダのオイルスラッジ付着試験後の表面状態を示した写真である。 比較例1のスペーサエキスパンダのオイルスラッジ付着試験後の表面状態を示した写真である。
本発明のスペーサエキスパンダ(1)は、図1に示すように、リング軸方向波形に山部(2)、谷部(3)、及び山部(2)と谷部(3)を繋ぐ脚部(4)とからなる。山部(2)及び谷部(3)の内周側には耳部(5a、5b)、外周側には突起部(6a、6b)、耳部(5a、5b)と突起部(6a、6b)の間に窪んだ中手部(7a、7b)が形成されている。このスペーサエキスパンダ(1)を一対の円環状のサイドレール(20a、20b)と組合せたとき、耳部(5a、5b)はサイドレールを径方向外方に押圧し、突起部(6a、6b)は、サイドレールを支持する役割を担う。また、図2に示すように、耳部(5a、5b)、突起部(6a、6b)、中手部(7a、7b)、及びサイドレール(20a、20b)の間に隙間(8a、8b)が形成される。本発明の課題に関係するオイルスラッジは、上記の隙間(8a、8b)に堆積しやすく、特に、軸方向幅寸法(h1)を小さくした薄幅オイルリングでは、この隙間が非常に狭いため、堆積したオイルスラッジによってサイドレール(20a、20b)がスペーサエキスパンダ(1)に固着する可能性が高くなる。本発明のスペーサエキスパンダ(1)のサイドレール(20a、20b)の上側面又は下側面に対向する平坦な部分とは、中手部(7a、7b)表面と突起部(6a、6b)表面を意味しており、本発明は、この部分の粗さ曲線の最大谷深さRvを2.5 μm以下とすることを特徴としている。
粗さ曲線の最大谷深さRv(JIS B 0601:2001)が2.5 μmを超えると、オイルスラッジの付着量が増大するため、スペーサエキスパンダとサイドレールの固着が生じやすくなって、好ましくない。最大谷深さRvは2.2 μm以下が好ましく、2.0 μm以下がより好ましい。最大谷深さRvの下限は、オイルスラッジ付着量の観点では小さいほど好ましいが、例えば、1 μm、1.2 μm又は1.4 μmを下限とすることにより、例えば、新たな研磨工程等を検討する必要性がなくなり、製造コストの観点で好ましくなる。
スペーサエキスパンダの平坦な部分の粗さ曲線は、帯状鋼線素材から塑性加工によってスペーサエキスパンダを成形したときに決定される。図3は帯状の鋼線材からスペーサエキスパンダが成形される形状変化を模式的に示しているが、まず第1の成形工程(1段ギア成形機)で、山部(12)と谷部(13)と脚部(14)を有する波状の素材に成形され、次に第2の成形工程(2段ギア成形機)で、山部(12、図1では2)及び谷部(13、図1では3)の左側(リング状にコイリング後は内周側となる)に耳部(5a、5b)、右側(リング状にコイリング後は外周側となる)に突起部(6a、6b)、耳部(5a、5b)と突起部(6a、6b)の間に中手部(7a、7b)が形成される。このように成形された素材は、コイリング(コイル状に成形)され、内部応力除去の熱処理を施した後、切断及び研磨により合口が形成されて、スペーサエキスパンダとなる。スペーサエキスパンダに使用される帯状鋼線素材としては、曲げ加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼が好ましい。
スペーサエキスパンダの平坦部の凹凸は上記成形工程において出現し、帯状鋼線素材として使用するオーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒径が大きいほど粗くなる。すなわち、平坦部の粗さ曲線の最大谷深さRvはオーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒径が大きいほど大きくなる。この現象は、上記成形工程におけるオーステナイト系ステンレス鋼を構成する結晶の変形が、異なる方位をもつ各結晶粒で異なることに関係している。最大谷深さRvが2.5 μm以下になるようにするには、平均結晶粒径dが25 μm以下のオーステナイト系ステンレス鋼を使用することが好ましく、一方、結晶粒径を小さくしていくと塑性加工性(変形能)が悪化するため、下限は9 μm以上であることが好ましい。平均結晶粒径dの上限は22 μm以下であることがより好ましく、20 μm以下であることがさらに好ましい。また、平均結晶粒径dの下限は10 μmであることがより好ましく、11 μmであることがさらに好ましい。
本発明に使用されるオーステナイト系ステンレス鋼は、Feに加えて、質量%で、C:0.15%以下、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、Ni:7.0〜11.0%、Cr:17.0〜21.0%を含むことが好ましい。さらに、Moを0.5%以下含むことも好ましい。また、前記オーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.15%以下、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、Ni:7.0〜11.0%、Cr:17.0〜21.0%、残部がFe及び不可避的不純物からなることが好ましい。さらに、前記オーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.15%以下、Si:1.0%以下、Mn:5.0〜10.0%、Ni:3.0〜6.5%、Cr:15.5〜20.0%、残部がFe及び不可避的不純物からなることが好ましい。
本発明のスペーサエキスパンダは、第1の成形工程で成形した山部(12)と谷部(13)と脚部(14)からなる波状の素材の山部(12)と谷部(13)を、第2の成形工程である2段ギア成形で押し潰し、中手部(7a、7b)と突起部(6a、6b)を形成する。このとき、第1の成形工程で形成された凹凸の凸部は押し潰され、最終的に最大谷深さRvに比べて小さな最大山高さRpが計測される。最大山高さRpに注目した場合、本発明では、スペーサエキスパンダの平坦な部分の粗さ曲線の最大山高さRpが2.0 μm以下であることが好ましい。最大山高さRpは、1.6 μm以下であることがより好ましく、1.4 μm以下であることがさらに好ましい。
本発明のスペーサエキスパンダは、スペーサエキスパンダの表面に固着防止被膜を有していることが好ましい。固着防止被膜は特許文献1〜5に示された被膜を含み、その他のNiめっき等の公知の被膜も含まれる。また、少なくとも、サイドレールを径方向外方に押圧するスペーサエキスパンダの耳部表面に、塩浴窒化やガス窒化による窒化層を有していても良い。
実施例1〜3、比較例1〜3
質量%で、C:0.051%、Si:0.55%、Mn:1.06%、P:0.021%、S:0.007%、Cr:18.48%、Ni:9.53%、残部がFeからなる鋼材を、複数回の伸線処理、圧延処理、固溶化処理を経て得た1.9 mm×0.25 mmのフープ線材から、組合せオイルリングの呼び径(d1)71 mm、組合せ呼び幅(h1)2.0 mm、組合せ厚さ(a1)2.3 mmとなる組合せオイルリング用のスペーサエキスパンダを作製した。ここで、スペーサエキスパンダの母材のオーステナイト系ステンレス鋼の平均結晶粒径dは、固溶化処理温度を変えて変化させている。スペーサエキスパンダの山部(谷部)から山部(谷部)へのピッチは2.7 mmとし、中手部の高さ(l)は0.8 mm、突起部の高さ(m)は0.5 mmとした。
[1] 平均結晶粒径の測定
実施例1〜3及び比較例1〜3のスペーサエキスパンダの断面は鏡面研磨され、腐食液(マーブル試薬や王水など)や硝酸中での電解腐食法でエッチングした後、光学顕微鏡で観察された。平均結晶粒径dは、JIS G 0551に準じ、画像解析ソフトにて切断法により粒径を算出した。実施例1〜3及び比較例1〜3の平均結晶粒径dは、実施例1が21 μm、実施例2が14 μm、実施例3が11 μm、比較例1が64 μm、比較例2が42 μm、比較例3が32 μmであった。
[2] 最大谷深さRv、最大山高さRpの測定
実施例1〜3及び比較例1〜3のスペーサエキスパンダの中手部の粗さ曲線のデータが取れるように固定し、触診式表面粗さ試験機を用いて、触診を径方向に移動させてJIS B 0601: 2001に規定される粗さ曲線の最大谷深さRvと最大山高さRpを測定した。但し、径方向の長さが0.8 mmであり、JIS B 0601:2001に規定される評価長さ1.25 mmを満たすことができないので、評価長さ0.6 mmで測定した。図4は実施例1のスペーサエキスパンダの中手部の粗さ曲線を示す。山部が第2の成形工程で潰されて扁平な形状の傾向にあり、RpがRvよりも小さく測定されている様子が分かる。実施例1〜3及び比較例1〜3の評価結果は後述する表1に示す。
[3] オイルスラッジ付着試験
油温80℃に調整した劣化オイル槽と、炉内温度を190℃に調整した縦型電気炉を垂直に配置し、試料が劣化オイル槽と電気炉を垂直に繰り返し移動できる移動機構を備えた装置を組み立て、オイルスラッジ付着試験を行った。劣化オイルとしては、実際のエンジン運転によりオイルスラッジの混在したものを使用した。オイルスラッジ付着試験は、実施例1〜3、比較例1〜3のスペーサエキスパンダから切り出し予め質量を測定した試料を移動機構の移動部に固定して、オイル槽への浸漬(1分間)と電気炉中での熱処理(4分間)のサイクルを35時間繰り返すことによって行った。試験終了後、試料はアセトンで洗浄後、電気炉中120℃で1時間乾燥し、デシケータ中で室温まで冷却して試料の質量を測定した。オイルスラッジ付着試験前後の質量の差より、各試料のオイルスラッジ付着量を求めた。結果を表1に示す。各試料のオイルスラッジ付着量は、35時間試験後の比較例1の単位面積当たりのオイルスラッジ付着量を100として、相対値で表した。なお、各試料の平均結晶粒径d、中手部の粗さ曲線の最大谷深さRv及び最大山高さRpについても表1に示した。
図5は実施例1、図6は比較例1のスラッジ付着試験後の表面状態を示す。比較例1のほうが比較的大きな凹部(黒い部分)が観察され、オイルスラッジ付着量の結果と併せると、オイルスラッジが付着・堆積しやすい傾向があることが理解できる。
実施例4〜6及び比較例4
質量%で、C:0.09%、Si:0.40%、Mn:6.2%、P:0.025%、S:0.002%、Cr:17.4%、Ni:4.8%、残部がFeからなる鋼材から、実施例1と同様にしてスペーサエキスパンダを作製し、実施例1と同様にして平均結晶粒径d、最大谷深さRv及び最大山高さRpを測定し、並びにオイルスラッジ付着試験を行った。結果を表2に示す。ここで、実施例4〜6及び比較例4は、それぞれ固溶化処理温度を変えて各平均結晶粒径dを変化させている。
表1及び表2より、平均結晶粒径dが大きくなると、平坦部の粗さ曲線の最大谷深さRvと最大山高さも大きくなることが観察され、最大谷深さRv及び最大山高さRpが大きくなるとオイルスラッジ付着量も大きくなる傾向が観察された。さらに、Rvが2.5 μm近傍、Rpが2.0 μm近傍を超えるとオイルスラッジ付着量が急激に増加することも観察された。
1 スペーサエキスパンダ
2, 12 山部
3, 13 谷部
4, 14 脚部
5a, 5b 耳部
6a, 6b 突起部
7a, 7b 中手部
8a, 8b 隙間
20a, 20b サイドレール

Claims (8)

  1. 一対の円環状のサイドレールと組合せてオイルコントロールリングに使用されるスペーサエキスパンダであって、前記スペーサエキスパンダの前記サイドレールの上側面又は下側面に対向する平坦な部分の粗さ曲線の最大谷深さRvが2.5 μm以下であることを特徴とするスペーサエキスパンダ。
  2. 請求項1に記載のスペーサエキスパンダにおいて、前記スペーサエキスパンダの母材が平均結晶粒径25μm以下のオーステナイト系ステンレス鋼からなることを特徴とするスペーサエキスパンダ。
  3. 請求項2に記載のスペーサエキスパンダにおいて、前記オーステナイト系ステンレス鋼が、Feに加えて、質量%で、C:0.15%以下、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、Ni:7.0〜11.0%、Cr:17.0〜21.0%、を含むことを特徴とするスペーサエキスパンダ。
  4. 請求項2に記載のスペーサエキスパンダにおいて、前記オーステナイト系ステンレス鋼が、Feに加えて、質量%で、C:0.15%以下、Si:1.0%以下、Mn:5.0〜10.0%、Ni:3.0〜6.5%、Cr:15.5〜20.0%、を含むことを特徴とするスペーサエキスパンダ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のスペーサエキスパンダにおいて、前記スペーサエキスパンダの前記サイドレールの上側面又は下側面に対向する前記平坦な部分の粗さ曲線の最大山高さRpが2.0 μm以下であることを特徴とするスペーサエキスパンダ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のスペーサエキスパンダにおいて、前記スペーサエキスパンダが固着防止被膜を有することを特徴とするスペーサエキスパンダ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のスペーサエキスパンダにおいて、前記スペーサエキスパンダが、少なくとも耳部のサイドレール押圧面に窒化層を有することを特徴とするスペーサエキスパンダ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のスペーサエキスパンダを使用した組合せオイルコントロールリング。
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