JP2015526309A - 安全ロボット動作のためのシステムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
種々の実施形態では、ロボットとヒトとの間の安全協力が、人の腕とのいかなる衝突も害を生じさせない、第1の閾値スピード以下でロボットを継続的に動作させ、ロボットの周囲の危険域内における人の胴体または頭部の検出に応じて、人の胴体または頭部とのいかなる衝突も害を生じさせない、第2の閾値以下にスピードを減少させることによって達成される。ロボットは、本体および少なくとも1つの付属肢であって、少なくとも1つの付属肢は、本体に取り付けられ、本体に対して移動可能である、本体および少なくとも1つの付属肢と、ロボットの周囲の検出域内で人を検出するためのセンサシステムと、演算機器とを備える。
Description
(関連出願への相互参照)
本出願は、2012年8月31日に出願された米国仮出願61/695,443号に対して優先権、およびその権利を主張する。上記文献は、その全体として参照することによって本明細書において援用される。
本出願は、2012年8月31日に出願された米国仮出願61/695,443号に対して優先権、およびその権利を主張する。上記文献は、その全体として参照することによって本明細書において援用される。
(技術分野)
本発明は、特に、ロボットおよびヒトが同一の作業空間を共有する状況における、ロボット動作における安全性に関する。
本発明は、特に、ロボットおよびヒトが同一の作業空間を共有する状況における、ロボット動作における安全性に関する。
(背景)
従来の産業ロボットの動作の間の安全性は、通常、危険な条件によってトリガされ、トリガされると、ロボットをシャットダウンさせる、または大幅に減速したスピードで作業させるようにコマンドを出す、外部センサシステムによって達成される。典型的には、センサは、人がロボットの作業域に進入すると、それを検出するように配列される。例えば、センサシステムは、床上の感圧式マット、誰かが歩いて通り過ぎることによって遮断される光の連続ビーム、または人々の移動を検出する、走査レーザスコープファインダ(適切な知覚処理機能性を含む)から成る、あるいはそれを含み得る。そのようなシステムの短所は、ロボット近傍の人々の存在が、必然的に、ロボットの作業の減速またはさらに完全停止を生じることである。その結果、有意な効率低下をもたらし、これは、人々に対する安全上のリスクを回避するために、ロボットの周囲に広危険域を画定する必要性によって悪化する。本制約はまた、人々が、ロボットに近接近して、例えば、それと協働して作業することを妨害する。
従来の産業ロボットの動作の間の安全性は、通常、危険な条件によってトリガされ、トリガされると、ロボットをシャットダウンさせる、または大幅に減速したスピードで作業させるようにコマンドを出す、外部センサシステムによって達成される。典型的には、センサは、人がロボットの作業域に進入すると、それを検出するように配列される。例えば、センサシステムは、床上の感圧式マット、誰かが歩いて通り過ぎることによって遮断される光の連続ビーム、または人々の移動を検出する、走査レーザスコープファインダ(適切な知覚処理機能性を含む)から成る、あるいはそれを含み得る。そのようなシステムの短所は、ロボット近傍の人々の存在が、必然的に、ロボットの作業の減速またはさらに完全停止を生じることである。その結果、有意な効率低下をもたらし、これは、人々に対する安全上のリスクを回避するために、ロボットの周囲に広危険域を画定する必要性によって悪化する。本制約はまた、人々が、ロボットに近接近して、例えば、それと協働して作業することを妨害する。
このような妥協を許さないアプローチの代替の1つは、ヒト傍観者の種々の身体部分およびロボットの種々の部品の軌道を算出および予測し、可能性として考えられる衝突を予想し、特定の身体部分と特定のロボット部品との間の影響が生じさせ得る潜在的損傷を査定し、その知識に関するより精緻化された安全決定を基礎とし、例えば、ロボットを完全にシャットダウンするのではなく、算出されたリスクに見合ったスピードにロボットを減速することである。しかしながら、本アプローチは、算出の複雑性および固有の不確実性を前提として、実際に実装することは困難である。すなわち、人の身体部分がある場所を正確に感知し、それらが指向している場所を予測することは困難であって、さらに、ヒト身体の異なる部分と異なる機械的形状および硬度のロボット部品との間の衝突のヒト傷害の脆弱性をモデル化することはより困難である。さらに、モデル化正確度におけるいかなる妥協または不確実性も、妥協を許さないアプローチと比較して、システムの安全性を弱体化させるか、または効率向上を損なわせるかのいずれかとなるであろう。
故に、ロボット動作の不必要な中断および遅延を回避しながら、簡単に実装される、ロボット安全性のためのシステムおよび方法を提供することが望ましい。
(要約)
一般に、本発明は、簡単に実装され、かつ明確である算出判断に依拠し、ロボットが、人と協働して、および/または人に接近して作業を行い、そうすることが安全であるときは常時、フルスピードで動作することを可能にする、ロボット安全性のアプローチを提供する。より具体的には、種々の実施形態では、安全ロボット動作は、少なくとも2つの異なる安全限界を利用することによって、動作スピードを過度に限定することなく達成される。より低く、かつより厳密なスピード限界は、人の胴体または頭部とロボットとの間の衝突の場合の傷害(および、疼痛)を回避するように設定される一方、より高く、かつより寛容なスピード限界は、人の腕または手(概して、あまり敏感ではない)とロボットとの間の衝突が傷害を生じさせないことを保証するように設定される。
一般に、本発明は、簡単に実装され、かつ明確である算出判断に依拠し、ロボットが、人と協働して、および/または人に接近して作業を行い、そうすることが安全であるときは常時、フルスピードで動作することを可能にする、ロボット安全性のアプローチを提供する。より具体的には、種々の実施形態では、安全ロボット動作は、少なくとも2つの異なる安全限界を利用することによって、動作スピードを過度に限定することなく達成される。より低く、かつより厳密なスピード限界は、人の胴体または頭部とロボットとの間の衝突の場合の傷害(および、疼痛)を回避するように設定される一方、より高く、かつより寛容なスピード限界は、人の腕または手(概して、あまり敏感ではない)とロボットとの間の衝突が傷害を生じさせないことを保証するように設定される。
より低いスピード限界は、ロボットの安全システムが、ロボットの周囲の危険域への人の胴体および/または頭部の進入を検出すると、トリガされる。本域は、例えば、ロボットの付属肢の届く範囲、すなわち、ロボットの作業空間と同一の広がりを持つように定義されてもよい。人の胴体および頭部が危険域外にある限り、ロボットは、より高いスピードで動作してもよい。これは、人が、危険域外からロボットの作業空間内に到達し、例えば、ロボットがより低いスピード限界を上回るスピードで動作している間、ロボットのための新しい物体または材料を設置する、あるいは完成した物体または材料を回収することを可能にする。一方、フルスピードを構成する、より高いスピード限界は、決して超えられることはない。したがって、より高い限界と両立し得る条件下では、ロボットの作業空間内への到達は、本質的に安全である。安全性関連ロボット制御に対する本離散(継続的に可変ではない)アプローチは、傷害を回避する必要と算出上の取扱性および確実性の均衡を保つ。
一方で、人の胴体および頭部と、他方で、その腕および手を判別することは、いくつかの方法で達成され得る。いくつかの実施形態では、人を検出するセンサシステムは、例えば、カメラ画像の分析に基づいて、腕と人の身体の残りの部分を明示的に区別可能であり得る。他の実施形態では、腕は、例えば、本質的に、腕に着目させないセンサシステムの構成を用いて、胴体および頭部から暗示的に区別される。例えば、一実施形態では、検出域(すなわち、センサによって監視される空間域)は、例えば、危険域内への人の胴体または頭部の進入が、通常、検出されるが、人の手が、危険域内にある場合でも、検出域外にし、したがって、検出を回避し得るように、センサの好適な配列を介して、危険域の一部のみと一致するように調整される。センサが、例えば、ある高さ(例えば、平均的人の胸部または肩の近似高さ)を上回る運動のみを検出する場合、人の手は、その高さ閾値を下回る危険域に進入する場合、検出されない。
種々の付加的特徴はさらに、安全性および/または動作効率を向上させ得る。いくつかの実施形態では、ロボット(特に、その付属肢)の形状および材料は、人の腕または手との衝突の場合、依然として、傷害を回避する、最高許容可能スピード(すなわち、より高いスピード限界)を最大限にするように選択される。例えば、ロボットの付属肢の縁および/または角は、丸みを帯びているか、または軟質材料で充填されてもよく、ロボット表面は、同様に、衝突の場合、影響力を最小限にするように、軟質材料で被覆されてもよい。ロボットはまた、さらなる衝突を回避するように、衝突に応じて、ロボットの運動を停止するように、衝突検出システムを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ロボットは、その内部状態および意図(すなわち、特定の方向における移動等、次に行うことを計画しているアクション)を直感的様式において信号伝達し、ヒトが、ロボットが次に行おうとしていることを判断し、したがって、別の人との衝突を回避することができるのと同様に、容易にロボットとの衝突を回避することを可能にする。ロボット安全システムはまた、その存在およびアクションが、どのようにロボット動作に影響を及ぼすかを査定するのに役立つように、フィードバックを近傍の人に提供し、したがって、そのアクションを調節し、ロボット性能を最大限にすることを可能にし得る。例えば、人は、危険域内におけるその存在をアラート(例えば、視覚的または聴覚的に)され、ロボット動作の減速をもたらしてもよく、人は、それに応答して、実行可能である場合、危険域から離れてもよい。
種々の実施形態では、ロボットは、危険域外からヒトによって容易かつ安全に到達されることができる場所に1つ以上のタッチベースまたは機械的制御を具備し、人が、これらの制御のいずれかにタッチする、またはそれをアクティブ化することによって、ロボットを訓練モードに切り替えることを可能にする。訓練モードでは、人は、典型的には、直接的物理的相互作用を介して(例えば、ロボットの付属肢を誘導することによって)、あるタスクの施行において、ロボットに命令するために、危険域に進入してもよい。訓練モードを安全にするために、ロボットは、ユーザからそのようにするためのコマンドのみに応答して、移動し、その場合、ユーザがロボットから十分に離れたことを判定するまで、より低いスピード限界を超えないスピード(または、第3のさらにより低いスピード限界以下)で移動する。
最後に、ロボットの安全システムは、自己一貫性チェックを実装し、その安全性センサを監視し、全センサが正しく動作していることを確実にしてもよい。故障を検出する場合、安全システムは、ロボット動作をシャットダウンする。停電の場合、安全シャットダウンを確実にするために、ロボットは、低速かつ安全な様式において、そのアームを受動的に降下させ、人への傷害のいかなる可能性も回避する、付加的能力を有してもよい。
故に、第1の側面では、本発明は、本体および本体に取り付けられ、それに対して移動可能な1つ以上の付属肢と、ロボットの周囲の検出域内で人を検出するためのセンサシステムとを含む、ロボットを対象とする。付属肢の1つ以上の角または縁は、丸みを帯びているか、または軟質材料で充填されてもよい。センサシステムは、1つ以上のソナーセンサを含んでもよい。代替として、または加えて、センサシステムは、人の胴体または頭部と人の腕を判別するように構成され得る、1つ以上のカメラおよび関連付けられた画像処理機器を含んでもよい。ロボットはさらに、(i)少なくとも部分的に、検出域内の危険域を定義し、(ii)付属肢と人の腕との間の衝突が人に害を及ぼさない第1の閾値以下のスピードでロボットを動作させ、(iii)危険域内における人の胴体または頭部の検出に応答して、少なくとも1つの付属肢と人の胴体または頭部との間の衝突が人に害を及ぼさない、第2の閾値以下のスピードで、ロボットを動作させるための演算機器を含み、第2の閾値は、第1の閾値を下回る。ロボットはまた、ロボットを訓練モードに切り替えるために、人によって動作可能な切替機構を含んでもよい。演算機器は、訓練モードに切り替えられると、第1の閾値を下回り、好ましくは、第2の閾値を下回る、第3の閾値以下のスピードで、ロボットを動作させるように構成されてもよい。演算機器は、少なくとも部分的に、ロボットの本体または付属肢(または、他の物理的ロボット部品)内に埋め込まれ、またはロボットと通信する別個のデバイス内に提供されてもよい。
危険域の境界は、少なくとも部分的に、付属肢の届く範囲に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、危険域は、付属肢の届く範囲と同一の広がりである一方、他の実施形態では、その外側境界は、安全域からわずかに付属肢の届く範囲を超える。種々の実施形態では、危険域の少なくとも一部は、検出域外にある。検出域は、検出域の下方の危険域内の活動が、ロボットの動作を改変させないように、より低い高さ境界によって空間的に限定されてもよい。より低い高さ境界は、ロボットからの距離に伴って変動してもよい。
ロボットはさらに、ロボットアクションが行われようとする場所に向かう方向、ヒトとロボットの接近、ロボットが域内で人を検出したかどうかの指標、および/またはロボット故障の指標を信号伝達するための1つ以上の出力デバイスを含んでもよい。加えて、ロボットは、衝突検出システムを有してもよく、演算機器は、衝突検出システムに応答し、衝突が検出されると、ロボットの動作を終了させてもよい。ロボットはまた、停電の場合、ロボット動作を安全にシャットダウンするための非常用回路を含んでもよい。
別の側面では、本発明は、少なくとも1つの移動可能な付属肢を有するロボットを安全に動作させるための方法に関する。ロボットは、付属肢と人の腕との間の衝突が人に害を及ぼさない、第1の閾値以下のスピードで動作される。本方法は、センサシステムを使用して、ロボットの周囲の検出域を監視し、その中の人を検出することを伴う(例えば、運動の検出に基づいて)。少なくとも部分的に、検出域内にある危険域内の人の胴体または人の頭部の検出に応答して、ロボットは、少なくとも1つの付属肢と人の胴体または頭部との間の衝突が人に害を及ぼさない、第2の閾値以下のスピードで動作され、第2の閾値は、第1の閾値を下回る。
いくつかの実施形態では、危険域の少なくとも一部は、検出域外にある。検出域は、検出域の下方の危険域内の活動が、ロボットの動作を改変させないように、より低い高さ境界によって部分的に定義されてもよい。検出域を監視することは、検出域の画像を取得することと、その中の人の胴体または頭部を識別するように、画像を処理することを含む、またはそれらから成ってもよい。本方法はさらに、人による切替機構の動作に応じて、ロボットを訓練モードに切り替えることと、訓練モードに切り替えられると、第3の閾値以下のスピードで、ロボットを動作させることとを含んでもよい。第3の閾値は、第1の閾値を下回る。さらに、本方法は、衝突が生じると、ロボットの動作を終了させることと、および/または停電の場合、ロボット動作を安全にシャットダウンすることとを伴ってもよい。
前述は、特に、図面と関連して検討されることによって、以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
(詳細な説明)
図1は、種々の実施形態による、ヒトとその作業空間を安全に共有し、および/または協働することができる、ロボット100の主要な機能的システム構成要素を概念的に描写する。そのようなロボット100は、概して、1つ以上の付属肢102を含み、それぞれ、通常(必ずしもではないが)、移動可能な関節(ヒンジまたは回転式関節等)を介して接続される複数の連結部と、物体を操作および移動させる、または他の有用作業を行うためのエンドエフェクタ(並列二重フィンガグリッパ、吸引カップグリッパ、または多フィンガ付き高機能ハンド等)とを含む。付属肢102の移動は、概して、ロボット位置、運動学、動特性、および力を監視ならびに改変させる、より高いレベルのロボットコントローラ104と、高レベルコントローラ104と通信し、そこからコマンドを受け取り、関節と関連付けられた個々のモータおよびアクチュエータを駆動させ、命令に応じて、ロボットの付属肢102または他の可動部品を移動させる、1つ以上の関節レベルコントローラ106とを含む、1つ以上のコントローラによって制御される。付属肢100はまた、付属肢に外部から印加される力(例えば、ロボットアームを誘導させるときにユーザによって、あるいは人または物体との衝突に応じて)を測定する、1つ以上の統合された力センサ108を有してもよい。
図1は、種々の実施形態による、ヒトとその作業空間を安全に共有し、および/または協働することができる、ロボット100の主要な機能的システム構成要素を概念的に描写する。そのようなロボット100は、概して、1つ以上の付属肢102を含み、それぞれ、通常(必ずしもではないが)、移動可能な関節(ヒンジまたは回転式関節等)を介して接続される複数の連結部と、物体を操作および移動させる、または他の有用作業を行うためのエンドエフェクタ(並列二重フィンガグリッパ、吸引カップグリッパ、または多フィンガ付き高機能ハンド等)とを含む。付属肢102の移動は、概して、ロボット位置、運動学、動特性、および力を監視ならびに改変させる、より高いレベルのロボットコントローラ104と、高レベルコントローラ104と通信し、そこからコマンドを受け取り、関節と関連付けられた個々のモータおよびアクチュエータを駆動させ、命令に応じて、ロボットの付属肢102または他の可動部品を移動させる、1つ以上の関節レベルコントローラ106とを含む、1つ以上のコントローラによって制御される。付属肢100はまた、付属肢に外部から印加される力(例えば、ロボットアームを誘導させるときにユーザによって、あるいは人または物体との衝突に応じて)を測定する、1つ以上の統合された力センサ108を有してもよい。
ロボット100の周囲の空間を監視し、例えば、ロボット100に接近する人々を検出するために、ロボット100はさらに、限定ではないが、ソナーセンサ、光学スコープセンサ、1つ以上のビデオカメラ(好ましくは、深度感知能力を伴い、例えば、可視または赤外線範囲内で動作する)、および/またはマイクロホン(例えば、特性音パターンに基づいて、人々を検出するための)等のロボットの環境を監視するための1つ以上のセンサ110を含む。加えて、ロボットは、例えば、その付属肢102の場所、配向、および構成を記録するための加速度計またはジャイロスコープ等のロボット100自体の状態を監視するためのセンサ112を含んでもよい。さらに、ロボット100は、典型的には、1つ以上のユーザ入力デバイス116(例えば、ボタン、ダイヤル、または他の機械的制御、タッチパッド、テキスト打ち込みのためのキーパッドまたはキーボード等)ならびに情報をユーザに提供する出力デバイス118(例えば、1つ以上の画面、インジケータライト、スピーカ等)を伴う、ユーザインターフェース114を含む。ユーザ入力デバイス116に介して提供されるユーザ入力およびセンサ110、112を用いて取得される信号は、演算機器120に送信され、処理されてもよい。例えば、演算機器120上で実行されるプログラムと併せて、センサ信号およびユーザ入力に基づいて、演算機器120は、ロボットの動作を命令する。演算機器120は、例えば、ロボットコントローラ104と通信する、またはそれを含み、それによって、ロボット移動を統制してもよい。さらに、制御信号および/またはデータを出力デバイス118に提供してもよい(例えば、インジケータライトをオンまたはオフにする、あるいは画面上にテキストまたは画像を表示させる)。
演算機器120は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせ内に実装されてもよい。種々の実施形態では、少なくとも、プロセッサ122および関連付けられたメモリ124と、その間および/またはセンサ110、112、ロボットコントローラ104、およびユーザインターフェース114との通信を促進する、1つ以上のバス126とを含む。例えば、演算機器120は、CPU、システムメモリ、不揮発性データ記憶デバイス、ユーザ入力/出力デバイス、および随意に、他のデバイスへの接続のためのインターフェースまたはポートを含む、汎用コンピュータ上に提供されてもよい。代替として、演算機器120は、限定ではないが、特殊目的コンピュータ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAS)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはプログラマブルゲートアレイ(PGAS)を含む、種々の他の処理デバイスのいずれかを採用してもよい。いくつかの実施形態では、複数の異なる処理デバイスの組み合わせが、使用される。演算機器120は、ロボット内に物理的に埋め込まれる(例えば、ロボットコントローラ104とともに1つのデバイス内に統合される)、あるいは有線または無線接続を介して(例えば、Ethernet(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、WLAN、インターネット等を介して)、ロボット100と遠隔で通信してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、演算機器120および/またはロボットコントローラ104の全体的制御機能性は、ロボット内に物理的に統合される構成要素と、ロボットと通信する外部構成要素との間に分散される。
演算機器120の機能性は、種々のモジュール(例えば、複数の離散した相互通信する回路、あるいは図示されるように、メモリ124内に記憶される複数のソフトウェアアプリケーションまたはプログラムモジュール)に編成されてもよい。例えば、タスクモジュール130は、例えば、そうするようにプログラムまたは訓練されたタスクに従って、その作業を行うようにロボットを制御してもよい。センサデータ処理モジュール132は、センサ110、112から受信したセンサ示度値を処理し、例えば、ロボットの環境内で生じる運動を検出し、検出された任意の物体に対する範囲を計算し、および/または利用されるセンサのタイプに応じて、画像を処理し、その中の人を識別および特定(随意に、異なる身体部分を区別)してもよい。処理されたセンサデータは、例えば、メモリ124内に記憶された域定義に基づいて、人が危険域に進入する、またはそこから離れると(その頭部または胴体とともに)、それを判定し、異なる最大スピード設定を適宜切り替える、スピード制御モジュール134によって利用されてもよい。衝突検出モジュール136は、予期しない衝突に関してロボットを監視し(例えば、ロボット内に埋め込まれた力センサからの信号および/またはロボットの継続的に更新される自己モデルに基づいて)、衝突に応答して、ロボットに、直ちに動作を中断するようにコマンドを出してもよい。訓練モジュール138は、ロボット動作を統制し、例えば、訓練目的のために、ロボット100とユーザとの間の物理的相互作用を促進する、訓練モードにおけるユーザ入力を処理してもよい。最後に、故障応答モジュール140は、その示度値の相互一貫性に関してロボットセンサ112を監視し、任意のセンサまたはロボット動作故障を検出し、警告を発報し、ロボット動作を中断し、および/または任意の故障条件の場合、安全シャットダウン手順を始動させてもよい。いくつかの実施形態では、故障応答モジュール140は、停電の場合、非常用バッテリによって給電され、さらに、安全シャットダウンを制御してもよい。本明細書によるロボット制御に特有のこれらの種々のモジュールに加え、演算機器は、例えば、汎用コンピュータによって提供される場合、メモリ配分、ファイル管理、および大容量記憶デバイスの動作等の低レベルの基本システム機能の実行を命令する、従来のオペレーティングシステム142(例えば、Gentoo Linux(登録商標))を含んでもよい。当然ながら、当業者によって容易に理解されるであろうように、異なる機能性は、より少ないまたはより多いモジュールに群化される、あるいは概して、多くの他の方法で編成されてもよい。一般に、ソフトウェア内に実装される場合、種々のモジュールは、限定ではないが、C、C++、C#、Ada、Basic、Cobra、Fortran、Java(登録商標)、Lisp、Perl、Python、Ruby、またはObject Pascal等の高レベル言語、あるいは低レベルアセンブリ言語を含む、任意の好適なプログラミング言語でプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、異なるモジュールは、異なる言語でプログラムされる。
図2Aおよび2Bは、本発明の一実施形態による、例示的ロボット200を図示する。ロボットは、(固定または回転可能)基部202と、本体204と、物体を操作するためのグリッパ208を伴う2つのアーム206と、LCD画面212を伴うヘッド210とを含む。LCD画面212は、ヘッド210の中心を通る垂直軸の周囲で回転することができる。代替として、または同時に、異なる画面部分に、テキスト、ロボットの統合されたカメラのうちの1つによって捕捉された静止画像またはビデオフレーム、あるいはコンピュータ生成グラフィック(顔等)を表示してもよい。図2Bに描写される状態では、画面は、眼を表示し、どの方向にロボットが移動しようとしているかその視線の方向を示す、または人々に類似視覚的かつ直感的に理解される合図を提供してもよい。
ヘッド210内に統合されるのは、ロボットの環境内で移動する物体または人々を検出するためのソナーセンサリング214である。静的物体ではなく、移動を検出することは、完全に静止して留まる物体が、人とは非常に異なるため、人と無生物物体を判別するのに役立つ。ソナーリング214は、音のパルスを放出し(超低周波音、可聴、または超音波範囲)、環境内の物体からの反射から生じるエコーを聴取する。音響信号の飛行時間、すなわち、合計往復時間に基づいて、物体の距離が、推定されることができる。さらに、ソナーリング214は、その周縁の周囲に複数の個々のエミッタセンサを備え、物体が検出される方向が確定されることを可能にしてもよい。全センサによって受信される(概して、時間依存)信号は、集合的に処理され、例えば、人が、あるセンサの検出域(または、「視野」)から近隣センサの検出域内に移動すると、運動を検出および/または追跡してもよい。人々と他の可動物体を区別するために、運動のスピードおよびパターンが、ある実施形態では、分析され、典型的ヒト運動と比較される。ソナーリングはまた、人が検出された方向を示す、インジケータライト216を含み、これは、検出された人および他の人へのフィードバックとしての役割を果たすことができ、例えば、検出された人に、インジケータライト216がオフになるまで、ロボットから離れさせてもよい。これらの機能を実装するための好適な配列は、同時係属中の出願第13/159,047号(「Dual−motor series elastic actuator」)および第13/440,653号(「Visual indication of target tracking」)に記載されており、その全開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
画面212の上方に搭載されるのは、ロボットの環境を監視する、カメラ218であり得る。好適な画像処理ソフトウェア(例えば、図1に描写されるように、演算機器120内に実装される)と併せて、カメラ218は、ロボットの近傍の人々を検出するための代替または相補的手段を提供する。ある実施形態では、画像ベースの検出は、その運動、例えば、その典型的身体サイズおよび形状、顔の一意の特徴、および/または典型的皮膚色に基づいて、その運動に関係なく、ヒトの識別を促進する。さらに、胴体、頭部、腕、手、および脚等の種々の身体部分間の明示的判別を可能にし得る。そのような検出、識別、および判別機能性は、限定ではないが、エッジ検出および他の特徴認識方法、画像テンプレートに対する相関、主成分分析、カラー/テクスチャ分析等を含む、当業者に公知の種々の従来の画像処理アルゴリズムによって提供されてもよい。画像処理ソフトウェアはまた、検出されたヒトの運動を追跡し、人と静止物体の判別の別の方法を提供し、ロボットが、例えば、危険域に進入しそうになるとき、ヒトに早期警告を与えることを可能にし得る。ロボットから検出された人の距離は、種々の方法で判定されてもよい。あるアプローチでは、画像は、ヒトの顔に関して分析され、そのサイズから、人への接近範囲が推測されることができる。代替として、距離は、ステレオカメラによって取得された2つの画像から算出される、または任意の他の種類の光学深度センサを用いて測定されてもよい。種々の実施形態では、ソナー測定およびカメラ画像は、ロボットの環境内の人々を検出するために、ある組み合わせにおいて使用される。例えば、ソナーリング214は、最初に、移動を検出するために使用されてもよく、顔認識技法が、その後、移動物体がヒトであることを確認するために採用されてもよい。当然ながら、他のタイプの運動および距離センサも、ロボットの周囲の空間領域を監視するために、同様に使用されてもよい。
ロボット200はまた、いくつかのユーザ相互作用点、すなわち、ヒトによってタップされると、ロボットにヒトの場所を示し、ロボットに、そのアクションを中断させ、そのアーム206を人が立っている場所の側方へとゆっくりと持って来させる、肩上のタッチパッド(または、「注意喚起ボタン」)220と、1つ以上の「ナビゲータ」222、すなわち、ユーザ入力をロボットに提供するための一式の機械的制御と、ユーザがロボットアームを握持することができる、タッチセンサ式リストカフ224とを含む。人が、これらのユーザインターフェース構成要素220、222、224のいずれかをタッチするたびに、ロボットは、訓練モードに切り替わる。本モードでは、ユーザからの明示的要求に応じてのみ(したがって、ゆっくりとのみ)移動するであろう。訓練モードは、ユーザが、例えば、種々のタスクの施行をロボットに実証するように、ロボットと物理的に相互通信することを可能にする。例えば、ユーザは、リストカフ224によって、ロボットアーム206を握持し、物体を持ち上げる、移動させる、または操作するためのある運動を通して、それを誘導してもよい。訓練モードにおけるロボットの例示的特性および動作は、例えば、米国特許出願第13/621,517号(「User Interface for Robot Training」)および第13/621,657号(「Training and Operating Industrial Robots」)に説明されており、その全開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
直接、ロボット内に埋め込まれたユーザ操作可能制御の代わりに、またはそれに加え、ロボットはまた、例えば、スマートフォン等の遠隔制御デバイスを介して、無線で通信するための送受信機を含んでもよい。例えば、スマートフォンアプリケーションは、ユーザが、ロボットと物理的に接触するいかなる必要もなく、遠隔で、ロボットを訓練モードに切り替える(または、それをオンまたはオフにする)ことを可能にし得る。種々の環境では、そのような遠隔制御機能性は、有用な付加的安全性層を提供し得る。製造フロア上では、例えば、人々は、概して、ロボット上の制御を介してロボットと相互通信し得るが、監督者は、危険を知覚する場合、随時、ロボットを遠隔でシャットダウンする、または別のモードに切り替えることを可能にする、スマートフォン(または、他の遠隔制御デバイス)を有してもよい。(スマートフォンは、高度なコンピューティング能力を伴う、すなわち、概して、インターネットを介して通信する、ウェブページを表示する、および遠隔デバイスとのデータ交換を伴う、双方向用途を実行可能な携帯電話である。スマートフォンは、例えば、iPhonesTM(Apple Inc.(Cupertino, California)製)、BlackBerriesTM(RIM(Waterloo, Ontario, Canada製)、またはAndroidTMプラットフォーム(Google Inc.(Mountain View, California)製)を具備する任意の携帯電話を含む。)
図2Aおよび2Bに図示されるように、ロボットアーム206のある表面、特に、その鋭的角は、生じ得るいかなる影響の深刻度も減少させる、軟質ゴムパッド226(または、概して、任意の種類の軟質衝撃吸収または減衰構造)で被覆される。ロボットが動作し得る任意のスピード(常時、より高いスピード限界以下である)では、「軟質」アーム206は、人に衝打しても、傷害を生じさせない。ロボットアーム206はさらに、予期しない衝撃に遭遇すると、停止し、したがって、いかなる衝突の持続時間も、非常に限定される。これらの2つの要因は、ロボットがフルスピードで動作しているとき、ヒトがその腕をロボット作業空間内に延ばすことを安全にする。一方、人の胴体または頭部が、ロボットアーム206の届く範囲内に入ると、警戒感から、ロボットは、非常に低スピード(2つのスピード限界のうちのより低い方以下)まで減速され、人の頭部との衝撃は、いかなる害も生じさせず、概して、疼痛閾値を下回る。
一般に、本明細書によると、より低いスピード限界は、人がロボットの周囲の危険域に進入し、検出されると、トリガされる。危険域は、用途に特有であり得る、安全上のリスクに関する実践的考慮、すなわち、ロボットのタイプ、実施するタスクのタイプ、およびそれが動作する環境に基づいて定義されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、危険域は、衝突が生じ得る、ロボットの周囲の空間領域と同じ広がりである(かつ、それと同時に移動する)。本領域の外側限界は、概して、ロボットの付属肢(または、他の移動可能な部品)の届く範囲に対応する。いくつかの実施形態では、衝突が、最悪、移動していない(または、非常にゆっくりと移動している)ロボット部品(例えば、ロボットの本体およびヘッド)とは生じ得るが、付属肢とは生じない領域は、定常部品との衝突が、あまり害を及ぼさないと見なされる場合、危険域から除外される。例えば、全体としてのロボットが、概して、移動する、ある実施形態では、危険域は、付属肢のためのより低いスピード限界が、人がその届く範囲内に来る前にトリガされるように、衝突領域の境界を越えて、安全域を含んでもよい。安全域の深度は、ロボットの運動の全体的スピードに依存し得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、危険域は、多くの異なる方法で定義されてもよい。
危険域は、少なくとも部分的に、検出域、すなわち、センサシステム(または、その「視野」)によって監視される域内にある。検出域は、典型的には、センサシステムが、人々および/または運動を検出することができない、または確実に検出することができない、ある最大範囲によって限定される。本範囲は、概して、採用されるセンサシステムのタイプに依存する(例えば、ソナー対画像ベースのシステム)。さらに、ロボットに直接隣接する領域は、センサシステムの視野から除外され(例えば、センサの位置、配向、および/または構成、ならびに他のロボット部品によって提示される何らかの障害物のため)、したがって、検出域外にされてもよい。その結果、危険域の一部は、検出域外にあってもよい。いくつかの実施形態では、検出域は、以下の図3Bに関して説明されるように、危険域のある部分を網羅範囲から除外するように計画的に調整される。
図3Aおよび3Bは、それぞれ、ロボット200の上方からの平面図と、側方からの立面図において、図2Aおよび2Bのロボット200のための検出域および危険域を図示する。図3Aに示されるように、外側境界300(描写される2次元では、円形である)は、検出域302(すなわち、ソナーシステムが運動を確実に検出することができる領域)の外側限界を定義する。内側(同様に、円形)境界304は、ソナー検出域302の内側限界を定義する。その境界304内の点は、ロボットのソナーシステムによる検出には、ロボット200に近すぎる。腎臓形状域306は、そのアームが届くロボットの限界を定義し、本実施形態では、危険域と同じ広がりである。示されるように、ロボットアームは、ロボットの本体およびヘッドに自在に近づくことはできない。アームが届く範囲は、代わりに、ロボットの自己衝突を防止する役割を果たす、ロボットを囲繞する安全領域によって限界される。これは、当然ながら、全実施形態に該当する必要はない。さらに、危険域は、アームが届く範囲を越えて延在し、例えば、ロボットの本体またはヘッドとの衝突が生じ得る領域を含んでもよい。したがって、危険域は、ロボットを囲む単一閉鎖境界、内側と外側(例えば、球状)境界との間に形成されるある厚さのシェル、または示されるように、ロボットを完全ではないが、囲繞する、不規則形状の空間領域によって定義される、一色の空間領域(例えば、球形または半球形)であってもよい。
図3Bは、ロボット200と相互作用する人を示し、検出域302の垂直広がりを図示する。検出域302は、ソナーリング214の個々のエミッタセンサによって放出されるソナービーム312によって形成される、上側および下側境界308、310を有してもよい。これらのビーム312は、略円錐形の形状であって、ロボットの周囲にドーナツ形の検出域をもたらし得る。ソナーセンサは、検出域の下側境界310が、ロボットまでの距離の減少に伴って上昇するように配向され、人の身体および頭部(例えば、直立に起立したおよその平均サイズの成人の身体および頭部)が、検出域302内の任意の場所で検出されることができるように位置付けられる。人が、危険域306と一致する検出域の一部内で検出される場合、ロボット200は、その移動を減速させることによって応答する。しかしながら、人が、危険域外で検出されると、ロボットは、正常(例えば、フル)スピードで動作を継続する。ロボットのスピードは、したがって、わずかでも人が検出されたかどうかのみに基づいてではなく、また、任意の検出された人が位置する場所に基づいて、特に、ロボット200からの距離(例えば、前述のような飛行時間測定または他の深度感知アプローチを使用して判定される)に基づいても、制御される。図3Bに示されるように、危険域306のわずかに外にいる人は、通常、手または腕をソナー検出領域の下側境界310の下方の危険域306内に延ばし、したがって、より低いスピード限界をトリガせずに、ロボット200と相互作用する、および/またはロボットの作業空間内で動作することが可能である。故に、ソナーセンサ配列および検出域の結果として生じる形状によって、人の頭部および上半身とその手の判別は、付随して検出するように達成される。人々が、カメラ画像に基づいて検出される実施形態では、ソナーリングのドーナツ形の検出域302は、計画的にシミュレーションされ、より低いスピード限界は、危険域内で見つかった移動物体が、肩の高さの上方に延在するときのみ、トリガされてもよい。代替として、人の胴体とその手の判別は、例えば、大きく略円筒形の物体(胴体のような)が検出されると、スイッチにスピードを減速させるように、形状およびサイズに基づいて達成されることができる。
図4は、種々の実施形態による、ロボットのスピード設定を制御し、ロボットがヒトとともに、またはヒトと並行して作業する空間内の安全性を確実にするための方法を要約する。これらの方法は、ロボットの周囲の検出域を継続的に監視し(ステップ400)(例えば、センサデータ処理モジュール132と併せて、ソナーリング114または他のセンサ110を用いて)、例えば、その運動に基づいて、その中の人々を検出することを伴う(ステップ402)。いったん人が検出されると、その人、または精密に、その胴体または頭部が危険域内に位置するかどうかの判定が行われる(例えば、処理モジュール132によって)(ステップ404)。人が、危険域内にいる場合、ロボットの最大スピード限界は、スピード設定のうちのより低い方に切り替えられる(または、それに留まる)(ステップ406)。そうでなければ、より高い設定に留まる(ステップ408)。当然ながら、ロボットが、より低いスピードで動作し、人が、次いで、危険域から離れると、スピード限界は、より高い設定に戻される(ステップ408)。いくつかの実施形態では、第3のさらにより低いスピード設定が、訓練モードで使用される。すなわち、ロボットが、その本体上の機械的制御(例えば、制御220、222、224)のいずれかを介して、人の胴体および頭部が危険域内または外にある状態で生じ得る、ユーザ入力を受信すると(ステップ410)、ロボットは、非常に低スピードで動作し、典型的には、ユーザ入力に直接応答してのみ、動作するモードに切り替わる。本制御方式は、ロボットの独立作業(最高スピード)、ヒトとの協働作業(より低いスピード)、および訓練モードでのヒトとの相互作用(最低スピード)間のシームレスな切替を促進する。
いくつかの実施形態では、ロボットは、種々の視覚的合図を近傍の任意の人に与えることができる。例えば、画面212上にレンダリングされる顔は、眼の表現を含んでもよく、人は、示される視線方向を推定するために使用することができる。ロボットは、その視線を移動しようとしている方向または次のアクションを実施しようとする場所に変化させてもよい。例えば、ロボットが、物体に到達しようとする場合、そのレンダリングされた眼は、最初に、そのアームを移動させるであろう場所を凝視してもよい。いったんロボットが、そのグリッパ内に物体を有すると、その視線をその物体を置くであろう場所に移行してもよい。このように、人は、ロボットの次のアクションを予測することができる。ロボットは、ヒトが、類似状況において、その眼を移動させるであろう方法を模倣するようにプログラムされているため、概して、ロボットの眼の解釈において、観察しているヒトを訓練する必要はない。人々は、ロボットが、その視線を移行させるとき、何を意味するかを直感的に理解することができる。意図を信号伝達するために眼を使用することに加え、全体としてのロボットの顔もまた、重要な視覚的合図を提供してもよい。例えば、ロボットの顔は、人が危険域内で検出されると常時、赤色に変わり、直感的警告を提供してもよい。
ソナーセンサリング214はまた、ロボットのヘッドの円周の周囲に離間された黄色ライトのリングを含むため、視覚的インジケータとして二重機能を果たし得る。ライトは、運動が、ソナーリング自体によって、または、例えば、ロボットのヘッドカメラ218からの画像ストリーム上で起動する顔検出アルゴリズムによって検出されるかどうかにかかわらず、システムが運動を検出したいずれかの方向を照らし出す。ライトは、ロボットがその人を「見えている」かどうかを人に示す。ロボットはさらに、ロボット故障の場合、例えば、緑色(正常動作を示す)から赤色に色を変化させる、および/または明滅する、そのヘッド上に光の無点滅のリング、すなわち、「後光」を含んでもよい。この色の変化は、人々に、ロボットに不具合が生じていることの直感的警告を与える。後光はまた、ロボットの状態に関するより詳細な情報を提供してもよい。例えば、一実施形態では、無点滅の緑色後光は、ロボットが正常に作業していることを示し、点滅緑色は、訓練モードにあることを意味し、無点滅の黄色(全ソナーライトが、同時に、色覚異常の人々が、後光に対する無点滅の緑色との差異が分かり得るように、黄色を点滅させながら)は、ロボットが困惑しており、手助けされるまで移動しないであろうことを示し、非常にゆっくりなパルス黄色(例えば、6秒毎のパルス持続時間を伴う)は、ロボットがスリープ中(したがって、移動しないであろう)ことを意味し、高速点滅赤色は、ロボットが破損しており、その理由から移動しないであろうことを信号伝達する。
ロボットは、万が一故障を経験しても、その内部安全挙動が、安全にシャットダウンすることを確実にする。問題が、例えば、ロボットの動作を監視するセンサ112からのセンサ示度値に基づいて、検出され得る。異なるセンサからの示度値は、通常ロボット動作の間に保持する種々の測定された数量間の物理的関係を記述する制約に基づいて、ある公差範囲内の相互一貫性に関してチェックされ得る。これらの制約のいずれかの違反は、センサ故障、異常および問題のあるロボット挙動、または両方を示し、自動シャットダウンまたは少なくとも一時的ロボット動作の停止等、安全プロトコルの始動をトリガしてもよい。(センサ一貫性チェックおよび好適な応答は、本明細書に全体として組み込まれる、2013年8月28日出願の米国特許出願第14/012,389号に詳細に説明されている。)ロボットはまた、衝突が検出された場合も停止される。種々の実施形態では、衝突検出は、付属肢内に埋め込まれた力センサによる測定に依拠する。シャットダウンまたは一時的ロボット動作の中断は、概して、関節を無効にすることを伴い、関節のモータに流れる電流を遮断することによって、モータ内のコイルを短絡させ、電気機械的減衰効果を利用するロボット四肢内の機械的エネルギーを消散させる、動的制動を提供することによって、またはシステムをゼロ速度状態まで能動的に制動することによって達成されてもよい。停電の場合、ロボットアーム102のための電子非常用停止制動回路が、例えば、1つ以上のモータ巻線を短絡させることによって、ゆっくりとそれらを降下させる。制動回路は、例えば、電荷貯蔵回路によって給電されてもよい。好適な回路は、例えば、2012年4月13日出願の米国特許出願第13/446,650号(「Electronic Emergency−Stop Braking Circuit for Robotic Arms」)に説明され、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。
本発明は、特定の特徴および実施形態に関して説明されたが、本明細書に開示される概念を組み込む他の実施形態は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用されてもよいことは、当業者に明白となるであろう。例えば、ロボットは、ヒトの存在および場所を検出するために、前述以外の代替または付加的センサまたはセンサ場所および配列を含んでもよい。さらに、ロボットは、例えば、音によってを含め、説明されたもの以外の様式において、人の検出およびその意図を通信してもよい。故に、説明される実施形態は、あらゆる観点において、制限ではなく、例証にすぎないと見なされるものとする。
Claims (22)
- ロボットであって、前記ロボットは、
本体および少なくとも1つの付属肢であって、前記少なくとも1つの付属肢は、前記本体に取り付けられ、前記本体に対して移動可能である、本体および少なくとも1つの付属肢と、
前記ロボットの周囲の検出域内で人を検出するためのセンサシステムと、
演算機器と
を備え、
前記演算機器は、
(i)少なくとも部分的に、前記検出域内の危険域を定義することと、
(ii)前記少なくとも1つの付属肢と人の腕との間の衝突が前記人に害を及ぼさない、第1の閾値以下のスピードで、前記ロボットを動作させることと、
(iii)前記危険域内での人の胴体または頭部のうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記少なくとも1つの付属肢と前記人の胴体または頭部との間の衝突が前記人に害を及ぼさない、第2の閾値以下のスピードで、前記ロボットを動作させることと
を行い
前記第2の閾値は、前記第1の閾値を下回る、ロボット。 - 前記危険域の少なくとも一部は、前記検出域外にある、請求項1に記載のロボット。
- 前記危険域の境界は、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの付属肢の届く範囲に基づく、請求項1に記載のロボット。
- 前記危険域の外側境界は、安全域からわずかに前記少なくとも1つの付属肢の届かない範囲にある、請求項3に記載のロボット。
- 前記検出域は、前記検出域の下方の前記危険域内の活動が、前記ロボットの動作を改変させないように、より低い高さ境界によって空間的に限定される、請求項3に記載のロボット。
- 前記より低い高さ境界は、前記ロボットからの距離に伴って変動する、請求項5に記載のロボット。
- 前記センサシステムは、少なくとも1つのソナーセンサを備える、請求項1に記載のロボット。
- 前記センサシステムは、少なくとも1つのカメラと、関連付けられた画像処理機器とを備える、請求項1に記載のロボット。
- 前記画像処理機器は、前記人の胴体または頭部と前記人の腕とを判別するように構成されている、請求項8に記載のロボット。
- 前記少なくとも1つの付属肢の角または縁のうちの少なくとも1つは、丸みを帯びているか、または軟質材料で充填されるかのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のロボット。
- ロボットアクションが行われようとする場所に向かう方向、ヒトと前記ロボットの接近、前記ロボットが前記域内で人を検出したかどうかの指標、またはロボット故障の指標のうちの少なくとも1つを信号伝達するための少なくとも1つの出力デバイスをさらに備える、請求項1に記載のロボット。
- 前記ロボットを訓練モードに切り替えるために、人によって動作可能な切替機構をさらに備え、前記演算機器は、訓練モードに切り替えられると、前記第1の閾値を下回る第3の閾値以下のスピードで、前記ロボットを動作させるように構成されている、請求項1に記載のロボット。
- 衝突検出システムをさらに備え、前記演算機器は、衝突が検出されると、前記衝突検出システムに応答して、前記ロボットの動作を終了させる、請求項1に記載のロボット。
- 停電の場合、ロボット動作を安全にシャットダウンするための非常用回路をさらに備える、請求項1に記載のロボット。
- 少なくとも1つの移動可能な付属肢を有するロボットを安全に動作させるための方法であって、前記方法は、
前記少なくとも1つの付属肢と人の腕との間の衝突が前記人に害を及ぼさない、第1の閾値以下のスピードで、前記ロボットを動作させることと、
センサシステムを使用して、前記ロボットの周囲の検出域を監視し、前記検出域の中の人を検出することと、
少なくとも部分的に前記検出域内にある、危険域内での人の胴体または人の頭部のうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記少なくとも1つの付属肢と前記人の胴体または頭部との間の衝突が前記人に害を及ぼさない、第2の閾値以下のスピードで、前記ロボットを動作させることと
を含み、
前記第2の閾値は、前記第1の閾値を下回る、方法。 - 前記危険域の少なくとも一部は、前記検出域外にある、請求項15に記載の方法。
- 前記検出域は、前記検出域の下方の前記危険域内の活動が、前記ロボットの動作を改変させないように、より低い高さ境界によって部分的に定義される、請求項15に記載の方法。
- 前記検出域を監視することは、前記検出域の中の運動を検出することを含む、請求項15に記載の方法。
- 前記検出域を監視することは、前記検出域の画像を取得し、前記検出域の中の人の胴体または頭部を識別するように、前記画像を処理することを含む、請求項15に記載の方法。
- 人による切替機構の動作に応じて、前記ロボットを訓練モードに切り替えることと、
訓練モードに切り替えられると、第3の閾値以下のスピードで、前記ロボットを動作させることと
をさらに含み、前記第3の閾値は、前記第1の閾値を下回る、請求項15に記載の方法。 - 衝突が生じると、前記ロボットの動作を終了させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
- 停電の場合、ロボット動作を安全にシャットダウンすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
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