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JP2011114104A - サブマウントおよびそれを用いた電子装置 - Google Patents

サブマウントおよびそれを用いた電子装置 Download PDF

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JP2011114104A
JP2011114104A JP2009268220A JP2009268220A JP2011114104A JP 2011114104 A JP2011114104 A JP 2011114104A JP 2009268220 A JP2009268220 A JP 2009268220A JP 2009268220 A JP2009268220 A JP 2009268220A JP 2011114104 A JP2011114104 A JP 2011114104A
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electronic component
reflecting mirror
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mounting portion
groove
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Mitsuhiko Nozuma
光彦 野妻
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】 電子部品の発熱が大きくても、電子部品から放出された光を反射鏡で正しい方向へ反射させることのできるサブマウントおよびそれを用いた電子装置を提供する。
【解決手段】 基体1の上面に、光を放射する電子部品2の搭載部1aおよび光を反射して放射方向を変える反射鏡3の搭載部1bを有するとともに、電子部品2の搭載部1aと反射鏡3の搭載部1bとの間の上面に、電子部品2の搭載部1aと反射鏡3の搭載部1bとを結ぶ線を横切る溝4が形成されているサブマウント5。溝4によって電子部品2から反射鏡3の搭載部1bまでの伝熱経路が長くなるので、反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3の温度上昇が抑えられてこれらの間の熱応力が小さくなって熱応力による反射鏡3の歪が小さくなり、反射鏡3による光の反射角度の変化を小さく抑えることが可能になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信分野等に用いられる光半導体素子等の電子部品と反射鏡を搭載するためのサブマウントおよびそれを用いた電子装置に関する。
近年、40km以下の伝送距離における高速通信に対する需要が急激に増加しており、このような高速通信には、光信号を受発信する電子部品を用いた電子装置による光通信が用いられている。
従来の光通信用の電子装置として、図10(a)に斜視図で、図10(b)に断面図で示すようなものがある。ステム29の上面の中央部に、LD(Laser Diode:レーザーダイオード)22aやPD(Photo Diode:フォトダイオ−ド)22b等の光半導体素子を含む電子部品22と反射鏡23がサブマウント25を介して搭載され、ステム29に設けられた貫通孔29aの中心に封止材29bによって固定された信号端子31の上端部とボンディングワイヤで電気的に接続されている。電子部品22からサブマウント25の主面と平行に照射された光は、反射鏡23でサブマウント25の主面に対して垂直な方向に向きが変えられて、蓋体30の窓部30aに接続された光ファイバー等に入射される(例えば、特許文献1を参照)。
また、このような電子部品22と反射鏡23とがサブマウント25を介して搭載された電子装置は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Video Disc)等のピックアップ用としても用いられている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2009−253086号公報 特開2008−198934号公報
しかしながら、従来の光通信用の電子装置の光出力は0.2〜0.5mW程度であり、電子部品として用いられる半導体素子の駆動電力は5mW程度であり、伝送容量は2.5〜10Gbps(Giga bit per second)程度であったが、近年では25〜40Gbps程度まで向上してきており、より高出力化させ、高速化させることが要求されている。より大出力の電子装置では、光出力が1mWのレベルになってきており、また、半導体素子の駆動電力も10mW以上が要求されている。
このように電子部品22(LD22a)の光出力が大きくなると、電子部品22の発熱が大きくなり、この熱がサブマウント25を介して反射鏡の搭載部21bおよび反射鏡23に伝わって、光の反射方向が変化して光の取り出し効率が低下するという問題があった。これは、電子部品22の発熱によって発生する、サブマウント25と反射鏡23との熱膨張係数の違いによる熱応力で反射鏡23が歪み、反射鏡23の反射面の角度が微妙に変化することで、本来照射されるべき方向からずれた方向へ光が照射されてしまい、蓋体30に接続された光ファイバー等に入射されない光が発生するためである。
本発明はこのような従来のサブマウントを用いた電子装置の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、電子部品の発熱が大きくなったとしても、電子部品から放出された光を反射鏡で正しい方向へ反射させることのできるサブマウントおよびそれを用いた電子装置を提供することにある。
本発明のサブマウントは、基体の上面に、光を放射する電子部品の搭載部および前記光を反射して放射方向を変える反射鏡の搭載部を有するとともに、前記電子部品の搭載部と前記反射鏡の搭載部との間の前記上面に、前記電子部品の搭載部と前記反射鏡の搭載部とを結ぶ線を横切る溝が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明のサブマウントは、上記構成において、前記溝は、複数並べて形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明のサブマウントは、上記構成において、前記複数の溝の間の前記基体の下面に、前記溝の底面より前記上面側に底面を持つ溝を有することを特徴とするものである。
本発明の電子装置は、上記構成のいずれかに記載のサブマウントの前記電子部品の搭載部に電子部品を、および前記反射鏡の搭載部に反射鏡を搭載するとともに、前記サブマウントを電子部品搭載用パッケージに搭載して、該電子部品搭載用パッケージに蓋体を気密封着したことを特徴とするものである。
また、本発明の電子装置は、上記構成において、前記サブマウントは、温度制御素子を介して搭載されていることを特徴とするものである。
本発明のサブマウントによれば、基体の上面に、光を放射する電子部品の搭載部および光を反射して放射方向を変える反射鏡の搭載部を有するとともに、電子部品の搭載部と反射鏡の搭載部との間の上面に、電子部品の搭載部と反射鏡の搭載部とを結ぶ線を横切る溝が形成されていることから、電子部品で発生した熱の反射鏡の搭載部および反射鏡までの伝熱経路が長くなることによってサブマウントの反射鏡の搭載部および反射鏡の温度上昇が抑えられるので、サブマウントと反射鏡との間に発生する熱応力が小さくなって熱応力による反射鏡の歪が小さくなり、反射鏡の歪による光の反射角度の変化を小さく抑えることができる。
また、本発明のサブマウントによれば、上記構成において、溝が複数並べて形成されている場合には、電子部品で発生した熱の反射鏡の搭載部および反射鏡までの伝熱経路がより長くなることに加え、サブマウントの電子部品の搭載部と反射鏡の搭載部との間の部分の表面積が大きくなって熱が放散されやすくなるので、反射鏡の搭載部および反射鏡に伝わる熱がより小さくなり、反射鏡の歪による光の反射角度の変化をより小さく抑えることが可能となる。
また、本発明のサブマウントによれば、上記構成において、複数の溝の間の基体の下面に、溝の底面より上面側に底面を持つ溝を有する場合には、電子部品で発生した熱の反射鏡の搭載部および反射鏡までの伝熱経路は、サブマウントの上面に搭載された電子部品から電子部品側の上面の溝の下側、下面の溝の上側、反射鏡側の上面の溝の下側、そして上面に搭載された反射鏡と、上下に折れ曲がった、より長いものとなるとともに、サブマウントの電子部品の搭載部と反射鏡の搭載部との間の部分の表面積がより大きくなって熱がより放散されやすくなるので、反射鏡の搭載部および反射鏡に伝わる熱が更に小さくなり、反射鏡の歪による光の反射角度の変化を更に小さくすることができる。
本発明の電子装置によれば、上記構成のいずれかのサブマウントの電子部品の搭載部に電子部品を、および反射鏡の搭載部に反射鏡を搭載するとともに、サブマウントを電子部品搭載用パッケージに搭載して、電子部品搭載用パッケージに蓋体を気密封着したものであることから、電子部品から発生した熱が反射鏡に伝わり難くなって反射鏡によって反射される光の反射角度が変化し難くなり、反射した光を光ファイバー等により正確に入射することができるようになるので、光(信号)の取り出し効率が高く、出力のより安定した高出力の電子装置となる。
また、本発明の電子装置によれば、上記構成のサブマウントが温度制御素子を介して搭載されているときには、温度制御素子によって電子部品で発生した熱の反射鏡の搭載部および反射鏡までの伝熱が抑えられるので、温度変化によって発生する反射鏡の歪による光の反射角度の変化が非常に小さくなり、出力のより安定した高出力の電子装置となる。
本発明のサブマウントの実施の形態の一例を示す斜視図である。 (a)は図2に示す本発明のサブマウントの実施の形態の一例を示す上面図、(b)は(a)のA−A線における断面を示す断面図である。 (a)は本発明のサブマウントの実施の形態の他の例を示す上面図、(b)は(a)のA−A線における断面を示す断面図である。 (a)は本発明のサブマウントの実施の形態のさらに他の例を示す上面図、(b)は(a)のA−A線における断面を示す断面図である。 (a)は本発明のサブマウントの実施の形態のさらに他の例を示す上面図、(b)は(a)のA−A線における断面を示す断面図であり、(c)は(a)のB−B線における断面を示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明のサブマウントの実施の形態の他の例を示す断面図である。 (a)は本発明の電子装置の実施の形態の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 本発明のサブマウントの実施の形態の他の例を示す斜視図である。 本発明の電子装置の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 (a)は従来のサブマウントの形態の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
本発明のサブマウントおよびそれを用いた電子装置について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図9において、1は基体、1aは電子部品の搭載部、1bは反射鏡の搭載部、1cは配線導体、1dは接続導体、2は電子部品、3は反射鏡、4は溝、5はサブマウント、6は温度制御素子、7はPD素子、8は温度モニター素子、9はステム、9aは貫通孔、9bは封止材、9cは蓋体接合部、10は蓋体、10aは窓部、11は信号端子、12はDC端子、13は中継基板である。
図1は、本発明のサブマウント5の実施の形態の一例を示す斜視図であり、上面の電子部品の搭載部1aおよび反射鏡の搭載部1bに、それぞれ電子部品2および反射鏡3を搭載した状態を示している。図2〜図5においては、サブマウント5の上面の電子部品の搭載部1aおよび反射鏡の搭載部1bに搭載される電子部品2および反射鏡3は破線で示している。図1〜図6においては、電子部品2および反射鏡3をサブマウント5の上に搭載するための配線導体1cを省略して示しており、図1〜図5においては、サブマウント5を電子部品搭載用パッケージに搭載するための接続導体1dは省略して示している。
本発明のサブマウントは、図1〜図6および図8に示す例のように、基体1の上面に、光を放射する電子部品の搭載部1aおよび光を反射して放射方向を変える反射鏡3の搭載部1bを有するとともに、電子部品の搭載部1aと反射鏡の搭載部1bとの間の上面に、電子部品の搭載部1aと反射鏡の搭載部1bとを結ぶ線を横切る溝4が形成されていることを特徴とするものである。このような構成により、電子部品2で発生した熱の反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3までの伝熱経路が長くなることによってサブマウント5の反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3の温度上昇が抑えられるので、サブマウント5と反射鏡3との間に発生する熱応力が小さくなって熱応力による反射鏡3の歪が小さくなり、反射鏡3の歪による光の反射角度の変化を小さく抑えることが可能なサブマウント5となる。
また、本発明のサブマウントは、図3に示す例のように、上記構成において、溝4が複数並べて形成されていることが好ましい。このようにしたときには、電子部品2で発生した熱の反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3までの伝熱経路がより長くなることに加え、サブマウント5の電子部品の搭載部1aと反射鏡の搭載部1bとの間の部分の表面積が大きくなって熱が放散されやすくなるので、反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3に伝わる熱がより小さくなり、高出力の電子部品2を使用しても、反射鏡3の歪による光の反射角度の変化をより小さく抑えることが可能なサブマウント5となる。
また、本発明のサブマウントは、図4〜図6に示す例のように、複数の溝4・4の間の基体1の下面に、溝4・4の底面より上面側に底面を持つ溝4を有することが好ましい。このようにしたときには、電子部品2で発生した熱の反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3までの伝熱経路は、サブマウント5の上面に搭載された電子部品2から電子部品2側の上面の溝4の下側、下面の溝4の上側、反射鏡3側の上面の溝4の下側、そして反射鏡3と、上下に折れ曲がった、より長いものとなるとともに、サブマウント4の電子部品の搭載部1aと反射鏡の搭載部1bとの間の部分の表面積がより大きくなって熱がより放散されやすくなるので、反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3に伝わる熱が更に小さくなり、反射鏡3の歪による光の反射角度の変化を更に小さくすることができる。
図7において、(a)は本発明の電子装置の実施の形態の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。図7では、サブマウント5を電子部品搭載用パッケージへ搭載した様子が分かるように、蓋体10を外した状態を示しており、(b)に蓋体10を破線で示している。また、図8は本発明のサブマウントの実施の形態の他の例を示す斜視図であり、LD等の電子部品2と反射鏡3以外にも素子を搭載した例を示している。図9は、本発明の電子装置の実施の形態の他の例を示す斜視図であり、図7と同様に蓋体10を外した状態を示している。図8に示す例のサブマウント5を、温度制御素子6を介して搭載した例を示している。
本発明の電子装置は、図7および図9に示す例のように、上記構成のサブマウント5の電子部品の搭載部1aに電子部品2を、および反射鏡の搭載部1bに反射鏡3を搭載するとともに、サブマウント5を電子部品搭載用パッケージに搭載して、電子部品搭載用パッケージに蓋体10を気密封着したものである。このような構成としたことから、電子部品2から発生した熱が反射鏡3に伝わり難くなって反射鏡3によって反射される光の反射角度が変化し難くなり、反射した光を光ファイバー等により正確に入射することができるようになるので、光(信号)の取り出し効率が高く、出力のより安定した高出力の電子装置となる。
また、本発明の電子装置は、図9に示す例のように、上記構成のサブマウント5が温度制御素子6を介して搭載されていることが好ましい。このような構成としたときには、温度制御素子6によって電子部品2で発生した熱の反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3までの伝熱がより抑えられるので、温度変化によって発生する反射鏡3の歪による光の反射角度の変化が非常に小さくなり、出力のより安定した高出力の電子装置となる。高出力のLD素子を電子部品2として搭載した場合は、溝4を有さないサブマウント5であると、温度制御素子6を介してサブマウント5を搭載しても、電子部品2で発生した熱はサブマウント5の上面側で反射鏡の搭載部1bへ伝わるのに対して、本発明のような溝4を有する場合は、伝熱経路はサブマウント5の下面側を経由するので、下面側へ伝わった際に多くは温度制御素子6へと伝わり、反射鏡の搭載部1bへ伝わる熱は小さいものとなる。
図1〜図7に示す例では、サブマウント5には電子部品2(LD素子)と、LD素子からサブマウント5の上面に平行な方向に発振された光をサブマウント5の上面に垂直な方向に反射させるための反射鏡3とが搭載されているが、図8に示す例では、サブマウント5上には、主となる電子部品2のLD素子と反射鏡3以外に、LD素子の発振状態をモニターするPD素子7、およびサブマウント5上の温度を測定して温度制御素子6へフィードバックするための温度モニター素子8が搭載されている。
図7に示す例において、電子部品搭載用パッケージは、上面中央部にサブマウント5の搭載部を有する金属製円盤からなるステム9に外部回路基板と接続するための信号端子11およびDC端子12が取り付けられたものである。信号端子11およびDC端子12は、ステム9に設けられた貫通孔9a内に絶縁性の封止材9bによって固定され、ステム9の上下面から両端部がそれぞれ突出している。この例では、サブマウント5の上面には、溝4を挟んで電子部品2(LD素子)と反射鏡3とが搭載されている。ステム9の上面の外縁部には蓋体10を接合するための蓋体接合部9cが設けられている。この例では、電子部品2の下面がグラウンド端子となっており、サブマウント5の上面に形成された配線導体の上に電気的に接続され、この配線導体とグラウンド端子として機能するDC端子12とがボンディングワイヤで電気的に接続されている。また、サブマウント5上の別の配線導体と電子部品2の端子とがボンディングワイヤで接続され、この配線導体と信号端子11とがさらにボンディングワイヤで接続されている。そして、ステム9の蓋体接合部9cに蓋体10が接続されることで本発明の電子装置が基本的に構成される。
図9に示す例では、ステム9の上面の中央部にペルチェ素子等の温度制御素子6を介して図8に示す例のサブマウント5が搭載されている。電子部品2と反射鏡3がサブマウント5に形成した溝4を挟むように搭載されており、電子部品2の一方の端子はボンディングワイヤでサブマウント5上の配線導体に電気的に接続されている。この例では、信号端子11のステム9側の上端部と中継基板13の信号線路とがろう材等の接合材で電気的に接続され、中継基板13の信号線路とサブマウント5の配線導体とがボンディングワイヤで電気的に接続されることで、電子部品2と信号端子11とが電気的に接続されている。また、電子部品2の他方の端子は、ボンディングワイヤで接続されたサブマウント5上の別の配線導体およびさらにボンディングワイヤを介して、グラウンドとして機能するDC端子12の一つに電気的に接続されている。これによって、信号端子11は電子部品2と外部電気回路(図示せず)との間の入出力信号を伝送する伝送路として機能する。
また、図9に示す例では、サブマウント5の上にはモニターPD素子7,および温度モニター素子8が搭載されており、サブマウント5は温度制御素子6を介して電子部品搭載用パッケージのステム9上に搭載されているので、DC端子12は、上述したグラウンド用以外に、これら素子への電力供給用のもの等がある。
なお、図9に示す例においても、電子部品2等が搭載された状態がわかるように蓋体10を外した状態を示しているが、図7(b)に示す例と同様に、つば付きのハット状の蓋体10のつば部分を溶接またはろう接等でステム9の蓋体接合部9cに接合することによって、本発明の電子装置が基本的に構成される。
なお、図9に示す例では、1個の電子部品2および反射鏡3を、サブマウント5および温度制御素子6を介してステム9の上に搭載しているが、複数の電子部品2および反射鏡3を搭載してもよいし、また、信号端子11の数も、電子部品2の数や電子部品2の電極の数に応じて複数であっても構わない。そして、DC端子12の数も、温度制御素子6、モニターPD8、温度モニター素子8等の数に応じて設ければよい。
サブマウント5の基体1の寸法は、上に搭載する電子部品2や反射鏡3、およびPD素子7や温度モニター素子8を搭載できる寸法であり、これらの数や配置にもよるが、2mm角〜3mm角程度の大きさである。基体1の厚みは、薄いほうが放熱性を向上させやすいが、薄いと強度が低下するので、0.2mm〜0.4mm程度の厚みとすることが好ましい。
溝4の深さは基体1の厚みの1/2〜2/3とするのが好ましい。溝4の深さが基体1の厚みの1/2より浅いと、溝によって長くなる電子部品2から反射鏡3への伝熱経路が十分に長くならない傾向があり、溝4の深さが基体1の2/3より深いと、基体1の材質にもよるが、基体1の強度が低下して取り扱いが難しくなる傾向がある。
溝4の深さはその長さ方向で一定でなくてもよく、例えば、図5(c)に示すように、電子部品2と反射鏡3を結ぶ直線と交差する部分で最も深く、そこから基体1の両端部(両側面)にかけては徐々に浅くなるように形成すると、溝4による基体1の強度低下が抑えられるとともに、平面視での伝熱経路が短い部分には溝4が深く形成されるので溝4の効果が損なわれることがないので好ましい。この場合の溝4の深さは、元も深い部分となる。このとき、図5(c)に示す例のように、溝4はその長さ方向に角部のない形状とすると、角部を起点とした基体1の割れが発生しないのでよい。また、図5(c)に示す例のように、溝4の形状が長さ方向に円弧状であると、ダイシングの刃をこの円弧の半径と同じ半径のものとすることで容易に形成することができる。
また、溝4の底部の形状は、角部を起点に基体1が割れやすいので、図4に示す例のように角部が丸まった形状や、図5および図6に示す例のように底面が曲面であるのが好ましい。
溝4の長さは、電子部品の搭載部1aと反射鏡の搭載部1bとを結ぶ線を横切る長さであればよいが、図1〜図9に示す例では基体1の対向する一方の側面から他方の側面に至る長さである。このようにすると、電子部品2で発生した熱がサブマウント5の上面を平面方向に伝わって、反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3に至る伝熱経路がないので、溝4の効果がより高いものとなる。また、基体1にダイシングなどの切削加工によって溝4を形成するのが容易となる。
溝4の幅は、広いほど電子部品2から反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3への伝熱経路が長くなる点では好ましいが、電子部品の搭載部1aと反射鏡の搭載部1bとの間の距離の2/3以下であるのがよい。これより大きいと、基体1の強度が低下して取り扱いが難しくなるとともに、特に溝4が電子部品の搭載部1bに近接している場合には、電子部品2からステム9側への伝熱経路が小さくなってサブマウント5の放熱特性が低下しやすくなる傾向がある。溝4が複数ある場合は、基体1の上面、下面に関わらず、複数の溝4の幅の合計が電子部品2の搭載部1aと反射鏡3の搭載部1bとの距離の2/3以下であればよい。
図3に示す例のように、溝が1本の場合には、溝4を電子部品2と反射鏡3との中央部に形成するよりも、電子部品の搭載部1a側もしくは反射鏡の搭載部1b側に寄せて形成する方が、電子部品2から反射鏡の搭載部1bおよび反射鏡3への伝熱経路が長くなるので好ましい。なお、溝4を電子部品の搭載部1a側に寄せて形成すると、電子部品2からステム9側への伝熱経路が小さくなってステム9を介しての放熱性が低下しやすいので、溝4は反射鏡3の近くに形成することがより好ましい。
図4に示す例と図5に示す例とでは、溝4の数、深さ、幅、形状は同じであるが、図5に示す例は、電子部品の搭載部1aおよび反射鏡の搭載部1bに近接して溝4が形成されているので、最短の伝熱経路は図4に示す例より長くなる。これは、図3に示す例のような、溝4の数が2つの場合でも同様である。
溝4が図3に示す例のように2つある場合と、図3に示す例の電子部品の搭載部1aに近い側の溝4の電子部品の搭載部1aに近い側の内壁面から、反射鏡の搭載部1bに近い側の溝4の反射鏡の搭載部1bに近い側の内壁面までが1つの溝4である場合とでは、最短の伝熱経路の長さは同じとなるが、図3に示す例のように2つの溝4・4があると、電子部品の搭載部1aと反射鏡の搭載部1bとの間の基体1の表面積が大きいので、この部分で放熱しやすく、反射鏡の搭載部1b側への伝熱をより抑えることができる。溝4の数が多いほど放熱の点ではよいが、基体1の強度を考慮して設定すればよい。
また、サブマウント5の下面には、電子部品搭載用パッケージのステム9の上あるいは温度制御素子6の上に搭載する際にろう材等で接続するための接続導体1dが形成されるが、図6(a)および図6(b)に示す例のように、電子部品の搭載部1aと反射鏡の搭載部1bとの間の領域に対向する部分には形成しないようにすると、電子部品2で発生した熱は接続導体1cを介してステム9や温度制御素子6の方へ伝わりやすく、この部分を伝わって反射鏡の搭載部1bへは伝わり難くなるので好ましい。そして、図6(b)に示す例のように、接続導体1dを基体1の電子部品2が搭載されている側の側面にまで形成しておくと、反射鏡の搭載部1b側へは熱がより伝わり難くなるので好ましい。
サブマウント5の基体1は、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体等のセラミックス絶縁材料等から成り、基体1が例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、まずアルミナ(Al)やシリカ(SiO),カルシア(CaO),マグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混合して泥漿状とし、これをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってシート状に成形してセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を得る。その後、グリーンシートを所定形状に打ち抜き加工するとともに必要に応じて複数枚積層し、これを約1600℃の温度で焼成することによって製作される。あるいは、原料粉末に適当な有機バインダを加えたものを金型プレスで成型体を作製して、焼成することで作製することもできる。また、焼成後に、必要に応じて基体1の主面に研磨加工を施す場合もある。上述したように、基体1の大きさは小さいので、大型の基板を作製した後に、ダイシング法等の切断方法で切断することで多数の基体1を作製するとよい。
溝4は、ダイシング法やスライシング法により、電子部品の搭載部1aと反射鏡の搭載部1bとを結ぶ線を横切るように形成すればよい。溝4の幅はこのときの刃の幅と同等となり、溝4の底部の形状も刃の形状によって変えることができる。上記したような小さい寸法の基体1に形成することから、溝の幅は0.15mm以下とするのが好ましい。
この基体1の上面に配線導体1cや接続導体1dを蒸着法およびフォトリソグラフィ法を用いて形成することで、サブマウント5となる。なお、配線導体1cは、例えば密着金属層、拡散防止層および主導体層が順次積層された3層構造の導体層から成る。また、サブマウント5に形成される高周波信号の通る配線導体1cについては、例えば特性インピーダンスを50Ωに整合させた線路とする。
密着金属層は、セラミックス等から成る基体1との密着性を良好とするという観点からは、チタン(Ti),クロム(Cr),タンタル(Ta),ニオブ(Nb),ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金,窒化タンタル(TaN)等の熱膨張率がセラミックスと近い金属のうち少なくとも1種より成るのが好ましく、その厚みは0.01〜0.2μm程度が好ましい。密着金属層の厚みが0.01μm未満では、密着金属層を基体1に強固に密着することが困難となる傾向があり、0.2μmを超えると、成膜時の内部応力によって密着金属層が基体1から剥離し易くなる傾向がある。
また、拡散防止層は、密着金属層と主導体層との相互拡散を防ぐという観点からは、白金(Pt),パラジウム(Pd),ロジウム(Rh),ニッケル(Ni),Ni−Cr合金,Ti−W合金等の熱伝導性の良好な金属のうち少なくとも1種より成ることが好ましく、その厚みは0.05〜1μm程度が好ましい。拡散防止層の厚みが0.05μm未満では、ピンホール等の欠陥が発生して拡散防止層としての機能を果たしにくくなる傾向があり、1μmを超えると、成膜時の内部応力によって拡散防止層が密着金属層から剥離し易く成る傾向がある。なお、拡散防止層にNi−Cr合金を用いる場合は、Ni−Cr合金は基体1との密着性が良好なため、密着金属層を省くことも可能である。
さらに、主導体層は、電気抵抗の小さい金(Au),Cu,Ni,銀(Ag)の少なくとも1種より成ることが好ましく、その厚みは0.1〜5μm程度が好ましい。主導体層の厚みが0.1μm未満では、電気抵抗が大きなものとなってサブマウント5の配線導体1cに要求される電気抵抗を満足できなくなる傾向があり、5μmを超えると、成膜時の内部応力によって主導体層が拡散防止層から剥離し易く成る傾向がある。なお、Auは貴金属で高価であることから、低コスト化の点でなるべく薄く形成することが好ましい。また、Cuは酸化し易いので、その上にNiおよびAuからなる保護層を被覆してもよい。
サブマウント5の電子部品の搭載部1aに電子部品2を搭載し、反射鏡の搭載部1bに反射鏡3を搭載するとともに、サブマウント5を電子部品搭載用パッケージに搭載して、電子部品搭載用パッケージに蓋体10を気密封着することで本発明の電子装置となる。
電子部品2は、光を放射するものであり、LD(レーザーダイオード)が挙げられる。
反射鏡3は、電子部品2から放射された光を反射して放射方向を変えるためのものであり、所定の角度の反射面を有するものである。反射面の角度は光の放射方向によって設定されるが、通常は、電子部品2からサブマウント5の上面と平行に照射された光は、反射鏡3でサブマウント5の主面に対して垂直な方向に向きが変えられて、蓋体10の窓部10aに接続された光ファイバー等に入射される。そのため、反射鏡3の反射面の角度は、サブマウント5の基体1の上面に対して45度に形成される。
反射鏡3は、アルミなどの金属もしくはガラスから成る基体に所定の角度で設けた反射面に、アルミ等の金属コートもしくは誘電体多層膜を用いた反射コートを施すことによって高い反射率で光を反射することができる。反射鏡3の基体の熱膨張係数がサブマウント5と異なる場合には熱による変形がおきやすくなり、反射角度が変化しやすくなるので、これらの間の熱膨張係数の差ができるだけ小さいのが好ましい。例えば、電子部品2からの熱をサブマウント5を介してステム9へ効率よく放熱するために、サブマウント5の基体として熱伝導率の大きな窒化アルミニウム(熱膨張係数:4.6×10−6/℃)を用いる場合には、反射鏡3の基体にはホウケイ酸系(SiO:73%,B:11%,Al:6.5%,NaO:6%,CaO:0.5%他)のガラス(熱膨張係数:5.2×10−6/℃)を用いるとよい。反射面に金属コートを用いた場合は反射面の角度の変化によって反射率が変化しないので、反射鏡の歪が光(信号)の取り出し効率が大きく低下しない程度である場合に、反射率の低下による取り出し効率の低下がないという点で優れるが、その表面が酸化すると反射率が低下するので、金属コートの上をさらに誘電体多層膜で保護することもある。また、誘電体多層膜を用いた反射コートは、特定の波長用に設計を行うことで反射率を100%近くに高めることができるが、反射角度が変化すると、光の波長に対する実効膜厚みが変化することで反射率が変化しやすいので、誘電体多層膜を用いた反射ミラーを用いた場合には、反射角度が変化し難いことが特に好ましく、そのために本発明のサブマウント5を用いるのが効果的である。
電子部品搭載用パッケージのステム9は、上面にサブマウント5の搭載部を有するとともに、搭載された電子部品2から発生した熱を電子部品搭載用パッケージの外部に放散する機能を有する。このため、ステム9は、熱伝導性の良い金属から成るものであることが好ましい。また、ステム9は搭載されるサブマウント5の熱膨張係数に近いものが好ましく、またコストの安いものとして、例えば、Fe−Mn合金等の鉄系の合金や純鉄等の金属や、純銅や銅系の合金が選ばれる。より具体的には、Fe99.6質量%−Mn0.4質量%系のSPC(Steel Plate Cold)材がある。例えばステム9がFe−Mn合金から成る場合は、この合金のインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工等の金属加工方法を施すことによって所定形状に製作され、貫通孔9aはドリル加工や金型による打ち抜き加工によって形成される。
ステム9は厚みが0.5〜2mmの平板状であり、その形状には特に制限はないが、例えば直径が3〜6mmの円板状,半径が1.5〜8mmの円周の一部を切り取った半円板状,一辺が3〜15mmの四角板状等である。
ステム9の厚みは0.5mm以上が好ましい。厚みが0.5mm未満の場合は、電子部品2を保護するための金属製の蓋体10を金属製のステム9の上面に接合する際に、接合温度等の接合条件によってはステム9が曲がったりして変形し易くなる。また、厚みが2mmを超えると、得られる電子部品搭載用パッケージや電子装置の厚みが不要に厚いものとなり、小型化し難くなるので、ステム9の厚みは2mm以下であるのが好ましい。
ステム9には、信号端子11およびDC端子12の固定用として、上面から下面にかけて形成された貫通孔9aを有する。信号端子11が通る貫通孔9aの直径は、直径が0.53〜2.65mmで、中心に信号端子11を配置することで特性インピーダンスが50Ωの同軸構造が形成されるような寸法とする。また、DC端子12の固定用の貫通孔9aは、DC端子12と第2の貫通孔9aの内面との間に十分な厚み(0.2mm程度)の封止材9bが入る程度の大きさに形成すればよい。また、貫通孔9aを上記寸法よりも大きくして、図9に示す例のように、1つの貫通孔9a内に複数のDC端子12を配置しても構わない。この場合は、例えば図9に示す例のように、円形ではなく長円形とすることで貫通孔9aの面積を小さくすることができる。上述したように、電子部品2の数や電子部品2の端子の数に応じて信号端子11の数が、また電子部品5以外の他の素子等の数に応じてDC端子12の数が決まるので、それに応じて貫通孔9aも適宜形成すればよい。
また、ステム9の表面には、耐食性に優れ、ろう材との濡れ性に優れる、厚さが0.5〜9μmのNi層と厚さが0.5〜5μmのAu層とをめっき法によって順次被着させておくのがよい。これにより、ステム9が酸化腐食するのを有効に防止することができるとともに、サブマウント5や温度制御素子6あるいは蓋体10等をステム9上に良好にろう付けすることができる。
信号端子11およびDC端子12は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えば信号端子11がFe−Ni−Co合金から成る場合は、この合金のインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工等の金属加工方法を施すことによって、長さが1.5〜22mm、直径が0.1〜0.5mmの線状に製作される。
信号端子11およびDC端子12は、少なくとも下端部がステム9の貫通孔9aから1〜20mm程度突出するように封止材9bを介して固定され、上端部はステム9の貫通孔9aから0〜2mm程度突出させる。
ステム9をグラウンドとして用いる場合であれば、DC端子12のグラウンド用のものは、ステム9の下面にろう材等を用いて接続してもよい。
封止材9bは、ガラスやセラミックスなどの無機材料から成り、信号端子11およびDC端子12とステム9との絶縁間隔を確保するとともに、信号端子11およびDC端子12を貫通孔9aに固定する機能を有する。このような封止材9bの例としては、ホウケイ酸ガラス,ソーダガラス等のガラスおよびこれらのガラスに封止材9bの熱膨張係数や比誘電率を調整するためのセラミックフィラーを加えたものが挙げられ、インピーダンスマッチングのためにその比誘電率を適宜選択する。比誘電率を低下させるフィラーとしては、酸化リチウム等が挙げられる。
例えば、特性インピーダンスを50Ωとするには、信号端子11の外径が0.2mmの場合であれば、貫通孔9aの内径を1.75mmとして、封止材9bに比誘電率が6.8であるものを用いればよい。あるいは信号端子11の外径が0.25mmの場合であれば、貫通孔9aの内径を2.2mmとして、封止材9bの比誘電率が6.8であるものを用いればよい。また、同じく信号端子11の外径が0.25mmの場合であれば、第2の貫通孔9aの内径を1.65mmとして、封止材9bの比誘電率が5であるものを用いてもよい。封止材9bの比誘電率が4であれば、同じ外径0.25mmの場合で、貫通孔9aの内径を1.35mmとすれば特性インピーダンスが50Ωとなる。封止材9bの比誘電率が小さいほど、貫通孔9aを小さくしてもインピーダンスを50Ωに整合することができるため、結果としてステム9の大きさの小型化に効果的であり、より小型の電子部品搭載用パッケージとすることができる。
DC端子12を固定するための封止材9bは、特にインピーダンスを考慮する必要はなく、気密に封止してDC端子12を固定できるものであればよいので、信号端子11を固定するための封止材9bと同じものでなくても構わない。信号端子11の固定と同時にDC端子12の固定を行なうためには、信号端子11を固定するための封止材9bと同じガラス、あるいは同程度の融点を有するガラスを用いるとよい。
封止材9bがガラスから成る場合は、内径が信号端子11またはDC端子12の外径よりも大きく、外径が貫通孔9aの内径よりも小さい筒状になるように粉体プレス法や押し出し成形法等で成形されたガラスの封止材9bを貫通孔9aに挿入し、信号端子11またはDC端子12をこの封止材9bに挿通し、しかる後、所定の温度に加熱して封止材9bを溶融させることによって、信号端子11またはDC端子12が封止材9bに埋め込まれるとともに貫通孔9aにステム9と絶縁されて気密に固定される。信号端子11は、貫通孔9aの中心に固定されることで良好な同軸伝送路となり、高周波信号を良好に伝送することができる。
図9に示す例のように、中継基板13を介して信号端子11と電子部品2とを電気的に接続する場合の中継基板13は、サブマウント5と同様にして作製することができる。
電子部品2および反射鏡3は、それぞれサブマウント5の電子部品2の搭載部1aおよび反射鏡3の搭載部1bに200〜400℃の融点を有するAu−Sn等のろう材によってろう付けされて固定される。その電極をボンディングワイヤを介してサブマウント5の配線導体1cに接続してこの配線導体1cと信号端子11とをボンディングワイヤ7で接続することによって信号端子11に電気的に接続される。サブマウント5上の搭載部1a・1b上にろう材ペーストを周知のスクリーン印刷法を用いて印刷したり、フォトリソグラフィ法によってろう材層を形成したり、低融点ろう材のプリフォームを載置するなどして、ろう材の融点以上に加熱して冷却すればよい。このとき、モニターPD素子7や温度モニター素子8も同様にして同時に搭載すればよい。
サブマウント5は、下面の接続導体1dの表面に、200〜400℃の融点を有する半田や金(Au)−錫(Sn)等の低融点ろう材のペーストを、スクリーン印刷法を用いて印刷したり、フォトリソグラフィ法によって低融点ろう材膜を形成したり、低融点ろう材のプリフォームを配置したりして、200〜400℃の温度で加熱することによってステム9に固定される。
例えば、サブマウント5をステム9上に搭載した後に電子部品2および反射鏡3をサブマウント5上に搭載する場合は、サブマウント5の固定には金−錫(Au−Sn)合金や金−ゲルマニウム(Au−Ge)合金をろう材として用い、電子部品2および反射鏡3の固定には、これらより融点の低い錫−銀(Sn−Ag)合金や錫−銀−銅(Sn−Ag−Cu)合金のろう材や、融点より低い温度で硬化可能なAgエポキシ等の樹脂製の接着剤を用いればよい。また、電子部品2および反射鏡3をサブマウント5上に搭載した後にサブマウント5をステム9上に搭載してもよく、その場合は上記とは逆に、サブマウント5をステム9上に搭載する際に用いるろう材の融点の方を低くすればよい。
図9に示す例のように、温度制御素子6を介してサブマウント5を搭載する場合は、温度制御素子6は、上記と同様に、低融点ろう材によって固定すればよい。そして、上記と同様に、電子部品2および反射鏡3の搭載、サブマウント5の搭載および温度制御素子6の搭載の順序は特に限定されず、この順序に応じて用いるろう材の融点を設定すればよい。
蓋体10は、平面視でステム9の上面の蓋体接合部9cの形状に沿った外形で、ステム9の上面にサブマウント5を介して搭載された電子部品2および反射鏡3を覆うような空間を有する形状のものである。上面視で反射鏡3と重なる部分に光を透過させるための、透光性部材がはめられた窓部10aを設けるか、窓部10aに換えて、または窓部10aに加えて光ファイバーおよび戻り光防止用の光アイソレータを接合することで、反射鏡3によって基体1の上面に平行方向から垂直方向に反射された光を信号として外部に出力することができる。
蓋体10は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金、Fe−Mn合金等の金属から成り、これらの板材にプレス加工や打ち抜き加工等の周知の金属加工方法を施すことによって作製される。蓋体10は、ステム9の材料と同程度の熱膨張係数を有するものが好ましく、ステム9の材料と同じものを用いるのがより好ましい。蓋体10の窓部10aは、ステム9に接合した際に反射鏡3の上部に位置する部分に孔を設け、平板状やレンズ状のガラス製の透光性部材を低融点ガラスなどによって接合することで形成することができる。
電子部品搭載用パッケージに蓋体10を気密封着するには、シーム溶接やYAGレーザー溶接等の溶接またはAu−Snろう材等のろう材によるろう付け等のろう接によって、蓋体10をステム9の蓋体接合部9cに接合することで行なわれる。
1・・・・・基体
1a・・・・電子部品の搭載部
1b・・・・反射鏡の搭載部
1c・・・・配線導体
1d・・・・接続導体
2・・・・・電子部品
3・・・・・反射鏡
4・・・・・溝
5・・・・・サブマウント
6・・・・・温度制御素子
7・・・・・PD素子
8・・・・・温度モニター素子
9・・・・・ステム
9a・・・・貫通孔
9b・・・・封止材
9c・・・・蓋体接合部
10・・・・・蓋体
10a・・・・窓部
11・・・・・信号端子
12・・・・・DC端子
13・・・・・中継基板

Claims (5)

  1. 基体の上面に、光を放射する電子部品の搭載部および前記光を反射して放射方向を変える反射鏡の搭載部を有するとともに、前記電子部品の搭載部と前記反射鏡の搭載部との間の前記上面に、前記電子部品の搭載部と前記反射鏡の搭載部とを結ぶ線を横切る溝が形成されていることを特徴とするサブマウント。
  2. 前記溝は、複数並べて形成されていることを特徴とする請求項1記載のサブマウント。
  3. 前記複数の溝の間の前記基体の下面に、前記溝の底面より前記上面側に底面を持つ溝を有することを特徴とする請求項2記載のサブマウント。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のサブマウントの前記電子部品の搭載部に電子部品を、および前記反射鏡の搭載部に反射鏡を搭載するとともに、前記サブマウントを電子部品搭載用パッケージに搭載して、該電子部品搭載用パッケージに蓋体を気密封着したことを特徴とする電子装置。
  5. 前記サブマウントは、温度制御素子を介して搭載されていることを特徴とする請求項4記載の電子装置。
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