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JP2007329455A - パターニング用デバイスへの照明効率を改善する光学系 - Google Patents

パターニング用デバイスへの照明効率を改善する光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】対象物の目標エリアを効率的に照明する照明形成のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】目標エリアは絞りの透過領域及び/またはパターニング用デバイスの動作領域であってもよい。フィールド形成素子により形成されたビーム群は、第1及び第2のレンズアレイを含むリレーを使用してロッド群の入射端へと方向付けられる。ロッドにより目標エリア例えば透過領域及び/または動作領域の境界内側のみにビームが実質的に投射されるように照明形成がなされる。ロッドの数、構成、及び断面形状は、目標エリア例えば透過領域及び/または動作領域の数、構成、及び断面形状に対応させて構成される。これにより実質的に全ての照明光が目標エリアの境界内部へと投射され、照明効率が改善される。
【選択図】図6

Description

本発明は、照明光学系に関する。
露光装置は、所望のパターンを基板または基板の一部に転写する機械である。露光装置は例えばフラットパネルディスプレイや集積回路(IC)、微細構造を有する他のデバイスの製造に用いられる。通常は例えばマスクまたはレチクルと称されるパターニング用デバイスを使用して、フラットパネルディスプレイ(または他のデバイス)の各層に対応した回路パターンを形成する。このパターンは、基板に塗布された照射感応材料(レジスト)層への像形成により基板(例えばガラスプレート)の全体または一部に転写される。
パターニング手段を使用して、回路パターンではなく例えばカラーフィルタのパターンやドットのマトリックス状配列などの他のパターンを形成する場合もある。パターニング用デバイスは、それぞれ個別に制御可能である素子の配列(以下「個別制御可能素子アレイ」という場合もある)を備えるパターニングアレイをマスクの代わりに備えてもよい。このような方式ではマスクを使用する方式に比べて迅速かつ低コストにパターンを変更することができる。
フラットパネルディスプレイの基板は通常長方形である。この種の基板を露光するための露光装置は、長方形基板の幅全体またはその一部(例えば全幅の半分)をカバーする露光空間を有するように設計される。この露光空間の最下部で基板が走査されるとともに、マスク又はレチクルが基板の走査に同期してビームに対して走査される。このようにして基板にパターンが転写される。露光空間が基板の幅全体をカバーする場合には1回の走査で露光が完了する。露光空間が例えば基板の幅の半分をカバーする場合には、1回目の露光後に横方向に基板を移動させ、通常は基板の残りを露光するための走査をもう一度行う。
例えばパターニング用デバイスの前に置かれる絞りあるいはパターニング用デバイス自体の照明に関しての照明効率は、マスクレスリソグラフィーにおいて重要なパラメタの1つである。照明光が照射されるべき絞り表面の透過領域またはパターニング用デバイス表面の動作領域は表面全体の10乃至15%を占めるにすぎないことがある。この場合、残りの85乃至90%を占める非透過領域または非動作領域は照明される必要がない。非透過領域または非動作領域を照明すれば、不必要に照明光源を稼働させることとなるとともに、ビームパターン特性に干渉ないし影響する不要な反射光や散乱光、迷光などを生じさせることになってしまう。
そこで、絞り及び/またはパターニング用デバイスを効率的に照明するシステム及び方法、例えば、絞りの透過領域及び/またはパターニング用デバイスの動作領域の境界内側を実質的に照明するシステム及び方法が必要とされている。
本発明の一実施形態によれば、光学素子とリレー部と複数のロッドと対象物とを備える光学系が提供される。光学素子は入射したビームから複数のビームを生成する。リレー部は第1レンズアレイ及び第2レンズアレイを含む。第1レンズアレイの個々のレンズは複数のビームのいずれか一部分の入射を受け、入射したビームを第2レンズアレイの対応するレンズへと入射させる。各ロッドは第2レンズアレイの対応レンズからのビームを受ける。複数のロッドは数及び配列が第2レンズアレイのレンズ数及びレンズ配列に対応している。対象物はロッド数及びロッド断面形状に数及び形状が対応する複数の目標エリアを含む。各目標エリアは対応ロッドからのビームを該エリア境界内側で実質的に受光する。
本発明の他の実施形態によれば、放射源と照明光学系とパターニング用デバイスと投影光学系とを備えるリソグラフィシステムが提供される。放射源は放射ビームを生成する。照明光学系は、生成された放射ビームを処理して複数の放射ビームを形成する。照明光学系は、瞳形成素子と、コンデンサレンズと、フィールド形成素子と、第1レンズアレイ及び第2レンズアレイを備える第1リレー部と、複数のロッドと、透過領域を有する絞りと、第2リレー部と、を備える。パターニング用デバイスは複数の放射ビームにパターンを付与する。投影光学系はパターンが付与されたビームを基板に投影する。
本発明の更なる実施形態によれば、光学素子を用いてビーム群を生成するステップと、第1レンズアレイの各レンズでビーム群を受けるステップと、第1レンズアレイを用いて第2レンズアレイの対応レンズへとビーム群を向けるステップと、第2レンズアレイを用いて第2レンズアレイのレンズ数及びレンズ配列に対応している複数のロッドの対応ロッドへとビーム群を向けるステップと、複数のロッドを用いて複数の目標エリアを有する対象物の対応目標エリアの境界の実質的内側へとビーム群を向けるステップとを備える方法が提供される。複数の目標エリアの数及び形状は、複数のロッドのロッド数及びロッド断面形状に対応している。
本発明の更なる実施形態や特徴、効果は、本発明のさまざまな実施形態の構成及び作用とともに添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
1つ又は複数の実施例において、対象物の目標エリアを効率的に照明する照明形成のためのシステム及び方法が用いられる。例えば目標エリアは絞りの透過領域及び/またはパターニング用デバイスの動作領域であってもよい。フィールド形成素子により形成されたビーム群は、第1及び第2のレンズアレイを含むリレーを使用してロッド群の入射端へと方向付けられる。ロッドにより目標エリア例えば透過領域及び/または動作領域の境界内側のみに照明光が投射されるようにビームが処理される。ロッドの数、構成、及び断面形状は、目標エリア例えば透過領域及び/または動作領域の数、構成、及び断面形状に等しい。これにより実質的に全ての照明光が目標エリアの境界内部へと投射され、照明効率が改善される。
以下では特定の構成について説明されるが、これは単に本発明の実施例をわかりやすく説明するためのものにすぎないと理解すべきである。当業者であれば本発明の趣旨を逸脱することなく他の構成を用いることが可能であると理解できよう。また当業者であれば本発明を他の多数の分野にも適用可能であることも明らかであろう。
図1は本発明の一実施形態に係る露光装置を模式的に示す図である。この装置は、照明光学系IL、パターニング用デバイスPD、基板テーブルWT、及び投影光学系PSを備える。照明光学系(照明器)ILは放射ビームB(例えばUV放射)を調整するよう構成されている。
パターニング用デバイスPD(例えばレチクル、マスク、または個別制御可能素子アレイ)はビームを変調する。普通は個別制御可能素子アレイは投影光学系PSに対して位置が固定されるが、あるパラメタに従って該アレイを正確に位置決めする位置決め装置に接続されていてもよい。
基板テーブルWTは、基板(例えばレジストが塗布された基板)Wを支持するよう構成されており、あるパラメタに従って基板を正確に位置決めする位置決め装置PWに接続されている。
投影光学系(例えば屈折投影レンズ光学系)PSは、個別制御可能素子アレイにより変調された放射ビームを基板Wの(例えば1つ又は複数のダイからなる)目標部分Cに投影するよう構成されている。
照明光学系は、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの各種の光学素子、またはこれらの組合せを含み得るものであり、放射ビームの向きや形状、あるいは他の特性を制御するためのものである。
本明細書において「パターニング用デバイス」または「コントラストデバイス」なる用語は、例えば基板の目標部分にパターンを生成する等、放射ビーム断面を変調するのに用い得るいかなるデバイスをも示すよう広く解釈されるべきである。これらのデバイスは静的なパターニング用デバイス(例えばマスクやレチクル)であってもよいし、動的なパターニング用デバイス(例えばプログラム可能な素子の配列)であってもよい。簡単のために本説明のほとんどは動的パターニング用デバイスの観点でなされているが、本発明の範囲を逸脱することなく静的パターニング用デバイスを用いることも可能であるものと理解されたい。
放射ビームに付与されるパターンは、パターンが位相シフトフィーチャあるいはいわゆるアシストフィーチャを例えば含む場合には基板の目標部分に所望されるパターンと厳密に一致していなくてもよい。また、基板に最終的に形成されるパターンは、個別制御可能素子アレイ上に形成されるパターンにどの時点においても一致しないようになっていてもよい。このような事態は、基板の各部に形成される最終的なパターンが所定時間または所定回数の露光の重ね合わせにより形成され、かつこの所定の露光中に個別制御可能素子アレイ上のパターン及び/またはアレイと基板との相対位置が変化する場合に起こりうる。
通常、基板の目標部分に生成されるパターンは、その目標部分に生成されるデバイス例えば集積回路やフラットパネルディスプレイの特定の機能層に対応する(例えばフラットパネルディスプレイのカラーフィルタ層や薄膜トランジスタ層)。パターニング用デバイスの例としては、レチクル、プログラマブルミラーアレイ、レーザダイオードアレイ、LEDアレイ、グレーティングライトバルブ、及びLCDアレイなどがある。
電子的手段(例えばコンピュータ)によりパターンをプログラム可能であるパターニング用デバイスは、例えば複数のプログラム可能な素子を含むパターニング用デバイス(例えば1つ前の文章に挙げたものではレチクルを除くすべてのものが該当する)であり、本明細書では総称して「コントラストデバイス」と呼ぶこととする。一実施例ではパターニング用デバイスは少なくとも10個のプログラム可能な素子を備え、または例えば少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10000個、少なくとも100,000個、少なくとも1,000,000個、または少なくとも10,000,000個のプログラム可能な素子を備えてもよい。
プログラマブルミラーアレイは、粘弾性制御層と反射表面とを有するマトリックス状のアドレス指定可能な表面を備えてもよい。この装置の基本的な原理は例えば、反射表面のうちアドレス指定されている区域が入射光を回折光として反射する一方、アドレス指定されていない区域が入射光を非回折光として反射するというものである。適当な空間フィルタを用いることにより、反射光ビームから非回折光を取り除いて回折光だけを基板に到達させるようにすることができる。このようにして、マトリックス状のアドレス指定可能表面にアドレス指定により形成されるパターンに従ってビームにパターンが付与される。
なお代替例として、回折光をフィルタにより取り除いて基板に非回折光を到達させるようにしてもよい。
同様にして回折光学MEMS(微小電気機械システム)デバイスを用いることもできる。一例としては、回折光学MEMSデバイスは、入射光を回折光として反射する回折格子を形成するよう変形される複数の反射性のリボン状部位を備える。
プログラマブルミラーアレイの他の例においては、マトリックス状の微小ミラーの配列が用いられる。各微小ミラーは局所的に電界を適宜付与されることによりまたは圧電駆動手段を使用することにより各々が独立に軸周りに傾斜しうる。繰り返しになるが、ミラーはマトリックス状にアドレス指定可能に構成されており、アドレス指定されたミラーは入射する放射ビームをアドレス指定されていないミラーとは異なる方向に反射する。このようにしてマトリックス状のアドレス指定可能なミラーにより形成されるパターンに従って反射ビームにパターンが付与されうる。必要とされるマトリックス状アドレス指定は、適宜の電子的手段を使用して実行することができる。
パターニング用デバイスPDの他の例はプログラム可能なLCDアレイである。
露光装置は1つ以上のコントラストデバイスを備えてもよい。例えば、露光装置は、複数の個別制御可能素子アレイを有し、それぞれのアレイが互いに独立に制御されるものであってもよい。この構成においては、個別制御可能素子アレイのうちのいくつかのアレイまたはすべてのアレイが少なくとも1つの照明光学系(または照明光学系の一部)を共有していてもよい。斯かるアレイは当該アレイ用の支持構造及び/または投影光学系(または投影光学系の一部)を共有していてもよい。
一実施例としては、図1に示される実施形態のように、基板Wは実質的に円形状である。基板Wは周縁部にノッチ及び/または平坦部を有していてもよい。一実施例としては、基板は例えば長方形などの多角形形状でもよい。
基板の形状が実質的に円形の場合、基板の直径は少なくとも25mmであってもよく、または例えば少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも125mm、少なくとも150mm、少なくとも175mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、または少なくとも300mmであってもよい。一実施例では、基板の直径は長くても500mm、長くても400mm、長くても350mm、長くても300mm、長くても250mm、長くても200mm、長くても150mm、長くても100mm、または長くても75mmである。
基板が例えば長方形などの多角形の場合、基板の少なくとも1辺の長さ、または例えば少なくとも2辺または少なくとも3辺の長さが、少なくとも5cmであってもよく、または例えば少なくとも25cm、少なくとも50cm、少なくとも100cm、少なくとも150cm、少なくとも200cm、または少なくとも250cmであってもよい。
一実施例では、基板の少なくとも1辺の長さが、長くても1000cm、または例えば長くても750cm、長くても500cm、長くても350cm、長くても250cm、長くても150cm、または長くても75cmである。
一実施例においては、基板Wはウエハであり、例えば半導体ウエハである。一実施例ではウエハの材料は、Si(ケイ素)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、SiGeC(シリコンゲルマニウムカーボン)、SiC(炭化ケイ素)、Ge(ゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、InP(インジウムリン)、InAs(インジウムヒ素)から成るグループから選択される。一実施例ではウエハは、III−V族化合物半導体ウエハ、シリコンウエハ、セラミック基板、ガラス基板、またはプラスチック基板である。一実施例では基板は透明であってもよいし(ヒトの裸眼で)、有色であってもよいし、無色であってもよい。
この基板の厚さは例えば基板材料及び/または基板寸法に応じてある程度変更される。一実施例では、基板の厚さは、少なくとも50μmであり、または例えば少なくとも100μm、少なくとも200μm、少なくとも300μm、少なくとも400μm、少なくとも500μm、または少なくとも600μmである。一実施例では、基板の厚さは、厚くても5000μm、例えば厚くても3500μm、厚くても2500μm、厚くても1750μm、厚くても1250μm、厚くても1000μm、厚くても800μm、厚くても600μm、厚くても500μm、厚くても400μm、または厚くても300μmである。
基板は露光前または露光後において例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、計測装置、及び/または検査装置により処理されてもよい。一実施例ではレジスト層が基板に設けられる。
本明細書では投影光学系または投影系という用語は、使用される露光光、あるいは液浸露光用液体や真空の利用などの他の要因に関して適切とされるいかなる投影光学系をも包含するよう広く解釈されるべきである。投影光学系には例えば屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系、磁気的光学系、電磁気的光学系、静電的光学系、またはこれらの任意の組み合わせなどが含まれる。以下では「投影レンズ」という用語は、より一般的な用語である投影光学系または投影系という用語と同義に用いられ得る。
投影系は、個別制御可能素子アレイにおけるパターンが基板上にコヒーレントに形成されるように当該パターンの像を形成する。これに代えて投影系は二次光源の像を形成してもよく、この場合個別制御可能素子アレイの各素子はシャッタとして動作してもよい。この場合には投影系は、例えば二次光源を形成し基板上にスポット状に像形成するために、例えばマイクロレンズアレイ(micro lens array、MLAとして知られている)やフレネルレンズアレイなどの合焦用素子のアレイを含んでもよい。一実施例では合焦用素子のアレイ(例えばMLA)は少なくとも10個の合焦用素子を備え、または例えば少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10000個、少なくとも100,000個、または少なくとも1,000,000個の合焦用素子を備えてもよい。一実施例においては、パターニング用デバイスにおける個別制御可能素子の数と合焦用素子のアレイにおける合焦用素子の数とは等しいか、あるいは、パターニング用デバイスにおける個別制御可能素子の数が合焦用素子のアレイにおける合焦用素子の数よりも多い。一実施例では、合焦用素子のアレイにおける1つ以上(例えばたいていは各アレイにつき1000以上)の合焦用素子は、個別制御可能素子アレイにおける1つ以上(例えば2つ以上、または3つ以上、5つ以上、10以上、20以上、25以上、35以上、または50以上)の個別制御可能素子に光学的に連関していてもよい。一実施例では、MLAは、少なくとも基板に近づく方向及び遠ざかる方向に例えば1以上のアクチュエータを用いて移動可能である。基板に近づく方向及び遠ざかる方向にMLAを移動させることができる場合には、基板を動かすことなく例えば焦点合わせをすることが可能となる。
図1及び図2に示されるように本装置は反射型(例えば反射型の個別制御可能素子アレイを用いる)である。透過型(例えば透過型の個別制御可能素子アレイを用いる)の装置を代替的に用いてもよい。
露光装置は2つ以上(2つの場合にはデュアルステージと呼ばれる)の基板テーブルを備えてもよい。このような多重ステージ型の装置においては、追加されたテーブルは並行して使用されるか、あるいは1以上のテーブルで露光が行われている間に1以上の他のテーブルで準備工程が実行されるようにしてもよい。
露光装置は、基板の少なくとも一部が「液浸露光用の液体」で覆われるものであってもよい。この液体は比較的高い屈折率を有する例えば水などの液体であり、投影系と基板との間の空隙を満たす。液浸露光用の液体は、例えばパターニング用デバイスと投影系との間などの露光装置の他の空間に適用されるものであってもよい。液浸技術は投影系の開口数を増大させる技術として周知である。本明細書では「液浸」という用語は、基板等の構造体が液体に完全に浸されているということを意味するのではなく、露光の際に投影系と基板との間に液体が存在するということを意味するに過ぎない。
図1に示されるように照明器ILは放射源SOから放射ビームを受け取る。一実施例では、放射源により、少なくとも5nm、または例えば少なくとも10nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも150nm、少なくとも175nm、少なくとも200nm、少なくとも250nm、少なくとも275nm、少なくとも300nm、少なくとも325nm、少なくとも350nm、または少なくとも360nmの波長を有する放射が供される。一実施例では、放射源SOにより供される放射は、長くても450nm、または例えば長くても425nm、長くても375nm、長くても360nm、長くても325nm、長くても275nm、長くても250nm、長くても225nm、長くても200nm、または長くても175nmの波長を有する。一実施例では、この放射は、436nm、405nm、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、及び/または126nmの波長を含む。一実施例では、この放射は365nm程度、または355nm程度の波長を含む。一実施例では、この放射は例えば365nm、405nm、及び436nmの波長を含む広帯域の波長を含む。355nmの波長のレーザ光源を使用し得る。例えば光源がエキシマレーザである場合には、光源と露光装置とは別体であってもよい。この場合、光源は露光装置の一部を構成しているとはみなされなく、放射ビームは光源SOから照明器ILへとビーム搬送系BDを介して受け渡される。ビーム搬送系BDは例えば適当な方向変更用ミラー及び/またはビームエキスパンダを含んで構成される。あるいは光源が水銀ランプである場合には、光源は露光装置に一体に構成されていてもよい。光源SOと照明器ILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射系と総称される。
照明器ILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを備えてもよい。一般にはアジャスタADにより、照明器の瞳面における強度分布の少なくとも半径方向外径及び/または内径(通常それぞれ「シグマ−アウタ(σ−outer)」、「シグマ−インナ(σ−inner)」と呼ばれる)が調整される。加えて照明器ILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の要素を備えてもよい。照明器はビーム断面における所望の均一性及び強度分布を得るべく放射ビームを調整するために用いられる。照明器IL及び追加の関連構成要素は放射ビームを複数の分割ビームに分割するように構成されていてもよい。例えば各分割ビームが個別制御可能素子アレイにおける1つまたは複数の個別制御可能素子に対応するように構成してもよい。放射ビームを分割ビームに分割するのに例えば二次元の回折格子を用いてもよい。本明細書においては「放射ビーム」という用語は、放射ビームがこれらの複数の分割ビームを含むという状況も包含するが、これに限定されないものとする。
放射ビームBは、パターニング用デバイスPD(例えば、個別制御可能素子アレイ)に入射して、当該パターニング用デバイスにより変調される。放射ビームはパターニング用デバイスPDにより反射され、投影系PSを通過する。投影系PSはビームを基板Wの目標部分Cに合焦させる。位置決め装置PWと位置センサIF2(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)により基板テーブルWTは正確に移動され、例えば放射ビームBの経路に異なる複数の目標部分Cをそれぞれ位置決めするように移動される。また、個別制御可能素子アレイ用の位置決め手段が設けられ、例えば走査中にビームBの経路に対してパターニング用デバイスPDの位置を正確に補正するために用いられてもよい。
一実施例においては、ロングストロークモジュール(粗い位置決め用)及びショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により基板テーブルWTの移動を実現する。ロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールは図1には明示されていない。一実施例では基板テーブルWTを移動させるためのショートストロークモジュールを省略してもよい。個別制御可能素子アレイを位置決めするためにも同様のシステムを用いることができる。必要な相対運動を実現するために、対象物テーブル及び/または個別制御可能素子アレイの位置を固定する一方、放射ビームBを代替的にまたは追加的に移動可能としてもよいということも理解されよう。この構成は装置の大きさを小さくするのに役立ち得る。例えばフラットパネルディスプレイの製造に適用可能な更なる代替例として、基板テーブルWT及び投影系PSを固定し、基板Wを基板テーブルWTに対して移動させるように構成してもよい。例えば基板テーブルWTは、実質的に一定の速度で基板Wを走査させるための機構を備えてもよい。
図1に示されるように放射ビームBはビームスプリッタBSによりパターニング用デバイスPDに向けられるようにしてもよい。このビームスプリッタBSは、放射ビームがまずビームスプリッタBSにより反射されてパターニング用デバイスPDに入射するように構成される。ビームスプリッタを使わずに放射ビームをパターニング用デバイスに入射させるようにすることもできる。一実施例では放射ビームは0度から90度の間の角度でパターニング用デバイスに入射する。または例えば5度から85度の間、15度から75度の間、25度から65度の間、または35度から55度の間の角度であってもよい(図1には90度の例が示されている)。パターニング用デバイスPDは放射ビームBを変調し、再度ビームスプリッタBSに向かって戻るように放射ビームBを反射する。ビームスプリッタBSは変調されたビームを投影系PSへと伝達する。しかしながら放射ビームBをパターニング用デバイスPDに入射させ、そのまま更に投影系PSに入射させるという代替的な構成も可能であることも理解されよう。特に透過型のパターニング用デバイスが用いられる場合には図1に示される構成は必要とはされない。
図示の装置はいくつかのモードで使用することができる。
1.ステップモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンの全体が1回の照射で目標部分Cに投影される間、個別制御可能素子アレイ及び基板は実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動されて、異なる目標部分Cが露光される。ステップモードでは露光フィールドの最大サイズによって、1回の静的露光で結像される目標部分Cの寸法が制限されることになる。
2.スキャンモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、個別制御可能素子アレイ及び基板は同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。個別制御可能素子アレイに対する基板の速度及び方向は、投影系PSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められる。スキャンモードでは露光フィールドの最大サイズが1回の動的露光での目標部分Cの(非走査方向の)幅を制限し、走査移動距離が目標部分の(走査方向の)長さを決定する。
3.パルスモードにおいては、個別制御可能素子アレイは実質的に静止状態とされ、パルス放射源により基板Wの目標部分Cにパターンの全体が投影される。基板テーブルWTが実質的に一定の速度で移動して、ビームBは基板上を線状に走査させられる。個別制御可能素子アレイ上のパターンは放射系からのパルス間に必要に応じて更新される。パルス照射のタイミングは、基板上の複数の目標部分Cが連続して露光されるように調整される。その結果、基板上の1つの短冊状領域にパターンが完全に露光されるようビームBにより基板Wが走査されることになる。この短冊状領域の露光を順次繰り返すことにより基板Wは完全に露光される。
4.連続スキャンモードは基本的にパルスモードと同様である。異なるのは、変調された放射ビームBに対して基板Wが実質的に等速で走査され、ビームBが基板W上を走査し露光しているときに個別制御可能素子アレイ上のパターンが更新されることである。個別制御可能素子アレイのパターンの更新に同期させるようにした、実質的に一定の放射源またはパルス放射源を用いることができる。
5.ピクセルグリッド結像モードでは、基板Wに形成されるパターンはスポット状の露光を連続的に行うことにより実現される。このモードは図2の露光装置を使用して実現することができる。このスポット状の露光はスポット発生器により形成され、パターニング用デバイスPDへと向けられる。スポット状の露光はそれぞれ実質的に同形状である。基板W上には露光スポットが実質的に格子状に露光される。一実施例では、このスポットの寸法は露光されるピクセルのピッチよりも大きいが、毎回の露光時に露光スポットが形成する格子の大きさよりはかなり小さい。転写されるスポットの強度を変化させることによりパターンが形成される。露光照射の合間に各スポットの強度分布が変更される。
上記で記載したモードを組み合わせて動作させてもよいし、モードに変更を加えて動作させてもよく、さらに全く別のモードで使用してもよい。
リソグラフィでは基板上のレジスト層にパターンが露光される。そしてレジストが現像される。続いて追加の処理工程が基板に施される。基板の各部分へのこれらの追加の処理工程の作用は、レジストへの露光の程度によって異なる。特にこの処理は、所与の線量閾値を超える照射量を受けた基板の部位が示す反応と、その閾値以下の照射量を受けた部位が示す反応とが異なるように調整されている。例えば、エッチング工程においては上記の閾値を超える照射量を受けた基板上の区域は、レジスト層が現像されることによりエッチングから保護される。一方、この閾値以下の照射量を受けたレジストは露光後の現像工程で除去され、基板のその区域はエッチングから保護されない。このため、所望のパターンにエッチングがなされる。特に、パターニング用デバイス内の個別制御可能素子は、パターン図形内部となる基板上の区域での露光中の照射量が線量閾値を超えるように実質的に高強度であるように設定される。基板の他の領域は、ゼロまたはかなり低い放射強度を受けるように対応の個別制御可能素子が設定されることにより、線量閾値以下の放射を受ける。
実際には、パターン図形端部での照射量は所与の最大線量からゼロへと急激に変化するわけではない。この照射量は、たとえ図形の境界部分の一方の側への放射強度が最大となり、かつその図形境界部分の他方の側への放射強度が最小となるように個別制御可能素子が設定されていたとしても急激には変化しない。回折の影響により、照射量の大きさは移行領域を介して低下するからである。パターン図形の境界位置は最終的にレジストの現像により形成される。その境界位置は、照射された線量が閾値を下回る位置によって定められる。この移行領域での線量低下のプロファイル、ひいてはパターン図形の境界の正確な位置は、当該図形境界上または近傍に位置する基板上の各点に放射を与える個別制御可能素子の設定により、より正確に制御できるであろう。これは、強度レベルの最大値または最小値を制御するだけではなく、当該最大値及び最小値の間の強度レベルにも制御することによっても可能となるであろう。これは通常「グレイスケーリング」と呼ばれる。
グレイスケーリングによれば、個別制御可能素子により基板に2値の放射強度(つまり最大値と最小値)だけが与えられるリソグラフィシステムよりも、パターン図形の境界位置の制御性を向上させることができる。一実施例では、少なくとも3種類の放射強度が基板に投影されてもよく、または例えば少なくとも4種類の放射強度でも、少なくとも8種類の放射強度でも、少なくとも16種類の放射強度でも、少なくとも32種類の放射強度でも、少なくとも64種類の放射強度でも、少なくとも128種類の放射強度でも、または少なくとも256種類の放射強度でもよい。
グレイスケーリングは上述の目的に加えてまたは上述の目的に代えて使用されてもよい。例えば、照射された線量レベルに応じて基板の各領域が2種以上の反応を可能とするように、露光後の基板への処理が調整されていてもよい。例えば、第1の線量閾値以下の放射を受けた基板の部位では第1の種類の反応が生じ、第1の線量閾値以上で第2の線量閾値以下の放射を受けた基板の部位では第2の種類の反応が生じ、第2の線量閾値以上の放射を受けた基板の部位では第3の種類の反応が生じるようにしてもよい。したがって、グレイスケーリングは、基板上での線量のプロファイルが2以上の望ましい線量レベルを有するようにするのに用いることができる。一実施例では、この線量プロファイルは少なくとも2つの所望の線量レベルを有し、または例えば少なくとも3つの所望の線量レベル、少なくとも4つの所望の線量レベル、少なくとも6つの所望の線量レベル、または少なくとも8つの所望の線量レベルを有してもよい。
線量プロファイルの制御は、上述のように基板上の各点が受ける放射強度を単に制御するという方法以外の方法によっても可能である。例えば、基板上の各点が受ける照射量は、各点への露光時間を代替的にまたは追加的に制御することによっても制御することができる。他の例として、基板上の各点は、連続的な複数回の露光により放射を受けてもよい。このような連続的複数露光から一部の露光を選択して用いることにより代替的にまたは追加的に各点が受ける照射量を制御することが可能となる。
基板上に要求されるパターンを形成するために、露光処理中の各段階でパターニング用デバイスの各個別制御可能素子を必要な状態に設定する必要がある。よって、この必要状態を表す制御信号が各個別制御可能素子に伝達されなければならない。一実施例では、露光装置はこの制御信号を生成する制御部を含む。基板に形成されるべきパターンは、例えばGDSIIなどのベクトルで規定されるフォーマットで露光装置に供給されうる。デザイン情報を各個別制御可能素子用の制御信号に変換するために、制御部は、1つ以上のデータ処理装置を含む。各データ処理装置は、パターンを表すデータストリームに処理を施すように構成されている。各データ処理装置は「データパス」とも総称される。
このデータパス及びデータ処理装置は、次に示す機能の1つ以上を実行するように構成されていてもよい。その機能とは、ベクトルベースのデザイン情報をビットマップのパターンデータに変換すること、ビットマップのパターンデータを必要とされる線量マップ(つまり基板上で必要とされる線量のプロファイル)に変換すること、必要とされる線量マップを各個別制御可能素子用の必要放射強度値に変換すること、及び、各個別制御可能素子用の必要放射強度値を対応する制御信号に変換することである。
図2は、本発明に係る露光装置の一例を示す図である。この実施例は例えばフラットパネルディスプレイの製造に用いることができる。図1に示される構成要素に対応するものには図2においても同じ参照符号を付している。また、基板やコントラストデバイス、MLA、放射ビームなどについてののさまざまな構成例などを含む上述のさまざまな変形例は同様に適用可能である。
図2に示されるように、投影系PSは、2つのレンズL1、L2を備えるビームエキスパンダを含む。第1のレンズL1は、変調された放射ビームBを受け、開口絞りASの開口部で合焦させる。開口部には他のレンズALを設けてもよい。そして放射ビームBは発散し、第2のレンズL2(例えばフィールドレンズ)により合焦させられる。
投影系PSは、拡大された変調放射ビームBを受けるように構成されているレンズアレイMLAをさらに備える。変調放射ビームBの異なる部分はそれぞれレンズアレイMLAの異なる部分を通過する。この変調放射ビームBの異なる部分はそれぞれ、パターニング用デバイスPDの1つ以上の個別制御可能素子に対応している。各レンズは変調放射ビームBの各部分を基板W上の点に合焦させる。このようにして基板W上に照射スポットSの配列が露光される。図示されているレンズアレイには8つのレンズ14が示されているだけであるが、レンズアレイは数千のレンズを含んでもよい(パターニング用デバイスPDとして用いられる個別制御可能素子アレイについても同様である)。
図3は、本発明の一実施形態に係り、図2のシステムを用いて基板W上にどのようにパターンが生成されるのかを模式的に示す図である。図中の黒丸は、投影系PSのレンズアレイMLAによって基板に投影されるスポットSの配列を示す。基板は、基板上での露光が進むにつれて投影系に対してY方向に移動する。図中の白丸は、基板上で既に露光されている露光スポットSEを示す。図示されるように投影系PSのレンズアレイMLAによって基板に投影された各スポットは基板上に露光スポット列Rを形成する。各スポットSEの露光により形成される露光スポット列Rがすべて合わさって、基板にパターンが完全に形成される。上述のようにこのような方式はよく「ピクセルグリッド結像」と称される。
照射スポットSの配列が基板Wに対して角度θをなして配置されている様子が示されている(基板Wの端部はそれぞれX方向及びY方向に平行である)。これは、基板が走査方向(Y方向)に移動するときに、各照射スポットが基板の異なる領域を通過するようにするためである。これにより、照射スポット15の配列により基板の全領域がカバーされることになる。一実施例では、角度θは大きくても20°または10°であり、または例えば大きくても5°、大きくても3°、大きくても1°、大きくても0.5°、大きくても0.25°、大きくても0.10°、大きくても0.05°、または大きくても0.01°である。一実施例では、角度θは小さくても0.001°である。
図4は、本発明の一実施形態において、どのようにしてフラットパネルディスプレイの基板W全体が複数の光学エンジンを用いて1回の走査で露光されるのかを模式的に示す図である。この例では照射スポットSの配列SAが8つの光学エンジン(図示せず)により形成される。光学エンジンはチェス盤のような配列で2つの列R1、R2に配置されている。照射スポットの配列の端部が隣接の照射スポット配列の端部に(走査方向であるY方向において)少し重なるように形成される。一実施例では光学エンジンは少なくとも3列、例えば4列または5列に配列される。このようにして、照射の帯が基板Wの幅を横切って延び、1回の走査で基板全体の露光が実現されることとなる。光学エンジンの数は適宜変更してもよい。一実施例では、光学エンジンの数は少なくとも1個であり、または例えば少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、または少なくとも17個である。一実施例では、光学エンジンの数は40個未満であり、または例えば30個未満または20個未満である。
各光学エンジンは、上述の照明系IL、パターニング用デバイスPD、及び投影系PSを別個に備えてもよい。あるいは2個以上の光学エンジンが1以上の照明系、パターニング用デバイス、及び投影系の少なくとも一部を共有してもよい。
図5及び図6はそれぞれ本発明の実施形態に係る照明光学系500及び600を模式的に示す図である。一実施例において照明光学系500及び/または照明光学系600は照明光学系ILに代えて使用され得るものである。
照明光学系500は、瞳形成素子(PDE)502、光学素子又は光学系504、フィールド形成素子(FDE)506、光学素子又は光学系508、絞り510、光学素子又は光学系512、及びパターニング用デバイス(PD)514を備える。光学素子又は光学系504、508、512は、照明光学系500の適用対象に合わせて1つ又は複数の光学機器を含むものと理解されたい。
瞳形成素子502は、光源(図示せず、例えば図1の放射源SO)からの放射ビーム501を受け、複数のビーム516を生成する。瞳形成素子502は回折光学素子または屈折光学素子であってもよい。フィールド形成素子506は、ビーム群516を受け、そこからビーム群518を生成する。フィールド形成素子506は回折光学素子または屈折光学素子であってもよい。光学系508はビーム群518を処理してビーム群520を生成する。光学系508はビーム群520を絞り510へと入射させる。一実施例では、絞り510は、パターニング用デバイス514の動作領域群(図8の素子852を参照)に対応する配列及び形状に形成されている透過領域群(図8の素子850を参照)を含んでもよい。絞り510を通過した光はビーム群522を形成する。光学系512はビーム群522を処理してビーム群524を生成する。光学系512はビーム群524を例えばパターニング用デバイス514の動作領域へと入射させる。
一実施例では、パターニング用デバイス514は動的なパターニング用デバイスであり、図1を参照して説明した個別に制御可能な素子(すなわち動作領域)のアレイを含む。
また、図6に示されるように、照明光学系600は、光学系504、508、512がそれぞれコンデンサ604、光学系608、リレー612に置き換えられている点を除けば図5と同様の光学素子を含む。光学系608は、第1レンズアレイ632及び第2レンズアレイ634を有するリレー630と、複数のロッド636−1乃至636−n(nは1より大きい正の整数)とを含む。光ビーム群518の各ビームは、第1レンズアレイ632のレンズ638−1乃至638−nのそれぞれに入射し、さらに第2レンズアレイ634の対応レンズ640−1乃至640−nへと入射する。図においてはレンズ群638及び640として5つのレンズが示されているが、光学系600の適用対象により所望の数のレンズを用いることができる。一実施例では、ビーム群518は、図7を参照して後述するように、リレー630により縮小される。光ビーム群642−1乃至642−nはレンズ群640−1乃至640−nから対応する各ロッド636−1乃至636−nへと送光される。一例としては、ロッド636は、固体ガラスのロッドでもよいし、あるいは反射性の内壁を有する中空のロッドであってもよい。その他の構造のロッドを使用することも可能である。
第1レンズアレイ632及び第2レンズアレイ634は、それぞれフライアイレンズアレイであってもよいし、マイクロレンズアレイであってもよい。また、リレー630は、ビーム518の両側テレセントリック性を保持するように構成されていてもよい。
なお、図5及び図6に示されているロッド及びレンズの数は単なる一例であり適用対象により適宜変更することができる。図7及び図8においても同様である。
ロッド636の長さは、ロッド636内部での所定回数の反射によりロッド636出射端での放射照度(イラジアンス)が均一となるように設定される。これについては図9及び図10を参照して一例を後述する。
図5及び図6の光学素子については、いずれも共有の、例えば米国特許第6813003号、米国特許第6775069号、米国特許出願第10/896022号、米国特許出願第10/808436号、米国特許出願第10/812978号、及び米国特許出願第11/347282号に更に詳しく説明されている。これらの文献は本明細書にすべて引用する。
図7は、本発明の一実施形態に係り、フィールド形成素子506からロッド636−1乃至636−3を介して対象物744の目標エリア746−1乃至746−3へのビーム経路を示す。実施例において対象物744は、絞り(例えば絞り510)であってもよいし、パターニング用デバイス(例えばパターニング用デバイス514)であってもよい。目標エリア746は絞りの透過領域であってもよいし、パターニング用デバイスの動作領域であってもよい。つまり一例としては絞り510及びリレー612がなくてもよい。本実施例においては、ロッド636−1乃至636−3から出射するビーム520−1乃至520−3は、パターニング用デバイス514の動作領域746へと直接入射してもよい。
また、ビーム518の大きさが第1のサイズS1である場合に、ビーム642のサイズがS1よりも小さい第2のサイズS2であってもよい。これは、光ビーム518の縮小の結果によるサイズ低減であり、ビーム518がリレー630を通ることによりもたらされる。例えば、レンズ638がS1に関連する第1の直径を有し、レンズ640がそれよりも小さくS2に関連する第2の直径を有する。その結果、ビーム518がレンズ638からレンズ640へと通過したときにビーム518の断面寸法が低減されてビーム642が生成される。レンズ638及びレンズ640は、ロッド636の入射端が位置する平面またはその近傍にフィールド形成素子506の像を形成する。
図8は、本発明の一実施形態に係り、ロッド636を出射した光が絞り510の透過領域850を通過してパターニング用デバイス514の動作領域852へと投射されるビーム経路を示す。図8では簡便のため光学系512及びリレー612を図示していないが、図5及び図6に示されるように絞り510及びパターニング用デバイス514の間にこれらが配置されていてもよい。
図7及び図8に示される実施例では、ロッド636の断面形状は長方形であり、そのアスペクト比及び形状は、対象物744の目標エリア746、絞り510の透過領域850、及び/またはパターニング用デバイス514の動作領域852に実質的に近似している。よって、対象物744が絞り(例えば絞り510)である場合には、ロッド636はビーム520が絞り510の透過領域850の境界内側へと実質的に投射されるようにビームを整形する。また、対象物744がパターニング用デバイス(例えばパターニング用デバイス514)である場合には、ロッド636はビーム520がパターニング用デバイス514の動作領域852の境界内側へと実質的に投射されるように整形する。一実施例では、対象物744はロッド636の出射端近傍に配置される。本実施形態では、図9及び図10を参照して後述するロッド636内部での多数回の反射により、目標エリア746は均一に照明される。
一実施例では、ロッド群636の数、形状及び配列は、第2レンズアレイ634のレンズ群640、対象物744の目標エリア群744、絞り510の透過領域群850、及び/またはパターニング用デバイス514の動作領域群852の数、形状及び配列と等しく構成される。
なおロッド636の断面形状は、目標エリア746、透過領域850、及び/または動作領域852の形状に合わせて適宜選択される。例えば、三角形、菱形、六角形などの断面形状を用いることができる。
絞り510としては、多数の開口が整然と配列された構造、補助的に多数の開口を形成する素子、ステンシルマスク、強度補正用に多数の開口を有する素子などのうちのいずれかであってもよい。また、絞り510の透過領域群850は、1つまたは複数の完全透過領域または部分的透過領域を含んでもよく、これらの透過領域はパターニング用デバイス514の動作領域852に対応する数及び配列に構成されていてもよい。各透過領域850は、幅方向または中心からの放射方向に透過性が徐々に変化するようになっていてもよい。また、パターニング用デバイス514への不要な散乱光を低減または実質的に除去するために絞り510が用いられてもよい。
図9は、本発明の一実施形態に係り、ロッド936の照明特性を示す図である。ロッド936は、図6乃至図8におけるロッド636として使用することができる。本実施例では、ロッド936の入射端960の一部962が例えばビーム642により照明されている。ロッド936中で反射されたビーム642は、ロッド936の出射端964を均一に照明する。周知の光学的原理によれば、入射端960が部分的に、すなわち部分962が照明された場合には、ロッド936の入射瞳966が均一であってもロッド936の出射瞳968では縞状となる。
図10は、本発明の一実施形態に係り、ロッド1036の照明特性を示す図である。ロッド1036は、図6乃至図8におけるロッド636として使用することができる。本実施例では、ロッド1036の入射端1060が例えばビーム642により実質的に完全に照明されている。ロッド1036中で反射されたビーム642は、ロッド1036の出射端1064を均一に照明する。周知の光学的原理によれば、入射端1060が実質的に完全に照明された場合には、ロッド1036の入射瞳1066及び出射瞳1068の双方が均一に照明される。
図11は、本発明の他の実施形態を示す図である。この実施例では、光学系600から絞り510が取り除かれており、ビーム群520はリレー612に直接照射される。リレー612はビーム群520をパターニング用デバイス514の対応動作領域852へ入射させる。
図12は、本発明の一実施形態に係る方法1200を示すフローチャートである。ステップ1202では、光学素子を使用して複数の放射ビームが生成される。ステップ1204では、各ビームが第1レンズアレイの対応するレンズへと入射する。ステップ1206では、第1レンズアレイが第2レンズアレイの対応するレンズへと各ビームを入射させる。ステップ1208では、第2レンズアレイが複数のロッドのうちの対応ロッドへと各ビームを入射させる。このロッド群におけるロッドの数及び配列は第2レンズアレイのレンズ群に対応させて構成されている。ステップ1210では、このロッド群が対象物の対応する目標エリアの境界内側へと各ビームを実質的に入射させる。対象物は複数の目標エリアを含む。これら複数の目標エリアの数及び形状は、上述のロッド群のロッド数及びロッド形状に対応させて構成されている。
本説明においてはリソグラフィ装置の用途を特定の装置(例えば集積回路やフラットパネルディスプレイ)の製造としているが、ここでのリソグラフィ装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積回路や光集積回路システム、磁区メモリ用ガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド、微小電気機械素子(MEMS)、LEDなどの製造に用いることが可能であり、これらに限られない。また、例えばフラットパネルディスプレイに関しては、本発明に係る装置は、例えば薄膜トランジスタ層及び/またはカラーフィルター層などのさまざまな層の製造に用いることができる。
ここでは特に光学的なリソグラフィを本発明に係る実施形態に適用したものを例として説明しているが、本発明は例えばインプリントリソグラフィなど文脈が許す限り他にも適用可能であり、光学的なリソグラフィに限られるものではない。インプリントリソグラフィでは、パターニング用デバイスのトポグラフィーが基板に生成されるパターンを決める。パターニング用デバイスのトポグラフィーが基板に塗布されているレジスト層に押し付けられ、電磁放射や熱、圧力、あるいはこれらの組み合わせによってレジストが硬化される。レジストが硬化されてから、パターニング用デバイスは、パターンが生成されたレジストから外されて外部に移動される。
[結語]
本発明の種々の実施例を上に記載したが、それらはあくまでも例示であって、それらに限定されるものではない。本発明の精神と範囲に反することなく種々に変更することができるということは、関連技術の当業者には明らかなことである。本発明の範囲と精神は上記で述べた例示に限定されるものではなく、請求項とその均等物によってのみ定義されるものである。
「課題を解決する手段」及び「要約書」の項ではなく「発明の詳細な説明」の項が請求項を解釈するのに使用されるように意図されている。「課題を解決する手段」及び「要約書」の欄は本発明者が考えた本発明の実施例の1つ以上を示すものであるが、すべてを説明するものではない。よって、本発明及び請求項をいかなる形にも限定するものではない。
本発明の各実施形態に係る露光装置を示す図である。 本発明の各実施形態に係る露光装置を示す図である。 図2に示される本発明の実施形態により基板にパターンを転写する1つのモードを示す図である。 本発明の一実施形態に係る光学エンジンの配置を示す図である。 本発明の実施形態に係る照明光学系を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る照明光学系を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係り、フィールド形成素子からロッド群を介して対象物に至るビーム経路を示す図である。 本発明の一実施形態に係り、ロッド群から出射して絞り及びリレーを通過しパターニング用デバイスの動作領域に投射される光ビームの経路を示す図である。 本発明の実施形態に係るロッドの照明特性を示す図である。 本発明の実施形態に係るロッドの照明特性を示す図である。 本発明の他の実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る方法を示すフローチャートである。
符号の説明
500 照明光学系、 502 瞳形成素子、 506 フィールド形成素子、 510 絞り、 514 パターニング用デバイス、 600 照明光学系、 604 コンデンサ、 608 光学系、 612 リレー、 630 リレー、 632 第1レンズアレイ、 634 第2レンズアレイ、 636 ロッド、 B 放射ビーム、 C 目標部分、 IL 照明光学系、 PD パターニング用デバイス、 PS 投影光学系、 SO 放射源、 W 基板、 WT 基板テーブル。

Claims (27)

  1. 入射したビームから複数のビームを生成する光学素子と、
    第1レンズアレイ及び第2レンズアレイを含むリレー部であって、第1レンズアレイの個々のレンズがそれぞれ前記複数のビームのいずれか一部分の入射を受け、入射したビームを第2レンズアレイの対応するレンズへと入射させるリレー部と、
    第2レンズアレイのレンズ数及びレンズ配列に対応しており、各々が第2レンズアレイの対応レンズからのビームを受光する複数のロッドと、
    前記ロッドのロッド数及びロッド断面形状に対応する複数の目標エリアを含む対象物であって、各目標エリアが対応ロッドからのビームを該エリア境界の内側で実質的に受光する対象物と、を備えることを特徴とする光学系。
  2. 前記光学素子は回折光学素子または屈折光学素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記第1レンズアレイ及び第2レンズアレイはフライアイレンズアレイを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  4. 各ロッドはガラス製ロッドを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  5. 各ロッドは反射性内壁を有する中空ロッドを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  6. 前記リレー部は前記光学素子と前記複数のロッドとの間で像を縮小することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  7. 前記対象物は絞りを含み、前記目標エリアは該絞りの透過領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  8. 前記絞りの透過領域に数及び形状が対応する動作領域を含むパターニング用デバイスと、
    前記絞りの透過領域から前記パターニング用デバイスの対応動作領域へと光を入射させる第2リレー部と、をさらに備え、
    該第2リレー部は、前記対応動作領域の境界の実質的内側に光を入射させることを特徴とする請求項7に記載の光学系。
  9. 前記対象物はパターニング用デバイスを含み、前記目標エリアは該パターニング用デバイスの動作領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  10. 前記パターニング用デバイスは個別制御可能素子のアレイを含み、各個別制御可能素子は動作領域を含むことを特徴とする請求項9に記載の光学系。
  11. 前記複数のロッドとパターニング用デバイスとの間に配置されている第2リレー部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  12. 前記リレー部は前記複数のビームの両側テレセントリック性を保持することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  13. 前記第1レンズアレイ及び第2レンズアレイはマイクロレンズアレイを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  14. 前記第2レンズアレイの対応レンズからのビームにより各ロッドの入射端全体が実質的に照明されることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  15. 前記リレー部は前記複数のロッドの入射端が位置する平面またはその近傍に前記光学素子の像を形成することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  16. 前記第2レンズアレイの対応レンズからのビームにより各ロッドの入射端が部分的に照明されることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  17. 放射ビームを生成する放射源と、
    前記放射ビームを処理して複数の放射ビームを生成し、
    瞳形成素子と、
    コンデンサレンズと、
    フィールド形成素子と、
    第1レンズアレイ及び第2レンズアレイを備える第1リレー部と、
    複数のロッドと、
    透過領域を有する絞りと、
    第2リレー部と、
    を備える照明光学系と、
    前記複数の放射ビームにパターンを付与するパターニング用デバイスと、
    パターンが付与されたビームを基板に投影する投影光学系と、を備えることを特徴とするリソグラフィシステム。
  18. 前記複数のロッドのロッド数及びロッド配列が前記第2レンズアレイのレンズ数及びレンズ配列に対応していることを特徴とする請求項17に記載のリソグラフィシステム。
  19. 前記透過領域の数、配列、及び形状が前記複数のロッドのロッド数、ロッド配列、及びロッド断面形状に対応していることを特徴とする請求項17に記載のリソグラフィシステム。
  20. 前記パターニング用デバイスは、各々が動作領域を有する個別制御可能素子のアレイを含んでおり、各動作領域の数、配列、及び形状は前記透過領域の数、配列、及び形状に対応していることを特徴とする請求項17に記載のリソグラフィシステム。
  21. 前記複数のロッドはガラス製ロッドまたは中空ロッドを備えることを特徴とする請求項17に記載のリソグラフィシステム。
  22. 前記第1及び第2レンズアレイは、第1及び第2のフライアイレンズアレイまたは第1及び第2のマイクロレンズアレイを含むことを特徴とする請求項17に記載のリソグラフィシステム。
  23. 光学素子を用いてビーム群を生成し、
    第1レンズアレイの各レンズでビーム群を受け、
    第1レンズアレイを用いて第2レンズアレイの対応レンズへとビーム群を向け、
    第2レンズアレイを用いて第2レンズアレイのレンズ数及びレンズ配列に対応している複数のロッドの対応ロッドへとビーム群を向け、
    複数のロッドを用いて複数のロッドのロッド数及びロッド断面形状に対応する数及び形状である複数の目標エリアを有する対象物の対応目標エリアの境界の実質的内側へとビーム群を向けることを特徴とする方法。
  24. 対象物の目標エリアとして絞りの透過領域を用いることをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. リレー光学系を用いて透過領域からパターニング用デバイスの動作領域へとビーム群を向け、
    パターニング用デバイスの動作領域を用いてビーム群にパターンを付与し、
    パターンが付与されたビームを基板に投影することをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 基板として半導体ウエハまたはフラットパネルガラス基板を用いることをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  27. 対象物の目標エリアとしてパターニング用デバイスの動作領域を用いることをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
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