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JP2007120720A - 油圧制御装置 - Google Patents

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JP2007120720A
JP2007120720A JP2005317169A JP2005317169A JP2007120720A JP 2007120720 A JP2007120720 A JP 2007120720A JP 2005317169 A JP2005317169 A JP 2005317169A JP 2005317169 A JP2005317169 A JP 2005317169A JP 2007120720 A JP2007120720 A JP 2007120720A
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Daisuke Kikukawa
大輔 菊川
Yoshinobu Soga
吉伸 曽我
Megumi Yuasa
恵 湯浅
Yusuke Ogata
勇介 大形
Ryoji Hanebuchi
良司 羽渕
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】アキュムレータの油圧が高圧である場合にも、圧油漏れが発生することを抑制することのできる油圧制御装置を提供する。
【解決手段】オイルポンプ7から吐出された圧油が供給される圧油必要部12と、オイルポンプ7から吐出された圧油の油圧を蓄圧可能なアキュムレータ16と、アキュムレータ16の油圧を圧油必要部12に伝達する第1の油路11Aと、第1の油路11Aに設けられ、かつ、アキュムレータ16の出力油圧を減圧して圧油必要部12に伝達する減圧機構22とを有する油圧制御装置において、第1の油路11Aと並列な第2の油路11Bと、第2の油路11Bを開放・遮断する切替弁23とが設けられており、第2の油路11Bは、アキュムレータ16から圧油必要部12に伝達される圧油の油圧を、第1の油路11Aを経由して圧油必要部12に伝達される油圧よりも高圧に設定する構成を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、オイルポンプから吐出された圧油を圧油必要部に供給する油圧制御装置に関するものである。
この種の油圧制御装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1には、エンジンの出力軸に自動変速機が接続されたパワートレーンが記載されている。また、自動変速機を制御する油圧制御装置が設けられており、この油圧制御装置は、オイルポンプ、AT油圧ユニット、プライマリレギュレータバルブ、セカンダリレギュレータバルブ、各潤滑機構、トルクコンバータを備えている。また、エンジンの駆動力によりオイルポンプが油圧を発生させるように構成されており、オイルポンプからAT油圧ユニットに至る油圧経路には逆止弁が設けられている。そして、エンジンが停止してオイルポンプが停止した場合に、AT油圧ユニットのオイルがオイルポンプ側に逆流することを防止している。また、逆止弁とAT油圧ユニットとの間にはアキュムレータが設けられており、オイルポンプの停止時にリークにより油圧が停止するのを防止して、AT油圧ユニットの油圧を維持する構成となっている。なお、車両用の油圧制御装置に関する技術は、特許文献2ないし特許文献4にも記載されている。
特開平8−14076号公報 特開2000−313252号公報 特開平6−341521号公報 特開平11−255110号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載されている油圧制御装置においては、アキュムレータの油圧が高圧である場合に、油圧経路で圧油漏れが発生する可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、アキュムレータの油圧が高圧である場合にも、圧油漏れが発生することを抑制することのできる油圧制御装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、オイルポンプから吐出された圧油が、圧油必要部およびアキュムレータに供給されるように構成されているとともに、このアキュムレータに蓄圧された油圧を前記圧油必要部に伝達する第1の油路と、この第1の油路に設けられ、かつ、前記アキュムレータの出力油圧を減圧して前記圧油必要部に伝達する減圧機構とを有する油圧制御装置において、前記アキュムレータと前記圧油必要部とを接続し、かつ、前記第1の油路と並列に設けられた第2の油路と、この第2の油路を開放・遮断する切替弁とを有しているとともに、前記第2の油路は、前記アキュムレータから前記圧油必要部に伝達される圧油の油圧を、前記第1の油路を経由して前記圧油必要部に伝達される油圧よりも高圧に設定する構成を有していることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記切替弁により前記第2の油路が遮断された場合に、前記アキュムレータに蓄圧された油圧が前記第1の油路を経由して前記圧油必要部に伝達されるように構成され、前記アキュムレータの出力油圧が前記第1の油路を経由して前記圧油必要部に伝達されて、前記アキュムレータに蓄圧された油圧が低下した場合に、前記切替弁により前記第2の油路が開放されて、前記アキュムレータに蓄圧された油圧が前記第2の油路を経由して前記圧油必要部に伝達される構成を有していることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記切替弁は、前記アキュムレータに油圧が蓄圧されてから所定時間が経過した場合に、前記アキュムレータに蓄圧された油圧が低下したと判断して、前記第2の油路を開放する構成を有していることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、車両の動力源から出力された動力が、動力伝達装置を経由して車輪に伝達されるように構成されており、前記動力伝達装置に前記圧油必要部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項4の構成に加えて、前記車両を停止させる条件に基づいて前記動力源が停止され、前記車両を発進させる条件に基づいて前記動力源が始動される構成を有していることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、オイルポンプから吐出された圧油が圧油必要部に供給されるとともに、その圧油の油圧がアキュムレータに蓄圧される。そして、オイルポンプの吐出油圧が低下した場合は、アキュムレータに蓄圧された油圧が減圧機構により減圧されて、第1の油路を経由して圧油必要部に伝達される。したがって、第1の油路から圧油必要部に至る経路における圧油の油圧上昇が抑制され、圧油漏れを抑制できる。また、切替弁により、第2の油路が開放された場合は、アキュムレータに蓄圧された油圧が、第2の油路を経由して圧油必要部に伝達される。この場合、アキュムレータから第2の油路を経由して圧油必要部に伝達される油圧は、アキュムレータから第1の油路を経由して圧油必要部に伝達される圧油の油圧よりも高圧に設定されるため、圧油必要部に供給される圧油量の減少を抑制できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、切替弁により第2の油路が遮断されている場合は、アキュムレータに蓄圧された油圧が第1の油路を経由して圧油必要部に伝達される。その後、アキュムレータに蓄圧された油圧が低下した場合は、切替弁により第2の油路が開放されて、アキュムレータに蓄圧された油圧が、第2の油路を経由して圧油必要部に伝達される。したがって、圧油必要部に供給される圧油量の低下を、一層確実に抑制できる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、アキュムレータに油圧が蓄圧されてから所定時間が経過して、アキュムレータの油圧が低下した場合に、切替弁が第2の油路を開放する。そして、アキュムレータから第2の油路を経由して圧油必要部に伝達される圧油は、第1の油路を経由して圧油必要部に伝達される圧油よりも高圧であるため、圧油必要部に供給される圧油の流量減少を、一層確実に抑制できる。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、動力源から出力された動力が動力伝達装置に伝達され、オイルポンプから吐出された圧油が、動力伝達経路に設けられた圧油必要部に供給される。
請求項5の発明によれば、請求項4の発明と同様の効果を得られる他に、車両の動力源から出力された動力が動力伝達装置を経由して車輪に伝達されるとともに、動力源を停止させる条件に基づいて動力源が停止され、動力源を始動させる条件に基づいて動力源が始動される。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。図2は、この発明の対象となる車両1のパワートレーンおよび制御系統を示す概念図であって、動力源2から出力されたトルクが、動力伝達装置3およびデファレンシャル4を経由して車輪5に伝達されるように構成されている。前記動力源2としては、エンジンまたはモータ・ジェネレータの少なくとも一方を用いることが可能である。エンジンは、燃料を燃焼させて発生する熱エネルギを運動エネルギに変換して出力する動力装置であり、そのエンジンとしては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、あるいは天然ガスエンジンなどを用いることが可能である。一方、モータ・ジェネレータは、電気エネルギを運動エネルギに変換して出力すること(力行機能)の可能な動力装置であるとともに、運動エネルギを電気エネルギに変換すること(回生機能)も可能である。つまり、エンジンとモータ・ジェネレータとでは、動力の発生原理が異なる。なお、この実施例では、動力源2としてエンジンを用いる場合について説明し、以下、エンジン2と記す。
前記動力伝達装置3には、変速機、クラッチ、前後進切換装置などが含まれる。まず、変速機とは、トルクを変換する装置、もしくは、回転速度を変換する装置であり、より具体的には、入力部材と出力部材との間における回転数の比、すなわち変速比を変更することが可能である。また、変速機には、有段変速機および無段変速機が含まれる。有段変速機とは、変速比を段階的、つまり、不連続に変更することの可能な変速機であり、この有段変速機としては、選択歯車式変速機および遊星歯車式変速機などが挙げられる。選択歯車式変速機においては、シンクロナイザ機構を構成するハブスリーブの係合・解放により変速が実行される。また、遊星歯車式変速機は、クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を有しており、摩擦係合装置の係合・解放により変速が実行される。
一方、無段変速機とは、変速比を無段階、つまり、連続的に変更することの可能な変速機であり、無段変速機としては、ベルト式無段変速機およびトロイダル式無段変速機などが挙げられる。ベルト式無段変速機は、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに無端状のベルトを巻き掛けた伝動装置であり、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅を制御する油圧室の油圧を制御することにより、変速比の制御および伝達トルクの制御が実行される。これに対して、トロイダル式無段変速機においては、トロイダル面を有する入力ディスクおよび出力ディスクと、パワーローラとを有しており、油圧制御によりパワーローラを変位させて傾転角度を調整することにより、パワーローラの接触半径が制御され、変速比が制御される。また、入力ディスクおよび出力ディスクに軸線方向の荷重を与えることにより、入力ディスクと出力ディスクとの間で伝達されるトルクが制御される。いずれの変速機を用いる場合も、その変速比または伝達トルクを制御するためのアクチュエータとして、油圧制御式のアクチュエータを用いることが可能である。
また、変速機として有段変速機を用いる場合は、エンジン2と変速機との間の経路にクラッチが用いられる。このクラッチとしては、摩擦式クラッチまたは流体式クラッチを用いることができる。摩擦式クラッチを係合・解放するアクチュエータとして、油圧制御式のアクチュエータが用いられる。また、流体式クラッチに作動油を供給するアクチュエータとして、油圧制御式のアクチュエータが用いられる。さらに、変速機として無段変速機を用いる場合は、動力の伝達方向で無段変速機の上流側または下流側に、前後進切換装置が配置される。前後進切換装置は、入力部材に対する出力部材の回転方向を正・逆に切り換える装置であり、前後進切換装置は、例えば、遊星歯車機構に加えて、クラッチおよびブレーキなどの摩擦係合装置により構成することができる。この摩擦係合装置を係合・解放するアクチュエータとして、油圧制御式のアクチュエータが用いられる。このように動力伝達装置3を制御する油圧制御式のアクチュエータは、油圧回路およびソレノイドバルブ(図示せず)および油圧室(図示せず)などを有している。すなわち、動力伝達装置3を構成する動作部材、より具体的には、流体伝動装置の伝達トルク、クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置の係合圧、ハブスリーブの動作、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅、パワーローラの傾転角度、入力ディスクおよび出力ディスクに与えられる軸線方向の荷重などが、油圧制御される構成となっている。つぎに、動力伝達装置3を制御する油圧制御式のアクチュエータの実施例を、順次説明する。
油圧制御式のアクチュエータの実施例である油圧制御装置の構成を、図1に基づいて説明する。油圧制御装置6は、オイルポンプ7を有しており、エンジン2の動力によりオイルポンプ7が駆動されるように構成されている。オイルポンプ7の吸入口8はオイルパン9に接続され、オイルポンプ7の吐出口10には、油路11を介在させて圧油必要部12が接続されている。この圧油必要部12には、ソレノイドバルブおよび油圧室などが含まれる。また、油路11の油圧を検出する油圧センサ13が設けられている。油圧センサ13の信号は電子制御装置35に入力される。さらに、油路11には、逆止弁14を介在させて油路15が接続されており、その油路15がアキュムレータ16に接続されている。逆止弁14は、油路11から圧油が油路15に供給されることを許容し、かつ、油路15から圧油が油路11に流れることを防止する構成を有している。
前記アキュムレータ16は、ケーシング17内に往復動自在にピストン18を配置したものであり、ケーシング17内にはピストン18に面して蓄圧室19が形成されている。この蓄圧室19の出入り口20が前記油路15に接続されている。また、アキュムレータ16は、蓄圧室19の容積を縮小させる方向の力をピストン18に与える弾性部材21を有している。弾性部材21としては、例えば、圧縮コイルばねを用いることができる。さらに、油路15と油路11とを接続する油路11A,11Bが並列に設けられている。油路11Aには減圧弁22が設けられており、この減圧弁22は、入力ポート24および出力ポート25と、動作可能な弁体26と、弁体26に力を与える弾性部材27と、油路11の油圧に応じた力を弁体26に与えるフィードバックポート28とを有している。そして、入力ポート24が油路15に接続され、出力ポート25が油路11に接続されている。
一方、油路11Bには切替弁23が設けられており、この切替弁23の具体的な構成例を、図3に基づいて説明する。切替弁23は、入力ポート29および出力ポート30と、動作可能な弁体(スプール)31と、弁体31に力を与える弾性部材32と、油路15の油圧に応じた力を弁体31に与える制御ポート33とを有している。弁体31は、ランド部31A,31Bを有している。そして、入力ポート29が油路15に接続され、出力ポート30が油路11に接続されている。なお、前記油路11であって、オイルポンプ7の吐出口10から逆止弁14に至る経路には絞り部34が設けられている。絞り部34は、オリフィスまたはチョークのいずれでもよい。
さらに、車両1の制御系統を図2に基づいて説明すると、電子制御装置35が設けられており、電子制御装置35には、車両1に対する加速要求を示す信号、車両1に対する制動要求を示す信号、シフトポジション選択情報を示す信号、車速を示す信号、エンジン2の出力を示す信号などが入力される。電子制御装置35からは、エンジン2の出力を制御する信号、油圧制御装置6のソレノイドバルブ(図示せず)などを制御する信号などが出力される。加速要求を示す信号としては、アクセルペダルの操作状態があり、制動要求を示す信号としてはブレーキペダルの操作状態がある。また、シフトポジション選択情報とは、動力伝達装置3を制御するための信号であり、例えば、D(ドライブ)ポジション、R(リバース)ポジション、P(パーキング)ポジション、N(ニュートラル)ポジションなどを選択する信号である。
つぎに、車両1の制御について説明するとエンジン2が運転され、そのトルクが動力伝達装置3およびデファレンシャル4を経由して車輪5に伝達されて、駆動力が発生する。そして、エンジン2の運転中に、エンジン2を停止させる停止条件が成立した場合は、エンジン2を停止させる制御、具体的には、燃料の供給を停止させる制御が実行される。例えば、Dポジションが選択され、かつ、アクセルペダルが戻され、かつ、ブレーキペダルが踏み込まれ、かつ、車両1が停止した場合に、前記停止条件が成立する。上記のようにして、エンジン2が停止された後、復帰条件(始動条件)が成立した場合は、エンジン2が始動される。具体的には、エンジン2をクランキングし、かつ、燃料の供給を開始してエンジン2を自律回転させる制御が実行される。停止条件を構成する少なくとも1つの事項が解消された場合に、復帰条件が成立する。
このように、停止条件および復帰条件に基づいて、エンジン2の運転・停止を制御する場合、エンジン2の停止時においても、車両1の発進に備えて、圧油必要部12に圧油を所定量確保しておく制御が実行される。これは、復帰条件が成立した場合、動力伝達装置3の伝達トルクを迅速に上昇させることを可能にするための待機制御である。しかしながら、圧油必要部12に供給される圧油の油圧が高すぎると、油路や油圧室からの圧油漏れがあるため、圧油必要部12に供給する圧油の油圧を低圧に制御することがおこなわれる。以下、エンジン2の停止中に、圧油必要部12に圧油を供給する場合の制御について説明する。まず、エンジン2が運転されている場合は、エンジントルクによりオイルポンプ7が駆動され、オイルパン9のオイルがオイルポンプ7により汲み上げられて、油路11に圧油が吐出される。油路11に吐出された圧油は、圧油必要部12に供給される。また油路11に吐出された圧油が、絞り部34を経由して逆止弁14に至ると、逆止弁14が開放されて、その圧油が油路15を経由してアキュムレータ16の蓄圧室19に供給される。
ここで、油路15の油圧が低圧である場合は、切替弁23の弾性部材32から弁体31に与えられる力により弁体31が動作して、入力ポート29と出力ポート30とが接続されており、油路11の圧油が切替弁23を経由して油路15に供給される。また、油路15の油圧が低圧である場合は、減圧弁22の弾性部材27から弁体26に与えられる力により弁体26が動作して、入力ポート24と出力ポート25とが接続されており、油路11の圧油が減圧弁22を経由して油路15に供給される。そして、油路15の油圧が上昇すると、切替弁23の制御ポート33に入力される油圧が高まり、弁体31が弾性部材32の力に抗して逆向きに動作し、入力ポート29と出力ポート30とが遮断される。また、油路11Aの油圧が上昇すると、減圧弁22のフィードバックポート28に入力される油圧が高まり、弁体26が弾性部材27の力に抗して逆向きに動作し、入力ポート24と出力ポート25とが遮断される。
このようにして、油路11の圧油が油路15を経由してアキュムレータ16の蓄圧室19に供給されるとともに、蓄圧室19の油圧の上昇に伴い、ピストン18が弾性部材21の力に抗して動作し、蓄圧室19の容積が拡大する。そして、油路15の油圧が油路11の油圧よりも高圧になると、逆止弁14が閉じられる。なお、前記のように減圧弁22の入力ポート24と出力ポート25とが遮断されている場合は、アキュムレータ16の圧油が、減圧弁22を経由して油路11に供給されることはない。そして、エンジン2が停止されると、オイルポンプ7が停止する。そして、オイルポンプ7の停止により油路11の油圧が低下すると、減圧弁22のフィードバックポート28に入力される油圧が低下して、弾性部材27の力により弁体26が動作して、入力ポート24と出力ポート25とが接続される。その結果、アキュムレータ16の圧油が、油路15および減圧弁22を経由して油路11に供給される。ついで、アキュムレータ16からの圧油の供給により、油路11の油圧が上昇すると、フィードバックポート28に入力される油圧が上昇して、減圧弁22が閉じられ、アキュムレータ16からは油路11に圧油が供給されなくなる。このようにして、エンジン2の停止中には油路11の油圧がほぼ一定の低圧に維持される。したがって、油路11の油圧は減圧弁22により減圧されるため、油路11における圧油漏れを抑制できる。
そして、アキュムレータ16に貯溜されている圧油量が減少することにともない、油路15の油圧が所定圧以下に低下すると、切替弁23の弾性部材32の力により弁体31が動作して、入力ポート29と出力ポート30とが接続され、アキュムレータ16の圧油が、油路11Bを経由して油路11に供給される。ここで、アキュムレータ16の蓄圧室19の容積と、油路11の油圧との関係を図4の特性線図に基づいて説明する。アキュムレータ16の油圧は、図4に破線で示すように、蓄圧室19の容積が縮小することにともない、低下する特性を有する。ここで、蓄圧室19の容積がQp1以上であるために切替弁23が閉じられている場合は、アキュムレータ16の圧油は減圧弁22を経由して油路11に供給されるため、減圧弁22による減圧特性により、油路11の油圧がほぼ一定に維持される。そして、蓄圧室19の容積がQp1未満となって切替弁23が開放されると、アキュムレータ16の圧油が、減圧されることなく油路11に供給される。この図4において、油圧p2は油圧センサ13の検出限界(下限)であり、切替弁23が閉じられている場合は、油路11の油圧1が検出限界油圧以下になっている。ここで、検出限界P2以下の油圧は油圧センサ13では検出できず、検出限界P2を越える油圧は、油圧センサ13で検出可能である。
これに対して、切替弁23が開放された場合は、油路11の油圧が検出限界油圧を越えるため、油路11の油圧を油圧センサ13で検出することができる。油圧センサ13により検出される油圧と、アキュムレータ16の蓄圧室19の容積との関係に基づいて、蓄圧室19の容積が狭くなったことが検知される。言い換えれば、アキュムレータ16に貯溜されている圧油の残量を、油圧センサ13の検知信号に基づいて、間接的に検知することが可能である。このような制御をおこなうために、油圧センサ13により検出される油圧と、アキュムレータ16の蓄圧室19の容積との関係がマップ化されて、電子制御装置35に記憶されている。このように、油圧センサ13の検知信号に基づいて、アキュムレータ16の蓄圧室19の油圧を間接的に検知可能であるため、蓄圧室19の油圧を検知するセンサを新たに設けずに済む。なお、アキュムレータ16の蓄圧室19の容積がQp1未満になったことが検知された時点で、エンジン2を始動させ、エンジントルクによりオイルポンプ7を駆動する制御が実行される。つまり、「アキュムレータ16の蓄圧室19の容積がQp1未満になったこと」で、前述の復帰条件が成立する。このように、切替弁23が開放されると、アキュムレータ16の油圧が減圧されずに油路11Bを経由して圧油必要部12に供給されるため、圧油必要部12における圧油不足を回避できる。
また、図1および図3に示された切替弁23は、フィードバックポート33の油圧に基づいて弁体31が動作し、出力ポート30が開放・遮断させる構成となっているが、切替弁としてソレノイドバルブを用い、油圧センサ13の検知信号に基づいて、出力ポートの開閉を制御するように構成することも可能である。具体的には、蓄圧室19の容積がQp1以上である場合は切替弁を閉じ、蓄圧室19の容積がQp1未満である場合は切替弁を解放する制御を実行する。このように構成すると、エンジン2が停止されてから所定時間が経過した時点で、電子制御装置35により、蓄圧室19の容積がQp1未満になったと推定し、切替弁を開放させる制御を実行することも可能である。以上のように、エンジン2の停止中には、アキュムレータ16から圧油が圧油必要部12に供給されるため、復帰条件が成立してエンジン2が始動され、かつ、オイルポンプ7が駆動されてその吐出圧油が圧油必要部12に供給されるまでの間、動力伝達装置3を構成する動作部材の作動応答性の低下を抑制できる。
油圧制御装置の他の構成例を図5に基づいて説明する。図5に示された油圧制御装置6において、図1に示された油圧制御装置6の構成と同じ構成部分については、図1と同じ符号を付してある。図5においては、前述した切替弁23が設けられていない。また、図5に示す減圧弁22の構成は、図1の減圧弁22の構成とは異なる。図5に示された減圧弁22は、油路15の油圧に応じた力を弁体26に与えるフィードバックポート36を有している。このフィードバックポート36の油圧に応じて弁体31に与えられる力の向きは、フィードバックポート28の油圧に応じて弁体31に与えられる力の向きと同じである。この減圧弁22の特性を図6の線図に基づいて説明する。油路15の油圧(アキュムレータ16の油圧)が低下することにともない、油路11に対する出力油圧が上昇する特性を有している。
また、図5に示されたアキュムレータ16の構成も、図1に示されたアキュムレータ16の構成とは異なる。図5に示されたアキュムレータ16の具体的な構成を、図7ないし図9に基づいて説明する。ケーシング17内には、シリンダ18により区画された蓄圧室19および背圧室37が形成されており、ピストン18には弾性部材21に加えて、他の弾性部材38が取り付けられている。弾性部材38は例えば圧縮コイルばねにより構成されており、弾性部材21,38は、いずれもピストン18の動作方向、つまり、図7の上下方向に伸縮可能である。弾性部材21は、背圧室37に臨んで配置され、弾性部材38は蓄圧室19に臨んで配置されている。また、蓄圧室19に臨んでストッパ39が設けられており、このストッパ39を貫通するように出入り口20が形成されている。そして、ピストン18の動作位置に関わりなく、弾性部材21の伸縮方向の両端がピストン18およびケーシング17の内端面に接触されるように構成されている。これに対して、弾性部材38の一端は常時ピストンに接触しているが、弾性部材21が縮小した状態では、弾性部材38の他端がケーシング17に取り付けたストッパ39から離れるように構成されている。このように、弾性部材21からピストン18に与えられる力の向きと、弾性部材38からピストン18に与えられる力の向きとが逆になるように構成されている。
つぎに、この実施例2における作用を説明する。この実施例2においても、前述した停止条件が成立してエンジン2が停止され、復帰条件が成立してエンジン2が始動されるものとする。まず、エンジン2が運転されている場合は、オイルポンプ7から吐出された圧油が、油路11を経由して圧油必要部12に供給される。また油路11に吐出された圧油が、絞り部34を経由して逆止弁14に至ると、逆止弁14が開放されて、その圧油が油路15を経由してアキュムレータ16の蓄圧室19に供給される。このようにして、油路11の圧油が油路15を経由してアキュムレータ16の蓄圧室19に供給されるとともに、蓄圧室19の油圧の上昇に伴い、図7のように弾性部材21が縮小されてピストン18が図1で上向きに動作し、蓄圧室19の容積が拡大する。このピストン18の動作中に、弾性部材38の他端がストッパ39から離れる。そして、アキュムレータ19の蓄圧室19への蓄圧にともない、油路15の油圧が油路11の油圧よりも高圧になると、逆止弁14が閉じられる。なお、油路11の油圧が所定圧以上である場合は、フィードバックポート28の油圧によって減圧弁22の弁体26が動作し、出力ポート25が遮断されている。
そして、エンジン2が停止されてオイルポンプ7が停止し、油路11の油圧が低下すると、減圧弁22のフィードバックポート28に入力される油圧が低下して、弾性部材27の力により弁体26が動作して、入力ポート24と出力ポート25とが接続される。その結果、アキュムレータ16の圧油が、油路15および減圧弁22を経由して油路11に供給される。ついで、アキュムレータ16からの圧油の供給により、油路11の油圧が上昇すると、フィードバックポート28に入力される油圧が上昇して、減圧弁22が閉じられ、アキュムレータ16からは油路11に圧油が供給されなくなる。このようにして、油路11の油圧が低下すると、再度出力ポート28が開放され、アキュムレータ16の圧油が油路11に供給される。このようにして、油路11の油圧が確保される。また、実施例2においては、図10に示すように、蓄圧室19の容積がQp1以上である場合は、蓄圧室19の容積の減少にともない、アキュムレータ16の油圧が低下する(破線で示す)。これに対して、減圧弁22にフィードバックポート36が設けられており、図10の線図に示すように、アキュムレータ16の蓄圧室19の容積が減少することにともない、油路11に対する出力油圧が上昇する特性となる。
そして、蓄圧室19の容積の減少により、弾性部材38の他端がストッパ39に減少すると、弾性部材21からピストン18に加えられる力の一部が、弾性部材38からピストン18に加えられる力により打ち消される。すると、蓄圧室19の容積を狭める方向にピストン18を押圧する力が減少し、蓄圧室19の容積の変化割合に対するアキュムレータ16の油圧の変化割合が変化する。具体的には、蓄圧室19の容積がQp1以上である場合におけるアキュムレータ16の油圧の低下勾配よりも、蓄圧室19の容積がQp1未満である場合におけるアキュムレータ16の油圧の低下勾配の方が急となる。つまり、アキュムレータ16の油圧特性が2段階に変化する。したがって、図10に実線で示すように、蓄圧室19の容積の減少割合に対する減圧弁22の出力油圧の上昇程度が増し、蓄圧室19の容積がQp1以上である場合における減圧弁22の出力油圧の増加勾配よりも、蓄圧室19の容積がQp1未満である場合における減圧弁22の出力油圧の増加勾配の方が急となる。
なお、ピストン18の動作により弾性部材38が縮小し、図9のようにピストン18がストッパ39に接触すると、ピストン18が停止する。以上のように、実施例2においては、アキュムレータ16の出力油圧特性、および減圧弁22の出力油圧特性に基づいて、油路11の油圧を、油圧センサ13の検出限界P2よりも高圧にすることができる。したがって、油圧センサ13の検知信号に基づいて、アキュムレータ16の蓄圧室19の容積がQp1未満になったことを間接的に判断でき、実施例1と同様の効果を得られる。なお、実施例2においても、実施例1と同様の構成部分については、実施例1と同様の作用効果を得られる。
つぎに、油圧制御装置6の他の構成例を図11に基づいて説明する。図11に示された油圧制御装置6においては、切替弁23が設けられていない。また、アキュムレータ16および減圧弁22の構成は、実施例1のものと同様に構成されている。そして、油路15の油圧を検出する油圧センサ40が設けられている。この油圧センサ40の信号は、電子制御装置35に入力される。この実施例3において、実施例1および実施例2と同じ構成部分については、実施例1および実施例2と同じ作用効果を得られる。また、実施例3においては、油圧センサ40の検知信号により、アキュムレータ16の蓄圧室19の容積減少を検知可能である。
つぎに、油圧制御装置6の他の構成例を図12に基づいて説明する。図12に示された油圧制御装置6においては、切替弁23が設けられていない。また、アキュムレータ16および減圧弁22の構成は、実施例1のものと同様に構成されている。そして、アキュムレータ16のピストン18の位置を検知するストロークセンサ41が設けられている。このストロークセンサ41の信号は、電子制御装置35に入力される。この実施例4において、実施例1および実施例2と同じ構成部分については、実施例1および実施例2と同じ作用効果を得られる。また、実施例4においては、ストロークセンサ41の検知信号により、アキュムレータ16の蓄圧室19の容積減少を検知可能である。
つぎに、油圧制御装置6の他の構成例を図13に基づいて説明する。図13に示された油圧制御装置6において、図1に示された構成と同じ構成については、図1と同じ符号を付してある。この実施例5においては、油路11に油路42,43が接続されている。この油路42と油路43とは相互に並列である。この油路42,43は共にアキュムレータ16の出入り口20に接続されている。そして、一方の油路42には絞り部44が設けられている。絞り部44はオリフィスまたはチョークのいずれでもよい。また、他方の油路43には逆止弁45が設けられており、この逆止弁45は、油路11の油圧が背圧となって閉じられ、かつ、アキュムレータ16の油圧で開放されるように構成されている。さらに、油路11には、油路46を介して潤滑系統47が接続されている。潤滑系統47は、動力伝達装置3の一部を構成する歯車変速機構、ベルトとプーリとの接触部分、入力ディスクおよび出力ディスクに対するパワーローラの接触部分、各種の回転部材を支持する軸受、クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置などに潤滑油を供給するものである。
また、油路46には逆止弁48が設けられている。この逆止弁48は、弁体49および弾性部材50を有しており、油路11の圧油を潤滑系統47に供給する場合に開放され、かつ、弾性部材50から与えられる力により弁体49が弁座(図示せず)に押し付けられて、閉じられるように構成されている。さらに、逆止弁48の開弁圧は、アキュムレータ16の出力油圧よりも高圧に設定されている。この実施例においては、エンジントルクによりオイルポンプ7が駆動されて、オイルポンプ7から吐出された圧油が、油路11を経由して圧油必要部12に供給される。ここで、オイルポンプ7から油路11に吐出された圧油の油圧が、逆止弁48の開弁圧よりも高圧になると、逆止弁48が開放されて、油路11の圧油が潤滑系統47に供給される。この潤滑系統47に供給される潤滑油により、発熱・摩耗・焼き付きなどが発生する部分が潤滑・冷却される。また、オイルポンプ7から吐出された圧油の一部は油路42に流れ込み、絞り部44を経由してその圧油がアキュムレータ16に貯溜される。一方、オイルポンプ7から吐出された圧油は油路43にも流れ込むが、その背圧により逆止弁43が閉じられるため、オイルポンプ7から吐出された圧油が、油路43を経由してアキュムレータ16に供給されることを防止できる。
そして、前述の停止条件が成立してエンジン2が停止された場合は、オイルポンプ7が停止する。すると、油路11の油圧が低下して、アキュムレータ16に貯溜されている圧油の油圧により、逆止弁45が開放される。このため、アキュムレータ16の圧油が、油路43および油路11を経由して圧油必要部12に供給され、実施例1と同様の効果を得られる。また、アキュムレータ16の圧油が油路11に供給された場合でも、逆止弁48の開弁圧の方が、アキュムレータ16の出力油圧よりも高圧であるため、逆止弁48は閉じられている。したがって、アキュムレータ16から吐出された圧油が潤滑系統47に供給されることを防止でき、圧油必要部12に供給する圧油量が低下することを抑制できる。
つぎに、油圧制御装置6の他の構成例を図14に基づいて説明する。図14に示された油圧制御装置6において、図1および図13に示された構成と同じ構成については、図1および図13と同じ符号を付してある。この実施例5において、アキュムレータ16に2つの背圧室51,52が設けられている。この背圧室51,52の圧力によりピストン18に与えられる力の向きは同じである。一方の背圧室51に前記弾性部材21が設けられており、背圧室51はオイルパン9に接続されている。他方の背圧室52と油路11とを接続する油路53が設けられており、油路53には電磁弁54が設けられている。電磁弁54は、入力ポート55および出力ポート56およびドレーンポート57を有しており、入力ポート55が油路11に接続され、出力ポート56が背圧室52に接続されている。なお、ドレーンポート57はオイルパン9に接続されている。この電磁弁54は、電子制御装置35により制御され、出力ポート56が、入力ポート55またはドレーンポート57に対して選択的に接続される。
この実施例6において、車両1が走行している場合のように、エンジン2が運転(自律回転)中であれば、エンジントルクによりオイルポンプ7が駆動されて、オイルポンプ7から吐出された圧油が、油路11を経由して圧油必要部12に供給される。また、オイルポンプ7から油路11に吐出された圧油の一部が油路42に流れ込み、絞り部44を経由してその圧油がアキュムレータ16の蓄圧室19に貯溜される。さらに、油路11の油圧により逆止弁45が閉じられる。一方、エンジン2が運転されている場合、出力ポート56とドレーンポート57とが接続され、出力ポート55が遮断されるように、電磁弁54が制御される。このため、背圧室52がオイルパン9に接続され、背圧室52が低圧となる。上記のようにして、アキュムレータ16の蓄圧室19に圧油が供給されて、蓄圧室19の油圧が上昇し、弾性部材21が縮小する方向にピストン18が動作し、蓄圧室19の容積が拡大する。
そして、停止条件が成立してエンジン2が停止されると、オイルポンプ7が停止されて油路11の油圧が低下する。すると、蓄圧室19に貯溜されている圧油の油圧により逆止弁45が開放され、蓄圧室19の圧油が油路43を経由して油路11に供給される。したがって、実施例1と同様の効果を得られる。蓄圧室19から圧油を吐出する場合、弾性部材21の力によりピストン18が動作する。このエンジン2の停止時においても、出力ポート56とドレーンポート57とが接続され、出力ポート55が遮断されるように、電磁弁54が制御されている。このため、ピストン18の動作により蓄圧室19の容積が縮小されると、背圧室52の容積が拡大して背圧室52が負圧となり、オイルパン9のオイルが背圧室52に吸引される。
その後、復帰条件が成立してエンジン2を始動させると、オイルポンプ7がエンジントルクにより駆動されて、オイルポンプ7から吐出された圧油が、油路11を経由して圧油必要部12に供給される。また、停止しているエンジン2を始動させる場合は、復帰条件が成立してから所定時間の間、入力ポート55と出力ポート56とを接続し、かつ、ドレーンポート57が遮断されるように電磁弁54が制御される。すると、オイルポンプ7から吐出された圧油の一部が、油路53を経由して背圧室52に供給されて、背圧室52の油圧が上昇する。このため、蓄圧室19の容積が縮小する向きにピストン18に加えられる力が増加し、蓄圧室19から油路11に供給される圧油の流量が増加する。そして、所定時間が経過した場合は、電磁弁54が制御されて、入力ポート55が遮断される。このように、停止しているエンジン2を始動させる場合、エンジン2のクランキングが開始されてから自律回転可能な回転数になるまでの間、圧油必要部12に供給する圧油量を、可及的に増加することが可能であり、動力伝達装置3の動作部材の動作応答性が向上する。
この実施例6に対応するタイムチャートの一例を、図15に基づいて説明する。このタイムチャートにおいて、「実油圧」および「必要油圧」は圧油必要部12における油圧である。ここで、必要油圧は、動力伝達装置3を構成する動作部材の動作応答性などの条件に基づいて求められる。時刻t1以前においてはエンジン2が停止されており、圧油必要部12における実油圧(実線で示す)は、アキュムレータ16から供給される圧油に応じてほぼ一定となっている。この実油圧は、必要油圧とほぼ一致している。そして、時刻t1で復帰条件が成立すると、必要油圧が破線で示すように上昇する。この実施例6においては、時刻t1でエンジン2がクランキングされてオイルポンプ7が駆動されるとともに、背圧室52の油圧が高められて、アキュムレータ16から圧油必要部12に供給される圧油量が増加するため、時刻t1以降は、実油圧を必要油圧以上に高めることができる。そして、時刻t2以降は実油圧がほぼ一定となり、車両が走行する時刻t3以降は、エンジン回転数がほぼ一定(自律回転による回転数)となり、かつ、必要油圧もほぼ一定となっている。
つぎに比較例における実油圧の変化を説明する。比較例とは、背圧室52が設けられていないアキュムレータを用いる構成である。この比較例の場合は、アキュムレータから圧油必要部に供給される圧油量が、実施例6に比べて少ない。このため、時刻t1以降も、実油圧は必要油圧未満となっている。そして、エンジン回転数の上昇にともない、時刻t2以降は、実油圧が必要油圧以上になっている。このように、実施例6の方が比較例に比べて、実油圧が必要油圧以上になる時期が早くなる。
ここで、実施例1で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、圧油必要部12が、この発明の圧油必要部に相当し、オイルポンプ7が、この発明のオイルポンプに相当し、アキュムレータ16が、この発明のアキュムレータに相当し、油路11Aが、この発明の第1の油路に相当し、減圧弁22が、この発明の減圧機構に相当し、油路11Bが、この発明の第2の油路に相当し、切替弁23が、この発明の切替弁に相当し、動力源(エンジンおよびモータ・ジェネレータ)2が、この発明の動力源に相当し、動力伝達装置3が、この発明の動力伝達装置に相当し、車輪5が、この発明の車輪に相当し、車両1が、この発明の車両に相当する。
この発明に係る油圧制御装置の実施例1を示す図である。 この発明に係る油圧制御装置を適用可能な車両のパワートレーンの一例を模式的に示すスケルトン図である。 この発明に係る油圧制御装置で用いる切替弁の構成例を示す図である。 図1に示す油圧制御装置の油路の油圧と、アキュムレータの容積との関係を示す特性線図である。 この発明に係る油圧制御装置の実施例2を示す図である。 図5に示された減圧弁の出力特性を示す線図である。 図5に示されたアキュムレータの構成を示す図である。 図5に示されたアキュムレータの構成を示す図である。 図5に示されたアキュムレータの構成を示す図である。 図5に示す油圧制御装置の油路の油圧と、アキュムレータの容積との関係を示す特性線図である。 この発明に係る油圧制御装置の実施例3を示す図である。 この発明に係る油圧制御装置の実施例4を示す図である。 この発明に係る油圧制御装置の実施例5を示す図である。 この発明に係る油圧制御装置の実施例6を示す図である。 この発明に係る油圧制御装置の実施例6に対応するタイムチャートである。
符号の説明
1…車両、 2…動力源(エンジンおよびモータ・ジェネレータ)、 3…動力伝達装置、 5…車輪、 7…オイルポンプ、 11A,11B…油路、 12…圧油必要部、 16…アキュムレータ、 22…減圧弁、 23…切替弁。

Claims (5)

  1. オイルポンプから吐出された圧油が、圧油必要部およびアキュムレータに供給されるように構成されているとともに、このアキュムレータに蓄圧された油圧を前記圧油必要部に伝達する第1の油路と、この第1の油路に設けられ、かつ、前記アキュムレータの出力油圧を減圧して前記圧油必要部に伝達する減圧機構とを有する油圧制御装置において、
    前記アキュムレータと前記圧油必要部とを接続し、かつ、前記第1の油路と並列に設けられた第2の油路と、この第2の油路を開放・遮断する切替弁とを有しているとともに、前記第2の油路は、前記アキュムレータから前記圧油必要部に伝達される圧油の油圧を、前記第1の油路を経由して前記圧油必要部に伝達される油圧よりも高圧に設定する構成を有していることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記切替弁により前記第2の油路が遮断された場合に、前記アキュムレータに蓄圧された油圧が前記第1の油路を経由して前記圧油必要部に伝達されるように構成され、前記アキュムレータの出力油圧が前記第1の油路を経由して前記圧油必要部に伝達されて、前記アキュムレータに蓄圧された油圧が低下した場合に、前記切替弁により前記第2の油路が開放されて、前記アキュムレータに蓄圧された油圧が前記第2の油路を経由して前記圧油必要部に伝達される構成を有していることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記切替弁は、前記アキュムレータに油圧が蓄圧されてから所定時間が経過した場合に、前記アキュムレータに蓄圧された油圧が低下したと判断して、前記第2の油路を開放する構成を有していることを特徴とする請求項2に記載の油圧制御装置。
  4. 車両の動力源から出力された動力が、動力伝達装置を経由して車輪に伝達されるように構成されており、前記動力伝達装置に前記圧油必要部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の油圧制御装置。
  5. 前記車両を停止させる条件に基づいて前記動力源が停止され、前記車両を発進させる条件に基づいて前記動力源が始動される構成を有していることを特徴とする請求項4に記載の油圧制御装置。
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