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JP2014043876A - 油圧供給装置 - Google Patents

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JP2014043876A JP2012185639A JP2012185639A JP2014043876A JP 2014043876 A JP2014043876 A JP 2014043876A JP 2012185639 A JP2012185639 A JP 2012185639A JP 2012185639 A JP2012185639 A JP 2012185639A JP 2014043876 A JP2014043876 A JP 2014043876A
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Abstract

【課題】オイルポンプの運転の再開時に、駆動力伝達機構に油圧を十分に供給できるとともに、装置の製造コストの削減を図ることができる油圧供給装置を提供する。
【解決手段】油圧供給装置では、メインライン51及びサブライン62を介して供給される油圧を蓄積可能な第1アキュムレータ63が設けられており、オイルポンプ31の運転中には、サブライン62を開放/閉鎖するための遮断弁64が開弁され、オイルポンプ31の停止中には、メインライン51と第1アキュムレータ63の間を遮断することによって第1アキュムレータ63に蓄積された油圧を保持するために、遮断弁64を閉弁される。また、オイルポンプ31の停止中、遮断弁64で閉鎖されたサブライン62と第1アキュムレータ63とを含む閉回路内の油圧の一部が、第2アキュムレータ65に蓄積される。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の動力源であるエンジンからの駆動力を伝達するための油圧式の駆動力伝達機構に、油圧を供給する油圧供給装置に関する。
従来、この種の油圧供給装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この油圧供給装置は、エンジンを動力源とする車両に設けられており、この車両の発進用のクラッチに油圧を供給するものである。油圧供給装置は、上記のエンジンを動力源とするオイルポンプと、このオイルポンプからの油圧をクラッチに供給するためのメインラインを備えている。このメインラインには、アキュムレータが、サブラインを介して接続されている。また、サブラインには、電磁弁で構成された遮断弁が設けられており、この遮断弁の開閉により、サブラインが開放/閉鎖される。
以上の構成の油圧供給装置では、エンジンの運転中には、エンジンで駆動されるオイルポンプにより、油圧が、メインラインを介してクラッチに供給される。また、遮断弁でサブラインが開放状態に保持され、それにより、オイルポンプからの油圧が、メインライン及びサブラインを介してアキュムレータに供給され、蓄積される。そして、エンジンが自動停止されると、遮断弁でサブラインが閉鎖され、それによりアキュムレータとメインラインの間が遮断されることによって、それまでにアキュムレータに蓄積された油圧が保持される。そして、自動停止状態のエンジンが再始動されると、遮断弁でサブラインが開放され、それに伴い、アキュムレータに蓄積された油圧が、サブライン及びメインラインを介して、クラッチに供給される。エンジンの再始動時には、クラッチの油圧が低下しているため、上述したアキュムレータからクラッチへの油圧の供給は、クラッチのリターンスプリングに抗する分の油圧をクラッチに供給するために行われる。
特許第3807145号公報
上述したように、従来の油圧供給装置では、エンジンの運転中、オイルポンプからの比較的高い油圧が、メインライン及びサブラインを介してアキュムレータに供給される。このため、エンジンの自動停止中に、アキュムレータに蓄積された油圧を保持すべく、これらのサブライン及びアキュムレータを含む回路を遮断弁で閉鎖したときには、閉鎖された閉回路には、オイルポンプからの高圧の油圧がそのまま蓄積されることになる。このため、遮断弁として、高圧の油圧が作用している状態でも開閉することが可能な、電磁力の強い大型のものを用いなければならず、ひいては、装置の製造コストが増大してしまう。
この場合、小型の遮断弁を用いるために、遮断弁とオイルポンプの間にオリフィスなどの絞りを設け、それにより、オイルポンプから遮断弁を介してアキュムレータに供給される油圧を低下させることが考えられる。しかし、その場合には、この絞りにより、アキュムレータに対して入出する作動油の流量が小さくなることによって、アキュムレータへの油圧の蓄積に要する時間と、アキュムレータからクラッチへの油圧の供給に要する時間とが長くなり、ひいては、エンジンの再始動時のクラッチの応答性が低下してしまう。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、オイルポンプの運転の再開時に、駆動力伝達機構に油圧を十分に供給できるとともに、装置の製造コストの削減を図ることができる油圧供給装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両の動力源であるエンジン3からの駆動力を伝達するための油圧式の駆動力伝達機構(実施形態における(以下、本項において同じ)無段変速機6)に、油圧を供給する油圧供給装置であって、エンジン3を動力源とし、駆動力伝達機構に、メインライン(PUメイン油路51)を介して油圧を供給するためのオイルポンプ31と、メインラインにサブライン62を介して接続され、油圧を蓄積可能な第1アキュムレータ63と、サブライン62を開放/閉鎖するために開閉される遮断弁64と、オイルポンプ31の運転中には、遮断弁64を開弁し、オイルポンプ31の停止中には、メインラインと第1アキュムレータ63の間を遮断することによって第1アキュムレータ63に蓄積された油圧を保持するために、遮断弁64を閉弁する遮断弁制御手段(ECU2)と、第1アキュムレータ63に連通し、オイルポンプ31の停止中に、遮断弁64により閉鎖されたサブライン62と第1アキュムレータ63とを含む閉回路内の油圧の一部を蓄積する第2アキュムレータ65と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、エンジンを動力源とするオイルポンプからの油圧が、メインラインを介して、駆動力伝達機構に供給される。このメインラインには、第1アキュムレータが、サブラインを介して接続されており、サブラインには、これを開放/閉鎖するために開閉される遮断弁が設けられている。オイルポンプの運転中には、遮断弁が遮断弁制御手段によって開弁され、それによりサブラインが開放される。これにより、オイルポンプからの油圧が、メインライン及びサブラインを介して第1アキュムレータに供給され、蓄積される。一方、オイルポンプの停止中には、遮断弁が遮断弁制御手段によって閉弁され、それによりサブラインが閉鎖される。これにより、メインラインと第1アキュムレータの間が遮断されることによって、それまでに第1アキュムレータに蓄積された油圧が保持される。
そして、オイルポンプの運転が再開されると、それに伴い、遮断弁によりサブラインが開放され、それにより、第1アキュムレータに蓄積された油圧が、サブライン及びメインラインを介して、オイルポンプからの油圧とともに、駆動力伝達機構に供給される。したがって、オイルポンプの運転の再開時に、駆動力伝達機構に油圧を十分に供給することができる。
また、オイルポンプの停止中、上述した遮断弁により閉鎖されたサブラインと第1アキュムレータを含む閉回路内の油圧(作動油)の一部が、第2アキュムレータに蓄積されるので、この閉回路内の油圧を、その余剰分だけ低下させることができる。これにより、耐圧性の比較的低い小型の遮断弁を採用でき、したがって、油圧供給装置の製造コストの削減を図ることができる。さらに、例えば閉回路内の油圧を低下させるためにリリーフ弁を用いる場合と比較して、第2アキュムレータは、単に油圧を蓄積する機能を有するだけで、故障しにくいので、油圧供給装置の信頼性を高めることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の油圧供給装置において、第2アキュムレータ65は、シリンダ65aと、シリンダ65a内に移動可能に設けられたピストン65bと、シリンダ65a及びピストン65bの一方の端面によって画成され、第1アキュムレータ63に連通する、油圧を蓄積するための蓄圧室65dと、ピストン65bを蓄圧室65d側に付勢するスプリング65cとを有し、ピストン65bは、オイルポンプ31の運転中、ピストン65bの他方の端面に、メインラインからの油圧が背圧として作用するように、設けられており、スプリング65cの付勢力は、オイルポンプ31の運転中に、スプリング65cの付勢力と背圧の和が、サブライン62と第1アキュムレータ63を含む回路内の油圧よりも大きくなるように、設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、第2アキュムレータのシリンダ及びピストンの一方の端面によって、油圧を蓄積するための蓄圧室が画成されており、ピストンは、スプリングにより蓄圧室側に付勢されている。また、オイルポンプの運転中、ピストンの他方の端面には、メインラインからの油圧が背圧として作用し、それによりピストンは、蓄圧室側に押圧される。このように、オイルポンプの運転中、第2アキュムレータのピストンは、スプリングの付勢力と背圧の双方が作用することによって、蓄圧室側に押圧される。このスプリングの付勢力は、オイルポンプの運転中、当該スプリングの付勢力と背圧の和が、サブラインと第1アキュムレータを含む回路内の油圧よりも大きくなるように、設定されている。これにより、オイルポンプの運転中、オイルポンプからの油圧を、第2アキュムレータにほとんど蓄積せずに、第1アキュムレータに適切に蓄積することができる。
また、オイルポンプが停止されると、それに伴ってメインラインからの背圧が作用しなくなるので、ピストンを蓄圧室側に押圧する押圧力として、スプリングの付勢力のみが作用する。また、第2アキュムレータの蓄圧室は、第1アキュムレータに連通している。以上により、オイルポンプの停止に伴い、第2アキュムレータのピストンは、前述した遮断弁で閉鎖されたサブラインと第1アキュムレータを含む閉回路内に蓄積された油圧で押圧されることによって、蓄圧室と反対側に移動し、それに伴って、閉回路内の油圧(作動油)の一部が、蓄圧室に供給され、蓄積される。この場合、仮に、サブラインの容積が小さくても、油圧がかかった状態では、閉回路内の作動油は、大きく圧縮された状態で蓄積されることになる。したがって、閉回路内に蓄積された作動油の体積弾性率に相当する容積の作動油を第2アキュムレータに蓄積でき、ひいては、閉回路内の油圧を、その余剰分だけ低下させることができる。このように、請求項1に係る発明による効果、すなわち、オイルポンプの停止中に閉回路内の油圧を低下させることができるという効果を、有効に得ることができる。
さらに、オイルポンプの運転の再開時、遮断弁でサブラインが開放されることにより、第1アキュムレータに蓄積された油圧が、サブライン及びメインラインを介して駆動力伝達機構に供給されるのに伴い、第2アキュムレータのピストンを蓄圧室側に押圧する押圧力として、再度、背圧とスプリングの付勢力の双方から成る押圧力が作用する。これにより、オイルポンプの運転の再開時、その停止中に第2アキュムレータに蓄積された油圧(作動油)を、第1アキュムレータからの油圧とともに、サブライン及びメインラインを介して、駆動力伝達機構に無駄なく供給することができる。
また、上述したように、オイルポンプの運転の再開時に、第2アキュムレータに蓄積された作動油を排出できるので、再度、オイルポンプが停止したときに、閉回路内の油圧の一部を第2アキュムレータに適切に蓄積することができる。したがって、オイルポンプの運転/停止が繰り返し行われた場合でも、本発明による効果を有効に得ることができる。
本発明の実施形態による油圧供給装置を適用した車両の駆動系を示すスケルトン図である。 油圧供給装置などを示す油圧回路図である。 ECUなどを示すブロック図である。 オイルポンプの運転中における蓄圧装置などを概略的に示す図である。 オイルポンプの停止中における蓄圧装置などを概略的に示す図である。 オイルポンプの運転の再開直後における蓄圧装置などを概略的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1に示す車両の駆動系は、車両の動力源としての内燃機関(以下「エンジン」という)3と、このエンジン3の駆動力を車両の左右の駆動輪DW(右駆動輪のみ図示)に伝達するためのトルクコンバータ4、前後進切換機構5及び無段変速機6を備えている。エンジン3は、ガソリンエンジンであり、駆動力を出力するためのクランク軸3aを有している。
トルクコンバータ4は、ポンプインペラ4a、タービンランナ4b及びロックアップクラッチ(以下「LUクラッチ」という)4cを有している。ポンプインペラ4aはクランク軸3aに、タービンランナ4bは後述する入力軸14に、それぞれ連結されており、両者4a、4bの間には、作動油が充填されている。エンジン3の駆動力(以下「エンジン駆動力」という)は、基本的には、ポンプインペラ4a、作動油及びタービンランナ4bを介して、入力軸14に伝達される。
LUクラッチ4cは油圧式のものであり、LUクラッチ4cには、第1LU油室4d及び第2LU油室4eが設けられている(図2参照)。LUクラッチ4cは、油圧が第1LU油室4dに供給されるとともに、第2LU油室4eから油圧(作動油)が排出されることによって、締結状態になり、これとは逆に、油圧が第2LU油室4eに供給されるとともに、第1LU油室4dから作動油が排出されることによって、解放状態になる。このLUクラッチ4cの締結によって、エンジン3のクランク軸3aと入力軸14の間が直結状態になる。また、LUクラッチ4cの締結度合は、第1又は第2LU油室4d、4eに供給される油圧(作動油の量)に応じて、変化する。
前後進切換機構5は、遊星歯車装置11、前進クラッチ12及び後進ブレーキ13を有している。遊星歯車装置11は、シングルピニオン型のものであり、サンギヤ11aと、リングギヤ11bと、両ギヤ11a、11bに噛み合う複数のプラネタリギヤ11c(2つのみ図示)と、これらのプラネタリギヤ11cを回転自在に支持するキャリア11dで構成されている。サンギヤ11aは、入力軸14に一体に設けられている。
前進クラッチ12は、油圧式のものであり、そのインナが、入力軸14に一体に取り付けられており、前進クラッチ12のアウタは、リングギヤ11c及び主軸21に一体に取り付けられている。この主軸21は、中空状に形成されており、その内側には、入力軸14が回転自在に配置されている。前進クラッチ12の締結によって、入力軸14が主軸21に直結され、前進クラッチ12の解放によって、入力軸14と主軸21の間の差回転が許容される。また、後進ブレーキ13は、油圧式のクラッチなどで構成され、キャリア11dに取り付けられており、締結状態にあるときにキャリア11dを回転不能に保持し、解放状態にあるときにキャリア11dの回転を許容する。
また、前進クラッチ12は、FWD油室12aを有しており(図2参照)、FWD油室12aへの油圧の供給によって、締結状態になり、当該油圧の供給の停止によって、解放状態になる。後進ブレーキ13は、RVS油室13aを有しており(図2参照)、RVS油室13aへの油圧の供給によって、締結状態になり、当該油圧の供給の停止によって、解放状態になる。前進クラッチ12及び後進ブレーキ13の締結度合はそれぞれ、FWD油室12a及びRVS油室13aに供給される油圧(作動油の量)に応じて、変化する。
以上の構成の前後進切換機構5では、車両の前進時には、前進クラッチ12が締結されるとともに、後進ブレーキ13が解放される。これにより、主軸21が、入力軸14と同方向に同じ回転数で回転する。一方、車両の後進時には、前進クラッチ12が解放されるとともに、後進ブレーキ13が締結される。これにより、主軸21が、入力軸14と反対方向に回転する。
無段変速機6は、ベルト式のものであり、上記主軸21、入力プーリ22、出力プーリ23、伝達ベルト24及び副軸25を備えている。入力プーリ22は、互いに対向する可動部22a及び固定部22bを有している。可動部22aは、主軸21に、その軸線方向に移動可能でかつ相対的に回転不能に取り付けられており、固定部22bは、主軸21に固定されている。両者22a、22bの間には、伝達ベルト24を巻き掛けるためのV字状のベルト溝が形成されている。また、可動部22aには、DR油室22cが設けられており(図2参照)、このDR油室22cに油圧が供給されることにより、可動部22aが軸線方向に移動することによって、入力プーリ22のプーリ幅が変更され、その有効径が変化する。
出力プーリ23は、上記入力プーリ22と同様に構成されており、その可動部23aが、副軸25に、その軸線方向に移動可能にかつ回転不能に取り付けられており、固定部23bが、副軸25に固定されている。両者23a、23bの間には、V字状のベルト溝が形成されている。また、可動部23aには、DN油室23c(図2参照)と、リターンスプリング23dが設けられている。このDN油室23cに油圧が供給されることにより、可動部23aが軸線方向に移動することによって、出力プーリ23のプーリ幅が変更され、その有効径が変化する。さらに、リターンスプリング23dは、可動部23aを、固定部23b側にすなわちDN油室23cを拡大させる側に、付勢している。伝達ベルト24は、両プーリ22,23のベルト溝に嵌った状態で両プーリ22,23に巻き掛けられている。
以上のように、無段変速機6では、入力プーリ22のDR油室22c及び出力プーリ23のDN油室23cへの油圧の供給によって、両プーリ22、23の有効径が無段階に変更され、それにより、その変速比が無段階に制御される。この変速比は、入力プーリ22の回転数と出力プーリ23の回転数との比である。
また、副軸25には、ギヤ25aが固定されており、このギヤ25aは、アイドラ軸ISに一体に設けられた大小のアイドラギヤIG1、IG2を介して、差動ギヤ機構DFのギヤGに噛み合っている。差動ギヤ機構DFは、左右の駆動輪DWに連結されている。
以上の構成の駆動系では、エンジン駆動力は、トルクコンバータ4や、前後進切換機構5、無段変速機6、差動ギヤ機構DFを介して、左右の駆動輪DWに伝達される。その際、前後進切換機構5により、伝達される駆動力の回転方向が正転方向と逆転方向の間で切り換えられることによって、車両の前進・後進が行われる。また、エンジン駆動力は、無段変速機構6により無段階に変速された状態で、駆動輪DWに伝達される。
次に、図2を参照しながら、前述したLUクラッチ4cの第1及び第2LU油室4d、4e、前進クラッチ12のFWD油室12a、後進ブレーキ13のRVS油室13a、並びに、無段変速機6のDR油室22c及びDN油室23cに油圧を供給する油圧供給装置について説明する。
油圧供給装置は、オイルポンプ31と、第1及び第2LU油室4d、4eに油圧を供給するためのLU油圧ラインLULと、FWD油室12a及びRVS油室13aに油圧を供給するためのクラッチ油圧ラインCLLと、DR油室22c及びDN油室23cに油圧を供給するためのプーリ油圧ラインPULを備えている。
オイルポンプ31は、エンジン3を動力源とするギヤポンプであり、クランク軸3aに連結されている。オイルポンプ31は、PH制御弁(PH REG VLV)32に油路を介して接続されており、リザーバRに貯留された作動油を、PH制御弁32に圧送する。PH制御弁32は、スプール弁で構成されており、オイルポンプ31の運転中、オイルポンプ31からの油圧を調整した状態で、上記のLU油圧ラインLUL、クラッチ油圧ラインCLL及びプーリ油圧ラインPULに供給する。
LU油圧ラインLULは、PH制御弁32に油路を介して接続されたTC調圧弁(TC REG VLV)33と、TC調圧弁33に油路を介して接続されたLC制御弁(LC CTL VLV)34と、LC制御弁34、LUクラッチ4cの第1及び第2LU油室4d、4eに油路を介して接続されたLC切換弁(LC SFT VLV)35などで構成されている。これらのTC調圧弁33、LC制御弁34及びLC切換弁35は、スプール弁で構成されている。オイルポンプ31の運転中、PH制御弁32からの油圧は、TC調圧弁33、LC制御弁34及びLC切換弁35などを介して、LUクラッチ4cの第1又は第2LU油室4d、4eに供給される。
また、LC制御弁34には、後述する減圧弁(CR VLV)42からの油圧が、第1電磁弁(LS-LCC)SV1により調圧した状態で供給される。これにより、LC制御弁34が駆動されることによって、第1又は第2LU油室4d、4eに供給される油圧(作動油の量)が変化し、ひいては、LUクラッチ4cの締結度合が変更される。このように、第1電磁弁SV1の開度を変化させることによって、LUクラッチ4cの締結度合が変更される。第1電磁弁SV1の開度は、後述するECU2により制御される(図3参照)。
また、LC切換弁35には、第2電磁弁(SOL-A )SV2が接続されている。第2電磁弁SV2の励磁・非励磁によってLC切換弁35が駆動され、それにより、LC制御34からの油圧の供給先が、第1又は第2LU油室4d、4eに切り換えられる。これにより、前述したように油圧が第1LU油室4dに供給されるとともに、第2LU油室4eから作動油が排出されることによって、締結状態になり、これとは逆に、油圧が第2LU油室4eに供給されるとともに、第1LU油室4dから作動油が排出されることによって、解放状態になる。第2電磁弁SV2の励磁・非励磁は、ECU2により制御される(図3参照)。
前記クラッチ油圧ラインCLLは、分岐油路41、減圧弁42、CLメイン油路43、第3電磁弁(LS-CPC)SV3及びマニュアル弁(MAN VLV )44などで構成されている。分岐油路41の一端部は、PUメイン油路51に接続され、他端部は減圧弁42に接続されている。PUメイン油路51はPH制御弁32に接続されており、オイルポンプ31の運転中、PH制御弁32からの油圧は、PUメイン油路51及び分岐油路41を介して、減圧弁42に供給される。
減圧弁42は、スプール弁で構成されており、CLメイン油路43を介して、マニュアル弁44に接続されており、CLメイン油路43の途中に、第3電磁弁SV3が設けられている。オイルポンプ31の運転中、PH制御弁32から減圧弁42に供給された油圧は、減圧弁42により減圧され、さらに第3電磁弁SV3により調圧された状態で、CLメイン油路43を介して、マニュアル弁44に供給される。
マニュアル弁44は、スプール弁で構成され、FWD油室12a及びRVS油室13aに、油路を介して接続されている。また、マニュアル弁44は、第3電磁弁SV3からの油圧の供給先として、車両の運転者に操作されるシフトレバー(図示せず)のシフト位置がドライブ、スポーツ又はローにあるときには、FWD油室12aを選択し、リバースにあるときには、RVS油室13aを選択する。これにより、前述した前後進切換機構5による駆動力の回転方向の切換が行われる。この場合、第3電磁弁SV3の開度を変化させることにより、FWD油室12a又はRVS油室13aに供給される油圧を調整することによって、前進クラッチ12又は後進ブレーキ13の締結度合が変更される。第3電磁弁SV3の開度は、ECU2により制御される(図3参照)。
前記プーリ油圧ラインPULは、PUメイン油路51、DR調圧弁(DR REG VLV)52及びDN調圧弁(DN REG VLV)53などで構成されている。PUメイン油路51は、その一端部がPH制御弁32に接続されており、その途中の分岐部51cで、第1PUメイン油路51aと、第2PUメイン油路51bとに二股に分岐している。また、DR調圧弁52及びDN調圧弁53は、いすれもスプール弁で構成されており、第1及び第2PUメイン油路51a、51bの途中にそれぞれ設けられている。前述したクラッチ油圧ラインCLLの分岐通路41は、PUメイン油路51の分岐部51cよりもPH調圧弁32側の部分から、分岐している。オイルポンプ31の運転中、PH制御弁32からの油圧は、PUメイン油路51、第1及び第2PUメイン油路51a、51b、並びにDR調圧弁52及びDN調圧弁53を介して、DR油室22c及びDN油室23cにそれぞれ供給される。
また、DR調圧弁52には、減圧弁42からの油圧が、第4電磁弁(LS-DR )SV4により調圧した状態で供給される。これにより、DR調圧弁52が駆動されることによって、DR油室22cに供給される油圧(作動油の量)が変化し、ひいては、入力プーリ22の有効径が変更される。このように、第4電磁弁SV4の開度を変化させることによって、入力プーリ22の有効径が変更される。第4電磁弁SV4の開度は、ECU2により制御される(図3参照)。
DN調圧弁53には、減圧弁42からの油圧が、第5電磁弁(LS-DN )SV5により調圧した状態で供給される。これにより、DN調圧弁53が駆動されることによって、DN油室23cに供給される油圧(作動油の量)が変化し、ひいては、出力プーリ23の有効径が変更される。このように、第5電磁弁SV5の開度を変化させることによって、出力プーリ23の有効径が変更される。第5電磁弁SV5の開度は、ECU2により制御される(図3参照)。
また、油圧供給装置には、第3電磁弁SV3の故障時に前進クラッチ12及び後進ブレーキ13への油圧の供給を確保するためのバックアップ弁(B/U VLV )BVが設けられている。このバックアップ弁BVは、前述したCLメイン油路43の第3電磁弁SV3よりもマニュアル弁44側の部分に設けられており、CLメイン油路43と並列に設けられた油路OLを介して、減圧弁42に接続されている。また、バックアップ弁BVは、油路を介して、LC切換弁35及びDR調圧弁52に接続されている。
第3電磁弁SV3の故障時、バックアップ弁BVには、減圧弁42からの油圧が、前述した第4電磁弁SV4により比較的高圧に調整された状態で供給される。これにより、バックアップ弁BVが駆動されることによって、減圧弁42から上記の油路OLを介してバックアップ弁BVに供給された油圧が、各種の要素に次のようにして供給される。すなわち、バックアップ弁BVに供給された油圧の一部は、CLメイン油路43のバックアップ弁BVよりも下流側の部分及びマニュアル弁44を介して、FWD油室12a又はRVS油室13aに供給され、それにより前進クラッチ12又は後進ブレーキ13が締結される。また、バックアップ弁BVに供給された油圧の残りは、その一部がLC切換弁35に供給されるとともに、その残りがDR調圧弁52を介してDR油室22cに供給される。これにより、LUクラッチ4cが解放状態に制御されるとともに、入力プーリ22の有効径が固定される。
なお、これまでの説明から明らかなように、第4電磁弁SV4は、DR調圧弁52及びバックアップ弁BVの駆動用の電磁弁として兼用されているので、第3電磁弁SV3の正常時、第4電磁弁SV4からの油圧は、DR調圧弁52及びバックアップ弁BVの双方に供給される。バックアップ弁BVには、リターンスプリング(図示せず)が設けられており、バックアップ弁BVは、このリターンスプリングの付勢力によって、第3電磁弁SV3の正常時に供給される低い油圧によっては駆動されず、故障時に供給されるより高い油圧によってのみ駆動される。これにより、第3電磁弁SV3の正常時には、上述した故障時における動作が行われることはない。
また、油圧供給装置には、蓄圧装置61が設けられている。図4に示すように、蓄圧装置61は、サブライン62、第1アキュムレータ63、遮断弁64、及び第2アキュムレータ65を備えている。サブライン62の一端部は、前述したPUメイン油路51における分岐油路41との接続部と分岐部51cとの間の部分に、接続されており、他端部は、第1アキュムレータ63に接続されている。
第1アキュムレータ63は、シリンダ63aと、シリンダ63a内に移動可能に設けられたピストン63bと、圧縮コイルばねで構成されたスプリング63cを有している。シリンダ63aとピストン63bの間には、蓄圧室63dが画成されており、ピストン63bは、スプリング63cによって、蓄圧室63d側に付勢されている。上述したサブライン62は、蓄圧室63dに連通している。スプリング63cの付勢力(ばね定数)は、蓄圧室63dに蓄積される油圧が例えば0.3〜0.5MPaになるように、設定されている。
遮断弁64は、ON/OFF式のソレノイド弁で構成されており、サブライン62の途中に設けられている。遮断弁64がECU2で開閉されることによって(図3参照)、サブライン62が開放/閉鎖される。
第2アキュムレータ65は、第1アキュムレータ63よりも小型のものであり、シリンダ65aと、シリンダ65a内に移動可能に設けられたピストン65bと、圧縮コイルばねで構成されたスプリング65cを有している。シリンダ65aとピストン65bの一方の端面によって蓄圧室65dが画成されており、ピストン65bは、スプリング65cによって、蓄圧室65d側に付勢されている。スプリング65cの付勢力(ばね定数)の設定については、後述する。
また、第2アキュムレータ65は、第1油路66及び第2油路67を介して遮断弁64をバイパスするように、サブライン62に接続されている。オイルポンプ31の運転中、ピストン65bの他方の端面(蓄圧室65dと反対側の端面)には、サブライン62及び第1油路66を介して、PUメイン油路51からの油圧が背圧として作用する。また、第2アキュムレータ65の蓄圧室65dは、第2油路67及びサブライン62を介して、第1アキュムレータ63の蓄圧室63dに連通している。
また、図3に示すように、ECU2には、エンジン回転数センサ71からエンジン3の回転数NEを表す検出信号が、出力される。さらに、ECU2には、アクセル開度センサ72から、車両のアクセルペダル(図示せず)の操作量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が、車速センサ73から車両の車速VPを表す検出信号が、出力される。また、ECU2には、ブレーキ開度センサ74から、車両のブレーキペダル(図示せず)の操作量(以下「ブレーキ開度」という)BRを表す検出信号が、出力される。
ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAM及びROMなどから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、上述した各種のセンサ71〜74からの検出信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムに従って、エンジン3、第1〜第5電磁弁SV1〜SV5及び遮断弁64の動作を制御する。
具体的には、ECU2は、エンジン3のアイドル運転状態(検出された車速VP及びアクセル開度APの双方が値0)が所定時間、継続したことなどの所定の自動停止条件が成立したときには、運転中のエンジン3を自動停止する。それに伴い、エンジン3を動力源とするオイルポンプ31が停止される。当該エンジン3の自動停止中、運転者がブレーキペダルの踏み込みを解除することによって、検出されたブレーキ開度BRが再始動用の所定値を下回ったことなどの所定の再始動条件が成立したときには、エンジン3が再始動され、それに伴い、オイルポンプ31の運転が再開される。
以下、図4〜図6を参照しながら、オイルポンプ31の運転中から、上述したエンジン3の自動停止/再始動に伴って、オイルポンプ31が停止され、その運転が再開される場合における蓄圧装置61の動作について説明する。なお、図4〜図6では、油圧供給装置の作動油を点描で示しており、矢印付きの太い実線は、作動油の流れる方向を示している。
[オイルポンプ31の運転中]
オイルポンプ31の運転中には、遮断弁64が開弁状態に保持され、それによりサブライン62が開放状態に保持される。これにより、図4に示すように、PUメイン油路51からの油圧が、サブライン62を介して、第1アキュムレータ63の蓄圧室63dに供給され、ピストン63bを押圧する。これにより、ピストン63bが、スプリング63cの付勢力に抗して蓄圧室63dと反対側に移動する(図4に中抜きの矢印で図示)結果、PUメイン油路51から供給された油圧が、第1アキュムレータ63に蓄積される。なお、オイルポンプ31の運転中におけるPUメイン油路51内の油圧は、例えば1.8MPaである。
また、第2アキュムレータ65のピストン65bの他方の端面(蓄圧室65dと反対側の端面)には、サブライン62及び第1油路66を介して、PUメイン油路51からの油圧が背圧として作用する。スプリング65cの付勢力は、オイルポンプ31の運転中、スプリング65cの付勢力と上記の背圧の和が、サブライン62、第1アキュムレータ63及び第2油路67を含む回路内の油圧よりも大きくなるように、設定されている。これにより、本実施形態によれば、図4に示すように、オイルポンプ31の運転中、オイルポンプ31からの油圧を、第2アキュムレータ65にほとんど蓄積せずに、第1アキュムレータ63に適切に蓄積することができる。
[オイルポンプ31の停止中]
オイルポンプ31の停止中には、遮断弁64が閉弁状態に保持され、それによりサブライン62が閉鎖状態に保持される。これにより、図5に示すように、PUメイン油路51と第1アキュムレータ63の間が遮断されることによって、それまでに第1アキュムレータ63に蓄積された油圧が保持される。また、遮断弁64の閉弁によって、サブライン62、第1アキュムレータ63及び第2油路67を含む閉回路が形成される。
また、オイルポンプ31が停止されると、それに伴ってPUメイン油路51からの背圧が作用しなくなるので、第2アキュムレータ65のピストン65bを蓄圧室65d側に押圧する押圧力として、スプリング65cの付勢力のみが作用する。さらに、第2アキュムレータ65の蓄圧室65dは、第2油路67及びサブライン62を介して、第1アキュムレータ63の蓄圧室63dに連通している。以上により、オイルポンプ31の停止に伴い、第2アキュムレータ65のピストン65bは、遮断弁64で閉鎖された閉回路内に蓄積された油圧で押圧されることによって、蓄圧室65dと反対側に移動する(図5に中抜きの矢印で図示)。それに伴い、閉回路内の油圧(作動油)の一部が、第2アキュムレータ65の蓄圧室65dに供給され、蓄積される。
本実施形態によれば、上記のように、遮断弁64で閉鎖された閉回路内の油圧の一部が第2アキュムレータ65に蓄積されるので、この閉回路内の油圧を、その余剰分だけ低下させることができる。これにより、耐圧性の比較的低い小型の遮断弁64を採用でき、したがって、油圧供給装置の製造コストの削減を図ることができる。さらに、例えば閉回路内の油圧を低下させるためにリリーフ弁を用いる場合と比較して、第2アキュムレータ65は、単に油圧を蓄積する機能を有するだけで、故障しにくいので、油圧供給装置の信頼性を高めることができる。
[オイルポンプ31の運転の再開時]
オイルポンプ31の運転の再開時、遮断弁64が開弁され、それによりサブライン62が開放される。それに伴い、図6に示すように、第1アキュムレータ63のピストン63bがスプリング63cの付勢力により蓄圧室63d側に移動する(同図に中抜きの矢印で図示)。これにより、上述した第1アキュムレータ63などの閉回路内に蓄積された油圧が、サブライン62及びPUメイン油路51を介して、DR油室22c及びDN油室23cに供給されるとともに、さらに分岐油路41及びCLメイン油路43を介して、FWD油室12aに供給される。そして、オイルポンプ31の油圧が十分に立ち上がると、閉回路からの油圧に加え、オイルポンプ31からの油圧が、DR油室22cや、DN油室23c、FWD油室12aに供給される。したがって、本実施形態によれば、オイルポンプ31の運転の再開時、無段変速機6や前進クラッチ12に、油圧を十分に供給することができる。
なお、図6は、オイルポンプ31の運転の再開直後の状態を示しており、この状態では、オイルポンプ31による油圧がまだ十分に立ち上がっておらず、閉回路内の油圧のほうが高いので、同図に示すように、PUメイン油路51のサブライン62との接続部よりもオイルポンプ31側の部分では、作動油が、オイルポンプ31側に流れる。
また、上述した遮断弁64の開弁に伴い、第2アキュムレータ65のピストン65bを蓄圧室65d側に押圧する押圧力として、再度、背圧とスプリング65cの付勢力の双方から成る押圧力が作用する。これにより、ピストン65bが蓄圧室65d側に移動する(図6に中抜きの矢印で図示)ことによって、それまでに第2アキュムレータ65に蓄積されていた油圧(作動油)は、第2油路67、サブライン62及びPUメイン油路51を介して、第1アキュムレータ63からの油圧とともに、DR油室22cや、DN油室23c、FWD油室12aに供給される。したがって、本実施形態によれば、オイルポンプ31の運転の再開時、その停止中に第2アキュムレータ65に蓄積された油圧(作動油)を、無段変速機6や前進クラッチ12に無駄なく供給することができる。
さらに、上述したように、オイルポンプ31の運転の再開時に、第2アキュムレータ65に蓄積された作動油を排出できるので、再度、オイルポンプ31が停止したときに、閉回路内の油圧の一部を第2アキュムレータ65に適切に蓄積することができる。したがって、オイルポンプ31の運転/停止が繰り返し行われた場合でも、上述した効果を有効に得ることができる。
なお、オイルポンプ31の運転の再開時か否かの判定は、次のようにして行われる。すなわち、オイルポンプ31の動力源がエンジン3であることから、検出されたエンジン回転数NEが所定のしきい値を超えたときに、オイルポンプ31の運転の再開時であると判定される。なお、この判定のためのパラメータとして、オイルポンプ31の運転状態を表す他の適当なパラメータ、例えば、センサで検出されたオイルポンプ31の回転数や、検出されたオイルポンプ31の吐出口の油圧などを用いてもよい。
また、本実施形態における各種の要素と、本発明における各種の要素との対応関係は、次のとおりである。すなわち、本実施形態における無段変速機6が、本発明における駆動力伝達機構に相当し、本実施形態におけるPUメイン油路51が、本発明におけるメインラインに相当するとともに、本実施形態におけるECU2が、本発明における遮断弁制御手段に相当する。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、第2アキュムレータ65を第1アキュムレータ63に、第2油路67及びサブライン62を介して連通させているが、第2油路67のみを介して連通させてもよい。また、実施形態では、第2アキュムレータ65をPUメイン油路51に、第1油路66及びサブライン62を介して接続しているが、第1油路66のみを介して接続してもよい。さらに、実施形態では、オイルポンプ31は、ギヤポンプであるが、ベーンポンプなどでもよい。また、実施形態では、第1アキュムレータ63は、ピストン型のアキュムレータであるが、ブラダ型のアキュムレータなどでもよい。さらに、実施形態では、遮断弁64は、ソレノイド弁であるが、油圧式の弁などでもよい。
また、実施形態では、遮断弁64を開弁するタイミングを、オイルポンプ31の運転の再開時に設定しているが、第1アキュムレータ63などに蓄積された油圧を無段変速機6などに確実に供給する観点から、オイルポンプ31の運転の再開直前に設定してもよい。この場合、オイルポンプ31の運転の再開直前か否かの判定は、例えば次のようにして行われる。すなわち、エンジン3の自動停止中に、車両の運転者のエンジン3の再始動の意思を表すパラメータ、例えばブレーキ開度BRが前記再始動用の所定値を下回ったときに、オイルポンプ31の運転の再開直前であると判定される。これは、エンジン3の自動停止中にブレーキ開度BRが所定値を下回ってから、エンジン3が再始動され、オイルポンプ31の運転が再開されるまでに、ある程度、時間がかかるためである。
さらに、実施形態では、本発明の駆動力伝達機構は、ベルト型の無段変速機6であるが、エンジンからの駆動力を伝達するための他の油圧式の駆動力伝達機構、例えばLUクラッチ4cや、前進クラッチ12、後進ブレーキ13、有段式の自動変速機用のシンクロクラッチ、湿式の油圧クラッチ・ブレーキなどに適用してもよい。この場合、駆動力伝達機構の数は、任意である。また、実施形態では、本発明のエンジンは、ガソリンエンジンで構成されたエンジン3であるが、ディーゼルエンジンや、LPGエンジンなどでもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
2 ECU(遮断弁制御手段)
3 エンジン
6 無段変速機(駆動力伝達機構)
31 オイルポンプ
51 PUメイン油路(メインライン)
62 サブライン
63 第1アキュムレータ
64 遮断弁
65 第2アキュムレータ
65a シリンダ
65b ピストン
65c スプリング
65d 蓄圧室

Claims (2)

  1. 車両の動力源であるエンジンからの駆動力を伝達するための油圧式の駆動力伝達機構に、油圧を供給する油圧供給装置であって、
    前記エンジンを動力源とし、前記駆動力伝達機構に、メインラインを介して油圧を供給するためのオイルポンプと、
    前記メインラインにサブラインを介して接続され、油圧を蓄積可能な第1アキュムレータと、
    前記サブラインを開放/閉鎖するために開閉される遮断弁と、
    前記オイルポンプの運転中には、前記遮断弁を開弁し、前記オイルポンプの停止中には、前記メインラインと前記第1アキュムレータの間を遮断することによって前記第1アキュムレータに蓄積された油圧を保持するために、前記遮断弁を閉弁する遮断弁制御手段と、
    前記第1アキュムレータに連通し、前記オイルポンプの停止中に、前記遮断弁により閉鎖された前記サブラインと前記第1アキュムレータとを含む閉回路内の油圧の一部を蓄積する第2アキュムレータと、
    を備えることを特徴とする油圧供給装置。
  2. 前記第2アキュムレータは、シリンダと、当該シリンダ内に移動可能に設けられたピストンと、前記シリンダ及び前記ピストンの一方の端面によって画成され、前記第1アキュムレータに連通する、油圧を蓄積するための蓄圧室と、前記ピストンを前記蓄圧室側に付勢するスプリングとを有し、
    前記ピストンは、前記オイルポンプの運転中、前記ピストンの他方の端面に、前記メインラインからの油圧が背圧として作用するように、設けられており、
    前記スプリングの付勢力は、前記オイルポンプの運転中に、当該スプリングの付勢力と前記背圧の和が、前記サブラインと前記第1アキュムレータを含む回路内の油圧よりも大きくなるように、設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の油圧供給装置。
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