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JP2004298006A - 魚釣用リール - Google Patents

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JP2004298006A JP2003091629A JP2003091629A JP2004298006A JP 2004298006 A JP2004298006 A JP 2004298006A JP 2003091629 A JP2003091629 A JP 2003091629A JP 2003091629 A JP2003091629 A JP 2003091629A JP 2004298006 A JP2004298006 A JP 2004298006A
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Kazuyuki Matsuda
和之 松田
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Globeride Inc
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Daiwa Seiko Co Ltd
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Abstract

【課題】同じリールおよびスプールを用いて、実釣りにおける様々な状況変化に十分対応することのできるドラグ性能特性を選択可能とした魚釣用リールを提供すること
【解決手段】リール本体12に設けた支軸20に、スプール22を回転自在に装着し、スプールの凹部23内に配置した摩擦装置36を、支軸に回り止めされた押圧板38を介してスプール22に押圧し、押圧板38とスプール22との間の互いに摩擦係合する少なくとも一対の摩擦係合面により、支軸20に対するスプール22の摩擦結合力を形成するドラグ装置24を備え、スプール22に回り止めされるスプール側摩擦板44と、支軸20に回り止めされる支軸側摩擦板42との一方の回り止めを解除可能に形成し、スプール側摩擦板44と支軸側摩擦板42とを回り止めした強制動モードと、スプール側摩擦板44と支軸側摩擦板42との一方の回り止めを解除した弱制動モードとに切換え可能な魚釣用リール。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に釣糸が巻回されるスプールの回転に抵抗力を付与するドラグ装置を備えた魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ドラグ装置を備えた魚釣用リールは、リール本体に設けた支軸に、釣糸を巻回するスプールを回転自在に装着し、このスプールの軸方向に開口する凹部内に配置した摩擦装置を、支軸に回り止めされた押圧板を介してスプールに押圧し、摩擦装置を介挿した押圧板とスプールとの間に配置されかつ互いに摩擦係合する少なくとも一対の摩擦係合面により、支軸に対するスプールの摩擦結合力を形成する。
【0003】
このような魚釣用リールには、摩擦装置を形成する複数のワッシャをスプールに着脱可能なカセット式に形成し、実釣に必要なドラグ機能を付与すると共に、競技あるいは遠投等を行う場合には、これらのワッシャを取外してスプールと支軸とを一体的に結合可能としたものがある(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
このような魚釣用リールによると、ドラグ装置を装備したスプールユニットやドラグ装置を持たないリール等の種々の用具を用意することなく、1つの魚釣用リールで、ドラグ機能を有する魚釣用リールとドラグ機能を持たない魚釣用リールとの双方を兼用することができる。
【0005】
【特許文献1】
実公昭55−17824号公報
【0006】
【特許文献2】
実公昭57−19985号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のようなドラグ機能の使用状態と、ドラグ機能の使用不能状態とを切換えるとしても、ドラグ機能の制動特性を変更することはできない。このため、釣対象魚あるいは釣法等によって、強い制動力・粘りが必要とされる場合や、強い制動力は必要ないが滑らかな滑り出しと釣糸張力の変動が少ない制動力が必要な場合等の実釣りにおける様々な状況変化に対応させることはできない。
【0008】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、同じリールおよびスプールを用いて、実釣りにおける様々な状況変化に十分対応することのできるドラグ性能特性を選択可能とした魚釣用リールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を達成するための手段】
上記目的を達成する本発明の魚釣用リールは、リール本体に設けた支軸に、釣糸を巻回するスプールを回転自在に装着し、このスプールの軸方向に開口する凹部内に配置した摩擦装置を、前記支軸に回り止めされた押圧板を介してスプールに押圧し、前記摩擦装置を介挿した押圧板とスプールとの間に配置されかつ互いに摩擦係合する少なくとも一対の摩擦係合面により、前記支軸に対するスプールの摩擦結合力を形成するドラグ装置を備えた魚釣用リールであって、前記摩擦装置は、押圧板とスプールとの間に、スプールと回り止めされるスプール側摩擦板と、支軸と回り止めされる支軸側摩擦板とを交互に配置し、前記スプール側摩擦板と支軸側摩擦板との少なくとも一方の回り止めを解除可能に形成し、前記スプール側摩擦板をスプールに回り止めしかつ前記支軸側摩擦板を支軸に回り止めすることにより、前記押圧板とスプールとの間に複数対の摩擦係合面を形成する強制動モードと、前記スプール側摩擦板と支軸側摩擦板との少なくとも一方の回り止めを解除することにより、強制動モードよりも少ない対の摩擦係合面を形成する弱制動モードとに切換え可能としたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1から図5は本発明の好ましい実施形態による魚釣用リール10の全体を概略的に示す。
図1に示すように、魚釣用リール10は、リール本体12と、リール本体12から延出する脚部12aと、脚部12aの端部に形成され且つ図示しない釣竿に取り付けられる竿取付部12bとを有している。リール本体12内にはハンドル軸14が回転可能に支持されており、リール本体12から突出するハンドル軸14の端部にはハンドル15が固定されている。
【0011】
ハンドル軸14のリール本体12内に配置される部位には、図示しないドライブギアが取り付けられており、このドライブギアに、ハンドル軸14に対して直交する方向に延在し且つ軸受けを介してリール本体12内に回転可能に支持された円筒状構造のピニオンギア(図示しない)が噛合している。このピニオンギアの先端部には、ベール16および釣糸案内装置17を備えたロータ18が一体的に取り付けられている。
【0012】
また、このピニオンギア内には、支軸(スプール軸)20が摺動可能に支持されており、上述のドライブギアを介してハンドル軸14で作動されるオシレーティング機構(図示しない)により、軸方向に沿う一定のストロークで往復駆動することができる。この支軸20の先端には、釣糸が巻回されるスプール22が着脱可能に取付けられ、支軸20と共にこのハンドル軸14と直交する方向に往復動することができる。
【0013】
したがって、この魚釣用リール10は、ハンドル15を回転操作してハンドル軸14を回転させると、オシレーティング機構および支軸20を介してスプール22が前後に一定ストロークで往復動するとともに、ドライブギアおよびピニオンギアを介してロータ18が回転する。これにより、ロータ18に設けられた釣糸案内装置17を介して、スプール22に釣糸が均等に巻回される。
【0014】
本実施形態の魚釣用リール10には、フロントドラグ方式のドラグ装置24を設けてあり、スプール22に制動力を付与しながらスプール22の釣糸繰り出し方向への回転を許容する(スプールの回転力を制御する)。このスプール22は、ピン26を介して支軸20に回り止め固定された支持部材28上に、軸方向に離隔した一対のベアリング30を介して回転自在に支持され、ドラグ装置24により、この支持部材28の後端側フランジ部に回転不能に固定されたライニング材を兼ねる圧接板32に押圧されている。
【0015】
図2および図4に詳細に示すように、このドラグ装置24は、支軸20の先端に螺合されるドラグ調節ツマミ34と、スプール22の軸方向に開口する凹部23内に配置した摩擦装置36と、この摩擦装置36を圧接板32に押圧する押圧板38とを備える。この押圧板38は、支持部材28に回り止めされかつこの支持部材28上を軸方向に移動可能に装着してあり、本実施形態ではスプール22に回り止めされた摩擦装置36を介して圧接板32との間で、スプール22の支持壁21を挟み込み、支持部材28および支軸20に対するスプール22の摩擦結合力を形成する。
【0016】
この摩擦装置36に対する押圧板38の押圧力は、ドラグ調節ツマミ34と押圧板38との間に配置した圧縮バネ40の付勢力で形成され、この押圧力はドラグ調節ツマミ34で調節することができる。すなわち、ドラグ調節ツマミ34を支軸20に捩じ込むと、この捩じ込み量に応じたバネ40の押圧力で、スプール22が支持部材28上に支えられた圧接板32に押圧され、支軸20に対するスプール22の回転が規制される。逆に、ドラグ調節ツマミ34を緩めると、その緩め具合に応じて、スプール22の制動抵抗が低下し、支軸20に対して回転し易くなる。
【0017】
本実施形態の摩擦装置36は、内周部を支持部材28に回り止め嵌合された金属製の支軸側摩擦板42と、外周部をスプール22に回り止めされたスプール側摩擦板44とを有する多板構造に形成されている。支軸側摩擦板42およびスプール側摩擦板44をそれぞれ2枚以上設けてもよく、これらの支軸側摩擦板42とスプール側摩擦板44とを交互に配置し、互いに対向する摩擦係合面間には、例えば0.5〜1.5mm程度の厚さのライニング材50を介挿する。これらの摩擦係合面間に介挿したライニング材50は、対向する摩擦係合面の一方に接着固定してもよく、あるいは、いずれの摩擦係合面にも固定することなく、ライニング材50のみを交換可能としてもよい。
【0018】
この支持部材28と支軸側摩擦板42との間の回り止めは、支軸側摩擦板42の中央部に形成した装着孔を、支持部材28の外周面の非円形形状(図3および図5参照)に対応した非円形形状に形成し、支持部材28の非円形形状の外周面に、支軸側摩擦板42の非円形形状の装着孔を嵌合することにより、行っている。
【0019】
また、このスプール側摩擦板44とスプール22との間の回り止めは、スプール22の支持壁21を貫通して凹部23内にその先端部が突出する本実施形態では4本の固定ピン46(ロック部材)と、スプール側摩擦板42の外周部に形成され、この固定ピン46に嵌合可能な4つの係止溝45(係止部)とで行っている。ロック部材としての固定ピン46は、基部に形成した雄ねじ46aを支持壁21の貫通孔21aに形成した雌ねじに螺合することにより、スプール22に対して着脱自在となっている。
【0020】
なお、支軸側摩擦板42の外径は、固定ピン46をスプール22に取付けたときに、この固定ピン46と干渉しない大きさに形成してある。この固定ピン46の配置位置を可能な限りスプール22の半径方向外方に配置するため、スプール22の凹部23を区画する内周面に固定ピン46の一部を受入れ可能な軸方向溝49を形成することが好ましい。
【0021】
この摩擦装置36は、固定ピン46を係止部すなわち係止溝45に嵌合してスプール側摩擦板44をスプール22に回り止め固定すると、押圧板38と支持壁21との間で3対の摩擦係合面を形成する。すなわち、スプール側摩擦板44と押圧板38との間、スプール側摩擦板44と支軸側摩擦板42との間、および、支持壁21と支軸側摩擦板42との間がそれぞれ摩擦係合面の対を形成し、これにより、強い制動力・粘りを形成する強制動モードで作用することができる。
【0022】
一方、スプール側摩擦板44の回り止めを解除した場合、すなわち固定ピン46をスプール22の貫通孔21aに対して後端側に移動し、固定ピン46とスプール側摩擦板44の係止溝45との嵌合を解除すると、スプール側摩擦板44は、押圧板38と支軸側摩擦板42との間に挟持され、押圧板38と支軸側摩擦板42とに固定された状態となり、支軸側摩擦板42と支持壁21との間が摩擦係合面の対を形成する。これにより、摩擦装置36は、押圧板38と支持壁21との間で一対の摩擦係合面を形成する。すなわち、支持壁21と支軸側摩擦板42との間が摩擦係合面の対を形成し、これにより、滑らかな滑り出しと釣糸張力の変動が少ない弱制動モードで作用することができる。
【0023】
なお、スプール側摩擦板44の回り止めを解除する場合、固定ピン46と係止溝45との係合が解除できればよく、このため、図4に示すように、固定ピン46をスプール22の支持壁21から完全に除去することは必ずしも必要ない。固定ピン46の軸方向移動を防止した状態であれば、固定ピン46の雄ねじ46aを貫通孔21aに部分的に螺合させたままであってもよい。
【0024】
この魚釣用リール10のドラグ装置24を、図1から図3に示す強制動モードあるいは図4および図5に示す弱制動モードに切換える場合は、支軸20からドラグ調整ツマミ34を取外し、押圧板38および摩擦装置36と共にスプール22を支持部材28上から抜出す。この状態でスプール22のスカート側から固定ピン46を操作することができる。また、スプール側摩擦板44は支持部材28上を回動自在であるため、係止溝45をスプール22の軸方向溝49に容易に位置合わせすることができる。また、各制動モードにおける摩擦力の調整はドラグ調節ツマミ34を通じて行う。
【0025】
したがって、本実施形態の魚釣用リール10によると、同じリール10およびスプール22を用いて、図2に示す強制動モードと図4に示す弱制動モードとに自由に切換えることができ、釣対象魚あるいは釣法等によって、強い制動力・粘りが必要とされる場合にはスプール側摩擦板44を回り止めして強制動モードに切換え、強い制動力は必要ないが滑らかな滑り出しと釣糸張力の変動が少ない制動力が必要な場合には、スプール側摩擦板44の回り止めを解除して弱制動モードに切換えることにより、実釣りにおける様々な状況変化に十分対応することのできるドラグ性能特性を選択することができる。
【0026】
図6および図7は、第2の実施形態による魚釣用リール10のドラグ装置24を示す。なお、以下に説明する種々の実施形態は、基本的には上述の実施形態と同様であるため、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この実施形態の摩擦装置36では、スプール側摩擦板44はその耳部44aをスプール22の支持壁21に形成した貫通孔21aに嵌合させることにより回り止めし、一方、支軸側摩擦板42は、支持部材28を通って凹部23内に突出する固定ピン46Aに、内周部に形成した係止溝43を嵌合させることにより、回り止めされている。
【0027】
図7に示すように、本実施形態では、スプール22を支軸26に対して回り止めするピン26と干渉しない位置で固定ピン46Aは支持部材28の径方向に対向させて2本配置してある。また、上述の実施形態における固定ピン46と同様に、固定ピン46Aの後端部に雄ねじを形成し、支持部材28のピン孔の後端部に雌ねじを形成してある。また、支持部材28は、この固定ピン46Aを挿通するため、特にスプール22の支持壁21を支える部位を大径に形成し、支持壁21の装着孔および軸受30も大径に形成してある。
【0028】
この実施形態では、固定ピン46Aを介して支軸側摩擦板42を支軸に対して回り止めした場合には、上述の実施形態と同様に3対の摩擦係合面が形成され、支軸側摩擦板42の回り止めを解除した場合には、押圧板38とスプール側摩擦板44との間が摩擦係合面の対を形成し、これにより、押圧板38と支持壁21との間に一対の摩擦係合面が形成される。
なお、固定ピン46Aはその後端部が支持部材28から突出する比較的長い寸法を有しているが、これよりも短く形成して支持部材28から突出しない状態とすることも可能である。
【0029】
図8から図10は第3の実施形態による魚釣用リール10のドラグ装置24を示す。
本実施形態の摩擦装置36は、第2の実施形態の支軸側摩擦板42が支持部材28を介して支軸20に回り止めされることに代え、支軸側摩擦板42を押圧板38を介して支軸20に回り止めしている。
【0030】
このため、押圧板38の内周部に近接する部位に固定ピン46Bのストッパを兼ねる頭部を収容する段付き孔38aを形成し、固定ピン46Bがこの押圧板38の前端から突出するのを防止する。また、スプール側摩擦板44の中央部の装着孔はこれらの固定ピン46Bと干渉しない大きさに形成し、支軸側摩擦板42には、固定ピン46Bの先端部が嵌合する係止溝41を形成してある。
【0031】
この固定ピン46Bは、支軸側摩擦板42の係止溝41に嵌合したときに、ドラグ調節ツマミ34のバネ受け35により抜けを防止することができるため、上述の実施形態における固定ピンのようにねじを設ける必要はない。また、スプール22の全体を支軸20から取外すことなく制動モードを切換えることができる。
固定ピン46Bにより支軸側摩擦板42を回り止めして、押圧板38と共に支持部材28に対して回り止めした強制動モード、および、ドラグ調節ツマミ34を取り外し、押圧板38に装着されている固定ピン46Bを脱外することで、支持部材28に対する支軸側摩擦板42の回り止めを解除した弱制動モードに切換えることができ、基本機能は上述の第2の実施形態と同様である。
【0032】
図11から図16は、第4の実施形態による魚釣用リール10のドラグ装置24を示す。
この実施形態は、第1の実施形態とほぼ同様にスプール側摩擦板44を回り止めするもので、固定ピン46Cと係合溝45との嵌脱制御を外部からの操作で行うことが可能な制動モード切換機構を備えている。
【0033】
本実施形態では、スプール22の釣糸巻回胴部22aの内側に、支持壁21からスカート部22bに至る突部52を形成し、この突部52内に貫通孔21aを形成してある。この貫通孔21aは、スカート部22b側を拡径した段付き孔に形成してあり、この貫通孔21aの大径部内に収容した圧縮ばね54により、固定ピン46Cが、拡大頭部を介してスカート部22b側すなわち係合溝45から脱する方向に付勢されている。
【0034】
この固定ピン46Cと係止溝45との嵌脱を制御して強制動モードと弱制動モードとを切換える制動モード切換機構は、スカート部22b内に配置した制御リング56を備える。この制御リング56は、円弧状に形成した複数の長孔58を有し、スプール22のスカート部22b内で後方に向けて延びる支持ピン25をこれらの長孔58に挿通させて抜け止めすることで、このスカート部22b内に支えられている。このため、制御リング56は、長孔58の長さ分だけ周方向に移動することができる。また、スカート部22bには、制御リング56の外周部から突出した指掛部57を挿通するガイド溝60を形成してあり、このガイド溝60から突出する指掛部57を通じて制御リング56を周方向に沿って移動することができる。
【0035】
この制御リング56は、固定ピン46Cに対向する側に、この制御リング56と一体的に移動するカム部材62を有する。このため、制御リング56の回転に伴ってカム部材62が回転すると、固定ピン46Cの頭部と接触するカム部材62のカム面の作用により、図11から図13に示すように、固定ピン46Cがスプール側摩擦板44の係止溝45に嵌合する位置(強制動モード)と、図14から図16に示すように、固定ピン46Cがスプール側摩擦板44の係止溝45から脱した位置(弱制動モード)との間を移動することができる。
【0036】
摩擦装置36が強制動モードにあるか、あるいは、弱制動モードにあるかは、この制動モード切換機構の制御リング56の指掛部57の位置から容易に確認することができる。
【0037】
なお、上述の実施形態における制動モード切換機構のように、スプール側摩擦板44の固定を解除する固定ピン46Cの移動を制御することに代え、支軸側摩擦板42の固定を解除する固定ピン46A,46Bの移動を制御することで制動モードを切換えることも可能である。また、支軸側摩擦板42とスプール側摩擦板44とをそれぞれ複数枚配置した場合には、複数のスプール側摩擦板44の回り止めを解除可能とすることにより、更に制動モードを細かく区分けすることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明によると、同じリールおよびスプールを用いて、実釣りにおける様々な状況変化に十分対応することのできるドラグ性能特性を選択可能とした魚釣用リールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による魚釣用リールの説明図。
【図2】図1の魚釣用リールを強制動モードに配置したスプールの内部構造を示す拡大図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】図1の魚釣用リールを弱制動モードに配置した図2と同様な拡大図。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図。
【図6】第2の実施形態による魚釣用リールの図2と同様な拡大図。
【図7】図6のC−C線に沿う断面図。
【図8】第3の実施形態による魚釣用リールの図2と同様な断面図。
【図9】図8のD−D線に沿う断面図。
【図10】図8のE−E線に沿う断面図。
【図11】第4の実施形態による魚釣用リールを強制動モードに配置した状態の図2と同様な断面図。
【図12】図11のスプールの一部を欠截して示す概略図。
【図13】図11の魚釣用リールの制御リングの配置を示す説明図。
【図14】図11の魚釣用リールを弱制動モードに配置した状態の説明図。
【図15】図14のスプールの一部を欠截して示す概略図。
【図16】図14の魚釣用リールの制御リングの配置を示す説明図。
【符号の説明】
10…魚釣用リール、12…本体、20…支軸、22…スプール、23…凹部、24…ドラグ装置、36…摩擦装置、38…押圧板、42…支軸側摩擦板、44…スプール側摩擦板、45…係止溝、46…固定ピン。

Claims (2)

  1. リール本体に設けた支軸に、釣糸を巻回するスプールを回転自在に装着し、このスプールの軸方向に開口する凹部内に配置した摩擦装置を、前記支軸に回り止めされた押圧板を介してスプールに押圧し、前記摩擦装置を介挿した押圧板とスプールとの間に配置されかつ互いに摩擦係合する少なくとも一対の摩擦係合面により、前記支軸に対するスプールの摩擦結合力を形成するドラグ装置を備えた魚釣用リールであって、
    前記摩擦装置は、押圧板とスプールとの間に、スプールと回り止めされるスプール側摩擦板と、支軸と回り止めされる支軸側摩擦板とを交互に配置し、前記スプール側摩擦板と支軸側摩擦板との少なくとも一方の回り止めを解除可能に形成し、前記スプール側摩擦板をスプールに回り止めしかつ前記支軸側摩擦板を支軸に回り止めすることにより、前記押圧板とスプールとの間に複数対の摩擦係合面を形成する強制動モードと、前記スプール側摩擦板と支軸側摩擦板との少なくとも一方の回り止めを解除することにより、強制動モードよりも少ない対の摩擦係合面を形成する弱制動モードとに切換え可能としたことを特徴とする魚釣用リール。
  2. 前記回り止めは、スプールと支軸との一方に着脱自在に装着されるロック部材と、スプール側摩擦板と支軸側摩擦板との一方に形成されて、前記固定ピンに嵌合される係止部とを有し、このロック部材と係止部との嵌脱を、リール本体の外部から操作可能な制動モード切換機構で制御可能としたことを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
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