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JP2005328755A - 釣り用リールのスプールの制動操作構造 - Google Patents

釣り用リールのスプールの制動操作構造 Download PDF

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JP2005328755A JP2004150084A JP2004150084A JP2005328755A JP 2005328755 A JP2005328755 A JP 2005328755A JP 2004150084 A JP2004150084 A JP 2004150084A JP 2004150084 A JP2004150084 A JP 2004150084A JP 2005328755 A JP2005328755 A JP 2005328755A
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【課題】 制動操作構造において、操作つまみが装着部から抜け落ちないようにするとともに、操作つまみを装着部に対して安定して回動させることができるようにする。
【解決手段】 制動操作構造9は、リール本体1に取り付けられ、回動操作によりスプールの制動力を調節するためのものである。この構造は、装着筒部1cと、操作つまみ27と、ねじ部材28とを備えている。装着筒部は、リール本体から円筒状に突出して形成されている。操作つまみは、装着筒部を収納可能に有底円筒状に形成されており、回動操作によりスプールの制動力を調節可能になっている。ねじ部材は、外周に雄ねじ部29a,29bを有し、円筒状に形成されており、装着筒部の径方向外方から装着筒部に装着可能に分割されている。このねじ部材は、装着筒部の外周と操作つまみの内周との間で装着筒部と操作つまみに係合している。そして、操作つまみを装着筒部に対して回動可能かつ装着筒部の突出方向に抜け止め可能にしている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、制動操作構造、特に、釣り用リールのリール本体に取り付けられ、スプールの制動力を調節して操作するための釣り用リールのスプールの制動操作構造に関する。
従来の釣り用リールには、回動操作によりリール本体内部に組み込まれた各種の機構を調節してスプールの制動力を変化させる制動操作構造が広く採用されている。このような制動操作構造には、たとえば、リアドラグ型スピニングリールのリアドラグ機構のドラグ力を調節するものがある。
従来のスピニングリールのリアドラグ機構に用いられる制動操作構造は、装着部と、操作つまみと、音出し部材と、固定ボルトとを備えている。装着部は、リール本体後部に円筒状に突出して形成されており、外周に雄ねじ部を有している。操作つまみは、装着部を収納可能に有底円筒状に形成されており、内周に雌ねじ部を有している。この雌ねじ部は、装着部の雄ねじ部に螺合可能になっている。また、操作つまみには押圧部材が含まれており、この押圧部材は、装着部の内周部でリアドラグ機構の後部に配置されている。押圧部材は、円柱状の押圧部と押圧部から円柱状に突出した突出部とからなっている。押圧部は、リアドラグ機構側に配置されており、リアドラグ機構を押圧する部分である。突出部は、押圧部より小径に形成されており、操作つまみ側に配置され操作つまみに装着される。この突出部の外周には凹凸が所定の間隔で形成されている。
音出し部材は、たとえば、半円状のバネ部材であり、両端部が装着部を外周側から内周側へと貫通している。音出し部材の両端部は、装着部の内周部において、押圧部材の突出部外周に形成された凹凸に係合している。また、音出し部材の両端部は、押圧部材の押圧部後部を係止可能になっており、押圧部材の後方への抜け出しを規制している。固定ボルトは、操作つまみの底部側外方から操作つまみの底部を貫通して押圧部材を操作つまみに固定している。
従来の制動操作構造では、まず、リール本体に組み付けられたリアドラグ機構の後部に押圧部材を装着する。次に、装着部に音出し部材を装着して、音出し部材の両端部を押圧部材の押圧部の後方において、押圧部材の突出部の凹凸に係合させる。最後に、操作つまみを、装着部に螺合させながら装着して、固定ボルトを用いて押圧部材に固定する。このように組み立てられる制動操作構造では、操作つまみを回動操作したとき、音出し部材の両端部が押圧部材の凹凸に衝突を繰り返してクリック音を発する。このとき、操作つまみに固定ボルトで固定された押圧部材が、リアドラグ機構を押圧したり押圧解除したりして、リアドラグ機構のドラグ力が調節される。ここで、リアドラグ機構の押圧を解除する方向に操作つまみを回動させ続けていくと、押圧部材が操作つまみとともに後方へと移動し、いずれ押圧部材の押圧部後部が音出し部材の両端部に当接して係止される。このようにして、押圧部材を含む操作つまみは装着部から抜け落ちないようになっている。
実全昭60−168375号公報(第1図、第6図)
従来の制動操作構造では、リアドラグ機構の押圧を解除する方向に操作つまみを回動させたとき、押圧部材を含む操作つまみが装着部から抜け落ちないようにするために、押圧部材の押圧部後部を音出し部材の両端部に当接させて係止させている。しかしながら、押圧部材の押圧部後部を音出し部材の両端部に当接させた状態で、リアドラグ機構の押圧を解除する方向に操作つまみをさらに回動させてしまうと、操作つまみの雌ねじ部及び装着部の雄ねじ部の摩耗の程度が大きくなってしまうおそれがある。また、状況によっては、操作つまみの雌ねじ部及び装着部の雄ねじ部のねじ山が損傷してしまうおそれがある。すると、操作つまみを安定して回動させにくくなる。
一方、従来の制動操作構造では、操作つまみを装着部に螺合させている。そして、固定ボルトが、操作つまみの底部側外方から操作つまみの底部を貫通して押圧部材を操作つまみに固定している。このように固定ボルトを用いて押圧部材を操作つまみに固定すると、ボルト頭部が操作つまみの底部外面に現れるので、操作つまみの見映えが損なわれるおそれがある。
本発明の課題は、制動操作構造において、操作つまみが装着部から抜け落ちないようにするとともに、操作つまみを装着部に対して安定して回動させることができるようにすることにある。
本発明の別の課題は、制動操作構造において、操作つまみの見映えを損なわないように操作つまみを装着部に装着することができるようにすることにある。
発明1に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造は、釣り用リールのリール本体に取り付けられ、回動操作によりスプールの制動力を調節するためのものである。この釣り用リールのスプールの制動操作構造は、装着部と、操作つまみと、ねじ部材とを備えている。装着部は、リール本体から円筒状に突出して形成されている。操作つまみは、装着部を収納可能に有底円筒状に形成されており、回動操作によりスプールの制動力を調節可能になっている。ねじ部材は、外周又は内周にねじ部を有し、円筒状に形成されており、装着部の径方向外方から装着部に装着可能に分割されている。このねじ部材は、装着部の外周と操作つまみの内周との間で装着部と操作つまみに係合している。そして、操作つまみを装着部に対して回動可能かつ装着部の突出方向に抜け止め可能にしている。
この制動操作構造では、分割されたねじ部材が、装着部の径方向外方から装着部に装着される。このねじ部材は、装着部の外周において装着部に係合する。操作つまみは、内周部に装着部を収納して、内周においてねじ部材に係合する。このような操作つまみは、ねじ部材によって、装着部に対して回動可能かつ装着部の突出方向に抜け止めされる。この状態で、操作つまみを回動操作することで、スプールの制動力が調節される。
ここでは、ねじ部材が、装着部の外周と操作つまみの内周との間で装着部と操作つまみに係合して、操作つまみを装着部に対して回動可能かつ装着部の突出方向に抜け止め可能にしている。この状態で、操作つまみを回動操作することで、スプールの制動力が調節されるようになっている。これにより、操作つまみを装着部から抜け落ちないようにすることができるとともに、操作つまみを装着部に対して安定して回動させることができる。このように操作つまみを抜け止めして操作できるようにすると、固定ボルトのような固定部材を用いる必要がないので、操作つまみの見映えを損なわないように操作つまみを装着部に装着することができる。
発明2に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明1に記載の構造において、装着部の外周に環状溝が形成されている。また、ねじ部材の内周には、環状溝に嵌合可能な第1抜け止め突出部が形成されている。この場合、装着部の外周に形成された環状溝に、ねじ部材の第1抜け止め突出部が嵌合可能になっている。これにより、ねじ部材の第1抜け止め突出部を装着部の環状溝に嵌合することで、ねじ部材が装着部から抜け出さないようにすることができるとともに、ねじ部材を装着部に対して安定に回動させることができる。
発明3に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明1又は2に記載の構造において、ねじ部材の外周にねじ部としての第1雄ねじ部が形成されている。また、操作つまみの内周には、操作つまみをねじ部材に連結するために第1雌ねじ部が第1雄ねじ部に螺合可能に形成されている。この場合、ねじ部材の外周に形成された第1雄ねじ部に、操作つまみの内周に形成された第1雌ねじ部が螺合可能になっている。これにより、ねじ部材の第1雄ねじ部に操作つまみの第1雌ねじ部を螺合することで、操作つまみを、ねじ部材に連結してねじ部材とともに装着部まわりに安定に回動させることができる。
発明4に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明3に記載の構造において、ねじ部材の一端部の外周において鍔部が径方向外方に向けて突出して形成されている。この鍔部の外径は、ねじ部材の外周に形成された第1雄ねじ部の外径より大径に形成されている。この場合、ねじ部材の一端部の外周に形成された鍔部の外径が、ねじ部材の外周に形成された第1雄ねじ部の外径より大径に形成されている。これにより、ねじ部材の外周に形成された第1雄ねじ部に、操作つまみの内周に形成された第1雌ねじ部を螺合させるときに、操作つまみをねじ部材の鍔部に当接させてねじ部材に確実に締め付け装着することができる。
発明5に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明1から4のいずれかに記載の構造において、装着部の内周に第2雌ねじ部が形成されている。また、操作つまみには、移動部材が含まれている。移動部材は、操作つまみの底部に回転不能に装着されており、スプール軸方向に移動可能になっている。この移動部材は、装着部内周の第2雌ねじ部に螺合可能な第2雄ねじ部を有している。そして、操作つまみを回動操作することにより、移動部材は、装着部の内周部において回転しながらスプール軸方向に移動してスプールの制動力を調節可能になっている。この場合、操作つまみには、底部に回転不能に装着された移動部材が含まれている。この移動部材は、第2雄ねじ部を装着部内周の第2雌ねじ部に螺合させることで、装着部の内周に配置されている。この状態で、操作つまみを回動操作すると、移動部材が装着部の内周部で回転しながらスプール軸方向に移動して、スプールの制動力が調節される。このようにしておけば、ねじ部材を介して装着部に抜け止めされた操作つまみを装着部に対して回動させたときに、スプールの制動力を確実に調節することができる。
発明6に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明1に記載の構造において、装着部の外周に第2抜け止め突出部と第3雄ねじ部とが設けられている。第2抜け止め突出部は、装着部の先端側外周において径方向外方に向けて突出して形成されている。第3雄ねじ部は、装着部の基端側外周において内径が第2抜け止め突出部の外周より小径に形成されている。また、ねじ部材の内周には、装着部の第3雄ねじ部に螺合可能なねじ部としての第3雌ねじ部が形成されている。この場合、装着部の基端側外周に形成された第3雄ねじ部に、ねじ部材の内周に形成された第3雌ねじ部が螺合可能になっている。装着部の第3雄ねじ部の内径は、装着部の先端側外周に形成された第2抜け止め突出部の外周より小径に形成されている。これらのことより、装着部の第3雄ねじ部にねじ部材の第3雌ねじ部を螺合させることで、ねじ部材を装着部に対して安定に回動させることができる。このとき、ねじ部材を回動させて装着部の先端側に移動させると、このねじ部材が装着部先端側の第2抜け止め突出部にいずれ当接するので、ねじ部材が装着部から抜け出さないようにすることができる。ここで、ねじ部材が装着部の第2抜け止め突出部に当接すると、これ以上はねじ部材を回動させて装着部の先端側に移動させることができなくなるため、装着部の第3雄ねじ部とねじ部材の第3雌ねじ部とに生じうる抜け止め時の摩耗やねじ山の損傷を防止することができる。
発明7に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明6に記載の構造において、操作つまみの内周に操作つまみの開口側から底部側に向けて延びる溝部が形成されている。また、ねじ部材の外周には、操作つまみとねじ部材との相対回転を規制するために、突出部が操作つまみの溝部に嵌合可能に形成されている。この場合、操作つまみの内周に形成された溝部に、ねじ部材の外周に形成された突出部が嵌合可能になっている。これにより、操作つまみの溝部にねじ部材の突出部を嵌合することで、操作つまみを、ねじ部材に連結してねじ部材とともに装着部に対して安定に回動させることができる。
発明8に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明7に記載の構造において、ねじ部材の突出部が装着部の突出方向逆側に操作つまみの溝部から抜け出さないようにするために、操作つまみの開口側の溝部の底部に爪部が溝部の底部から突出して形成されている。この場合、操作つまみの開口側において操作つまみの溝部の底部に爪部が形成されているので、操作つまみの溝部にねじ部材の突出部を嵌合したときに、ねじ部材の突出部が装着部の突出方向逆側に操作つまみの溝部から抜け出さないようにすることができる。これにより、操作つまみを、ねじ部材に連結してねじ部材とともに装着部まわりに安定に回動させることができる。
発明9に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明6から8のいずれかに記載の構造において、操作つまみの底部に、調整部が底部から開口側に突出して設けられている。この調整部は、操作つまみを回動操作することにより、装着部の内周部においてスプール軸方向に移動してスプールの制動力を調節可能になっている。この場合、操作つまみの底部に設けられた調整部が、操作つまみを回動操作することにより、装着部の内周部においてスプール軸方向に移動して、スプールの制動力が調節される。このようにしておけば、ねじ部材を介して装着部に抜け止めされた操作つまみを装着部に対して回動させたときに、スプールの制動力を確実に調節することができる。この場合、操作つまみを回動操作すると、操作つまみの底部に設けられた調整部が、装着部の内周部においてスプール軸方向に移動して、スプールの制動力が調節される。このようにしておけば、ねじ部材を介して装着部に抜け止めされた操作つまみを装着部に対して回動させたときに、スプールの制動力を確実に調節することができる。
発明10に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明1から9のいずれかに記載の構造において、装着部が、スピニングリールのリール本体から後方に突出して形成されている。この装着部は、スプール軸を制動するリアドラグ機構を内周部に収納している。ここで、操作つまみは、リアドラグ機構を調節するための操作つまみである。この場合、操作つまみが、装着部の内周部に収納されたリアドラグ機構を調節するための操作つまみとなっている。これにより、リアドラグ機構を調節するための操作つまみが装着部から抜け落ちないようにすることができるとともに、操作つまみを装着部に対して安定に回動させることができる。このように操作つまみを抜け止めして操作できるようにすると、固定ボルトのような固定部材を用いる必要がないので、操作つまみの見映えを損なわないように操作つまみを装着部に装着することができる。
発明11に係る釣り用リールのスプールの制動操作構造では、発明1から9のいずれかに記載の構造において、装着部が、両軸受リールのリール本体から側方に突出して形成されている。この装着部は、スプール軸に連動して回転する軸部材を内周部に収納している。ここで、操作つまみは、スプール軸に連動して回転する軸部材を制動するキャスティングコントロール機構の操作つまみである。この場合、操作つまみが、スプール軸に連動して回転する軸部材を制動するキャスティングコントロール機構の操作つまみとなっている。これにより、キャスティングコントロール機構の操作つまみが装着部から抜け落ちないようにすることができるとともに、操作つまみを装着部に対して安定に回動させることができる。
本発明によれば、ねじ部材が、装着部の外周と操作つまみの内周との間で装着部と操作つまみに係合して、操作つまみを装着部の突出方向に抜け止めしている。この状態で、操作つまみを回動操作することで、スプールの制動力が調節されるようになっている。これにより、操作つまみが装着部から抜け落ちないようにするとともに、操作つまみを装着部に対して安定して回動させることができる。このように操作つまみを抜け止めして操作できるようにすると、固定ボルトのような固定部材を用いる必要がないので、操作つまみの見映えを損なわないように操作つまみを装着部に装着することができる。
〔第1実施形態〕
図1に示す本発明の一実施形態を採用しリアドラグリールは、主に、ハンドル10を備えたリール本体1と、リール本体1の前部に回転自在に支持されたロータ2と、ロータ2の前部に配置され釣り糸を巻き取るためのスプール3とを備えている。ロータ2には釣り糸をスプール3に巻き取るためのベールアーム4が揺動自在に装着されている。ベールアーム4には、釣り糸を案内するラインローラ5が装着されている。
リール本体1は、図1に示すように、リールボディ1aを有しており、リールボディ1aの上部にはスピニングリールを釣り竿に取り付けるための竿取付部1bが形成されている。リールボディ1aの後部には、後方に突出する装着筒部1cが一体又は別体で設けられている。装着筒部1cは、図2に示すように、前後に並べて配置された抜け止め溝26と環状装着溝25とを外周面に有している。また、装着筒部1cは、雌ねじ部1dと係止溝1eとを内周面に有している。雌ねじ部1dは装着筒部1cの抜け止め溝26形成部分より前方に形成されている。係止溝1eは、装着筒部1cの後端部から雌ねじ部1dを超えてスプール軸方向に沿って奥側まで形成されている。装着筒部1cの内部には、スプール3を制動するリアドラグ機構9が収納されている。外部には、リアドラグ機構9の制動力を調整操作するための制動操作構造6が装着されている。
リールボディ1aの内部には、図1に示すように、ロータ2を回転させるためのロータ駆動機構7と、スプール3をロータ2の回転軸芯に沿って前後方向に移動させることで、スプール3に釣り糸を均一に巻き取るためのレベルワインド機構8とが設けられている。
ロータ駆動機構7は、ハンドル軸10aとともに回転するマスターギア11と、このマスターギア11と噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部はロータ2の中心部を貫通してスプール3側に延びている。ピニオンギア12は、ボディ1aに支持された軸受13a,13bによって回転自在に支持されている。そして、ピニオンギア12の中心部を、スプール軸14が回転軸芯に沿って前後方向に移動自在に貫通している。スプール軸14の先端にスプール3が回転不能に装着されている。ピニオンギア12の中心部において内径とスプール軸14の外径との間には、所定の隙間が確保されている。
レベルワインド機構8は、ハンドル10によってハンドル軸10aを回転させることで、スプール軸14を前後方向に運動させる機構である。レベルワインド機構8は、スプール軸14の下奥側に配置された螺軸15と、螺軸15に沿って前後方向に移動するスライダ16と、螺軸15の下方に配置されたガイド軸(図示せず)と、螺軸15の先端に固定されピニオンギア12に噛み合う中間ギア(図示せず)とを有している。螺軸15とガイド軸とは、スプール軸14と平行に配置されている。
リアドラグ機構9は、図2及び図3に示すように、円筒状のブッシュ18と、3種類6枚の前後に並べて配置された摩擦プレート19a,19b,19cからなる摩擦係合部19と、摩擦係合部19の摩擦プレート19a,19b,19c押し付け用のコイルスプリング21と、コイルスプリング21を押圧する押圧部材22とから構成されている。
ブッシュ18は、スプール軸14後部の外周に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。ブッシュ18の中央外周面上には音出しのための周方向に並べて形成された凹凸部18aとフランジ部18bとが前後に並べて配置されている。ブッシュ18の後部外周面には面取り部18cが形成されている。また、ブッシュ18の内周部には、スプール軸14の後端部に形成された面取り部14aに回転不能に装着される長孔部18dが形成されている。凹凸部18aには、リールボディ1aに装着された板ばね20の先端が接触している。これにより、ドラグ作動時にブッシュ18がスプール軸14とともに回転すると板ばね20が振動して発音する。
摩擦プレート19aは、ドラグ座金であり、フランジ部18bの後部から1枚おきに合計3枚配置される。摩擦プレート19bは、外周部が係止溝1eに係止され装着筒部1cに回転不能に係合して装着筒部1cに対して回転不能な耳付き座金であり、前から2番目と最後端とに2枚装着されている。摩擦プレート19cは、面取り部18cによりブッシュ18に回転不能に装着されるキー座金であり、前から4番目に装着される。なお、摩擦係合部19の摩擦プレート19a,19b,19cの枚数や形状は例示であり、本実施形態に限定されない。摩擦プレート19aの後面には、摩擦係合部19の後部に配置されたコイルスプリング21の一端が接触している。
押圧部材22は、コイルスプリング21の他端を係止可能に前面凹んだ大径の鍔部22aを前端部に有している。また、押圧部材22の中央外周面には、音出し用の周方向に並んだ凹凸部22bが形成されている。後端外周面にはX字状に径方向に突出する連結部22cが形成されている。凹凸部22bには、装着筒部1cに装着されたばね部材24が接触している。押圧部材22の鍔部2aの外周面には、装着筒部1cの雌ねじ部1dに螺合する雄ねじ部22dが形成されている。
ばね部材24は、弾性線材を半円形に湾曲して形成されており、内側に突出するように折り曲げられた1対の突出部24aが半円の両端に形成されている。ばね部材24は、装着筒部1cに形成された環状装着溝25に装着されている。環状装着溝25には、2箇所の貫通部25aが形成されており、突出部24aは貫通部25aを貫通して凹凸部22bに接触している。このばね部材24は、ドラグ操作時に発音する機能と、押圧部材22の抜け止めする機能とを有している。すなわち、突出部24aは、鍔部2aの背面側に接触して押圧部材22が装着筒部1cの内周部から抜けるのを防止している。
制動操作構造6は、図2及び図3に示すように、リール本体1のリールボディ1a後部に設けられた前述した装着筒部1cと、スプール3の制動力を調整するための操作つまみ27と、操作つまみ27にねじ込み固定されたねじ部材28を有している。
装着筒部1cは、リールボディ1aと一体形成された筒状部材であり、前述したように前後に並べて配置された抜け止め溝26と環状装着溝25とを外周面に有している。また、装着筒部1cは、雌ねじ部1dを内周面に有している。
操作つまみ27は、装着筒部1cを収納可能に後端が僅かに縮径した有底円筒状に形成され、回動操作によりスプール3の制動力を調節可能なものである。操作つまみ27の内周面の先端側には雌ねじ部27aが形成されている。操作つまみ27の底面には押圧部材22に向けて突出する係合凹部27bが形成されている。係合凹部27bは連結部22cに回転不能かつ軸方向移動自在に係合している。これにより、操作つまみ27を回動させると、雌ねじ部1dに螺合する押圧部材22が回動して前後に移動し、コイルスプリング21を伸縮させ、ドラグ力を増減させる。
ねじ部材28は、鍔付き筒状部材を直径上で2分割した半割鍔付き円筒形状の第1及び第2分割部材28a,28bを有している。第1及び第2分割部材28a,28bの外周面には、先端部に操作つまみ27に当接する大径の鍔部31a,31bが、中間部に操作つまみ27の内周面に形成された雌ねじ部27aに螺合可能な雄ねじ部29a,29bがそれぞれ形成されている。鍔部31a,31bは、径方向外方に突出して形成されており、鍔部31a,31bの外径が雄ねじ部29a,29bの外形より大きくなっている。これにより、ねじ部材28の外周に形成された雄ねじ部29a,29bに、操作つまみ27の内周に形成された雌ねじ部27aを螺合させるときに、操作つまみ27をねじ部材28の鍔部31a,31bに当接させてねじ部材28に確実に締め付け装着することができる。第1及び第2分割部材28a,28bの内周面の後端部には、抜け止め溝26に係合する抜け止め用の半割環状突起30a,30bが径方向内方に突出して形成されている。第1分割部材28aの第2分割部材28bと対向する分割面には1対の位置決め突起32a(図3)が形成されている。第2分割部材28bの第1分割部材28aと対向する分割面には1対の位置決め穴(図示せず)が形成されている。これにより、2つの分割部材28a,28bは、確実に位置決めされ、分割された雄ねじ部29a,29bが雌ねじ部27aに螺合可能に整列される。
次に、リアドラグリールの動作について説明する。
リール本体1からの糸繰り出し時には、ベールアーム4を糸開放側に倒す。そして、釣り竿をキャスティングすると、スプール3から釣り糸が繰り出される。糸巻き取り時には、ベールアーム4を糸巻取側に戻す。この状態でハンドル10を糸巻取方向に回転させると、この回転力がハンドル軸10a及びマスターギア11を介してピニオンギア12に伝達される。ピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12の前部においてロータ2を回転させる。一方で、ピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12に噛み合う中間ギア(図示しない)を介して螺軸15を回転させる。このとき、螺軸15の螺旋溝に噛み合うスライダ16が、ガイド軸に案内され前後方向に移動する。スライダ16が移動すると、スライダ16とともにスプール軸14とスプール3とが前後方向に往復移動する。こうしたロータ2の回転とスプール3の前後移動とによって、ベールアーム4及びラインローラ5から案内される釣り糸は、スプール3の外周に前後方向に均一に巻き取られる。
リアドラグ機構9は、スプール3を制動するものであり、操作つまみ27を回転させることによって、スプール3に対するドラグ力を調節できる。リール本体1の後部の操作つまみ27を締め付けると、押圧部材22が前方へと移動し、押圧部材22に接触するコイルスプリング21が押し込まれる。すると、摩擦係合部19の複数の摩擦プレート19a,19b,19cが互いに圧接し、ブッシュ18が複数の摩擦プレート19a,19b,19cによってリールボディ1aに向けて押圧される。このように、ブッシュ18がリールボディ1aに向けて押圧されることによって、ブッシュ18に対して回動不能なスプール軸14も回転しにくくなり、スプール3に作用するドラグ力は強くなる。一方、操作つまみを弛めると、押圧部材22は後方へと移動し、コイルスプリング21の押し込まれた状態が徐々に解除される。すると、摩擦プレート19a,19b,19cによるブッシュ18の押圧が解除されて、ブッシュ18に対して回動不能なスプール軸14は回転しやすくなり、スプール3に作用するドラグ力は弱くなる。
次に、制動操作構造の組立手順について説明する。
制動操作構造6を組み立てる際には、先にリアドラグ機構9を組み立ててばね部材24を環状装着溝25に装着する。そして、両分割部材28a,28bを装着筒部1cに半割環状起30a,30bを抜け止め溝26に係合させた状態で取り付ける。雌ねじ部27aを雄ねじ部29a,29bに螺合させた状態で操作つまみ27を先端が鍔部31a,31bに接触するまでねじ部材28にねじ込む。このとき、係合凹部27bが押圧部材22の連結部22cに係合するようにする。これにより、操作つまみ27が抜け止めされた状態で装着筒部1cに回転自在に装着される。
以上のことから、本実施形態の制動操作構造6では、リアドラグ機構9の機能はそのままで、操作つまみ27を装着筒部1cに容易に装着することができるとともに、操作つまみ27を装着筒部1cに対して安定して回動させることができる。また、固定ボルトを用いることなく、操作つまみ27を装着筒部1cに対して抜け止めできるので、見映えを損なわないように操作つまみ27を装着筒部1cに装着することができる。また、抜け止め部材を用いることなく、操作つまみ27が装着筒部26から抜け落ちないようにすることができる。
〔第2実施形態〕
図4に示す本発明の第2実施形態を採用したリアドラグリールは、主に、ハンドル60を備えたリール本体1と、リール本体1の前部に回転自在に支持されたロータ52と、ロータ52の前部に配置され釣り糸を巻き取るためのスプール53とを備えている。ロータ52には釣り糸をスプール53に巻き取るためのベールアーム54が揺動自在に装着されている。ベールアーム54には、釣り糸を案内するラインローラ55が装着されている。
リール本体51は、図4に示すように、リールボディ51aを有しており、リールボディ51aの上部にはスピニングリールを釣り竿に取り付けるための竿取付部51bが形成されている。リールボディ51aの内部には、ロータ52を回転させるためのロータ駆動機構57と、スプール53をロータ52の回転軸芯に沿って前後方向に移動させることで、スプール53に釣り糸を均一に巻き取るためのレベルワインド駆動機構58とが設けられている。リールボディ51aの後部には、リアドラグ機構59が内蔵されている。このリアドラグ機構59を操作するために、制動操作構造56がリールボディ51aの後部に装着されている。
ロータ駆動機構57は、ハンドル軸60aとともに回転するマスターギア61と、このマスターギア61と噛み合うピニオンギア62とを有している。ピニオンギア62は筒状に形成されており、その前部はロータ52の中心部を貫通してスプール53側に延びている。ピニオンギア62は、リールボディ51aに支持されたボールベアリング63a、63bによって回転自在に支持されている。そして、ピニオンギア62の中心部を、スプール軸64が回転軸芯に沿って前後方向に移動自在に貫通している。ピニオンギア62の内径とスプール軸64の外径との間には、所定の隙間が確保されている。
レベルワインド駆動機構58は、ハンドル60によってハンドル軸60aを回転させることで、先端にスプール53が回転不能に装着されたスプール軸64を前後方向に運動させる機構である。レベルワインド駆動機構58は、スプール軸64の下奥側に配置された螺軸65と、螺軸65に沿って前後方向に移動するスライダ66と、螺軸65の下方に配置されたガイド軸67と、螺軸65の先端に固定されピニオンギア62に噛み合う中間ギア(図示しない)とを有している。螺軸65とガイド軸67とは、スプール軸64と平行に配置されている。
リアドラグ機構59は、図5に示すように、円筒状のブッシュ68と、複数の摩擦プレート69a,70aからなる第1及び第2摩擦係合部69,70と、第1摩擦係合部69の摩擦プレート69a押し付け用のコイルスプリング71と、第2摩擦プレート70a押し付け用の押圧部材72とから構成されている。ブッシュ68は、スプール軸64後部の外周に嵌め込まれている。このブッシュ68に対して、スプール軸64は回動不能かつ摺動自在になっている。ブッシュ68後部の外周面上には第1フランジ部73が、ブッシュ68前部の外周面上には第2フランジ部74が、それぞれ設けられている。そして、第1及び第2フランジ部73,74に、第1及び第2摩擦係合部69,70の摩擦プレート69a,70aがそれぞれ配置されている。第1摩擦係合部69の後部にはコイルスプリング71が装着され、第2摩擦係合部70の後部には押圧部材72が配置されている。
制動操作構造56は、図5及び図6に示すように、リール本体51のリールボディ51a後部に筒状に設けられた装着筒部76と、第1及び第2ねじ部材78,79と、第2ねじ部材79を装着筒部76に保持する保持部材80と、第1及び第2操作部材81,82とを備えている。装着筒部76は、リールボディ51aに形成された雄ねじ部77と、雄ねじ部77と一体に形成される筒状部83とを有している。第1及び第2ねじ部材78,79には、装着筒部76の雄ねじ部77に螺合可能な雌ねじ部84a,84bがそれぞれ設けられている。筒状部83は、第1及び第2ねじ部材78,79の雌ねじ部84a,84bの内径より大径となるように形成されている。
第1及び第2ねじ部材78,79は、軸方向に半円筒状に分割され、第1及び第2突き合わせ部85a,86a(85b,86b)が、両ねじ部材78,79にそれぞれ形成されている。第1ねじ部材78は雄ねじ部77後方側で、第2ねじ部材79は雄ねじ部77前方側で、装着筒部76に螺合可能に装着されている。第1及び第2ねじ部材78,79の第1突き合わせ部85a,85bには、径方向に突出した突出部88a,88bが外周面上にそれそれ形成されている。第2ねじ部材79と押圧部材72との間には、第2ねじ部材79の動作を押圧部材72に伝達するために、押圧部材72を回転不能かつ軸方向移動可能に係止する係止部87が配置されている。
第1操作部材81は、図5及び図6に示すように、有底円筒状に形成され、筒状部83を収納可能な収納部83aを有している。収納部83aの底部には、押圧部90が一体に形成されている。第1操作部材81は、装着筒部76の雄ねじ部77外周に螺合させた第1ねじ部材78に装着させている。このとき、押圧部90は、第1摩擦係合部69の後部に装着されたコイルスプリング71に直列に連結される。
第2操作部材82は、円筒状に形成され、第2ねじ部材79を回動可能に操作するための径方向に突出した突起部91を有している。第2操作部材82は、第1操作部材81の前方で、第2ねじ部材79に取り付けられた保持部材80に装着されている。
第1及び第2操作部材81,82は円筒内面に形成された凹部92aを有し、この凹部92aと第1及び第2ねじ部材78,79の突出部88a,88bとが嵌合可能になっている。ここで、凹部92aと突出部88a,88bとを嵌合させた後、凹部92aから突出部88a,88bが抜け出さないように、凹部92aの底部前部には規制部93aが形成されている。この規制部93aは、凹部92aの底部から第1及び第2ねじ部材78,79の中心に向けて突出した突起で構成されている。
次に、リアドラグリールの動作について説明する。
リール本体51からの糸繰り出し時には、ベールアーム54を糸開放側に倒す。そして、釣り竿をキャスティングすると、スプール53から釣り糸が繰り出される。糸巻き取り時には、ベールアーム54を糸巻取側に戻す。この状態でハンドル60を糸巻取方向に回転させると、この回転力がハンドル軸60a及びマスターギア61を介してピニオンギア62に伝達される。ピニオンギア62に伝達された回転力は、ピニオンギア62の前部においてロータ52を回転させる。一方で、ピニオンギア62に伝達された回転力は、ピニオンギア62に噛み合う中間ギア(図示しない)を介して螺軸65を回転させる。このとき、螺軸65の螺旋溝に噛み合うスライダ66が、ガイド軸67に案内され前後方向に移動する。スライダ66が移動すると、スライダ66とともにスプール軸14とスプール53とが前後方向に往復移動する。こうしたロータ52の回転とスプール3の前後移動とによって、ベールアーム54及びラインローラ55から案内される釣り糸は、スプール53の外周に前後方向に均一に巻き取られる。
リアドラグ機構59は、第1及び第2操作部材81,82を回転させることによって、スプール53に対するドラグ力を調節するためのものである。リール本体51後部の第1操作部材81を締め付けると、第1操作部材81と一体に形成された押圧部90が前方へと移動し、押圧部90に連結されたコイルスプリング71が押し込まれる。すると、第1摩擦係合部69の複数の摩擦プレート69a面が互いに近接し、ブッシュ68の第1フランジ部73が複数の摩擦プレート69aによって挟持される。このように、ブッシュ68の第1フランジ部73が押圧されることによって、ブッシュ68に対して回動不能なスプール軸64も回転しにくくなり、スプール53に作用するドラグ力は強くなる。一方、第1操作部材81を弛めると、押圧部90は後方へと移動し、コイルスプリング71の押し込まれた状態が徐々に解除される。すると、摩擦プレート69aによる第1フランジ部73の押圧が解除されて、ブッシュ68に対して回動不能なスプール軸64は回転しやすくなり、スプール53に作用するドラグ力は弱くなる。
第2操作部材82を締め付けると、第2操作部材82とともに第2ねじ部材79が回転する。すると、第2ねじ部材79と押圧部材72との間に配置された係合部87を介して、押圧部材72がスプール軸64に沿って前方に移動する。この押圧部材72の移動によって、第2摩擦係合部70の複数の摩擦プレート70a面が互いに近接し、ブッシュ68の第2フランジ部74が摩擦プレート70aによって挟持される。このようにブッシュ68の第2フランジ部74が押圧されることによって、ブッシュ68に対して回動不能なスプール軸64も回転しにくくなり、スプール53に作用するドラグ力は強くなる。一方、第2操作部材82を弛めると、押圧部材72は、スプール軸64に沿って後方へと移動し、第2摩擦係合部70から離れる方向へと引き戻される。すると、摩擦プレート70aによる第2フランジ部74の押圧が解除されて、ブッシュ68に対して回動不能なスプール軸64は回転しやすくなり、スプール53に作用するドラグ力は弱くなる。
次に制動操作構造56の組立手順について説明する。
制動操作構造56を組み立てる際には、まず、分割された第2ねじ部材79を装着筒部76の雄ねじ部77前方に螺合させ取り付ける。つづいて、C型に形成された止め輪部材を第2ねじ部材79の外周面に装着し、第2ねじ部材79を装着筒部76に固定する。そして、円筒状に形成された第2操作部材82を筒状部83側から第2ねじ部材79に向けて嵌挿し、第2操作部材82の円筒内面に形成された凹部92aを第2ねじ部材79の第1突き合わせ部85aに設けられた突出部88bに嵌めあわせる。次に、分割された第1ねじ部材78を、装着筒部76の雄ねじ部77後方に螺合させ取り付ける。つづいて、有底円筒状に形成された第1操作部材81の底部を筒状部83に対向させて、第1操作部材81の底部に形成された押圧部90を装着筒部76内部に挿入しながら、第1操作部材81の円筒部を第1ねじ部材78に嵌め込む。そして、第1操作部材81の円筒内面に形成された凹部92aを、第1ねじ部材78に設けられた突出部88aに嵌めあわせる。
このように組み立てられる本実施形態の制動操作構造56では、筒状部83が第1及び第2ねじ部材78,79の雌ねじ部84a,84bのねじ山内径より大径に形成されていても、両ねじ部材78,79は分割されているので装着筒部76に容易に装着することができる。また、両ねじ部材78,79の外形を筒状部83の外形より大きくしておけば、第1及び第2操作部材81,82は両ねじ部材78,79に容易に装着することができる。
一方で、第1及び第2操作部材81,82や第1及び第2ねじ部材78,79を装着筒部76に容易に装着できるようにしたとしても、両操作部材81,82と両ねじ部材78,79とが装着筒部76から抜け落ちないように考慮しておくことは、リアドラグ機構59が分解するなどの不具合を防止する意味で重要である。本実施形態の制動操作構造56では、両ねじ部材78,79の雌ねじ部84a,84bのねじ山内径より大径に形成されたねじ込み部86の筒状部83によって、両ねじ部材78,79は装着筒部76からの抜け落ちが規制されている。また、両操作部材81,82の凹部92aが両ねじ部材78,79の突出部88a,88bに嵌め込まれることで、両操作部材81,82は両ねじ部材78,79に対して回転不能かつ軸方向移動不能になっている。このことから、両ねじ部材78,79の抜け落ちさえ規制しておけば、両ねじ部材78,79に装着された両操作部材81,82も装着筒部76から抜け落ちることはない。
以上のことから、本実施形態の制動操作構造56では、リアドラグ機構59の機能はそのままで、操作つまみ(第1及び第2操作部材81,82)を装着筒部76に容易に装着することができるとともに、第1及び第2操作部材81,82を装着筒部76に対して安定して回動させることができる。また、固定ボルトを用いることなく、操第1及び第2操作部材81,82を装着筒部76に対して抜け止めできるので、見映えを損なわないように第1及び第2操作部材81,82を装着筒部76に装着することができる。また、抜け止め部材を用いることなく、両操作つまみが装着筒部76から抜け落ちないようにすることができる。
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、制動操作構造6,56において、リアドラグ機構9,59の操作つまみとなる場合の例を示したが、操作つまみは、前記実施形態に限定されず、リール本体1の機構を操作するものであれば、どのようなものでも良い。
図7は他の実施形態による制動操作構造を示している。この制動操作構造においては、第3ねじ部材113と、保持部材114と、第3操作部材115とが、両軸受リールのキャスティングコントロール機構の操作つまみとなっている。図7に示す両軸受リールの制動操作構造は、リール本体のボディに設けられたねじ込み部112と、第3ねじ部材113と、保持部材114と、第3操作部材115とを備えている。ねじ込み部112は、ボディに形成された雄ねじ部116と、雄ねじ部116と一体に形成される筒状部117とを有している。第3ねじ部材113には、ねじ込み部112の雄ねじ部116に螺合可能な雌ねじ部118が設けられ、この雌ねじ部118の内径より大径となるように、筒状部117は形成されている。第3操作部材115の円筒内周面上には凹部92cが形成され、この凹部92cの底部には規制部93cが形成されている。この規制部93cは、凹部92cの底部から第3ねじ部材113の中心に向けて突出した突起で構成されている。そして、第3操作部材115は、筒状部117側から第3ねじ部材113の突出部120に嵌合可能となっている。
このような両軸受リールのキャスティングコントロール機構の操作つまみであっても、ねじ込み部112の雄ねじ部116に第3ねじ部材113を分割して装着でき、筒状部117によって第3ねじ部材113の抜け落ちが規制されるので、前記実施形態と同様な効果が得られる。
(b) 前記第1実施形態では、ねじ部材に抜け止め用の半割環状突起を設けたが、装着筒部に環状突起を設け、ねじ部材に半割抜け止め溝を設けてもよい。
(c) 前記第1実施形態では、第2操作部材を有さないリアドラグリールを例示したが、第2実施形態と同様な第2操作部材を有するリアドラグリールであってもよい。
(d) 前記第2実施形態では、第1操作部材81を凹部92aと規制部93aとによって第1ねじ部材78に固定する場合の例を示したが、第1操作部材81を固定する方法は、前記第2実施形態に限定されず、第1操作部材81は第1ねじ部材78に圧入したり接着したりして固定しても良い。また、第2及び第3操作部材82,115では、第2及び第3ねじ部材79,113を保持部材80,114で弾性係止した後、第2及び第3操作部材82,115を凹部92b,92cと規制部93b,93cとによって第2及び第3ねじ部材79,113に固定する場合の例を示したが、この場合も前記実施形態に限定されず、保持部材80,114を第2及び第3ねじ部材79,113に、第2及び第3操作部材82,115を保持部材80,114に、圧入したり接着したりして固定しても良い。
(e) 前記第2実施形態では、規制部93a,93b,93cの突起によって、第1から第3操作部材81,82,115が第1から第3ねじ部材78,79,113から抜け出さないようにした場合の例を示したが、規制部93a,93b,93cの形状は、前記実施形態に限定されず、抜け出しを防止することができれば、どのような形状にしても良い。
本発明の第1実施形態によるスピニングリールの断面図。 スピニングリールの制動操作構造の拡大断面図。 制動操作構造の分解斜視図。 本発明の第2実施形態によるスピニングリールの断面図。 スピニングリールの制動操作構造の拡大断面図。 制動操作構造(第1操作部材)の分解斜視図。 本発明の他の実施形態の図6に相当する図。
符号の説明
1c,76 装着筒部
1d 雌ねじ部(第2雌ねじ部の一例)
6,56 制動操作構造
9,59 リアドラグ機構
22 押圧部材(移動部材の一例)
22d 雄ねじ部(第2雄ねじ部の一例)
26 抜け止め溝
27 操作つまみ
27a 雌ねじ部(第1雌ねじ部の一例)
28 ねじ部材
29a,29b 雄ねじ部(第1雄ねじ部の一例)
30a,30b 半割環状突起(第1抜け止め突出部の一例)
31a,31b 鍔部
77,116 雄ねじ部(第3雄ねじ部の一例)
81 第1操作部材(操作つまみの一例)
83,117 筒状部(第2抜け止め突出部の一例)
84a,118 雌ねじ部(第3雌ねじ部の一例)
88a,120 突出部
90 押圧部(調整部の一例)
92a,92c 凹部(溝部の一例)
93a,93c 規制部(爪部の一例)
115 第3操作部材(操作つまみの一例)

Claims (11)

  1. 釣り用リールのリール本体に取り付けられ、回動操作によりスプールの制動力を調節するための制動操作構造であって、
    前記リール本体に円筒状に突出して設けられる装着部と、
    前記装着部を収納可能に有底円筒状に形成され、前記回動操作により前記スプールの制動力を調節可能な操作つまみと、
    外周又は内周にねじ部を有し、円筒状に形成され前記装着部の径方向外方から前記装着部に装着可能に分割され、前記装着部の外周と前記操作つまみの内周との間で前記装着部と前記操作つまみに係合して前記操作つまみを前記装着部に対して回動可能かつ前記装着部の突出方向に抜け止め可能にするねじ部材と、
    を備える釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  2. 前記装着部の外周には、環状溝が形成されており、
    前記ねじ部材の内周には、前記環状溝に嵌合可能な第1抜け止め突出部が形成されている、請求項1に記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  3. 前記ねじ部材の外周には、前記ねじ部としての第1雄ねじ部が形成されており、
    前記操作つまみの内周には、前記操作つまみを前記ねじ部材に連結するために第1雌ねじ部が前記第1雄ねじ部に螺合可能に形成されている、請求項1又は2に記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  4. 前記ねじ部材の外周には、一端部において鍔部が径方向外方に向けて突出して形成されており、前記鍔部の外径が前記第1雄ねじ部の外形より大径に形成されている、請求項3に記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  5. 前記装着部の内周には、第2雌ねじ部が形成されており、
    前記操作つまみには、前記操作つまみの底部に回転不能に装着されスプール軸方向に移動可能な移動部材が含まれており、
    前記移動部材は、前記第2雌ねじ部に螺合可能な第2雄ねじ部を有しており、前記回動操作により前記装着部の内周部において回転しながらスプール軸方向に移動して前記スプールの制動力を調節可能になっている、請求項1から4のいずれかに記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  6. 前記装着部の外周には、先端側で径方向外方に向けて突出して形成された第2抜け止め突出部と、基端側で内径が前記第2抜け止め突出部の外周より小径に形成された第3雄ねじ部とが設けられており、
    前記ねじ部材の内周には、前記第3雄ねじ部に螺合可能な前記ねじ部としての第3雌ねじ部が形成されている、請求項1に記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  7. 前記操作つまみの内周には、開口側から底部側に向けて延びる溝部が形成されており、
    前記ねじ部材の外周には、前記操作つまみと前記ねじ部材との相対回転を規制するために突出部が前記溝部に嵌合可能に形成されている、請求項6に記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  8. 前記溝部の底部には、前記突出部が前記装着部の突出方向逆側に前記溝部から抜け出さないようにするために、前記開口側において爪部が前記底部から突出して形成されている、請求項7に記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  9. 前記操作つまみの底部には、調整部が前記底部から開口側に突出して設けられており、
    前記調整部は、前記回動操作により前記装着部の内周部においてスプール軸方向に移動して前記スプールの制動力を調節可能になっている、請求項6から8のいずれかに記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  10. 前記装着部は、スピニングリールの前記リール本体から後方に突出して形成され、スプール軸を制動するリアドラグ機構を内周部に収納しており、
    前記操作つまみは、前記リアドラグ機構を調節するための操作つまみである、請求項1から9のいずれかに記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
  11. 前記装着部は、両軸受リールの前記リール本体から側方に突出して形成され、スプール軸に連動して回転する軸部材を内周部に収納しており、
    前記操作つまみは、前記軸部材を制動するキャスティングコントロール機構の操作つまみである、請求項1から9のいずれかに記載の釣り用リールのスプールの制動操作構造。
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