JPH0120856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は釣用リールの駆動機構に関し、詳し
くはメインギヤーの駆動が回転軸と一体的に連結
した強制捲取り及びドラツグ力で行なわれるドラ
ツグ捲取りの二方式を備えた駆動機構の改良に関
する。

従来、強制駆動とドラツグ力駆動の二方式を備
えた駆動機構は種々存在するが、それらは何れも
ドラツグ摘まみの回動によつて強制駆動とドラツ
グ力駆動を切替えるため、その切替操作はドラツ
グ摘まみを何回転もしなければならないといつた
不便があり、使用性、操作性に欠けるものであ
る。

そこで本考案は上述したような不便さを解決
し、スピーデイに切替えることが出来る駆動機構
を提案するもので、その機構はハンドルと一体回
転する回転軸にメインギヤーを遊転自在に嵌合
し、そのメインギヤーの側面には凹所を形成して
ドラツグワツシヤーを嵌着すると共に、そのドラ
ツグワツシヤーは回転軸に取付けたドラツグ調整
摘まみの回動によつて軸方向にスライドし、且回
転軸と一体回転するドライブスリーブによつて押
圧し、更にメインギヤーの凹所内周面には係合凹
部を切欠し、その係合凹部と係脱するドライブカ
ムをドライブスリーブの外側に一体回転且スライ
ド可能に嵌着すると共に、該ドライブカムは係合
凹所と係合する方向にスプリングで付勢し、メイ
ンギヤーの外側には該メインギヤーとドライブカ
ムとの係脱を切替える切替摘まみを設けたことを
要旨とするものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はドラツグ力駆動にセツトした状態を示
す断面図で、１はハンドルアーム、２はハンドル
アーム１と連結固定されて一体回転する回転軸
で、この回転軸２は外周面が軸方向に沿つて両側
が擦り割りされた断面小判形に形成し、その回転
軸２の外側にメインギヤー３が遊転自在に嵌合さ
れている。

メインギヤー３は円板にしてその外周面に歯
３′が形成され、側面には環状壁４が突設される
と共に、その環状壁４内部と連続して凹所５が凹
設され、その凹所５内に複数枚のドラツグワツシ
ヤー６が嵌合装着されており、このドラツグワツ
シヤー６は回転軸２の外側に一体回転状にして且
軸方向に沿つてスライドするドライブスリーブ７
と軸方向に沿つてスライドするドラツグスリーブ
８と、これら両スリーブ７，８を移動調節するド
ラツグ摘まみ９によつてメインギヤー３への押圧
力（ドラツグ力）が強弱調節されるようになつて
いる。

上記ドラツグ摘まみ９は、回転軸２のネジ部
２′に螺合され、ドラツグ摘まみ９の回動によつ
てドライブスリーブ７及びドラツグスリーブ８を
押圧移動する。

回転軸２と一体回転するドライブスリーブ７は
断面小判形に形成し、その外側にドライブカム１
０が一体回転且軸方向に沿つてスライド可能に嵌
合されると共に、そのドライブカム１０はメイン
ギヤー３の環状壁４内面に切欠形成した十字状の
係合凹部１１に嵌入係合するようスプリング１２
で弾発付勢されている。

上記ドライブカム１０は外周に係合凹部１１と
係合する凸部１０′を十字状に突設形成しており、
それによりドライブカム１０がメインギヤー３の
係合凹部１１と嵌着係合することによりハンドル
の回転が回転軸２→ドライブスリーブ７→ドライ
ブカム１０と伝わりてメインギヤー３が強制駆動
されるようになる。

尚、スプリング１２で弾発付勢されるドライブ
カム１０が係合凹部１１より飛び出すのを防止す
るため環状壁４の内側に止め板１４がクリツプリ
ング１５で定着保持されている。

又、上記ドライブカム１０を係合凹部１１に対
して係脱切替える切替摘まみ１６は、ドライブカ
ム１０を押圧する内筒１６′とメインギヤー３の
環状壁４の外側に嵌合する外筒１６″とで構成さ
れ、内筒１６′の先端外周には該切替摘まみ１６
が外方へ飛び出すのを防止する係合突縁１７が突
設してあり、この係合突縁１７がクリツプリング
１５に当接することによつて抜け止めが行なわれ
る。

切替摘まみ１６の外筒１６″の内面適宜個所に
は案内突子１８が突設され、その突子１８は環状
壁４外面に切欠形成した略Ｌ字形の案内溝１９に
嵌合されると共に、案内溝１９における周方向部
分には突内突子１８を掛合保持する掛合部１９′
が連続して形成してある。

それにより、切替摘まみ１６を案内溝１９に沿
つて軸方向に押動してドライブカム１０を係合凹
部１１より外し、その状態で周方向に回動して案
内突子１８を掛合部１９′に嵌入掛合させると切
替摘まみ１６の軸方向スライドは阻止され、ドラ
イブカム１０は内筒１６′で押えられて係合凹部
１１より外れた状態に保持される。

以上の構成により、ドラツグ摘まみ９を回動し
て所望のドラツグ力に調整し、その状態で切替摘
まみ１６を押して案内溝１９の掛合部１９′に掛
合させれば調整したドラツグ力による駆動が行な
われ、切替摘まみ１６を掛合部１９′より外せド
ライブカム１０を介して作用するスプリング１２
の弾発力で元の位置に戻り、ドライブカム１０は
メインギヤー３の係合凹部１１に嵌入係合して強
制駆動が可能な状態となる。

図中、１３は回転軸２と一体回転状に取付けた
逆止め歯車、１３′は逆止め爪である。

本考案の駆動機構は以上の如き構成としたもの
であるから、強制駆動とドラツグ力駆動の切替え
は切替摘まみの操作のみで簡単且迅速に行なうこ
とが出来る。

従つて、所望のドラツグ力駆動と強制駆動の切
替えは、あらかじめドラツグ摘まみを調整して所
望のドラツグ力にセツトし、その状態のもとで切
替摘まみを切替え操作すれば簡単に切替えること
が出来ると共に、ドラツグ力が変化するといつた
不具合がない。

依つて、ドラツグ摘まみを何回も回転してドラ
ツグ力を強弱調節すると同時に強制駆動とドラツ
グ力駆動の切替えを行なつていた従来機構に比べ
使用性、操作性を大幅に向上することが出来るも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はドラ
ツグ力駆動にセツトした状態の断面図、第２図は
第１図の２−２線に沿える断面図、第３図は強制
駆動にセツトした状態の断面図、第４図は第３図
の４−４線に沿える断面図、第５図はメインギヤ
ーに形成した案内溝を示す正面図である。 図中、１……ハンドルアーム、２……回転軸、
３……メインギヤー、５……凹所、６……ドラツ
グワツシヤー、７……ドライブスリーブ、９……
ドラツグ摘まみ、１０……ドライブカム、１１…
…係合凹部、１２……スプリング、１６……切替
摘まみ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドルと一体回転する回転軸にメインギヤー
   を遊転自在に嵌合し、そのメインギヤーの側面に
   は凹所を形成してドラツグワツシヤーを嵌着する
   と共に、そのドラツグワツシヤーは回転軸に取付
   けたドラツグ摘まみの回動によつて軸方向にスラ
   イドし、且回転軸と一体回転するドライブスリー
   ブによつて押圧し、更にメインギヤーの凹所内周
   面には係合凹部を切欠し、その係合凹部と係脱す
   るドライブカムをドライブスリーブの外側に一体
   回転且スライド可能に嵌着すると共に、該ドライ
   ブカムは係合凹所と係合する方向にスプリングで
   付勢し、メインギヤーの外側には該メインギヤー
   とドライブカムとの係脱を切替える切替摘まみを
   設けた駆動機構。