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JP2001337557A - 潤滑剤塗布装置および画像形成装置 - Google Patents

潤滑剤塗布装置および画像形成装置

Info

Publication number
JP2001337557A
JP2001337557A JP2000153141A JP2000153141A JP2001337557A JP 2001337557 A JP2001337557 A JP 2001337557A JP 2000153141 A JP2000153141 A JP 2000153141A JP 2000153141 A JP2000153141 A JP 2000153141A JP 2001337557 A JP2001337557 A JP 2001337557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricant
image carrier
photoconductor
image
brush roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000153141A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Takagaki
高垣  博光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000153141A priority Critical patent/JP2001337557A/ja
Publication of JP2001337557A publication Critical patent/JP2001337557A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーニングされたトナーが潤滑剤近傍に溜
まらないようにして静止摩擦係数のばらつきを抑えるこ
とが可能な潤滑剤塗布装置を提供する。 【解決手段】 画像を表面に担持する像担持体2に対し
て該像担持体表面の摩擦係数を低減する潤滑剤20を塗
布する手段8Aを備えた潤滑剤塗布装置1において、上
記像担持体2に向けて移動する上記潤滑剤塗布手段8A
の移動方向で上記潤滑剤塗布手段8Aと上記像担持体2
との接触位置の上流側に潤滑剤20を配置して上記潤滑
剤塗布手段8Aに接触させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑剤塗布装置お
よび画像形成装置に関し、さらに詳しくは、画像形成装
置に用いられる像担持体の摩擦係数低減のための装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタや複写機あるいはファクシミリ
装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置にお
いては、像担持体をなす感光体に対して帯電工程、画像
書き込み工程が実行されることにより感光体上に静電潜
像が形成され、その静電潜像が現像工程において可視像
処理される。可視像は転写紙などの記録媒体に対して転
写工程により静電転写され、転写された可視像が定着工
程において定着されて複写物とされる。
【0003】転写工程において感光体上から転写シート
に転写される可視像は、その可視像を構成する現像剤の
全てが転写シートに転写されるわけではなく、一部が感
光体上に残留することもある。このため、感光体に対し
ては、新たな画像形成に先立ち、残留する電荷とともに
現像剤を除去するクリーニング工程が実行される。感光
体に対するクリーニング工程では、感光体表面に当接す
るブレードやブラシを用い、それらブレードやブラシが
感光体表面を摺擦することにより残留する現像剤が除去
される。残留電荷に対しては、除電ランプを用いたりあ
るいは残留電荷と逆極性の電荷を付与する除電チャージ
ャなどが用いられて除電される。
【0004】残留現像剤を除去するために用いられるブ
レードあるいはブラシは、クリーニング工程時に感光体
表面を摺擦することにより感光体の表面を摩耗させる要
因となる。このため、表面が摩耗した感光体は、感光特
性が劣化してしまい、適正な静電潜像の形成を妨げられ
てしまう。なお、この場合の転写工程は、上述した感光
体から直接転写シートを対象として行う場合の他に、感
光体と対峙して設けられている中間転写ベルトなどの中
間転写体を介して転写シートに転写を行う場合もある。
【0005】クリーニング工程において感光体の摩耗を
防止する対策としては、感光体表面の摩擦係数を低減す
ることが有効であり、このための手段も提案されている
(例えば、特開平6−342236号公報、特開平7−
181860号公報)。前者公報には、像担持体に当接
する回転可能な帯電ローラに対して潤滑剤を塗布する構
成を備え、この帯電ローラの線速度を像担持体における
線速度に対して変更できる構成が開示されている。後者
公報には、帯電ローラを具備する画像形成装置におい
て、クリーニングブラシがステアリン酸亜鉛を摺擦しな
がら少量ずつ像担持体上に塗布するための構成が開示さ
れている。
【0006】図10は、従来の潤滑剤塗布装置を適用し
た画像形成装置の一例を示しており、同図において画像
形成装置1は、像担持体である感光体2を備えており、
感光体2は、ドラム状に構成され、図示矢印方向に回転
することができる。
【0007】感光体2の周囲には、その回転方向に沿っ
て除電ランプ3,帯電装置4,光書き込み装置(図で
は、光軸のみが示されている)5,現像装置6,転写装
置7およびクリーニング装置8がそれぞれ配置されてお
り、転写装置7に至る前には、図示しない給紙装置から
給送されてくる転写紙のレジストタイミングを設定する
レジストローラ対9および搬送ガイド10が配置されて
いる。図10において符号11は、転写後の転写シート
を感光体2から分離して図示しない定着装置に向けて移
送する分離爪を示している。
【0008】現像装置6には、ハウジング6Aの内部に
現像剤を担持可能な現像スリーブ6Bおよび現像剤搬送
スクリュー6Cが設けられており、搬送スクリュー6C
により移送された現像剤が現像スリーブ6Bに担持さ
れ、感光体2に向けて供給される。現像スリーブ6Bに
担持された現像剤は規制ブレード6Dによって層厚を所
定厚さに規制されて感光体2に対峙する。クリーニング
装置8には、感光体2の表面に接触しながら図示矢印方
向に回転するブラシローラ8Aと、感光体2に当接する
クリーニングブレード8Bと、感光体2から回収された
残留現像剤を現像剤回収部に向け移送する移送スクリュ
ー8Cとを備えている。
【0009】画像形成装置1では、図示しない操作部に
おいてプリント開始ボタンが操作されると、除電ランプ
2,帯電装置3,現像装置6および転写装置7に対して
それぞれ所定の電圧又は電流が所定のタイミングを以て
印加され、このタイミングとほぼ同時に感光体2,現像
装置6内の現像スリーブ6B、搬送スクリュー6C,転
写装置7およびクリーニング装置8のブラシローラ8A
がそれぞれ所定の方向に回転を開始する。感光体2は、
除電ランプ2による除電後、帯電装置3による一様帯電
(負帯電:−950V)され、レーザ光を用いた光書き
込みが行われることにより静電潜像が形成される(黒ベ
タ電位は−150Vとされている)。
【0010】感光体2上に形成された静電潜像は、現像
装置6における現像スリーブ6Bに端持されている磁気
ブラシにより現像され(現像バイアスは−600V)、
トナー像として可視像処理される。感光体2上で可視像
処理されたトナー像は、給紙装置から給送された転写紙
がレジストローラ対9によりレジストタイミングを設定
されて転写位置に繰り出されると、転写装置7によって
転写紙に転写される(+10μA印加)。転写紙は分離
爪11によって感光体2から分離され、定着装置に向け
て搬送された後、定着装置において画像を定着されて排
出される。転写後の感光体2は、クリーニング装置8に
おいてクリーニングブレードにより残留現像剤が除去さ
れる。
【0011】クリーニング装置8においてブラシローラ
8Aは、感光体2の表面での摩擦係数を低減する機能を
備えており、このため、ブラシローラ8Aには、これを
挟んで感光体2と水平方向で反対側に潤滑剤12が当接
させてある。潤滑剤12は、一例として、図11に示す
構成が用いられる。図11において、潤滑剤12は、ス
テアリン酸亜鉛を固定状としたものであり、ホルダ13
に配置されているバネ14によってブラシローラ8Aに
圧接するようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報に開示され
た技術においては、帯電ローラあるいはクリーニングブ
ラシを介して像担持体である感光体表面に、その表面で
の摩擦係数を低減化する潤滑剤を供給するようになって
いる。しかし、この構成では、潤滑剤が塗布手段である
帯電ローラあるいはクリーニングブラシに対して弾性的
に押圧される構成となっているために、押圧手段等の特
別な構成が必要となったり、例えば、ブラシを用いた場
合には、長時間の停止時にブラシに癖がついてしまい、
像担持体に対するブラシの当接状態が変化することで潤
滑剤を均一に塗布することができないなどの不具合があ
った。
【0013】このような不具合を解消するために、クリ
ーニングブラシを用いて潤滑剤塗布手段とし、潤滑剤を
保持する部材の構成がクリーニングブラシの形状に応じ
た局面をなす構成とし、潤滑剤塗布手段が像担持体への
食い込みに応じて外径を変形させる構成とすることによ
り、部品点数の増加を防止するとともに塗布手段の変形
癖をなくして像担持体に対する潤滑剤の均一塗布を可能
にする構成もある。
【0014】しかし、潤滑剤を設ける位置によっては、
正常な潤滑剤の塗布ができない場含があることが分かっ
てきた。具体的には、所望の感光体摩耗量を得るために
は、(1)感光体回転方向に対してカウンタ方向にクリ
ーニングブラシを多少の線速差(約1.2倍程度)で回転
させる場含、(2)感光体回転方向に対してトレーリン
グ方向にクリーニングブラシをかなりの線速差(約2〜
3倍程度)で回転させる場合、共に現状のクリーニング
装置を利用し、潤滑剤を下ケースに取付ける方法が一般
的であった。
【0015】しかし、(1)の場含には、クリーニング
ケースの下あご部分(クリーニング入ロシールと潤滑剤
との間)にクリーニングされたトナーが経時で溜まって
しまい、溜まった部分は潤滑剤の供給量が少なくなるた
め、感光体表面の静止摩擦係数が高くなり、結果として
感光体の摩耗量が多くなってしまうという問題がある。
クリーニングブラシは潤滑剤に対して、ある食い込み量
を以て潤滑剤を削り取る構成となっているために、クリ
ーニングブラシ先端が潤滑剤から解放される際には削り
取られた潤滑剤が勢いよく飛ばされてしまう場合があ
る。このため、解放される位置によっては、削り取られ
た潤滑剤が効率よく感光体に供給されなくなり、これに
よって感光体表面の摩擦係数が下がらず、結果として、
感光体表面の摩耗量が増加してしまうことになる。
【0016】本発明は、上記従来の潤滑剤塗布装置にお
ける問題に鑑み、第1の目的として、クリーニングされ
たトナーが潤滑剤近傍に溜まらないようにして静止摩擦
係数のばらつきを抑えることが可能な潤滑剤塗布装置を
提供することにある。
【0017】本発明の第2の目的は、潤滑剤塗布手段が
潤滑剤に対する食い込み状態から解放される位置を感光
体などの像担持体に近づけることにより潤滑剤を効率よ
く供給できるようにすることで静止摩擦係数のばらつき
を抑えることが可能な潤滑剤塗布装置を提供することに
ある。
【0018】本発明の第3の目的は、潤滑剤が削られる
状態を適度な状態とすることにより所定範囲の静止摩擦
係数に抑えることで像担持体の寿命が短期化するのを防
止できる潤滑剤塗布装置を提供することにある。
【0019】本発明の第4の目的は、上記第1乃至第3
の目的を達成することで像担持体の感光特性の劣化を抑
えることが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
画像を表面に担持する像担持体に対して該像担持体表面
の摩擦係数を低減する潤滑剤を塗布する手段を備えた潤
滑剤塗布装置において、上記像担持体に向けて移動する
上記潤滑剤塗布手段の移動方向で上記潤滑剤塗布手段と
上記像担持体との接触位置の上流側に潤滑剤を配置して
上記潤滑剤塗布手段に接触させることを特徴としてい
る。
【0021】請求項2記載の発明は、請求項1記載の潤
滑剤塗布装置において、上記潤滑剤塗布手段における上
記潤滑剤との接触が解放される位置を、上記潤滑剤塗布
手段が上記像担持体に向けて近づく位置とされているこ
とを特徴としている。
【0022】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の潤滑剤塗布装置において、上記潤滑剤は、上記潤滑
剤塗布手段との接触が解放されると上記像担持体に向け
て飛ばされることを特徴としている。
【0023】請求項4記載の発明は、請求項1記載の潤
滑剤塗布装置において、上記潤滑剤がポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)であることを特徴としている。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項1記載の潤
滑剤塗布装置において、上記潤滑剤塗布手段における上
記潤滑剤および上記像担持体に対する食い込み量が、上
記潤滑剤を厚さ2mmのポリテトラフルオロエチレンシ
ートを用いた場合、上記像担持体に対しては1.5mm
とされ、上記潤滑剤に対しては1.2mmとされ、接触
幅が5〜12mmに設定され、上記像担持体における摩
擦係数が0.1〜0.35に設定されていることを特徴
としている。
【0025】請求項6記載の発明は、請求項1記載の潤
滑剤塗布装置において、上記潤滑剤塗布手段は、樹脂製
繊維からなるブラシを用いたブラシローラで構成され、
該ブラシローラが上記像担持体のクリーニングに用いら
れることを特徴としている。
【0026】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の
うちの一つに記載の潤滑剤塗布装置を用いることを特徴
としている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図示実施例により発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明実施例による潤滑
剤塗布装置が適用される画像形成装置を示しており、ク
リーニング装置に装備されているブラシローラおよび潤
滑剤を除いた構成が図10に示した構成と同様とされて
いる。図1では、図10に示した構成部品と同じものは
同符号により示してある。
【0028】図1において、クリーニング装置8には、
ブラシローラ8Aに対して潤滑剤20が接触するように
設けられている。このため、ブラシローラ8Aは、潤滑
剤20に接触してそれを削り取り、感光体2の表面に塗
布することができる潤滑剤塗布手段を構成しており、ポ
リエステルやアクリル樹脂などの樹脂製繊維が用いられ
ている。
【0029】潤滑剤20は、帯電系列が「負帯電系列」
上位のポリテトラフルオロエチレンが用いられ、摩擦に
よって負極性に帯電する特性を備えている。図7は潤滑
剤20の分子構造を示しており、同図において、潤滑剤
20として用いられるポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)は、「CF1単位が単純に繰り返す化学構造」
をもつ完全に対称性の線状高分子(図7(A)は斜視
図、図(B)は断面図である)である。また、無極性高
分子で分子間凝集力が非常に弱く、分子鎖表面は非常に
滑らかである。このようなPTFEは、分子間凝集力が
小さく、分子鎖表面の凹凸が小さいために摩擦係数が小
さい。PTFEは非常に柔らかい物質で分子間の凝集力
が小さいため,PTEF分子間で滑りが起こりやすい。
潤滑剤としてのPTEFEが感光体2の表面に塗布され
ると、塗布されたPTFEの一部がクリーニングブレー
ド8B等に付着する。
【0030】感光体2とクリーニングブレード8Bとの
接触部での摩擦はPTFE同士の摩擦となる。PTFE
は非常に摩擦係数が小さいので、感光体2にはクリーニ
ングブレード8Bによる大きな剪断力が作用しなくな
り、感光体2の摩耗が有効に軽減される。感光体2に塗
布されたPTFEの一部がクリーニングブレード8Bな
どの感光体2を摺擦する部材に転移し、両者間の摩擦に
PTFE同士の摩擦が支配的になった後には、PTFE
同士の摩擦係数が極端に小さいためにPTFEの摩耗が
減少する。このため、感光体2とこれに摺擦する部材と
の接触圧や摺動条件によっては、PTFEの塗布量が自
動的に制限され、一定以上の潤滑剤の塗布が抑えられる
ようになる場合もある。
【0031】PTFEの分子間の崩れはPTFE同士の
摩耗で起こる。このため、感光体2上に付着したPTF
Eは、ある一定の割合で付着と除去とが繰り返されるこ
とになる。除去は、例えばクリーニン装置8,現像装置
6あるいは転写紙等で行われる。感光体2の表面には、
通常、画像ぼけを起こさせる原因である放電生成物(N
X、SOX)等の異物質が付着する。潤滑剤塗布を行わ
ない場合には、クリーニングブレード8Bなどで起こる
感光体表層の摩耗(削れ)とともに、異物質も除去され
る。潤滑剤を塗布すると感光体2の摩耗が少なくなり、
異物質の除去ができなくなり、画像不良を起こすことも
あるが、PTFEのように供給・除去が繰り返し行われ
る潤滑剤では異物質の付着・除去が繰り返されることに
なり、画像不良を有効に低減できる。
【0032】本実施例においては、潤滑剤20が次の条
件で配置されている。図2および図3に示すように、感
光体2に向けて移動するブラシローラ8Aの移動方向に
おいて、ブラシローラ8Aと感光体2との接触位置の上
流側に潤滑剤固定部材8D(図1,2参照)あるいはケ
ーシング8E(図3参照)を介して配置されている。図
2は、ブラシローラ8Aが時計方向に回転し、感光体2
との接触位置で相対方向に移動する場合での配置状態を
示しており、図3は、図2とは逆方向で感光体2との接
触位置で同じ方向にブラシローラ8Aが移動する場合を
示している。いずれの場合においても、潤滑剤20は、
ブラシローラ8Aの移動方向で感光体2との接触位置の
上流側に配置されている。
【0033】本実施例は以上のような構成であるから、
ブラシローラ8Aによって削り取られた潤滑剤20の一
部は、感光体2に転移し、クリーニングブレード8Bを
通過して現像装置6に達すると、その位置で一部が回収
され、続いて転写装置7においても一部が回収される。
回収されずに感光体2に残った潤滑剤は、クリーニング
装置8に達すると、ブラシローラ8Aによって再度塗布
される。このような行程を繰り返すことで感光体2の表
面での摩擦係数が0.08〜0.4に下げられる。感光
体2の表面での摩擦係数は、潤滑剤20の塗布量と上記
回収量とのバランスによってほぼ一定化される。
【0034】感光体2の表面での摩擦係数を下げる目的
は、クリーニングブレード8Bにより感光層がクリーニ
ングブレード8Bによって削り取られるのを防いで感光
体2の寿命を延ばすことにある。このため、感光体2の
摩耗をなくしてクリーニングブレード8Bによる削り取
りをなくすことが必要となる。図8は、感光体2の表面
摩擦係数と摩耗量との関係を示す線図であり、同図に示
す実線は、感光体2の外径がφ30で線速を114mm
/secとし、A4版サイズの転写紙を横送りで2枚連
続画像形成し、ブラシローラ8Aとして、φ15の直毛
ブラシを用い、感光体2への食い込み量を1.5mmと
した場合の200K(20万枚)の画像形成後の結果で
ある。この結果から明らかなように、摩耗量は摩擦係数
が低い程良いことが判る。
【0035】しかし、摩擦係数が下がると感光体2の表
面が削られなくなり、図8中、一点鎖線で示すような摩
耗量の領域(4μm以下)では、帯電部および転写部で
発生するNOXの蓄積により高温高湿時に感光体2の表
面のNOXが水分を吸収して抵抗が下がり、本来の帯電
特性による潜像形成が行えなくなる現象である、「像流
れ」が発生する。このため、摩擦係数をむやみに低くす
ることは好ましくなく、ある程度の範囲に収まるように
しなければならない。本実施例では、厚さ2mmに成形
したシート状の固形のポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)を用いる場合、感光体2への食い込み量を1.
5mm、ブラシローラ8AのPTFEに対する食い込み
量を1.2mm、接触幅を5〜12mmとし、摩擦係数
を0.1〜0.35の範囲で推移させた。このときの最
大摩擦係数が0.35で一定した場合、200K枚の画
像形成後では、感光体2の摩耗量が約12μmという結
果を得た。この結果に対して、同条件の感光体2を用い
て潤滑剤20がない場合には、感光体2の摩耗量が約2
0μmであったことを考慮すると、約40%程度の効果
が得られた。
【0036】感光体2での摩擦係数は、図9に示す構成
により測定される。図9は、オイラーベルト方式(日本
機械学会 機械工学便覧 基礎編 A3力学・機械力学
P35(1986年発行))と称される測定方式を示
しており、この方式において、例えば、重り(W)=1
00gを吊し、μ=In(F/100)/(π/2))
で求めた値である。
【0037】図2および図3に示した実施例では、潤滑
剤20が、クリーニング装置8に設けられている潤滑剤
固定部材8Dによって支持され(図2)、あるいはクリ
ーニング装置8におけるしたケーシング8Eにおける感
光体2の近傍に配置されているシール部材8Fの近傍に
支持されている。
【0038】上記実施例おいては、図4に示す従来のも
のに比べて次のような違いが得られた。図4は、図2お
よび図3に示した潤滑剤20の配置構成として、ブラシ
ローラ8Aの移動方向で感光体2との接触位置の下流側
に配置した場合を示しており、図4(A)においては、
感光体2との接触位置の下流側に潤滑剤20を配置して
あることにより、潤滑剤20とシール部材8Fとの間の
空隙部に経時において感光体2から回収された現像剤T
が溜まってしまい、ブラシローラ8Aによる潤滑剤20
の削り取り量が異なることになる。つまり、ブラシロー
ラ8Aには現像剤Tと感光体2からの潤滑剤20とが混
在し、感光体2への適正な塗布状態が阻害されることに
なる。この結果、感光体2での摩擦係数がばらついてし
まい、感光体2での摩耗量の低減が図れなくなる。図4
(B)においても同様に、潤滑剤固定部材8Dとクリー
ニングブレード8Bとの空隙部に感光体2からの回収現
像剤Tが経時いおいて溜まってしまい、上記した場合と
同様に、感光体2の摩擦係数がばらついてしまい、所望
の摩耗量に止めることができにくくなる。
【0039】次に本発明の別の実施の形態について説明
する。図5に示す実施例は、潤滑剤とブラシローラ8A
との接触が解放される位置として、ブラシローラ8Aの
移動方向(回転方向)においてブラシローラ8Aの一部
が感光体2に近づく位置とされ、これにより、潤滑剤が
ブラシローラ8Aとの接触を解放されると感光体2に向
けて飛ばされることを特徴としている。図5(A)にお
いて、ブラシローラ8Aと潤滑剤20とが接触している
状態が解放される位置として、ブラシローラ8Aの先端
が感光体2の近傍で潤滑剤20から離れる位置とされて
いる。この場合の潤滑剤20に対するブラシローラ8A
の食い込み量は1.2mm程度とされている。
【0040】本実施例は以上のような構成であるから、
ブラシローラ8Aが潤滑剤20との接触を解放される
と、ブラシローラ8Aの一部が勢いよく元の形状に復帰
しようとする。このため、削り取られた潤滑剤20の一
部はブラシローラ8Aの移動方向に作用する力(回転
力)によって図中、符号Aで示すように感光体2に向け
て飛ばされることになる。この結果、飛ばされた潤滑剤
20の一部が感光体2に対して効率よく供給され、摩擦
係数の低減に用いられることになる。図5(B)に示す
実施例では、図3(B)に示した場合と同様な潤滑剤2
0の配置構成を対象としており、この例においても、図
5(A)に示した例と同様に、ブラシローラ8Aが潤滑
剤20との接触を解放されると、削り取られた潤滑剤の
一部がブラシローラ8Aの形状復元力を利用して、図
中、符号A’で示すように感光体2に向けて飛ばされ
る。
【0041】図6は、図5に示した本実施例の構成に対
してこの構成を用いない場合の構成を示しており、図6
(A)、(B)においては、図11に示した構成と同様
に、潤滑剤20がブラシローラ8Aを挟んで感光体2と
水平方向で反対側に配置されており、ブラシローラ8A
と潤滑剤20との接触が解放される位置は感光体2とは
離れた位置とされている。ブラシローラ8Aの回転方向
により、いずれの構成においても、ブラシローラ8Aに
よって削り取られた潤滑剤20の一部は、符号B、B’
で示すように、感光体2に向けて飛ばされることはな
い。図6(C)、(D)においては、図4に示した構成
と同様に、ブラシローラ8Aの回転方向において感光体
2との接触位置の下流側に潤滑剤20を配置した構成が
用いられており、この場合にも、ブラシローラ8Aの回
転方向からして、削り取られた潤滑剤20の一部が感光
体2には向かない方向に飛ばされることになる。
【0042】以上のように本実施例によれば、潤滑剤2
0とブラシローラ8Aとの接触が解放される位置をブラ
シローラ8Aの回転方向と潤滑剤20の配置位置との関
係付けだけで感光体2での摩擦係数の低減に寄与させる
態位が得られる。
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、潤滑剤が
潤滑剤塗布手段の移動方向において像担持体との接触位
置の上流側に配置されているので、像担持体から回収さ
れる現像剤が潤滑剤塗布手段に達することがない。これ
により、潤滑剤塗布手段には潤滑剤のみが含まれること
になり、像担持体に対する潤滑剤の塗布量を一定化する
ことができる。このため、潤滑剤の塗布量が安定しない
ことが原因となる像担持体の摩擦係数のばらつきを抑え
ることが可能となる。
【0044】請求項2および3記載の発明によれば、潤
滑剤塗布手段と潤滑剤との接触が解放される位置を潤滑
剤塗布手段が像担持体に向けて近づく位置とされ、その
位置から潤滑剤が像担持体に向けて飛ばされるようにし
ているので、潤滑剤塗布手段により削り取られた潤滑剤
の一部が効率よく像担持体に向けて供給される。これに
より、像担持体表面での潤滑剤の局有料のばらつきが抑
えられて像担持体での摩擦係数のばらつきを防止するこ
とが可能となる。
【0045】請求項4記載の発明によれば、潤滑剤とし
てポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いてい
るので、像担持体の表面での摩擦係数を効率よく低減す
ることが可能となる。
【0046】請求項5記載の発明によれば、潤滑剤塗布
手段における潤滑剤および像担持体への食い込み量さら
には摩擦係数を設定することにより、像担持体での摩耗
量を低減させることが可能となる。
【0047】請求項6記載の発明によれば、潤滑剤塗布
手段を樹脂製繊維からなるブラシローラとし、このブラ
シローラを像担持体のクリーニングを対称とするクリー
ニング装置に装備されることにより、特別な潤滑剤塗布
構造を要することがなく、低コストで像担持体の摩耗量
を低減させることが可能となる。
【0048】請求項7記載の発明によれば、潤滑剤に対
する潤滑剤塗布手段の関係および像担持体に対する潤滑
剤塗布手段の関係を設定することにより、像担持体の摩
耗量を低減して像担持体の長寿命化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例による潤滑剤塗布装置が適用され
る画像形成装置の一例を説明するための模式図である。
【図2】本発明の一実施例による潤滑剤塗布装置の構成
を説明するための模式図である。
【図3】図2に示した潤滑剤塗布装置の一部変形例を説
明するための模式図である。
【図4】図2および図3に示した構成を用いない場合に
発生する不具合を説明するための模式図である。
【図5】本発明の別実施例による潤滑剤塗布装置の構成
を説明するための模式図である。
【図6】図5に示した構成を用いない場合の不具合を説
明するための図である。
【図7】本発明実施例による潤滑剤塗布装置に用いられ
る潤滑剤の分子構造を説明するための図である。
【図8】本発明実施例による潤滑剤塗布装置を用いた場
合の像担持体での摩擦係数と摩耗量との関係を説明する
ための線図である。
【図9】図8に示した摩擦係数の算出方式を説明するた
めの模式図である。
【図10】従来の潤滑剤塗布装置が用いられる画像形成
装置の一例を説明するための模式図である。
【図11】図10に示した画像形成装置における潤滑剤
塗布装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】 1 画像形成装置 2 像担持体である感光体 8 クリーニング装置 8A 潤滑剤塗布手段であるブラシローラ 20 潤滑剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像を表面に担持する像担持体に対して該
    像担持体表面の摩擦係数を低減する潤滑剤を塗布する手
    段を備えた潤滑剤塗布装置において、 上記像担持体に向けて移動する上記潤滑剤塗布手段の移
    動方向で上記潤滑剤塗布手段と上記像担持体との接触位
    置の上流側に潤滑剤を配置して上記潤滑剤塗布手段に接
    触させることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の潤滑剤塗布装置において、 上記潤滑剤塗布手段における上記潤滑剤との接触が解放
    される位置を、上記潤滑剤塗布手段が上記像担持体に向
    けて近づく位置とされていることを特徴とする潤滑剤塗
    布装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の潤滑剤塗布装置にお
    いて、 上記潤滑剤は、上記潤滑剤塗布手段との接触が解放され
    ると上記像担持体に向けて飛ばされることを特徴とする
    潤滑剤塗布装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の潤滑剤塗布装置において、 上記潤滑剤がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
    であることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の潤滑剤塗布装置において、 上記潤滑剤塗布手段における上記潤滑剤および上記像担
    持体に対する食い込み量が、上記潤滑剤を厚さ2mmの
    ポリテトラフルオロエチレンシートを用いた場合、上記
    像担持体に対しては1.5mmとされ、上記潤滑剤に対
    しては1.2mmとされ、接触幅が5〜12mmに設定
    され、上記像担持体における摩擦係数が0.1〜0.3
    5に設定されていることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の潤滑剤塗布装置において、 上記潤滑剤塗布手段は、樹脂製繊維からなるブラシを用
    いたブラシローラで構成され、該ブラシローラが上記像
    担持体のクリーニングに用いられることを特徴とする潤
    滑剤塗布装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のうちの一つに記載の潤滑
    剤塗布装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006030430A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2009053535A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Sharp Corp 潤滑剤供給構造及びクリーニング装置並びに画像形成装置

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