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JP2000325097A - リポ蛋白質コレステロールの測定方法及び測定試薬 - Google Patents

リポ蛋白質コレステロールの測定方法及び測定試薬

Info

Publication number
JP2000325097A
JP2000325097A JP11142450A JP14245099A JP2000325097A JP 2000325097 A JP2000325097 A JP 2000325097A JP 11142450 A JP11142450 A JP 11142450A JP 14245099 A JP14245099 A JP 14245099A JP 2000325097 A JP2000325097 A JP 2000325097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cholesterol
surfactant
hdl
reaction
ldl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11142450A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Sato
元 佐藤
Tamami Koyama
珠美 小山
Toyoji Sawayanagi
豊治 澤柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP11142450A priority Critical patent/JP2000325097A/ja
Publication of JP2000325097A publication Critical patent/JP2000325097A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】血清や血漿等のリポ蛋白質を含有する試料中の
LDLコレステロール及び必要に応じてHDLコレステ
ロールを簡便かつ正確に測定する方法を提供する。 【解決手段】リポ蛋白を含有する試料に、酵素と第1界
面活性剤を作用させることによりHDLコレステロール
を反応させ、必要に応じて、その際消費される化合物ま
たは生成される化合物を測定し、次いで第2界面活性剤
を添加することによりLDLコレステロールを反応さ
せ、その際消費される化合物または生成される化合物を
測定することを特徴とするリポ蛋白コレステロールの測
定方法及び測定試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として臨床検査
の分野での使用を目的とし、リポ蛋白質を含有する試料
中の特定のリポ蛋白質分画のコレステロールを定量する
方法及びリポ蛋白質を含有する試料中の特定のリポ蛋白
質分画のコレステロールを定量する試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、血中コレステロールは血液中の
リポ蛋白質に含まれるものであり、動脈硬化症や心筋梗
塞に関連性が深い診断的指標として重要視されている。
また、リポ蛋白質はアポリポ蛋白質と脂質の複合体であ
り、それぞれの比重によって高密度リポ蛋白質(HD
L)、低密度リポ蛋白質(LDL)、超低密度リポ蛋白質
(VLDL)及びカイロミクロン(CM)の4種類に大別さ
れる。
【0003】古くから臨床検査において実施されてきた
血中総コレステロールの測定は、血中の全てのリポ蛋白
質に含まれるコレステロールを測定するもので、上記疾
患の危険度を予測するものとして重要とされてきた。し
かし、近年の臨床的研究においては、LDLに含まれる
コレステロールが上記疾患のより正確なリスクファクタ
ーとされ、逆にHDLに含まれるコレステロールは負の
リスクファクターすなわちHDLコレステロール量と上
記疾患の発生頻度の間には負の相関が成り立つため、動
脈硬化に関連する疾患の診断には、HDLあるいはLD
Lに含まれるコレステロールを個別に測定することがよ
り重要であるとされている(動脈硬化25(1・2):
1−34,1997)。
【0004】これらリポ蛋白質の分析法としては、比重
の差を利用した超遠心法の他に電気泳動により分離した
リポ蛋白質を脂質染色により検出する方法や、HPLC
による分離を行った後にコレステロールを含むピークを
酵素試薬により発色検出する反応液体クロマトグラフィ
ー法、免疫化学的方法等があるが、いずれも操作が煩雑
であったり多数の検体を迅速に測定できない等の問題が
あり、日常的な検査にはほとんど用いられていなかっ
た。
【0005】過去、日常的な臨床検査には、デキストラ
ン硫酸やリンタングステン酸等のリポ蛋白質沈殿剤を用
いてHDLコレステロールを測定する方法が用いられて
きた。これは、先ず血清等の検体にリポ蛋白質沈殿剤と
アルカリ土類金属イオンを加えてHDL以外のリポ蛋白
質を凝集させ、これを遠心分離により取り除き上清中に
残存するHDL中のコレステロールを測定し、さらに血
中総コレステロール値と中性脂肪値を測定し、経験的に
導かれたFriedewaldの式にこれらの値をあて
はめてLDLコレステロール値を算出するものである。
【0006】しかしこの方法は、超遠心法等に比較して
簡便ではあるものの、沈殿剤を加えて遠心分離する操作
を含むため、比較的多量の検体量を要し、短時間で多数
の検体を処理することが困難であった。さらに、Fri
edewaldの式は、VLDL中のコレステロール量
と中性脂肪量の比率がほぼ一定であるという経験則から
導かれたものであるため、リポ蛋白質代謝あるいは脂質
代謝に異常をきたす疾患では大きな誤差を生じるという
問題があった。
【0007】このような状況の中、血漿あるいは血清中
のリポ蛋白質コレステロールを遠心分離等の前処理なく
自動分析器に搭載可能な分別定量方法が開発されてい
る。
【0008】それらの中で、HDLコレステロールを直
接測定するための手法としては、前述の沈澱法を応用し
てHDL以外のリポ蛋白質を凝集させて酵素が作用しな
い状態にしておきHDLコレステロールを選択的に反応
させる方法、及び界面活性剤等の沈澱剤以外の物質を用
いてリポ蛋白質コレステロールの酵素反応をコントロー
ルする方法の2つに大別できる。
【0009】特開平8−131197号公報では、リポ
蛋白質を凝集させる方法として通常の沈殿法に用いられ
るHDL以外のリポ蛋白質を沈殿させる沈殿試薬により
凝集を形成させ、更に一般的なコレステロール測定試薬
を組み合わせて使用することにより、凝集しないHDL
中のコレステロールを測定する方法が開示されている
が、凝集するHDL以外のリポ蛋白質中のコレステロー
ルも反応検出してしまう等、精度の点では満足のいく測
定法ではなかった。また、特開平6−242110号公
報には、HDL以外のリポ蛋白質を凝集させ、凝集しな
いHDL中のコレステロールのみを酵素的に反応させた
後に、酵素を失活させ、同時に凝集を再溶解させて吸光
度変化を測定するという手法が開示されているが、この
手法は少なくとも3回の試薬を添加する操作が必要であ
り、限定された自動分析機にしか適用できず、汎用性の
点で問題があった。
【0010】さらに、界面活性剤、ポリアニオン、ある
いは抗体などの凝集剤を適宜選択することにより、HD
L以外のリポ蛋白質中のコレステロールを反応阻害し、
血清中のHDLコレステロールのみが優先的に反応する
条件を設定した方法(特開平11−56395号公報、
特開平9−96637号公報)、HDL以外のリポ蛋白
質を凝集させる凝集剤とLDLコレステロール及びVL
DLコレステロールの酵素反応を抑制するアルブミンの
共存下でHDLを選択的に反応させ検出する方法(特開
平9−285298号公報)が開示されている。
【0011】界面活性剤を用いて酵素反応をコントロー
ルする方法として、特開昭63−126498号公報に
は胆汁酸塩及び非イオン系界面活性剤の存在下に酵素反
応を行い、反応初期には、反応速度がLDLコレステロ
ール濃度に比例し、その後HDLコレステロール濃度に
比例することを利用した方法が開示されている。比較的
疎水的なVLDLコレステロール及びLDLコレステロ
ールがHDLコレステロールに先駆けて酵素的に反応し
ていく現象を利用したものとされているが、HDL中の
コレステロールと他のリポ蛋白質の中のコレステロール
の反応を完全には分別することはできず、正確性に問題
があった。また、HDL以外のリポ蛋白質に選択的に作
用する界面活性剤の存在下でHDL以外のリポ蛋白質コ
レステロールを反応消去した後に残存するコレステロー
ルを全て反応させHDLコレステロールを定量する方法
(特開昭62−69999号公報)、さらにHDL以外
のリポ蛋白質に選択的に作用する界面活性剤の存在下で
HDL以外のリポ蛋白質コレステロールを反応消去した
後にHDLに選択的に作用する界面活性剤を用いてHD
Lコレステロールを反応させ検出する方法(特開平9−
299号公報)が開示されている。
【0012】その他に、リポ蛋白質凝集剤と界面活性剤
を組み合わせた方法として、HDLに優先的に作用する
界面活性剤とリポ蛋白質コレステロールの酵素反応を抑
制する物質の共存下でHDLを優先的に反応させ検出す
る方法(特開平11−56395号公報)、リポ蛋白質
コレステロールの反応性をコントロールする糖化合物と
界面活性剤の共存下でHDL以外のリポ蛋白質コレステ
ロールを反応消去してHDLコレステロールを定量する
方法(特開平7−301636号公報)等が開示されて
いる。
【0013】一方、LDLコレステロールの直接測定試
薬に関してもHDLコレステロールの直接測定試薬と同
じような手法による測定方法が開示されている。リポ蛋
白質凝集剤等を用いたLDLコレステロール測定方法と
して、LDLのみを凝集させる水溶性ポリマーの存在下
でLDLコレステロールの凝集によって上昇する反応液
濁度を測定する方法(特開平6−213899号公
報)、LDLのみを凝集させる凝集剤の存在下でLDL
以外のリポ蛋白質コレステロールを反応消去した後にL
DLコレステロールを反応させ検出する方法(特開平7
−280812号公報)、LDLのみを反応阻害する試
薬の存在下でLDL以外のリポ蛋白質コレステロールを
消去した後に残存したLDLコレステロールを反応させ
検出する、あるいはHDL以外のリポ蛋白質コレステロ
ールを凝集させてHDLコレステロールを反応消去した
後にLDLのみに作用する酵素を用いてLDLコレステ
ロールを測定する方法(W096/28734号公
報)、LDL以外のリポ蛋白質コレステロールの酵素反
応を抑制するシクロデキストリン誘導体を用いる方法
(特開平10−311833号公報、特開平11−30
617号公報)等が開示されている。
【0014】また、界面活性剤を用いたLDLコレステ
ロール測定方法としては、界面活性剤濃度等特定の条件
下で血清中のLDLコレステロールが優先的に酵素反応
することを利用した方法(特開昭58−165800号
公報)、両性界面活性剤とカルボキシル基またはスルホ
ン基を有する脂肪族アミン類の存在下でLDLコレステ
ロールを選択的に反応させ検出する方法(特開平10−
84997号公報)、第1工程で界面活性剤を用いてL
DL以外のリポ蛋白質コレステロールを全て反応させた
後に残存したLDLコレステロールを第2工程で別種の
界面活性剤を用いて反応させ検出する方法(特開平10
−38888号公報)などが開示されている。更に、L
DLのみに作用する化学修飾酵素を用いてLDLコレス
テロールを選択的に反応させ検出する方法(特開平10
−80300号公報)も開示されている。
【0015】前述のように動脈硬化の発生頻度に対して
LDLコレステロール値は正の相関を示し、逆にHDL
コレステロール値は負の相関を示すため、両方のリポ蛋
白質コレステロール値を測定することによって動脈硬化
の発生リスクをより正確に把握することができるが、従
来のリポ蛋白質コレステロールの直接的測定方法はほと
んどがHDLコレステロールあるいはLDLコレステロ
ールのいずれしか定量できないものであるため、HDL
コレステロールとLDLコレステロールを定量する場合
には二つの測定方法を併用する必要があった。
【0016】一般に、遠心分離あるいは電気泳動等のリ
ポ蛋白質の分離操作をしないリポ蛋白質コレステロール
の直接的な測定方法を用いて両リポ蛋白質のコレステロ
ールを同時に定量するためには、先ずHDL(あるいは
LDL)コレステロールを選択的に反応させて定量した
後にLDL(あるいはHDL)コレステロールを選択的
に反応させて定量する手法がとられる。
【0017】例えば、WO96/28734号公報のL
DLコレステロール測定方法の中の一つに、先ずHDL
コレステロールを選択的に消去した後に次の工程でLD
Lコレステロールを選択的に反応させLDLコレステロ
ールを定量する測定方法が開示されている。これはHD
Lコレステロールを消去する段階でHDLコレステロー
ルを定量することができればHDLコレステロール及び
LDLコレステロール両方の定量が可能となる測定方法
である。しかしこの方法はHDLコレステロールを選択
的に反応させるために、ヘパリン、リンタングステン
酸、デキストラン硫酸、硫酸化シクロデキストリン、硫
酸化オリゴ糖等のリポ蛋白質凝集剤と二価金属イオンに
より、あるいは抗アポ抗体によりHDL以外のリポ蛋白
質を凝集させて反応阻害する方法である。このようなリ
ポ蛋白質を凝集させる方法は光学的な測定に影響し反応
液の濁度を上昇させコレステロールの測定精度を低下さ
せるという問題を持っており、HDLコレステロールを
正確に定量するためにはリポ蛋白質凝集塊の溶解工程
(特開平6−242110号公報)や、反応速度を測定
すること(特開平8−131195号公報)が必要にな
る。
【0018】また、特開平11−9300号公報ではア
ルブミンと胆汁酸存在下でHDLコレステロールに選択
的に作用する酵素を用いてHDLコレステロールを反応
させ、引き続きLDLコレステロールに選択的に作用す
る酵素を用いてLDLコレステロールを反応させるHD
Lコレステロール及びLDLコレステロールの測定方法
が開示されているが、LDLコレステロールを反応させ
るためにはHDLコレステロールを反応させる酵素とは
別の酵素を使用する必要があり、他の試薬に比して酵素
が高額であることから未だコスト面での問題が残されて
いた。
【0019】さらに、HDL以外のリポ蛋白質コレステ
ロールに対する酵素反応を抑制する界面活性剤を利用し
てHDLコレステロールを定量する方法も既に多数開示
されている(特開平8−116996号公報、WO97
/40376号公報)。また、LDLコレステロールの
酵素反応を選択的に促進する界面活性剤を利用したLD
Lコレステロールの選択的測定方法(特開平10−84
997号公報)も開示されている。しかし、一般に界面
活性剤を混合すると各々の界面活性剤が単独で発揮する
作用とは異なる作用が生じるために、単独ではLDLコ
レステロールに選択的に作用する界面活性剤であっても
HDLコレステロールに選択的に作用する界面活性剤が
共存する反応液に添加した場合にはLDLコレステロー
ルに選択的に作用することは保証されない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況に
鑑みてなされたものであり、特定のリポ蛋白質分画のコ
レステロールの測定方法において、光学的な測定を妨害
し分析装置に影響を与えうる可能性のあるリポ蛋白質を
凝集させることなく、必要に応じてHDLコレステロー
ルの高精度の定量が可能であり、簡便かつ安価で汎用性
の高いLDLコレステロールの測定方法及び測定試薬を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、HDL以外のリポ蛋白質に含まれるコレ
ステロールの酵素反応を抑制する第1界面活性剤の共存
下において、ある特定の界面活性剤がVLDLには作用
することなくLDLのみに選択的に作用してLDLに含
まれるコレステロールと酵素が反応し得る状態にする機
能を有することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0022】すなわち本発明は、次の事項に関する。 [1](1)リポ蛋白質を含有する試料に、酵素と第1
界面活性剤を加えることによりHDLコレステロールを
選択的に酵素反応させる第1工程、(2)次いで、第2
界面活性剤を加えることにより、LDLコレステロール
を選択的に酵素反応させる第2工程、及び(3)(1)
及び/または(2)の工程において、酵素との反応によ
り消費される化合物または生成される化合物を測定する
ことにより、HDLコレステロール及び/またはLDL
コレステロールを測定することを含むことを特徴とする
リポ蛋白質コレステロールの測定方法。 [2]第1界面活性剤が、胆汁酸誘導体及び/または両
性界面活性剤である上記[1]に記載のリポ蛋白質コレ
ステロールの測定方法。 [3]第2界面活性剤が、第1界面活性剤の共存下にお
いて用いることにより、第1界面活性剤により酵素反応
を抑制されていたLDLコレステロールを選択的に酵素
反応可能にする機能を有することを特徴とする上記
[1]または[2]に記載のリポ蛋白質コレステロール
の測定方法。 [4]第2界面活性剤が、ポリオキシエチレン鎖を有す
るノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なく
とも1種の界面活性剤である上記[1]ないし[3]の
いずれかに記載のリポ蛋白質コレステロールの測定方
法。 [5]第2界面活性剤のHLBが、9以上11未満であ
る上記[4]に記載のリポ蛋白質コレステロールの測定
方法。 [6]酵素、第1界面活性剤及び第2界面活性剤から構
成されてなり、上記[1]ないし[5]のいずれかに記
載のリポ蛋白質コレステロールの測定方法において用い
るリポ蛋白質コレステロールの測定試薬。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は(1)リポ蛋白質を含有
する試料に酵素と第1界面活性剤を加えることにより高
密度リポ蛋白質(HDL)コレステロールを酵素と反応
させること、(2)次いで、第2界面活性剤を加えるこ
とにより、低密度リポ蛋白質(LDL)コレステロール
を選択的に酵素と反応させること、及び(3)(1)及
び/または(2)の酵素との反応により消費される化合
物または生成される化合物を測定することにより、HD
Lコレステロール及び/またはLDLコレステロールを
測定することを含むことを特徴とするリポ蛋白質コレス
テロールの測定方法に関する。
【0024】また、本発明は酵素とHDL以外のリポ蛋
白質に含まれるコレステロールの酵素反応を抑制する第
1界面活性剤と、第1界面活性剤の共存下においてLD
Lに含まれるコレステロールを酵素反応可能にする第2
界面活性剤から構成されるリポ蛋白質コレステロールの
測定試薬である。
【0025】本発明は第1工程において、酵素とHDL
以外のリポ蛋白質に含まれるコレステロールの酵素反応
を抑制する第1界面活性剤とをリポ蛋白質を含む試料に
添加した後、酵素の活性が保持される温度範囲において
HDLに含まれるコレステロールが完全に消費されるま
で反応させる。
【0026】第1工程において使用する酵素に特に制限
は無く、コレステロールを測定するために通常使用され
るコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシ
ダーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼを使用するこ
とができる。
【0027】用いる酵素の濃度は、試料中のコレステロ
ールの濃度、反応温度及び反応時間等によって設定す
る。例えば、リポ蛋白質を含む試料が血清または血漿で
あり10分間程度で反応させる場合にはコレステロール
エステラーゼの濃度は0.1U/ml〜50U/ml、コ
レステロールオキシダーゼの場合は0.1U/ml〜10
U/mlに調製する。試薬のpHは酵素が活性を失わな
い範囲であればいずれでもよいがpH6.0〜8.0の範
囲が望ましく、1〜200mMのpH緩衝剤により調節
する。pH緩衝剤にも特に制限はないが、設定したpH
に対応するpKaを持つpH緩衝剤を選択するのが望ま
しく、N-(2-Hydroxyethyl)piperazine-N'-(2-ethanesul
fonate)(HEPES)、Piperazine-N,N'-bis(2-ethan
esulfonate)(PIPES)、3-(N-Morpholino)propane
sulfonate(MOPS)などが挙げられる。
【0028】最初に作用させる第1界面活性剤はHDL
以外のリポ蛋白質に含まれるコレステロールの酵素反応
を抑制する機能を有する界面活性剤であって、第2界面
活性剤と協同的に作用してLDLコレステロールの酵素
反応を促進する機能を有するものであればいずれのもの
でも使用できる。例えば、胆汁酸誘導体として胆汁酸及
びその塩、両性界面活性剤としてラウリルカルホ゛キシメチルヒト゛ロキシエ
チルイミタ゛ソ゛リニウムヘ゛タイン、N-Tetradecyl-N,N-dimethyl-3-amm
onio-1-propanesulfonate(SB3−14)、N-Hexadec
yl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate(SB
−16)、N-Octyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propane
sulfonate(SB3−8)、N-Octadecyl-N,N-dimethyl-
3-ammonio-1-propanesulfonate(SB3−18)、N-De
cyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate(S
B3−10)、N-Dodecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-p
ropanesulfonate(SB−12)、胆汁酸誘導体で且つ
両性界面活性剤である3-[(3-Cholamidopropyl)dimethyl
ammonio]propanesulfonate(CHAPS)あるいは3-
[(3-Cholamidopropyl)dimethylammonio]2-hydroxypropa
nesulfonate(CHAPSO)等があげられ、これらの
なかでも胆汁酸、CHAPS,CHAPSO、SB3−
14等が好ましく用いられる。
【0029】用いる第一界面活性剤の濃度は選択した界
面活性剤に応じて決められる。例えば、胆汁酸、CHA
PS、CHAPSO、及びSB3−14の場合は0.0
1〜1%好ましくは0.1〜0.5%である。
【0030】本発明において、酵素の活性あるいは界面
活性剤の作用に影響しないものであれば任意の物質を共
存させることができる。例えば、塩化ナトリウム、リン
酸カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化
第1銅等の塩類、血清アルブミン等の蛋白質、アスコル
ビン酸オキシダーゼ、パーオキシダーゼ、カタラーゼ等
の酵素、コレステロールの酵素反応生成物を定量するた
めの色素原体等、更にはHDL以外のリポ蛋白質に含ま
れるコレステロールの反応を抑制する補助剤を酵素の活
性あるいは界面活性剤の作用に影響しない濃度範囲で共
存させることができる。
【0031】反応に要する時間は試料中に含まれるコレ
ステロール量、酵素濃度、界面活性剤濃度、反応温度で
決定されるが、HDLに含まれるコレステロールが酵素
反応により生成するあるいは消費される物質を定量する
一般的な方法で知ることができる。例えば、コレステロ
ール測定用酵素としてコレステロールエステラーゼ及び
コレステロールオキシダーゼを用いた場合、コレステロ
ールが反応して生成した過酸化水素はパーオキシダーゼ
の共存下4−アミノアンチピリンとN-Ethyl-N-(2-hydro
xy-3-sulfopropyl)-3-methylaniline(TOOS)、N-E
thyl-N-(2-hydroxy-3-sulfopropyl)-3,5-dimethoxyanil
ine(DAOS)、N-Ethyl-N-(2-hydroxy-3-sulfopropy
l)-3,5-dimethoxy-4-fluoroaniline(FDAOS)等の
トリアンダー試薬の酸化縮合反応により生じる色素の濃
度を吸光度で測定することができ、予め試薬中にパーオ
キシダーゼと4−アミノアンチピリン及びTOOSを添
加して反応中の吸光度を経時的に測定すると、HDLコ
レステロールが反応して消費される時間は吸光度が変化
しなくなる時間で知ることができる。
【0032】また、コレステロールが反応する際に消費
される酸素を酸素電極によって測定することによっても
HDLコレステロールが反応して消費される時間を知る
ことができる。
【0033】コレステロール測定用酵素としてコレステ
ロールエステラーゼ及びコレステロールデヒドロゲナー
ゼを用いた場合、コレステロールが反応して生成したN
AD(P)Hを例えば340nmの吸光度で紫外吸収で
測定したり、ホルマザン色素を形成させて比色定量する
ことができる。
【0034】本発明においては、第1工程でHDLコレ
ステロールが反応した後の試料に、第1界面活性剤の共
存下でLDLコレステロールの酵素反応を促進し、かつ
VLDLコレステロールの酵素反応を抑制する機能を有
する第2界面活性剤を添加してLDLコレステロールを
反応させる第2工程を有する。用いる第2界面活性剤と
しては、本発明の目的に適合するものであれば特に制限
はないが、HDL以外のリポ蛋白質コレステロールの酵
素反応を抑制する第一界面活性剤として、例えば胆汁酸
誘導体あるいは両性界面活性剤を用いた場合には、第2
界面活性剤としてはHLB値が9以上11未満のポリオ
キシエチレン鎖を有するノニオン性界面活性剤を用いる
ことが好ましく、これによりVLDLコレステロールの
反応抑制効果は維持されるがLDLコレステロールに対
する反応抑制が選択的に解除されてLDLコレステロー
ルの反応が促進される。
【0035】HLB値が9より小さいかあるいは11以
上の場合は、VLDLコレステロールの反応も促進され
るため好ましくない。
【0036】ポリオキシエチレン鎖を有する界面活性剤
は、特開平9−299号公報においてHDL以外のリポ
蛋白質分画中のコレステロールに対する酵素による作用
を抑制する界面活性剤として開示されており、また特開
平10−38888号公報ではHLB値が11以上13
未満のポリアルキレンオキサイド誘導体が全てのリポ蛋
白質に作用し、HLB値が13以上15未満のポリアル
キレンオキサイド誘導体がLDLコレステロール以外の
リポ蛋白質に作用することが開示されているが、その単
独での作用から界面活性剤の併用によるコレステロール
の分離測定の効果を確認できるものではなかった。
【0037】HLB値が9以上11未満のポリオキシエ
チレン鎖を有するノニオン性界面活性剤としては、(ポ
リオキシエチレン)4―ラウリルエーテル、(ポリオキシ
エチレン)6−ラウリルエーテル、(ポリオキシエチレ
ン)8−オレイルエーテル、(ポリオキシエチレン)10
−セチルエーテル、(ポリオキシエチレン)6−ノニルフ
ェニルエーテル等が挙げられるが、これらの中でも(ポ
リオキシエチレン)4ーラウリルエーテル、(ポリオキシ
エチレン)8−オレイルエーテルが好ましい。
【0038】尚、ノニオン性界面活性剤のHLB値は例
えば、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、昭和48
年、三洋化成工業株式会社発行)等の周知の方法で算出
する。
【0039】これら第2試薬は単独で添加してもよい
し、数種を混合してHLB値を調整して添加してもよ
く、第2試薬の添加濃度は選択した界面活性剤の種類に
応じて決められ、例えばポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルの場合は0.01〜1%、好ましくは0.1〜0.
4%である。
【0040】用いる第2試薬のpHは酵素が活性を失わ
ない範囲であれば特に制限はなく、また第1界面活性剤
のpHと一致させる必要もない。
【0041】HDLに含まれるコレステロールが完全に
消費された後に、消費されたコレステロールを定量す
る。定量方法としては、公知の方法、例えば反応液にパ
ーオキシダーゼと4−アミノアンチピリン及びTOOS
等のトリアンダー試薬を添加して吸光度を測定すること
により消費されたHDLコレステロールを定量できる。
反応液に予めパーオキシダーゼと4−アミノアンチピリ
ン及びトリアンダー試薬を添加して反応中の吸光度を経
時的に測定する場合には反応終点の吸光度から消費され
たHDLコレステロールを定量できる。
【0042】HDLコレステロールを測定する必要がな
い場合にはコレステロールの酵素反応生成物が以降のL
DLコレステロールの測定に影響しないようにしておく
のがよい。例えば、カタラーゼにより過酸化水素を分解
する、あるいは反応液にパーオキシダーゼと4−アミノ
アンチピリンを加え4ーアミノアンチピリンの無色の二
量体を形成させる等の公知の方法が使用できる。
【0043】本発明においてはHDLコレステロールに
作用させる酵素をLDLコレステロールにも作用させる
ため、LDLに作用する酵素を第2工程において新たに
添加する必要はない。
【0044】本発明において、酵素の活性あるいは界面
活性剤の作用に影響しない範囲内で、任意の物質を同時
に添加することができる。例えば、コレステロールの測
定に一般的に用いられる色素原体、パーオキシダーゼ等
の酵素、塩化ナトリウム等の塩類、界面活性剤を可溶化
するための別種の界面活性剤等を加えることができる。
【0045】第2工程において一定時間反応させLDL
に含まれるコレステロールが消費された後に、消費され
たコレステロールを公知の方法で定量することによって
LDLコレステロールを測定することができる。第1工
程において既にHDLコレステロールの反応生成物を定
量する色素原体等を共存させている場合には、引き続き
吸光度を測定することでLDLコレステロールを定量す
ることができる。
【0046】例えば、HDLコレステロールを定量する
必要がなく、コレステロールエステラーゼとコレステロ
ールオキシダーゼを用いてコレステロールを定量する場
合においては、第1工程のHDLコレステロールによっ
て生成する過酸化水素をカタラーゼによって分解し、第
2工程でカタラーゼの阻害剤であるアジ化ナトリウムを
共存させ、更にパーオキシダーゼと色素原体の4−アミ
ノアンチピリン及びトリアンダー試薬を共存させること
によってHDLコレステロールを定量することなくLD
Lコレステロールを定量できる。あるいは第1工程でパ
ーオキシダーゼと4−アミノアンチピリンを共存させて
生成した過酸化水素を無色の4−アミノアンチピリン二
量体に導いている場合には、第2工程でトリアンダー試
薬を添加することによってHDLコレステロールを定量
することなくLDLコレステロールを定量することがで
きる。
【0047】このように本発明は、反応液の濁度を上昇
させるリポ蛋白質凝集剤を必要とせず、使用する酵素に
制限がなく、またLDLコレステロールを反応させる工
程で新たに別の酵素を加える必要がなく、複数の界面活
性剤を組み合わせて用いる点に特徴を有するものであ
り、コレステロール測定に用いられる通常の酵素をその
まま用いてLDLコレステロール及び必要に応じてHD
Lコレステロールを同時に定量することができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるもの
ではない。 (実施例1〜実施例4)10種類の血清それぞれについ
て下記の方法で測定を行った。
【0049】150mMの塩化ナトリウムとpH緩衝剤
として3-(N-Morpholino)propanesulfonate(MOPS)
30mMを含む水溶液をpH7.0に調整し、Pseu
domonas属菌由来のコレステロールエステラーゼ
(5U/ml)及びPseudomonas属菌由来の
コレステロールオキシダーゼ(1U/ml)とCHAP
S(0.2%)を添加し、更にコレステロールの酵素反
応生成物である過酸化水素を定量するためのパーオキシ
ダーゼ(3U/ml)、4−アミノアンチピリン(1m
M)、TOOS(1mM)を添加し第1工程において用
いる試薬を調製した。また、150mMの塩化ナトリウ
ムと30mMのMOPSを含む水溶液をpH7.0に調
整し、下記(A)〜(D)のポリオキシエチレン鎖を有
するノニオン性界面活性剤0.2%を添加した第2工程
における試薬を調製した。血清をアスコルビン酸オキシ
ダーゼ(20U/ml)を含む150mM塩化ナトリウ
ム水溶液で10倍に希釈して37℃で5分間加温した後
に、その0.1mlを予め37℃に加温した第1工程に
おいて用いる試薬0.9mlに混和して37℃で5分間
反応させ(第1工程)、更に第2工程において用いる試
薬1mlを追添して37℃で5分間反応させ(第2工
程)、該全反応工程の反応液の吸光度(主波長550n
m/副波長700nm)を経時的に測定した。別にコレ
ステロールパルミテートを0.1%の(Octylphenoxy)po
lyethoxyethanol(Triton X−100)水溶液
にコレステロール換算で50mg/dl相当の濃度に懸
濁して調製した標準液を血清と同様に第1工程において
用いる試薬と反応させて、吸光度変化量と標準液コレス
テロール濃度から検量線を作成し、第1工程において用
いる試薬と血清を混和して5分間で反応した血清中のコ
レステロール濃度と更に第2工程において用いる試薬を
追添してから5分間で反応した血清中のコレステロール
濃度を算出した。対照法として、反応液体クロマトグラ
フィー法で同一の血清のHDLコレステロール及びLD
Lコレステロールを定量した。Shodex(昭和電工
株式会社登録商標) KW−804カラム(昭和電工株
式会社製)を用い150mM燐酸緩衝液(pH7.0)
を溶離液として血清中のリポ蛋白質を分離し、カラム出
口に溶出液とコレステロール検出液を混合させる反応コ
イルを接続して、反応コイル中でカラム溶出液とコレス
テロール検出液混合物を45℃で3分間反応させた後
に、550nmの吸光度を測定することによってリポ蛋
白質各分画のコレステロール量を測定した。尚、コレス
テロール検出液はPseudomonas属菌由来のコ
レステロールエステラーゼ(10U/ml)及びPse
udomonas属菌由来のコレステロールオキシダー
ゼ(10U/ml)及びパーオキシダーゼ(20U/m
l)、4−アミノアンチピリン(2mM)、TOOS
(2mM)を含む0.5%Triton X−100溶
液であり、溶出液と1:1に混合するように反応コイル
への流入量を調節した。また、クロマトグラム中のピー
クは超遠心法によって分離したHDL、LDL、VLD
L分画を用いて同定した。
【0050】第1工程で反応した血清中のコレステロー
ル濃度、第2工程で反応した血清中のコレステロール濃
度、反応液体クロマトグラフィー(HPLC)によって
定量した同一血清中のHDLコレステロール濃度及び反
応液体クロマトグラフィー(HPLC)によって定量し
た同一血清中のLDLコレステロール濃度を表1に示
す。
【0051】なお、実施例1から実施例4の第2工程で
用いる第2界面活性剤をそれぞれ(A)〜(D)として
以下に示す。 (A):(ポリオキシエチレン)3−ノニルフェニルエ
ーテル(HLB値7.8) 花王株式会社製エマ
ルゲン903 (B):(ポリオキシエチレン)4−ラウリルエーテル
(HLB値9.6)花王株式会社製エマルゲン104P (C):(ポリオキシエチレン)8−オレイルエーテル
(HLB値10.0)花王株式会社製エマルゲン408 (D):(ポリオキシエチレン)8−ラウリルエーテル
(HLB値12.1)花王株式会社製エマルゲン108
【0052】
【表1】
【0053】表1に示すように、第1工程で反応するコ
レステロールはHDLコレステロールと高い相関を示
し、また、第2界面活性剤としてHLB値が9以上11
未満のポリオキシエチレン鎖を有するノニオン性界面活
性剤を用いた場合には、第2工程で反応するコレステロ
ールはLDLコレステロールと高い相関を示した。 (実施例5)Pseudomonas属微生物由来のコ
レステロールオキシダーゼをStreptmyces属
微生物由来のコレステロールオキシダーゼ(1U/m
l)に、第1界面活性剤をCHAPSからSB3−14
(0.2%)へ変更し、第2界面活性剤を0.2%のポ
リオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製;
エマルゲン104P(HLB値9.6))とし、更に第
1工程において色素原体TOOSを除き、第2工程でT
OOSを1mMの濃度で添加する以外は実施例1と同様
にして反応を実施した。この条件ではHDLコレステロ
ールを定量することなくLDLコレステロールを定量す
ることができる。反応終了後の反応液の吸光度を測定
し、実施例1から実施例4において作成した検量線を用
いて反応した血清中のコレステロール濃度を算出した。
図1に、第1工程及び第2工程において変化した吸光度
から算出した血清中のコレステロール濃度を縦軸にと
り、実施例1から実施例4と同様にして反応液体クロマ
トグラフィーによって定量した同一血清中のLDLコレ
ステロール濃度を横軸にとった分散図を示す。
【0054】図1に示すように、本発明の測定方法で定
量される血清中のコレステロールはLDLコレステロー
ルと高い相関を示した。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、反応液の濁度を上昇さ
せるリポ蛋白質凝集剤を必要とせず、使用する酵素に制
限がない上、LDLコレステロールを反応させる工程で
新たに別の酵素を加える必要もなく、簡便でかつ安価に
LDLコレステロールを定量することができ、また必要
に応じてHDLコレステロールを光学的な測定を妨害す
るリポ蛋白質の凝集を形成することなく正確かつ安価に
測定することができる測定方法及び測定試薬を提供する
ことができるため、特に動脈硬化症等の臨床検査の分野
に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例5のリポ蛋白質コレステロー
ルの測定方法による測定値とHPLC測定値との相関関
係の一例を示す分散図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤柳 豊治 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社総合研究所川崎研究室内 Fターム(参考) 2G045 AA13 AA25 BB29 CA25 DA62 DA63 DA64 DA69 FB01 JA01 4B063 QA01 QA19 QQ03 QQ76 QR03 QR12 QR41 QR51 QS20 QX01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)リポ蛋白質を含有する試料に、酵
    素と第1界面活性剤を加えることによりHDLコレステ
    ロールを選択的に酵素反応させる第1工程、(2)次い
    で、第2界面活性剤を加えることにより、LDLコレス
    テロールを選択的に酵素反応させる第2工程、及び
    (3)(1)及び/または(2)の工程において、酵素
    との反応により消費される化合物または生成される化合
    物を測定することにより、HDLコレステロール及び/
    またはLDLコレステロールを測定することを含むこと
    を特徴とするリポ蛋白質コレステロールの測定方法。
  2. 【請求項2】 第1界面活性剤が、胆汁酸誘導体及び/
    または両性界面活性剤である請求項1に記載のリポ蛋白
    質コレステロールの測定方法。
  3. 【請求項3】 第2界面活性剤が、第1界面活性剤の共
    存下において用いることにより、第1界面活性剤により
    酵素反応を抑制されていたLDLコレステロールを選択
    的に酵素反応可能にする機能を有することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のリポ蛋白質コレステロ
    ールの測定方法。
  4. 【請求項4】 第2界面活性剤が、ポリオキシエチレン
    鎖を有するノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれ
    る少なくとも1種の界面活性剤である請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載のリポ蛋白質コレステロールの
    測定方法。
  5. 【請求項5】 第2界面活性剤のHLBが、9以上11
    未満である請求項4に記載のリポ蛋白質コレステロール
    の測定方法。
  6. 【請求項6】 酵素、第1界面活性剤及び第2界面活性
    剤から構成されてなり、請求項1ないし請求項5のいず
    れかに記載のリポ蛋白質コレステロールの測定方法にお
    いて用いるリポ蛋白質コレステロールの測定試薬。
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