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JPH1130617A - Ldl−コレステロール測定法 - Google Patents

Ldl−コレステロール測定法

Info

Publication number
JPH1130617A
JPH1130617A JP14663698A JP14663698A JPH1130617A JP H1130617 A JPH1130617 A JP H1130617A JP 14663698 A JP14663698 A JP 14663698A JP 14663698 A JP14663698 A JP 14663698A JP H1130617 A JPH1130617 A JP H1130617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cholesterol
reagent
ldl
poly
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP14663698A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Miki
豊 三木
Nobuko Imashiyou
展子 今荘
Isao Koyama
勲 小山
Toshiro Hanada
寿郎 花田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wako Pure Chemical Industries Ltd filed Critical Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority to JP14663698A priority Critical patent/JPH1130617A/ja
Publication of JPH1130617A publication Critical patent/JPH1130617A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低比重リポタンパク(LDL)中のコレステ
ロールを、従来法に於いて必要であった、LDLとLD
L以外の不要のリポタンパクとを分離するための煩雑な
前処理操作なしに直接自動分析装置等を用いて測定し得
る方法及びそれに用いられる試薬を提供。 【解決手段】 ジメチル−α−シクロデキストリン又は
/及びポリ−β−シクロデキストリンの存在下で測定を
行うことを特徴とする、LDL中のコレステロール測定
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、血清、血漿などの生体
試料中に存在する低比重リポタンパク(以下、LDLと
略記する。)中のコレステロールの測定方法及びこれに
用いる試薬に関する。
【0002】
【発明の背景】血清中の脂質の主な成分はコレステロー
ル、トリグリセライド、リン脂質等であり、これら血清
脂質はアポタンパクと結合してリポタンパクを形成し血
中を循環する。該リポタンパクは比重の差により高比重
リポタンパク(HDL)、LDL、超低比重リポタンパ
ク(VLDL)カイロミクロン(CM)等に分類され
る。これらリポタンパクのうち、HDLは組織に沈着し
た過剰なコレステロールを肝臓へ運搬する作用があり、
抗動脈硬化作用を有し、一方、LDLは肝臓から各組織
へのコレステロールの主たる運搬体であり、LDLの増
加は動脈硬化発生と密接な関係があると考えられてい
る。従って、LDL中のコレステロール(以下、LDL
−コレステロールと略記する。)は、動脈硬化症、虚血
性心疾患(冠動脈疾患)の危険因子と考えられ、該LD
L−コレステロールの含有量は、これら疾患の診断・治
療および予防の重要な指標となる。
【0003】従来、LDL−コレステロールの測定法と
しては、沈澱法、超遠心法、電気泳動法、算出式による
算出法等が知られている。これら従来法のうち、沈澱
法、超遠心法及び電気泳動法は、沈澱・遠心分離処理、
超遠心分離処理或いは電気泳動処理により、LDLとL
DL以外の不要のリポタンパクとを分離する前処理工程
が必要であるため、操作が煩雑であり、現在、臨床検査
の分野で広く普及している自動分析装置だけで直接測定
を実施することができないという問題点を有している。
また、フローデワルド(Friedewald)の式で知られてい
る総コレステロール値、HDL−コレステロール値及び
トリグリセライド値から算出する算出法も、トリグリセ
ライドが500mg/dl以上含有する試料を用いた場合に
は、正確なLDL−コレステロール量を測定することが
できないという問題を有している。
【0004】近年、従来法に於ける上記の如き問題点を
解消するために、種々の方法が開発されており、例えば
特開平7-280812号公報に開示された方法もその一つであ
る。即ち、LDLを凝集剤又は/及び抗体を使用して凝
集させた後に、LDL以外のリポタンパクに含まれるコ
レステロールを定量反応に関与しない別の反応系に導い
て消去(消費)させた後、界面活性剤又は/及び無機塩
類を使用して、凝集させたLDLを定量反応ができる程
度に溶解させ、LDL−コレステロールを定量反応に付
し該溶液の吸光度を測定するという方法がそれである。
【0005】しかしながら、この方法は、測定時の試薬
の形態が3試薬系又は4試薬系となるため、このような
試薬形態での測定が可能なごく一部の自動分析装置にし
か適用できず、通常の臨床検査に於いて用いられている
2試薬系での測定にしか使用できない自動分析装置を用
いては測定を実施することができないという問題点があ
る。また、この方法では、測定に用いる試薬の数が多く
なるため、測定値の再現性が低下するという問題点もあ
った。
【0006】更に、煩雑な前処理操作なしでLDL−コ
レステロールを測定する方法として特開昭58−165
800号公報に開示されている方法がある。しかしなが
ら、この方法は、試薬中の例えば界面活性剤やコレステ
ロールエステラーゼ(以下、CHEと略記する。)の使
用濃度が限定されるため試薬の調製が煩雑であり、更に
測定時のpHや、測定時間間隔等測定条件を厳密に設定
しなくてはならず、しかもHDL中のコレステロールも
ある程度反応することから、動力学的測定、すなわち、
レイト・アッセイでしかLDL−コレステロールの測定
を行うことができないため、実用的な測定方法とは言い
難い方法であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した如き状況に鑑
み、本発明が解決しようとする課題は、生体試料中のL
DL−コレステロールを、従来法に於いて必要であっ
た、LDLとLDL以外の不要のリポタンパクとを分離
するための煩雑な前処理操作なしに直接自動分析装置等
を用いて測定することを可能とする方法及びそれに用い
られる試薬の提供にある。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明は、ジメチル−α
−シクロデキストリン(以下、DM−α−CDと略記す
る。)又は/及びポリ−β−シクロデキストリン(以
下、ポリ−β−CDと略記する。)の存在下で測定を行
うことを特徴とする、低比重リポタンパク中のコレステ
ロール測定法の発明である。
【0009】また、本発明は、コレステロールオキシダ
ーゼ(以下、CODと略記する。)又はコレステロール
デヒドロゲナーゼ(以下、CHDと略記する。)を用い
るLDL−コレステロール測定法であって、試料を予め
DM−α−CD又は/及びポリ−β−CDを含んでなる
試薬で処理した後、該化合物の存在下でCOD又はCH
Dを反応させることを特徴とする、LDL−コレステロ
ール測定法の発明である。
【0010】更に、本発明は、DM−α−CD又は/及
びポリ−β−CDを含有させてなることを特徴とする、
低比重リポタンパク中のコレステロール測定用試薬の発
明である。
【0011】また、本発明は、DM−α−CD又は/及
びポリ−β−CDを含んでなる第一試薬と、CODを含
んでなる第二試薬とからなるものであって、カップラ
ー、デベロッパー、ペルオキシダーゼ(以下、PODと
略記する。)及びCHEの夫々が少なくとも第一試薬と
第二試薬の何れかに含まれている低比重リポタンパク中
のコレステロール測定用試薬の発明である。
【0012】更にまた、本発明は、DM−α−CD又は
/及びポリ−β−CD、及びCHEを含んでなる第一試
薬と、CODを含んでなる第二試薬とからなるものであ
って、カップラー、デベロッパー及びPODの夫々が少
なくとも第一試薬と第二試薬の何れかに含まれている低
比重リポタンパク中のコレステロール測定用試薬の発明
である。
【0013】また、本発明は、DM−α−CD又は/及
びポリ−β−CD、CHE、及びカップラー(又はデベ
ロッパー)を含んでなる第一試薬と、COD、CHE、
POD、及びデベロッパー(カップラー)を含んでなる
第二試薬とを組み合わせてなることを特徴とする、低比
重リポタンパク中のコレステロール測定用キットの発明
である。
【0014】即ち、本発明者等は、LDL−コレステロ
ールを、LDL以外の不要なリポタンパクを分離分別す
るための前処理操作なしに直接自動分析装置で測定し得
る方法を見出すべく鋭意研究を重ねた結果、生体試料中
のLDL−コレステロールの測定を、DM−α−CD又
は/及びポリ−β−CDの存在下で行えば、LDL以外
の不要なリポタンパクを分離分別することなくLDL中
のコレステロールを特異的に測定することが可能となる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】本発明に於いて用いられるDM−α−CD
及びポリ−β−CDの使用濃度は、LDL以外のリポタ
ンパクに含まれているコレステロールがコレステロール
測定反応に関与するのを抑制し得る濃度であればよく、
特に限定されないが、コレステロール測定時の反応液中
の濃度、即ち最終の反応液中の濃度が通常0.0001〜10%
(W/V)、好ましくは0.001〜1%(W/V)である。
尚、これらCD誘導体は、市販のものを用いても良い
し、公知の方法に準じて合成したものを用いても良い。
また、例えば、本発明の方法を2試薬系測定法により実
施する場合の第一試薬中のDM−α−CD及びポリ−β
−CDの使用濃度は、試料、第一試薬及び第二試薬の液
量比等により異なるため一概には言えないが、通常0.00
01〜10%(W/V)、好ましくは0.001〜1%(W/V)で
ある。尚、これらCD誘導体は単独で用いても、或はこ
れらを組み合わせて用いてもよいことは言うまでもない
が、2種類を共存させて使用する場合の夫々のCD誘導
体の使用濃度は、LDL以外のリポタンパクに含まれて
いるコレステロールがコレステロール測定反応に関与す
るのを抑制し得る濃度であればよく、コレステロール測
定時の反応液中の濃度、即ち最終の反応液中の濃度が夫
々通常0.0001〜10%(W/V)、好ましくは0.001〜1%
(W/V)である。また、これらを共存させて使用する場
合の使用割合についても、LDL以外のリポタンパクに
含まれているコレステロールがコレステロール測定反応
に関与するのを抑制し得る割合であればよく、特に限定
されないが、通常1:1〜1:100000、好ましくは1:
1〜1:1000である。
【0016】本発明の測定法は、上記した如きDM−α
−CD又は/及びポリ−β−CDを存在させる以外は、
自体公知のコレステロール測定法に準じて、実施すれば
良く、使用される試薬類もこれら自体公知の方法に準じ
て適宜選択すればよい。即ち、血清、血漿等の生体試料
中のLDL−コレステロールを、DM−α−CD又は/
及びポリ−β−CDの存在下、自体公知のコレステロー
ル測定法に準じて測定することにより、生体試料中のL
DL−コレステロールを特異的に測定することができ
る。
【0017】これら自体公知のコレステロール測定法と
しては、生体試料中のコレステロールを測定し得る自体
公知のコレステロール測定法は全て挙げられるが、酵素
反応を利用する、例えば試料中のコレステロールエステ
ルをCHEによって遊離コレステロールと脂肪酸に分解
し、初めから存在する遊離コレステロールと共に、CO
Dによって酸化して、コレステ−4−エン−3−オンと
過酸化水素にし、PODの存在下、生成した過酸化水素
で被酸化性呈色試薬を酸化発色させて、生じた酸化色素
を比色定量する酸化呈色法、例えば試料中のコレステロ
ールエステルをCHEによって遊離コレステロールと脂
肪酸に分解し、初めから存在する遊離コレステロールと
共にCHDの存在下NAD(P)と反応させて、生成す
るNAD(P)Hを340nmで測定する紫外部測定法等が
好ましく挙げられる。
【0018】本発明の測定法に用いられるCODは、そ
の由来は特に限定されず、通常この分野で使用されてい
るもの、例えば、ノカルディア属、シュードモナス属等
の微生物に由来するもの、牛膵臓等動物臓器に由来する
もの等は全て使用可能である。CODの使用量は、コレ
ステロール測定時の反応液中の濃度として、通常0.02〜
10u/ml、好ましくは0.1〜2u/mlである。
【0019】本発明の測定法に用いられるCHEは、そ
の由来は特に限定されず、通常この分野で使用されてい
るもの、例えば、キャンディダ属、シュードモナス属等
の微生物に由来するもの、牛膵臓等動物臓器に由来する
もの等は全て使用可能である。CHEの使用量は、コレ
ステロール測定時の反応液中の濃度として、通常0.02〜
10u/ml、好ましくは0.1〜2u/mlである。
【0020】本発明の測定法に用いられるPODは、そ
の由来は特に限定されず、通常この分野で使用されてい
るもの、例えば、西洋ワサビ、大根等の植物に由来する
もの、カビ、酵母等の微生物に由来するもの、動物の白
血球、甲状腺等に由来するもの等は全て使用可能であ
る。PODの使用量は、コレステロール測定時の反応液
中の濃度として、通常0.01〜50u/ml、好ましくは0.1〜
5u/mlの範囲である。
【0021】本発明の測定法に用いられる被酸化性呈色
試薬としては、PODの存在下、過酸化水素と反応して
呈色するものであれば何れにても良いが、4−アミノア
ンチピリン(4−AA)等のカップラー及び、該カップ
ラーと酸化縮合して色素を生ずるデベロッパーとの組合
せ、即ち、例えば4−AAとフェノール系化合物,ナフ
トール系化合物若しくはアニリン系化合物との組合せ、
3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾンとアニ
リン系化合物との組合せ等や、例えば2,2’−アジノ
ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン
酸)、トリフェニルメタン系ロイコ色素、ジフェニルア
ミン誘導体、ベンジジン誘導体、トリアリルイミダゾー
ル誘導体、ロイコメチレンブルー誘導体、o−フェニレ
ンジアミン誘導体等の酸化によってそれ自体が発色する
発色剤等が挙げられる。デベロッパーとしてのフェノー
ル系化合物の具体例としては、例えばフェノール、p−
クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール等が挙
げられ、ナフトール系化合物の具体例としては、例えば
1−ナフトール、1−ナフトール−2−スルホン酸、1
−ナフトール−2−カルボン酸等が挙げられ、また、ア
ニリン系化合物の具体例としては、例えばN,N−ジエ
チルアニリン、N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチ
ル)−m−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロ
キシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニ
リン(DAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ
−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシ−4−フ
ルオロアニリン(FDAOS)、N−(2−ヒドロキシ
−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン
(HDAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−
3−スルホプロピル)−m−トルイジン(TOOS)、
N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サク
シニル−エチレンジアミン(EMSE)等が挙げられ
る。カップラーとデベロッパーとの組合せを用いる場
合、カップラーの使用量は、用いるカップラーの種類や
組み合わせるデベロッパーの種類等により異なるため一
概には言えないが、コレステロール測定時の反応液中の
濃度として、通常0.01〜100mM、好ましくは0.1〜10mMで
あり、カップラーとして4−AAを使用する場合の使用
量は、コレステロール測定時の反応液中の濃度として、
通常0.01〜50mM、好ましくは0.1〜5mMである。また、
デベロッパーの使用量は、用いるデベロッパーの種類や
組み合わせるカップラーの種類等により異なるため一概
には言えないが、コレステロール測定時の反応液中の濃
度として、通常0.01〜50mM、好ましくは0.1〜5mMであ
る。トリフェニルメタン系ロイコ色素の具体例として
は、例えばロイコマラカイトグリーン、ビス(p−ジエ
チルアミノフェニル)−2−スルホフェニルメタン、ビ
ス(p−ジエチルアミノフェニル)−3,4−ジスルホ
プロポキシフェニルメタン・ジナトリウム塩等が挙げら
れ、ジフェニルアミン誘導体の具体例としては、例えば
ビス〔4−ジ(2−ブトキシエチル)アミノ−2−メチ
ルフェニル〕アミン、N,N−ビス(4−ジエチルアミ
ノ−2−メチルフェニル)−N’−p−トルエンスルホ
ニル尿素等が挙げられ、また、ロイコメチレンブルー誘
導体の具体例としては、例えば10−(カルボキシメチル
アミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)
フェノチアジン・ナトリウム塩、10−〔3−(メトキシ
カルボニルアミノメチル)フェニルメチルアミノカルボ
ニル〕−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジ
ン等が挙げられる。更に、ベンジジン誘導体の具体例と
しては、例えばベンジジン、o−トリジン、o−ジアニ
シジン、3,3’−ジアミノベンジジン、3,3’,
5,5’−テトラアミノベンジジン等が挙げられ、トリ
アリルイミダゾール誘導体の具体例としては、例えば2
−(4−カルボキシフェニル)−3−N−メチルカルバ
モイル−4,5−ビス(4ージエチルアミノフェニル)
イミダゾール、2−(3−メトキシ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−3−N−メチルカルバモイル−4,5−
ビス(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)イミ
ダゾール等が挙げられる。これら発色剤の使用量は、通
常この分野で用いられる濃度である。
【0022】本発明の測定法に用いられるCHDは、そ
の由来は特に限定されず、通常この分野で使用されてい
るもの、例えば、ノカルディア属に由来するもの等が使
用可能である。CHDの使用量は、コレステロール測定
時の反応液中の濃度として、通常0.1〜100u/ml、好ま
しくは1〜50u/mlである。
【0023】本発明の測定法に用いられるNAD(P)
は、特に限定されず、通常この分野で使用されているも
のは全て使用可能である。NAD(P)の使用量は、コ
レステロール測定時の反応液中の濃度として、通常0.02
〜50mM、好ましくは0.1〜10mMである。
【0024】本発明のLDL−コレステロール測定用試
薬は、例えば血清や血漿等の生体由来試料中のLDL−
コレステロ−ルを測定するために使用されるもので、D
M−α−CD又は/及びポリ−β−CDを使用する以外
は、上記した如き自体公知のコレステロール測定法に使
用される試薬類、例えば酸化呈色法に於いて使用される
COD、CHE、POD、被酸化性呈色試薬等の試薬
類、例えば紫外部測定法に於いて使用されるCHE、C
HD、NAD(P)等の試薬類を、この分野で使用され
る濃度範囲で含有するように調製されたものであり、構
成要件の好ましい態様や使用濃度等は、上で述べた通り
である。
【0025】本発明のLDL−コレステロ−ル測定用試
薬は、1試薬系測定法用として調製されたものでも2試
薬系測定法用として調製されたものでも又それ以上に分
けたものでも何れにてもよく、特に限定されない。尚、
2試薬以上の試薬に分けた場合には、特異性、測定精度
等の点を考慮すると、以下のような組成としておくこと
が望ましい。即ち、先ず、酸化呈色法用の試薬の場合、
第一試薬にDM−α−CD又は/及びポリ−β−CD
を、第二試薬にCODを含有させておくことが望まし
く、これ以外のCHE、POD等の酵素類、カップラー
及びデベロッパー等は少なくとも何れかの試薬に含まれ
ていればよい。また、紫外部測定法用の試薬の場合、第
一試薬にDM−α−CD又は/及びポリ−β−CDを、
第二試薬にCHDを含有させておくことが望ましく、こ
れ以外のNAD(P)等は少なくとも何れかの試薬に含
まれていればよい。
【0026】本発明の方法を、2試薬系測定法により実
施する場合には、試料とCOD又はCHDを反応させる
前に、試料とDM−α−CD又は/及びポリ−β−CD
を含んでなる第一試薬とを混合する等して試料を第一試
薬で処理した後、該化合物の存在下で、第二試薬に含有
させたCOD又はCHDを反応させる方が、特異性、測
定精度等の点から望ましい。
【0027】例えば酸化呈色法の場合、上記した如き試
薬の組合せとしては、例えば以下の如きものが挙げられ
る。 (i)DM−α−CD又は/及びポリ−β−CDを含ん
でなる第一試薬と、CODを含んでなる第二試薬とから
なるものであって、カップラー、デベロッパー、POD
及びCHEの夫々が少なくとも第一試薬と第二試薬の何
れかに含まれている試薬からなるもの。 (ii)DM−α−CD又は/及びポリ−β−CD、及び
CHEを含んでなる第一試薬と、CODを含んでなる第
二試薬とからなるものであって、カップラー、デベロッ
パー及びPODの夫々が少なくとも第一試薬と第二試薬
の何れかに含まれている試薬からなるもの。また、例え
ば紫外部測定法の場合、上記した如き試薬の組合せとし
ては、例えば以下の如きものが挙げられる。 (i')DM−α−CD又は/及びポリ−β−CDを含
んでなる第一試薬と、CHDを含んでなる第二試薬とか
らなるものであって、NAD(P)及びCHEの夫々が
少なくとも第一試薬と第二試薬の何れかに含まれている
試薬からなるもの。 (ii')DM−α−CD又は/及びポリ−β−CD、及
びCHEを含んでなる第一試薬と、CHDを含んでなる
第二試薬とからなるものであって、NAD(P)が少な
くとも第一試薬と第二試薬の何れかに含まれている試薬
からなるもの。尚、本発明のLDL−コレステロール測
定用試薬を2液法用として調製する場合には、CHE
を、DM−α−CD又は/及びポリ−β−CDと共に第
一試薬に含有させて用いる方が、LDL−コレステロー
ルへの特異性及びLDL−コレステロールの測定精度を
向上させる上で、望ましい。また、上記した如き本発明
の酸化呈色法用試薬の組合せに於いては、試薬の安定性
(試薬盲検の安定性)を考慮すると、カップラーとデベ
ロッパーの一方を第一試薬に含有させ、他方を第二試薬
に含有させることが望ましい。
【0028】本発明のLDL−コレステロール測定用試
薬中には、緩衝剤が含まれていても良い。本発明に於い
て使用される緩衝剤としては、用いられる各種酵素類及
び被酸化性呈色試薬等の組合せ等により異なるが、この
分野に於いて通常用いられるものであればよく、pH5〜
11の範囲で緩衝作用を有するものが使用される。また、
これら緩衝剤の使用濃度は、通常1mM〜5M、好ましく
は5mM〜1Mである。これら緩衝剤のうち、特にLDL
−コレステロールへの特異性の点から、例えばN−(2
−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(AC
ES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−
アミノエタンスルホン酸(BES)、N−シクロヘキシ
ル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、2−
〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕
エタンスルホン酸(HEPES)、2−モルホリノエタ
ンスルホン酸(MES)、ピペラジン−1,4−ビス
(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−トリス
(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホ
ン酸(TES)等のアミノエタンスルホン酸誘導体、例
えばN−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン
酸(CAPS)、N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ
−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPSO)、3−
〔N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2
−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、3−
〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕
プロパンスルホン酸(EPPS)、2−ヒドロキシ−3
−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニ
ル〕プロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−モルホ
リノプロパンスルホン酸(MOPS)、2−ヒドロキシ
−3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPSO)、
ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロ
パンスルホン酸)(POPSO)、N−トリス(ヒドロ
キシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸
(TAPS)、2−ヒドロキシ−N−トリス(ヒドロキ
シメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(T
APSO)等のアミノプロパンスルホン酸誘導体、例え
ばN−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bi
cine)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチ
ル〕グリシン(Tricine)等のグリシン誘導体等
のカルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミ
ン類を緩衝剤として用いることが好ましい。
【0029】また、本発明のLDL−コレステロ−ル測
定用試薬中には、イオン性化合物、例えばデキストラン
硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、リンタングステン酸等
のポリアニオン等が含まれていても良い。これらは単独
または混合して使用することができる。更に、イオン性
化合物と、Mg2+、Mn2+、Ca2+等の2価のカチオン
(或いはこれら2価のカチオンを生じさせ得る金属塩)
とを組み合わせて使用してもよい。これらの使用濃度は
特に限定されないが、イオン性化合物等の使用濃度は、
反応液中の濃度が、通常0.01〜10%(w/v)であり、ま
た、2価カチオンの使用濃度は、反応液中の濃度が、通
常0.1〜200mMである。また、本発明のLDL−コレステ
ロ−ル測定用試薬中にはLDL以外のリポタンパク中の
コレステロールがコレステロール測定反応に関与するこ
とを防止するために、ポリクロ−ナル抗体またはモノク
ロ−ナル抗体の1種または2種以上を共存させてもよ
い。このような目的で使用可能な抗体としては、例えば
抗アポリポタンパクA抗体、抗アポリポタンパクC抗
体、抗アポリポタンパクE抗体、抗αリポタンパク抗体
等が挙げられる。これら抗体の使用濃度は、LDL以外
のリポタンパク中に含まれるコレステロールがコレステ
ロール測定反応に関与するのを防止し得る濃度以上であ
ればよく、特に限定されないが、最終の反応液中の濃度
が通常0.001〜10mgAb/ml、好ましくは0.01〜1mgAb/ml
となるように反応液中に添加される。また、本発明のL
DL−コレステロール測定用試薬中には、この分野に於
いて通常用いられる界面活性剤、例えばアルキルベタイ
ン誘導体(例えばラウリルベタイン、ステアリルベタイ
ン、ラウリルジメチルアンモニウムベタイン、ココナッ
トベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラ
ウリン酸アミドプロピルベタイン等)、イミダゾリニウ
ムベタイン誘導体(例えばラウリルカルボキシメチルヒ
ドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキ
ル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミ
ダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ
エチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等)等のベタイ
ン誘導体、例えばアルキルグリシン、アルキルジ(アミ
ノエチル)グリシン、ジオクチルポリアミノエチルグリ
シン、N−アルキルポリアミノエチルグリシン、β−ア
ラニン誘導体等のアミノカルボン酸誘導体、例えばビス
(2−ウンデシル,N−ヒドロキシエチルイミダゾリ
ン)クロル酢酸錯体、アルキルイミダゾリン誘導体等の
イミダゾリン誘導体、例えばラウリルジメチルアミンオ
キサイド等のアミンオキサイド誘導体等の両性界面活性
剤、例えばポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオ
レイルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等の非イオン
性界面活性剤、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモ
ニウム、塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム等
の陽イオン性界面活性剤、例えばコール酸、デオキシコ
ール酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤等の界面活性
剤が含まれていても良い。これらは単独又は二種以上組
み合わせて用いることができ、その使用濃度は、特に限
定されないが、反応液中の濃度が、通常0.0001〜10%
(w/v)、好ましくは0.001〜1%(w/v)である。
尚、LDL−コレステロールに対する特異性やLDL−
コレステロールの測定精度等の点から、これら界面活性
剤のうち、両性界面活性剤を本発明に係るCD誘導体と
共存させて用いることが望ましい。
【0030】本発明のLDL−コレステロ−ルの測定法
を、2試薬系測定法により実施するには、例えば以下の
如く行えばよい。即ち、酸化呈色法の場合、例えば血
清、血漿等の生体試料と、例えばDM−α−CD又は/
及びポリ−β−CD、CHE及びカップラー(又はデベ
ロッパー)、要すれば両性界面活性剤、緩衝剤、抗体、
イオン性化合物、2価のカチオン等を含有する第一試薬
とを混合して生体試料を処理し、2〜40℃で1〜30分間
反応させた後に吸光度(OD1)を測定する。次いで、
該反応液と、 例えばCOD、POD及びデベロッパー
(又はカップラー)、要すれば緩衝剤等を含有する第二
試薬とを混合し、2〜40℃で1〜60分反応させた後に吸
光度(OD2)を測定する。上記のOD2からOD1に由
来する値(例えばOD1に補正係数を掛けて求めた値)
を差し引いた吸光度(OD3)を求め、得られたOD
3を、例えば予めLDL−コレステロール濃度既知の標
準液等を試料として上記と同様にして求めた、LDL−
コレステロール濃度とOD3との関係を示す検量線に当
て はめることにより、生体試料中のLDL−コレステ
ロールの値が求められる。また、紫外部測定法の場合、
例えば血清、血漿等の生体試料と、例えばDM−α−C
D又は/及びポリ−β−CD、及びCHE、要すれば両
性界面活性剤、緩衝剤、抗体、イオン性化合物、2価の
カチオン等を含有する第一試薬とを混合して生体試料を
処理し、2〜40℃で1〜30分間反応させた後に340nmに
於ける吸光度(OD1')を測定する。次いで、該反応液
と、例えばCHD、 及びNAD(P)、要すれば緩衝
剤等を含有する第二試薬とを混合し、2〜40℃で1〜60
分反応させた後に340nmに於ける吸光度(OD2')を測
定する。上記の OD2'からOD1'に由来する値(例え
ばOD1'に補正係数を掛けて求めた値)を差し引いた吸
光度(OD3')を求め、得られたOD3'を、例えば予め
LDL−コレステロール濃度既知の標準液等を試料とし
て上記と同様にして求めた、LDL−コレステロール濃
度とOD3との関係を示す検量線に当てはめることによ
り、 生体試料中のLDL−コレステロールの値が求め
られる。
【0031】また、本発明のLDL−コレステロ−ルの
測定法は、1試薬系測定法により実施しても良く、この
場合は、例えば以下の如く行えばよい。即ち、酸化呈色
法の場合、例えば血清, 血漿等の生体試料と、例えばC
HE、COD、POD、被酸化性呈色試薬、DM−α−
CD又は/及びポリ−β−CD、要すれば両性界面活性
剤、緩衝剤、抗体、イオン性化合物、カチオン等を含有
する試液とを混合し、2〜40℃で1〜30分間反応させた
後に吸光度(ODS)を測定する。また、生体試料の代
わりに生理食塩水等を使用し、上 記と同じ試薬を用い
上記と同様の操作を行って盲検値(ODBl)を求める。
次いで、ODSからODB lを差し引いた吸光度(ODR
を求め、これを、例えば予めLDL−コレステロール濃
度既知の標準液等を試料として上記と同様にして求め
た、LDL−コレステロール濃度とODRとの関係を示
す検量線に当てはめるこ とにより、生体試料中のLD
L−コレステロールの値が求められる。また、紫外部測
定法の場合、例えば血清, 血漿等の生体試料と、例えば
CHE、CHD、NAD(P)、及びDM−α−CD又
は/及びポリ−β−CD、要すれば両性界面活性剤、緩
衝剤、抗体、イオン性化合物、カチオン等を含有する試
液とを混合し、2〜40℃で1〜30分間反応させた後に34
0nmに於 ける吸光度(ODS')を測定する。また、生体
試料の代わりに生理食塩水等を使用し、上記と同じ試薬
を用い上記と同様の操作を行って盲検値(ODBl')を
求 める。次いで、ODS'からODBl'を差し引いた吸光
度(ODR')を求め、これ を、例えば予めLDL−コ
レステロール濃度既知の標準液等を試料として上記と同
様にして求めた、LDL−コレステロール濃度とODR'
との関係を示す検量線に当てはめることにより、生体試
料中のLDL−コレステロールの値が求められる。
【0032】本発明のLDL−コレステロール測定用キ
ットは、例えば血清や血漿等の生体由来試料中のLDL
−コレステロ−ルを測定するために使用されるもので、
このようなキットとしては以下の如きものが望ましい。
即ち、酸化呈色法用の場合、DM−α−CD又は/及び
ポリ−β−CD、CHE、及びカップラー(又はデベロ
ッパー)を含んでなる第一試薬と、COD、POD、及
びデベロッパー(カップラー)を含んでなる第二試薬と
を含んでなるものが挙げられる。 また、紫外部測定法
用の場合、DM−α−CD又は/及びポリ−β−CD、
及びCHEを含んでなる第一試薬と、CHD、及びNA
D(P)を含んでなる第二試薬とを含んでなるものが挙
げられる。尚、夫々の構成要素の好ましい態様、具体例
については上で述べた通りである。また、当該キットに
は、必要に応じて、LDL−コレステロール標準品等が
組み合わされていても良いことは言うまでもない。
【0033】本発明のLDL−コレステロールの測定法
は、DM−α−CD又は/及びポリ−β−CDの存在下
で、コレステロールの測定を行わせるために、HDLの
みならずVLDL、カイロミクロン等のLDL以外のリ
ポタンパク中のコレステロールとも実質的に反応せず、
LDL−コレステロールのみと特異的に反応するので、
従来法では困難であったエンドポイント・アッセイでの
LDL−コレステロール測定を可能ならしめるものであ
る。また、標準品についてもLDL−コレステロールの
純品を用いる必要はなく、コレステロールを含む、標準
液あるいは粘度、比重等が正常血清と同様の物性を持つ
標準血清を使用することができる。
【0034】以下に、実施例及び参考例を挙げて本発明
を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0035】
【実施例】
実施例1 日立7170形自動分析装置〔(株)日立製作所製〕を
使用して、本発明の測定法により、超遠心法で分画した
各種リポタンパク中のコレステロールを測定し、その反
応性を検討した。 〔試料〕自体公知の超遠心法で血清より分画して得たL
DL画分、HDL画分、VLDL画分及びCM画分を試
料とした。尚、各試料中のコレステロールを、予め、市
販の総コレステロール測定用試薬キット Lタイプワコ
ーCHO・H(和光純薬工業(株)製)を用いて、同キッ
トの現品説明書の標準操作法に従い測定した。 〔試薬〕 R−1;N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジ
メトキシアニリン Na塩(HDAOS:(株)同仁化学
研究所製。) 0.6mM、NaSO40.4M及び所定のCD誘
導体を所定濃度含有する100mM ピペラジン-1,4-ビス
(2-エタンスルホン酸)(PIPES)−NaOH緩衝液(p
H7.0)をR−1とした。 R−2;COD(天野製薬(株)製。) 4U/ml、CH
E(旭化成工業(株)製)4U/ml、POD(東洋紡(株)
製。) 6U/ml及び4−AA 3mMを含有する100mM
PIPES−NaOH緩衝液(pH7.0)をR−2とし
た。 〔CD誘導体〕以下のCD誘導体を使用した。 ・DM−α−CD(和光純薬工業(株)製) ・ポリ−β−CD(和光純薬工業(株)製) 〔測定条件〕測定パラメータを以下のように設定して、
各試料中のコレステロールを測定した。 測定方法 ;2ポイント エンド[16]−[34] 試料量 ;3μl R−1 ;270μl R−2 ; 90μl 測定波長 ;700/600nm 測定温度 ;37℃ 標準品濃度;100mg/dl 〔結果〕各種試料について得られたコレステロール値
と、市販のキットを用いて測定した各種試料中のコレス
テロール値とを、下記式に当てはめて、各リポタンパク
の反応率を求めた。 その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【0038】表1の結果から明らかな如く、本発明に係
るCD誘導体の存在下でコレステロールの測定を行う
と、LDL以外のリポタンパクとの反応が著しく抑制さ
れていることが判る。特にDM−α−CDとポリ−β−
CDを併用した場合には、LDL以外のリポタンパクと
は殆ど反応していないことが判る。これに対して、CD
非存在下で測定を行った場合には、VLDL及びCMと
の反応が全く抑制されておらず、LDL−コレステロー
ルを特異的に測定することは不可能であることが判る。
以上のことから、DM−α−CD又は/及びポリ−β−
CDからなるCD誘導体の存在下でリポタンパク中のコ
レステロールの測定を行うと、LDL中のコレステロー
ルを特異的に測定し得ることが判る。
【0039】実施例2 日立7170形自動分析装置〔(株)日立製作所製〕を
使用して、本発明の測定法により、超遠心法で分画した
各種リポタンパク中のコレステロールを測定し、その反
応性を検討した。 〔試料〕実施例1と同じ。 〔試薬〕 R−1;4−AA 1.2mM、CHE(旭化成工業(株)
製) 1U/ml及び所定のCD誘導体を所定濃度含有す
る25mM PIPES−NaOH緩衝液(pH7.2)をR−
1とした。 R−2;COD(天野製薬(株)製。) 4U/ml、PO
D(東洋紡(株)製。)6U/ml及びHDAOS 1.2mMを
含有する25mM PIPES−NaOH緩衝液(pH7.2)
をR−2とした。 〔CD誘導体〕ポリ−β−CD(和光純薬工業(株)製) 〔測定条件〕実施例1と同じ。 〔結果〕実施例1と同様にして各リポタンパクの反応率
を求めた。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【0042】表2の結果から明らかな如く、ポリ−β−
CDとCHEとを第一試薬に共存させてコレステロール
の測定を行うと、LDLとの反応には全く影響せずに、
LDL以外のリポタンパクとの反応が著しく抑制されて
おり、LDL中のコレステロールを特異的に測定し得る
ことが判る。これに対して、CHEのみを第一試薬に添
加した場合には、LDL以外のリポタンパク、特にHD
L及びVLDLとの反応を殆ど抑制することができない
だけでなく、LDLとの反応をも若干抑制してしまい、
LDL中のコレステロールを特異的に測定することは不
可能であることが判る。
【0043】実施例3 日立7170形自動分析装置〔(株)日立製作所製〕を
使用して、本発明の測定法により、血清中のLDL−コ
レステロールを測定した。 〔試料〕新鮮ヒト血清8検体を試料とした。 〔試薬〕 (試薬1) R−1;4−AA 1.2mM及びポリ−β−CD 0.13%
を含有する25mM PIPES−NaOH緩衝液(pH7.
2)をR−1とした。 R−2;COD(天野製薬(株)製。) 4U/ml、CH
E 4U/ml、POD(東洋紡(株)製。) 6U/ml、H
DAOS 1.2mM及びリポミンLA0.4%を含有する25mM
PIPES−NaOH緩衝液(pH7.2)をR−2とし
た。 (試薬2) R−1;4−AA 1.2mM、CHE(旭化成工業(株)
製) 1U/ml、ポリ−β−CD 0.13%及びリポミン
LA(アミノカルボン酸誘導体:ライオン(株)製、商品
名)含有する25mM PIPES−NaOH緩衝液(pH7.
2)をR−1とした。 R−2;COD(天野製薬(株)製。) 4U/ml、PO
D(東洋紡(株)製。)6U/ml及びHDAOS 1.2mMを
含有する25mM PIPES−NaOH緩衝液(pH7.2)
をR−2とした。 (試薬3) R−1;4−AA 1.2mM、ポリ−β−CD 0.13%、
CHE 1U/ml及びリポミンLA 0.1%を含有する25
mM PIPES−NaOH緩衝液(pH7.2)をR−1と
した。 R−2;COD(天野製薬(株)製。) 4U/ml、CH
E 4U/ml、POD(東洋紡(株)製。) 6U/ml及び
HDAOS 1.2mMを含有する25mMPIPES−NaO
H緩衝液(pH7.2)をR−2とした。 (試薬4) R−1;4−AA 1.2mM、CHE 1U/ml及びリポミ
ンLA 0.1%を含有する25mM PIPES−NaOH
緩衝液(pH7.2)をR−1とした。 R−2;COD(天野製薬(株)製。) 4U/ml、PO
D(東洋紡(株)製。)6U/ml及びHDAOS 1.2mMを
含有する25mM PIPES−NaOH緩衝液(pH7.2)
をR−2とした。 〔測定条件〕実施例1と同じ。 〔結果〕測定結果を表3に示す。
【0044】参考例1 実施例3で用いた血清検体について、従来法のFrie
dewald式によりHDL−コレステロール値を算出
した。尚、測定操作は、自体公知の操作法に従って行っ
た。 〔結果〕測定結果を表3に併せて示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【0047】表3の結果から明らかな如く、ポリ−β−
CD非共存下でのLDL中のコレステロール測定値、即
ち、試薬4を用いて得られたコレステロール値に比べ
て、本発明のポリ−β−CDを含有する試薬、即ち、試
薬1〜3を用いて得られたLDL中のコレステロール測
定値の方が、従来法、即ち、参考例1のFriedew
ald式で算出したLDL−コレステロール値により近
いこと、即ち、より特異的にLDL中のコレステロール
を測定し得ることが判る。更に、ポリ−β−CDと両性
界面活性剤及びCHEとを共存させた場合(試薬2及び
3)には、ポリ−β−CDのみに比べてFriedew
ald式で算出したLDL−コレステロール値により近
づくこと、即ち、LDL−コレステロールへの特異性が
より向上することが判る。
【0048】実施例4 血清、血漿等生体試料中のLDL−コレステロールの測
定を実施するために使用される、測定用キットの代表的
な例としては、以下のようなものが挙げられる。 (1)第一試薬(pH6〜8):DM−α−CD又は/及
びポリ−β−CD、CHE、カップラー(又はデベロッ
パー)。 (2)第二試薬(pH6〜8):COD、CHE、PO
D、デベロッパー(カップラー)。
【0049】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は生体試料中の
LDL−コレステロ−ルを特異的に且つ精度良く測定し
得る方法並びにそれに用いられる試薬を提供するもので
あり、本発明を利用することにより、従来の方法では不
可能であったLDL−コレステロ−ルを直接、しかも汎
用の自動分析装置を用いて測定し得る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12Q 1/60 C12Q 1/60 (72)発明者 花田 寿郎 兵庫県尼崎市高田町6番1号 和光純薬工 業株式会社大阪研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジメチル−α−シクロデキストリン又は
    /及びポリ−β−シクロデキストリンの存在下で測定を
    行うことを特徴とする、低比重リポタンパク中のコレス
    テロール測定法。
  2. 【請求項2】 コレステロールオキシダーゼ又はコレス
    テロールデヒドロゲナーゼを用いる低比重リポタンパク
    中のコレステロールの測定方法であって、試料を予めジ
    メチル−α−シクロデキストリン又は/及びポリ−β−
    シクロデキストリンを含んでなる試薬で処理した後、該
    化合物の存在下でコレステロールオキシダーゼ又はコレ
    ステロールデヒドロゲナーゼを反応させることを特徴と
    する、低比重リポタンパク中のコレステロール測定法。
  3. 【請求項3】 ジメチル−α−シクロデキストリン又は
    /及びポリ−β−シクロデキストリンのコレステロール
    測定時の反応液中の濃度が、0.0001〜20%(W/V)であ
    る、請求項1又は2に記載の低比重リポタンパク中のコ
    レステロール測定法。
  4. 【請求項4】 ジメチル−α−シクロデキストリン又は
    /及びポリ−β−シクロデキストリンを含有させてなる
    ことを特徴とする、低比重リポタンパク中のコレステロ
    ール測定用試薬。
  5. 【請求項5】 ジメチル−α−シクロデキストリン又は
    /及びポリ−β−シクロデキストリンを含んでなる第一
    試薬と、コレステロールオキシダーゼを含んでなる第二
    試薬とからなるものであって、カップラー、デベロッパ
    ー、ペルオキシダーゼ及びコレステロールエステラーゼ
    の夫々が少なくとも第一試薬と第二試薬の何れかに含ま
    れている低比重リポタンパク中のコレステロール測定用
    試薬。
  6. 【請求項6】 コレステロールエステラーゼが第一試薬
    に含まれている、請求項5に記載の低比重リポタンパク
    中のコレステロール測定用試薬。
  7. 【請求項7】 コレステロールエステラーゼが第二試薬
    に含まれている、請求項5に記載の低比重リポタンパク
    中のコレステロール測定用試薬。
  8. 【請求項8】 コレステロールエステラーゼが第一試薬
    及び第二試薬に含まれている、請求項5に記載の低比重
    リポタンパク中のコレステロール測定用試薬。
  9. 【請求項9】 ジメチル−α−シクロデキストリン又は
    /及びポリ−β−シクロデキストン、及びコレステロー
    ルエステラーゼを含んでなる第一試薬と、コレステロー
    ルオキシダーゼを含んでなる第二試薬とからなるもので
    あって、カップラー、デベロッパー及びペルオキシダー
    ゼの夫々が少なくとも第一試薬と第二試薬の何れかに含
    まれている低比重リポタンパク中のコレステロール測定
    用試薬。
  10. 【請求項10】 カップラーとデベロッパーの一方が第
    一試薬に含まれ、他方が第二試薬に含まれている、請求
    項5〜9に記載の低比重リポタンパク中のコレステロー
    ル測定用試薬。
  11. 【請求項11】 ジメチル−α−シクロデキストリン又
    は/及びポリ−β−シクロデキストリン、コレステロー
    ルエステラーゼ、及びカップラー(又はデベロッパー)
    を含んでなる第一試薬と、コレステロールオキシダー
    ゼ、コレステロールエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、
    及びデベロッパー(又はカップラー)を含んでなる第二
    試薬とを組み合わせてなることを特徴とする、低比重リ
    ポタンパク中のコレステロール測定用キット。 【0001】
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