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つい「野党は反発」と書いてしまう 政治報道を上西さんと考えてみた

菅義偉首相の記者会見。政治報道のあり方に、かつてないほど厳しい目が向けられているけれど…=首相官邸で2021年3月18日午後7時53分、竹内幹撮影
菅義偉首相の記者会見。政治報道のあり方に、かつてないほど厳しい目が向けられているけれど…=首相官邸で2021年3月18日午後7時53分、竹内幹撮影

 「メディアは政権批判ばかり」とよく言われる。でも、同じくらい「きちんと批判しない」「擁護している」とも言われる。批判は仕事だから当然だけれど、擁護だなんて、そんなつもりはないのになあ……と考えていたら、国会論戦を分析してきた法政大教授の上西充子さんが新著「政治と報道」(扶桑社新書)を出した。ならば、と上西さんに問うてみた。政治報道の何が問題なのか?【吉井理記/統合デジタル取材センター】

定型句なのに…上西さんはダメ出し

 まず記者(吉井)のことから。

 政治記者ではないが、本紙夕刊「特集ワイド」などで、安倍晋三政権発足直後の2013年春から現在まで、与野党の政治家にインタビューするなど、政治がらみの記事も多く書いてきた。だから各紙の政治記事も読む。

 どれどれ、政治部記者が書いたこの日の毎日新聞デジタルの記事。「菅義偉首相の長男の接待問題、菅首相は野党の追及をかわした」とある。「野党の追及は決定打を欠いた」とも。うーん、野党は決め手を欠いているのか。

 「ちょっと待ってください。今、吉井さんが挙げられた言葉一つ一つに、政治から人々を遠ざけ、報道不信を招く根源があるのです」と上西さん。

 えっ。以前勤めた新聞社も含めれば記者歴は22年。ごく見慣れた文体、ありふれた言葉の記事である。どこに問題が?

 「例えば…

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