「40年長期入院強いられた」 精神障害者が国に賠償求め提訴「地域医療に転換せず」
毎日新聞
2020/9/30 19:32(最終更新 9/30 19:32)
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国が精神障害者に対する隔離収容政策を改めなかったことで地域で暮らす機会を奪われ、約40年の長期入院を強いられたとして、群馬県太田市の無職、伊藤時男さん(69)が30日、国に3300万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。
訴状などによると、伊藤さんは統合失調症と診断され、1973年に福島県内の病院に医療保護入院した。2011年の東日本大震災でこの病院が閉鎖するまで、意思に反して病院で過ごすことを余儀なくされた。現在は投薬治療を受けながら、太田市のアパートで1人暮らしをしている。
欧米諸国は、隔離収容政策は人権侵害に当たるとして、55年ごろから地域生活・地域医療へ転換を図った。さらに、日本の精神科医療を調査した世界保健機関(WHO)の顧問が日本政府に出した68年の勧告によって、入院が必要でない人にも入院を継続していることや、地域医療に転換する必要性を認識しながら放置したとしている。
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