西武鉄道 でかける人を、ほほえむ人へ。
西武鉄道株式会社 | |
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SEIBU Railway Co., Ltd. | |
基本情報 | |
本社所在地 | 埼玉県所沢市くすの木台 1丁目11番地1 |
設立 | 1912年5月7日 |
資本金 | 216億6,523万2千円 |
従業員数 | 3,556人(2023年度) |
売上高 | 1,227億円(2023年度) |
旅客営業キロ | 176.6km |
駅数 | 92駅(旅客駅のみ) |
在籍車両数 | 1,221両(2023年度) |
新宿・池袋を起点とし東京都北西部から埼玉県中西部まで路線を広げる私鉄事業者。現在、幹線2、支線11の13路線179.8km(旅客営業キロは176.6km)を有しており、路線距離は関東大手では第3位、全大手私鉄中でも第5位(共に東京メトロ含む)の長さがある。東京メトロ有楽町線・副都心線と、2013年3月からは副都心線経由で、東急東横線・みなとみらい線と相互直通運転を実施している。1日の輸送人員は約160万人(2023年度)。
2024年現在、新宿線では、中井駅~野方駅間および井荻駅~西武柳沢駅間、東村山駅付近で立体交差化事業が進められており、利便性の向上に努めている。
2019年に西武ホールディングスとプリンスホテル、西武プロパティーズの2つの子会社が池袋の西武鉄道旧本社跡地に建設されたダイヤゲート池袋に移転したが、西武鉄道は引き続き埼玉県所沢市に本社を置いている。
なお、「西武」は武蔵国の西を意味するが、これの由来は旧西武鉄道が武蔵水電だったときに吸収合併した西武軌道からきており、昔の野球ボールに似たシンボルマークもここからとられている。
- 1912年(明治45年)5月7日に、前身である武蔵野鉄道が設立され、当時は池袋駅~飯能駅間43,7kmの営業だった。
- 1928年4月、多摩湖鉄道(現在の多摩湖線)が設立。
- 1929年9月、現在の池袋線完成。
- 1940年3月12日、多摩湖鉄道を合併。
- 1945年9月22日、旧西武鉄道(現新宿線、国分寺線、西武園線、安比奈線、多摩川線)を合併し、西武農業鉄道と改称。
- 1946年11月15日に、バス部門を分離し現在の西武鉄道という会社名に改称。
- 1951年4月、新宿軌道線を東京都に売却。
- 1952年3月、西武新宿駅~高田馬場駅間を開業し、村山線を新宿線に改称。川越線の東村山駅~本川越駅間が新宿線に編入され、残る区間は国分寺線に改称。
- 1963年11月、池袋駅~所沢駅間で私鉄初の10両編成による運転開始。
- 1969年10月、西武秩父線営業開始、同時に特急レッドアロー運行開始。
- 1977年3月、西武新宿駅新装・駅ビルオープン。
- 1986年8月、本社ビルを所沢に移転。
- 1988年11月、4000系電車登場。
- 1989年4月、秩父鉄道への直通運転開始。
- 1992年6月、6000系電車登場。
- 1993年12月、新宿線に10000系ニューレッドアロー登場。翌年には池袋線にも投入される。
- 1993年12月、9000系電車登場。
- 1996年12月、6000系アルミ車登場。
- 1998年3月、池袋線と営団地下鉄(現・東京メトロ)有楽町線が相互直通運転開始。
- 2000年2月、新宿線に20000系電車登場。
- 2004年12月、上場廃止(証券取引法違反事件による)。
- 2007年3月、PASMOサービス開始
- 2008年4月、新宿線に30000系「スマイルトレイン」登場。
- 2008年6月、池袋線と東京メトロ副都心線が相互直通運転開始。
- 2012年5月7日、西武鉄道開業100周年。
- 2012年6月30日、新宿線で快速急行と拝島快速が廃止。
- 2013年3月16日、池袋線と(副都心線を介して)東急東横線・みなとみらい線との相互直通運転開始。
- 2014年4月23日、親会社である西武ホールディングスにより再上場(東証一部:9024)。
- 2017年3月25日、池袋線に40000系「S-TRAIN」登場。
- 2017年5月31日、安比奈線を廃止。
- 2018年3月10日、新宿線・拝島線(西武新宿駅→拝島駅)にて40000系「拝島ライナー」運転開始。
- 2019年3月16日、池袋線に26年ぶりの特急車両001系「Laview」運転開始。
- 1892年(明治25年)8月5日に、川越鉄道として設立。
- 1894年12月21日、川越線(現在の国分寺線)を開業。
- 1895年3月、東村山駅~本川越駅間開業。
- 1920年6月、武蔵水電により吸収合併される。
- 1921年10月、西武軌道(後の都電杉並線)を吸収合併。
- 1922年6月、武蔵水電から鉄道部門が分離され武蔵鉄道となる。
- 1922年8月、西武鉄道に社名変更。
- 1925年2月、安比奈線開業。
- 1927年4月、村山線(現・新宿線の久米川駅~高田馬場駅間)開業。
- 1927年8月、多摩鉄道(現・多摩川線)を吸収合併。
- 1930年4月、東村山駅~村山貯水池駅(現・西武園駅)間が村山線の一部として開業。
- 1941年2月、西武大宮線廃止。
- 1945年9月22日、武蔵野鉄道と合併。
池袋駅を起点、吾野駅を終点とする池袋線と、西武新宿駅を起点、本川越駅を終点とする新宿線に大別される。また、それ以外にもどちらの系列にも入らない多摩川線、新交通システムに生まれ変わった山口線がある。山口線を除き、軌間1067mm、直流1500Vで全線電化されている(山口線は直流750V)。
池袋線の終点は「吾野駅」であるが「飯能駅」だと勘違いされやすい。延伸の都合上飯能駅を平地型スイッチバック構造とせざるを得ず、且つ飯能駅より西の区間の路線条件などを鑑み、事実上特急を除くほとんどの便が飯能駅で折り返すようになったためである。なお新宿線には東京メトロ東西線との直通運転の構想があるとされる。
列車種別は各駅停車のほかに特急、快速急行、急行、快速、準急、通勤急行、通勤準急があり、池袋線系統では急行が快速の上位である。新宿線系統では2012年6月30日のダイヤ改正で日中の種別が、特急・急行・各停に統一された。
駅別利用者数では、池袋駅が約41万人で最も多く、以下高田馬場駅(約26万人)・西武新宿駅(約14万人)・国分寺駅(約10万人)と続く。ちなみに、最も少ない駅は西武秩父線正丸駅で167人(いずれも2023年度)である。
路線名 | 区間 | 距離 | 他社線乗り入れ路線 |
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■池袋線 | 池袋駅~吾野駅 | 57.8km | |
■西武秩父線 | 吾野駅~西武秩父駅 | 19.0km | 秩父鉄道 秩父本線 |
■西武有楽町線 | 練馬駅~小竹向原駅 | 2.6km | 東京地下鉄有楽町線・副都心線 東急電鉄東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線 |
■豊島線 | 練馬駅~豊島園駅 | 1.0km | |
■狭山線 | 西所沢駅~西武球場前駅 | 4.2km | 東京地下鉄有楽町線・副都心線 東急電鉄東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線 ※西武ドームで野球開催時のみ乗り入れ |
路線名 | 区間 | 距離 |
---|---|---|
■新宿線 | 西武新宿駅~本川越駅 | 47.5km |
■西武園線 | 東村山駅~西武園駅 | 2.4km |
■拝島線 | 小平駅~拝島駅 | 14.3km |
■多摩湖線 | 国分寺駅~多摩湖駅 | 9.2km |
■国分寺線 | 東村山駅~国分寺駅 | 7.8km |
路線名 | 区間 | 距離 |
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■多摩川線 | 武蔵境駅~是政駅 | 8.0km |
■山口線 | 西武球場前駅~多摩湖駅 | 2.8km |
なお、これ以外にも大宮駅~川越久保町駅を結ぶ大宮線、南大塚駅~安比奈駅を結ぶ安比奈線、新宿駅前~萩窪駅前を結ぶ西武軌道線があったが、大宮線は廃止、安比奈線は休止(2017年に廃止)、西武軌道線は東京都に売却(後に廃止)された。
また、あまり有名ではないが、奥多摩湖(小河内ダム)建設時の鉄道を買い取って観光路線化、国鉄青梅線も買収して西武新宿駅から直通させる計画があった。
結局需要が見込めないことなどから計画は消え、一度買い取ったその鉄道も奥多摩工業に売却済みである。
長く車両を旧所沢車両工場で自製[1]してきた。また設計にあたっては「製造コスト」「収容力」「内装設備」が優先項目で、「乗り心地」「動力性能」は二の次、新技術に対してはアレルギーに近いほど冷淡であった。そもそも「輸送力増強」という課題に対して「速度を上げることで運行本数を増やす」より「施設を増強して連結両数を増やす」という方針をとっており、枯れた技術を用いた信頼性の高い車両を大量に走らせることをポリシーとしてきたのである。
しかし自前で製造技術や生産能力を向上させるには限界があり、1969年の5000系を振り出しに、1980年以降は徐々に外注にシフトし、1999年以降は全車外注している。
- 日立製作所:5000系(一部)、10000系、6000系(50番台)、20000系、30000系、001系
- 東急車輛製造:新101系(一部)、3000系(一部)、新2000系(一部)、4000系、6000系(0番台)
※総合車両製作所となってからは発注されていない。 - 新潟鉄工所:8500系
- 川崎重工業→川崎車輛:40000系
001系 Laview |
40000系 S-TRAIN |
30000系 スマイルトレイン |
20000系 |
10000系 ニューレッドアロー |
2000系 | 8500系 レオライナー |
9000系 |
6000系 | 4000系 | 新101系 |
記事がある車両のみ。
車庫は「車両基地」と呼ばれる。1973年までは「検車区」、同年~2001年までは「車両管理所」という名称であった。
施設名 | 最寄駅 | 収容両数 | 備考 |
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小手指車両基地 | 小手指駅 | 346両 | |
武蔵丘車両基地 | 武蔵丘信号場 | 164両 | |
白糸台車両基地 | 白糸台駅 | 20両 | 多摩川線運用車両の管理。 車両配置なし |
山口車両基地 | 西武球場前駅 | - | 山口線運用車両の管理。 |
施設名 | 最寄駅 | 収容両数 | 備考 |
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南入曽車両基地 | 入曽駅 | 250両 | |
玉川上水車両基地 | 玉川上水駅 | 128両 | |
上石神井車両基地 | 上石神井駅 | 152両 | 車両配置なし。 |
全般検査・重要部検査を行う施設は「検修場」と呼ばれる。1999年までは「工場」(所沢車両工場)で、車両製造もおこなっていた。山口線8500系もここに陸送され、検査を受けている。
施設名 | 最寄駅 | 年間整備両数 | 備考 |
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武蔵丘車両検修場 | 武蔵丘信号場 | 480両 | 武蔵丘車両基地に隣接。 |
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2004年に発覚した有価証券報告書虚偽報告事件により堤義明氏が失脚し、西武鉄道の親会社として西武ホールディングスが2006年に設立された。このグループ再編に際し、西武は“ハゲタカファンド”サーベラス・キャピタル・マネジメントの出資を受け入れた。
2013年3月、親会社西武ホールディングスの大株主である外資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントが西武ホールディングスを再上場させるために、西武グループに対して大規模なリストラ案を株主提案する。西武鉄道に対する内容としては、不採算路線とされる5路線(国分寺線・西武秩父線・多摩川線・多摩湖線・山口線)の廃止、特急料金の値上げなどである。
これに対して西武グループ側が拒否したため、サーベラス側が株主公開買付け(TOB)を実施することになる。しかし、サーベラス側はこのような提案をしていないと発言しているために余計に事態がややこしくなっている。
不採算路線の売却は利用客や地元民から批判が出ている。国分寺線・多摩川線・多摩湖線は通勤客が多い路線である。西武秩父線は観光需要があり、秩父の地元民にとって重要な足なのである。山口線についても西武遊園地や西武ドームへのアクセス機関として機能しているのである。とても簡単に廃止にできるものではない(そもそも、これら5路線が不採算であるかどうかも怪しいが)。
西武鉄道側はこれら5路線を廃止する気はなく、TOBに参加しないようにという広告まで登場した。鉄道に対するアメリカと日本の価値観の違いがこのような事態を招いたのだと思われる。
だが、この対立は意外に早く沈静化する。2014年2月にサーベラスの事実上の日本からの撤退が明らかとなったのである。同年4月に西武ホールディングスは東京証券取引所に上場を果たし、サーベラスも一部株式を放出した。そして2017年8月にサーベラスは西武ホールディングスの全株式を売却し、ついに11年以上にもわたる西武とサーベラスの関係は終了した。
大手私鉄一覧 |
東武鉄道-西武鉄道-京成電鉄-京王電鉄-京浜急行電鉄-小田急電鉄-東京急行電鉄-東京メトロ-相模鉄道-名古屋鉄道-近畿日本鉄道-南海電気鉄道-京阪電気鉄道-阪急電鉄-阪神電気鉄道-西日本鉄道 |
脚注
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