西武401系とは、かつて西武鉄道が保有・運行していた一般旅客用(通勤型)電車で、以下の2系列を指す。
製造は1953~1956年、モハ(クモハ)401形(初代)とクハ1401形(2代目)各2両ずつ、4両が導入された。20m4扉の半鋼製車。
西武が例によって国鉄でスクラップになった電車を買い叩き、所沢工場で蘇生した電車であるが、これまでの17m車ではなく20m4扉の「モハ63」の廃車3両分である。ちなみに1両は土砂崩れ、1両は車両火災、さらに1両は脱線事故でそれぞれ被災しており、いずれ劣らぬいわくつきの車両だったりする。見た目は立派に再生されたが、3両中2両は電装解除されており、また系列内で2両編成2本を組成するため、1956年に外見を似せた制御電動車1両を追加建造した。
新宿線に配属されたうえで他車両と共通運用されたが、西武は20m3扉を標準仕様としたため、4扉の同系列は次第に持て余され、上水線(現・拝島線)などの線内折返し運用に封じ込められるようになった。出自のせいか老朽化が割と早く進み、1973年までに全車引退した。
701系列と同時期に製造された411系電車を改造・改番した車両。
製造は1964~1968年、クモハ411形(2代目)とクハ1451形(4代目)各19両ずつ、38両が導入された。
20m3扉の全鋼製車で、451系の切妻前頭デザインを受け継ぐ。701系列への増結が運用目的であるため2両編成のみで、前頭部以外は701系列に準じた仕様である。側面の窓割りは戸袋窓の間に4枚の2段窓が並び、通風器はグローブ型に変わった。内装は薄茶系、シートはロングシート、広幅貫通路といった仕様である。走行機器類は451系に準じ、吊り掛け駆動で主電動機出力100kw、自動空気ブレーキ、国鉄払下げ台車など、一時代前の仕様とすら言える。
その後、クモハ411形の台車を空気ばね台車に換装したり、シールドビーム2灯化など細かい改造を施しつつ運用されていたが、701系列の高性能車化改造後の増結車とするべく、走行機器類をほぼまるごと換装する改造工事を行い、401系クモハ401形へ改番された。
701系列と同等の走行機器類へ換装し、2両とも電動車とした。クハ1451形はクモハ401形(奇数)として電装し、引き続き補機類を搭載、クモハ411形はクモハ401形(偶数)としてパンタグラフ2基や新しい主抵抗器・主制御器等を搭載した。主電動機出力は120kw、制動装置は電磁直通ブレーキ、台車は101系と同等の空気ばね台車を用意、旧クモハ411形の台車は他の赤電に転用された。
外見的には側ドアを無塗装ステンレスドアへ交換し、車体色がレモンイエロー1色となった。切妻前頭ながらステンレスの飾り帯も設置され、更に前窓左上に行先表示器も独立して設置した。当然、冷房も搭載されている。
401系竣工当初は701系列(高性能車化改造済)が池袋線にも残っており、その増結の為池袋線にて運用された時期もあったが、1980年以降は新宿線に集められ、増結しての優等列車運用から単独での支線区運用まで、実に幅広く運用された。特に多摩湖線(国分寺駅~萩山駅間)[1]や多摩川線においては初めての冷房車入線となり、沿線で喜ばれた。
異例なことに全車が他社に譲渡された。
- 上信電鉄150形
- 1本2両が譲渡された。150形は3本6両だが第2編成は元801系、第3編成は元701系ですべて外見が異なる。2019年に運用終了。
- 三岐鉄道101系
- 3本6両が譲渡された。前照灯のみ三岐鉄道仕様になっているが現在も運用中。
- 近江鉄道700系/800・820系
- 残る15本30両が譲渡された。1本は1997年に700系として運行開始されたが、ほぼ原形をとどめない改造がおこなわれた。
- 実は1本は1993年に800系として竣工したものの、6年ほど虫干しにされ、運行開始は1999年までずれこんだ。その間に改造内容を簡略化した820形2本が先に就行、1998年以降に残る11本を800系としての改造内容に戻し、順次導入された。改造されなかった1本は部品取りに使用された。700系は2019年に、820形は2022年に1本が運行終了している。
401系(初代)もあるよ。
特急用 | 一般(通勤)用 | |
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現行車両 | 10000系 - 001系 | 101系 - 2000系 - 4000系 - 6000系 - 9000系 - 20000系 - 30000系 - 40000系 |
引退車両 | 5000系 | 401系 - 601系・701系・801系 - 3000系 |
脚注
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