LOH症候群によるベテラン社員のうつや休職は、企業にとって大きな痛手となる。産業医や保健師の紹介を手がけるドクタートラスト(東京・渋谷)は、一定規模以上の企業や事業所に設置が義務付けられている安全衛生委員会向けに、医療情報を発信している。LOH症候群を昨年初めて取り上げ、企業側の認知度向上を目指す。 LOH症候群に関心を持つ医師も増えている。男性更年期専門外来を持つメンズヘルスクリニック東京(東京・千代田)の主任担当医の順天堂大の辻村晃教授は「これまでLOH症候群の治療をほとんど手がけていなかった泌尿器科の開業医の間で、学ぼうという意欲が高まっている」と話す。 中高年男性がLOH症候群に気付く機会が増えつつある半面、堀江教授は「仙人のように達観した人物像を中高年の理想とする文化風土も、LOH症候群の解決の壁になっている」と指摘する。性ホルモンの低下が原因で、治療可能なのに「『年だから』とあ