理研での騒動は、日本の科学研究の低迷が最重要研究機関にも広がったことを反映しており、政策的取り組みが求められる。 Credit: The Asahi Shimbun/The Asahi Shimbun/Getty 日本で唯一の自然科学の総合研究機関、理化学研究所(理研)は、2017年に創立100周年を迎え、4月26日の記念式典には天皇、皇后両陛下のご臨席を得た。しかし、かつて「研究者の楽園」と呼ばれた理研は、今やその影もなく、財政の不確実性に直面した日本政府が科学予算の削減を進めるにつれて、ほころびが目立ち始めた。 その影響を受けた研究者の1人が、同研究所脳科学総合研究センター(BSI;埼玉県和光市)の西道隆臣(さいどう ・たかおみ;神経蛋白制御研究チーム、シニア・チームリーダー)だ。上述の記念式典が行われた頃、西道は、その研究に対する年間予算の43%カットを通告された。これに対して西道は