日本人はいつからか「洋楽から学ぶ」ことを忘れてしまい、音楽のみならずコンテンツ産業全体が、世界の最新潮流から置いてけぼりをくらっている。今こそ、かつて日本にあったはずの「教養」に目を向けなくてはならない――作家の川崎大助氏が警鐘を鳴らす。 前編⇒「ワン・ダイレクションもBTSも、みんなジャニーズから学んだはず」。 日本人だけのアドバンテージ ではなぜかつての日本は、音楽について、韓国やそのほかのアジア諸国に先行することができたのか? それは単純に「リアルタイムで先進国(アメリカなど)」の最新成果を吸収してこられたからだ。 日本が列強国を指向した大正時代にジャズが輸入され、街のド不良と有名私立大生が突っ走った。その後輩陣が戦後、一時的支配者となったアメリカ軍のベースを回って演奏し(とても分がいい)日銭を稼いだ。 ここでカントリー&ウェスタンが基地の外に持ち出される。そして占領が明けた途端に、