本誌・web連動企画 『新宿アンダーグラウンドの残影』 〜モダンアートのある60年代〜 文=ばるぼら S&Mスナイパー4月号の誌面では紹介できなかった「モダンアート」をめぐる新宿とアングラの親和性。現在までつながるいくつかの残影を集めながら、いま再び光をあてる新宿アングラ詳論の決定版! プロローグ 新宿モダンアート。その名を聞いて、60年代後半に実験小劇場として始まったアングラ劇場を思いだす人は、もはやほとんどいないだろう。かつての新宿のアングラスポットといえば喫茶店「風月堂」やジャズ系ライブハウスの老舗「ピットイン」、または小劇場の「アートシアター新宿文化」や「蝎座」といった名前を挙げる人がほとんどだろうし、それを否定するつもりはない。 しかし、それらの単語が60年代〜70年代の日本の若者文化の象徴・栄光として、たびたび時代の証人達の思い出話に登場するのに対し、モダンアートの名前はほとん