「モノノ怪」(2007年)、「C」(2011年)、「つり球」(2012年)、「ガッチャマン クラウズ」(2013年)シリーズで知られる中村健治監督は、岐阜県出身。現在は、タツノコプロの社員監督だ。何度もの挫折を経てきた中村監督の数奇なアニメ人生を振り返りつつ、「社員監督」という珍しい立ち位置について、お話をうかがった。 会社の向かいに「代アニ」ができた ──もともと、アニメーションには興味はあったのですか? 中村 高校時代は、めちゃくちゃ見てました。アニメと小説を狂ったように吸収していて、偏差値の落ち方がすごかったんです。小説は、SFやジュブナイルを3日に1冊ぐらいのペースで読んでいましたし、アニメもレンタル屋に並んでいるものは、ほぼぜんぶ借りて見るぐらい。似たような連中とオタクトークしている時間が、とても楽しかった。だから、目に見えて落ちこぼれていって、高校三年のころには赤点ばかりで、当