衆院選で「積極的棄権」に賛同する人の署名集めをインターネット上でしている人がいる。批評家の東浩紀さんだ。投票率の低迷が問題となって久しい中、なぜ投票に行かないことを訴えるのか。真意を東さんに聞いた。
質問は、東さんがchange.orgで「積極的棄権」の意見集約をしていらっしゃる件についてです。これまで東さんがデモなどについてなさってきた発言に比べて、今回の change.orgのメッセージはだいぶストレートなものに見えました。その点についてもう少しご意見を伺えれば思っています。change.orgの文書については賛同するばかりです。これまで政治/政治家に対して節々で発言されてきた東さんの徒労感なり怒りは相当なものと勝手に想像しています。大義なくリベラル消滅となれば我慢の限界と思う人も少なからずいることと思います。その上でchange.orgの文章のような現時点視点におけるメッセージというよりは、どちらかといえば未来から今を見るような視点からもうすこしご意見を伺えれば幸いです。東さんのご本にはそのような視点があるように感じました。今回のことについてもそのような視点を想定するとどう見える
前編に続き、東浩紀さん『ゲンロン0 観光客の哲学』ブクログ大賞受賞記念インタビュー中編です。 前編後半の「間違えるし、いい加減な存在だからこそ『公共性』を作る」という「観光客の哲学」のメインモチーフのお話から中編では第2部「家族の哲学」について掘り下げ、『ゲンロン0』が出たことは「大きな間違い」だった(?!)ことなど、さまざまにお伺いしています。 取材・文・撮影/ブクログ通信 編集部 持田泰 大矢靖之 猿橋由佳 『地下室の手記』の主人公がどうやって大人になるか ゲンロン本社にて東浩紀さんからさまざまなお話をお伺いしました! ―「観光客」も、いい加減で当事者でもなく、フラッときてフラッといなくなっちゃって、責任も持っているんだかなんだかわからないような人だったと思いますが、「家族の哲学」中で展開される「父親」像も、明るい家族の未来を支える「大黒柱」的な家父長のイメージからはほど遠いものですよ
◾️ 経済人の立場 思想家/ 批評家の東浩紀氏の新刊、『ゲンロン0』*1については、発売からおよそ一ヶ月が経過していくつか書評も出てきているが、予想通り総じて評価が高い。私も遅れじと書評を書こうと思っていたのだが、自分の書こうとしている文章に自分で納得できず、ついリリースを躊躇してしまっていた。 ただ、自分の感じたことを他者も同じように感じるのか、あるいは、全く反対されてしまうのか、確かめてみたい誘惑にかられてしまう。よって、全体の書評というのではなく、ポイントを絞って、私の思うところを少しずつ書いていこうと考えるに至った。取り敢えずその第一弾として(第二弾がいつになるかはわからないが)、リリースしておきたい。今回は、本書をビジネスマン、経済人の立場で読むとどういう感想が出てくるのか、という観点で書いたことをまず最初に述べておきたい。 ◾️ 二層構造 東氏は環境認識として、今の世界は、かつ
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma この世界の片隅に。見ました。大変よかったです。これこそがアニメーションというものなのだ、と思いました。また書きます。 2016-11-20 17:17:21 東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma 柄谷行人は「風景の発見」こそが近代文学の内面を作り出したと説いた。それを援用してみる。風景とは映像表現では背景である。アニメでは背景美術である。背景がリアリズムを志向し他方でキャラクターだけはデフォルメして描かれる、その二重性が広く受け入れたときアニメは「自然」なものに見える。 2016-11-20 22:18:41 東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma しかしむろんその「自然」は欺瞞である。それは現実を覆い隠す欺瞞にすぎない。その点で「君の名は。」の「美しい」「リアル」な背景は欺瞞の完成である。他方で「この世界の片隅に」は
参院選で、だれに、あるいはどこに入れるか。いままでぼくはこういうとき、いつも言葉を濁してきた。そして棄権を匂わせてきた。だから今回も同じだろうと思うかもしれない。けれどもじつは今回は違う。ぼくは棄権はしない。白票も入れない。ぼくは民進党に入れる。選挙区も比例区も民進党に入れる。 なぜか。理由は消去法だが、はっきりしている。まずぼくは、数年で消える政党にはほとほとうんざりしている。ぼくは1971年生まれだ。1990年代に選挙権を手に入れたぼくの世代は、有権者になって以降、ずっと政界再編でずっと新党ブームを経験している。もういいかげんにしてくれという気持ちがある。だから、最低でも10年前から存在し、そして10年後にも残っているであろう政党に投票したいと思う。この時点で、自民党、公明党、共産党、そして(名前は変わってしまったが)民進党しか残らない。社民党は、あまりに党勢が衰えているので、申し訳な
週末に家族であるいはカップルで出掛ける定番の場所といえば、ショッピングモールだ。買い物だけではなく食事やレジャーまで。まさにショッピングモールは日本人の生活に欠かせなくなった。一方で、「軽薄な大衆消費」と「コミュニティ荒廃」の「象徴」とされ、長らくまともに議論をされることがなかった。 しかし、ショッピングモールの乱立は止まらず、海外でも、あらゆる施設が「ショッピングモール的」につくられている。私たちは、ショッピングモールに何を求めているのか? 作家・思想家の東浩紀氏とフォトグラファー・ライターの大山顕氏の対談をまとめた『ショッピングモールから考える』(幻冬舎新書)の一部を抜粋し、ショッピングモールから、変貌する人間の欲望を読み取ろう。 新しいコミュニティ、新しい開放性、新しい普遍性 東浩紀(以下、東):まずは、なぜショッピングモールをテーマにしようと思ったのか。一言で言うと、「新しい公共性
今日は「だ・である調」で書いてみよう。今月あるいは来月で佐藤心くんの連載が終わることになったので、突発的に編集会議を行った。 その内容はまた別途報告するが(新連載をお楽しみに!)、そのとき編集部員が話題の『新現実』を買ってきていたので、ぱらぱらと流し読みした。大塚英志氏と宮台真司氏の対談では、名前が記されていないが、波状言論2月号の鼎談が触れられている。光栄なことだが(名前も挙げてくれればもっと光栄だったが 笑)、その部分がこれから読まれるにあたって、補足的に書き記しておきたいことがひとつある。 リチャード・ローティが言う「アイロニー」とは、「僕はこの件では私的には○○だと信じるけれど、世の中にはいろいろな価値観のひとがいるから、公的にはそれが唯一の価値観だとは主張しないよ」という態度のことだ。つまり、寛容の精神のことである。 それに対して、宮台氏と大塚氏が語る「あえて」の精神とは、「僕は
連載原稿のため『スカイ・クロラ』を観ていたところ、妻と娘が保育園から帰ってきました。帰宅途中に下記のような会話があったとのことです。 さなえ「車に轢かれると死んじゃうこともあるんだよ。気をつけなさい、しおちゃんがいなくなるとママ悲しいから」 汐音「じゃあ、もうひとり産めばいいじゃない」 さなえ「もうひとりって、だれを」 汐音「しおちゃん」 さなえ「……」 いやはや。『スカイ・クロラ』のキャッチコピーといえば「もう一度、生まれてきたいと思う?」だったわけですが、あまりのタイミングのよさに爆笑しました。
リンク Vimeo 20160115_千葉雅也+東浩紀 をオンラインで鑑賞 | Vimeo オンデマンド 本動画は、東京のゲンロンカフェで行われたトークショーを収録したものです。 【収録時のタイトル】 千葉雅也×東浩紀「思弁的実在論の展開について——メイヤスー『有限性の後で』刊行直前対談」 【収録日】 2016/01/15 【イベント概要】 2016年2月のカンタン・メイヤスー『有限性の後で——偶然性の必然性についての試論』(http://amzn.to/1P7tcQg… 千葉雅也 Masaya Chiba @masayachiba メイヤスー『有限性の後でーー偶然性の必然性についての試論』の全訳完成。出版社にデータを送りました。ゲラで仕上げの作業となります。年末か1月には書店に並ぶようがんばります。この世界の自然法則にも論理法則にも根源的な理由はないと主張し、人間なき世界それ自体へ向かう
藤田 今回は、新しく創刊された批評誌『ゲンロン』1号を扱います。編集長は、批評家の東浩紀さん。 飯田 特集は「現代日本の批評」と小特集「テロの時代の芸術」の二本立てですね。ここでは前者について扱っていきます。 藤田 東さんは、ある時期から独立して出版社を立ち上げ、「批評」の場をご自身で作られて来ようとされてきた方ですね。そして今回、特集が「現代日本の批評」ということで、かつての柄谷行人、浅田彰、蓮實重彦、三浦雅士の行った座談会『近代日本の批評』を意図的に反復されているわけですね。 賛否はあれど、東浩紀さんは、ゼロ年代の批評を代表するほどの影響力を持った人なわけですが、本書は、彼は、現在は人文知や批評が読まれないような状況にあると認識しながら、日本の批評の歴史を背負おうとしている……という本なわけです。 隠す必要もないと思うので言いますが、ぼくも飯田さんも、東さんの影響をデビュー当時強く受け
ゲンロンカフェイベント2015年11月29日《筒井康隆×東浩紀「パラフィクションとしての筒井康隆 文学の未来、批評の未来」》に参加した 先月末、東京五反田のゲンロンカフェに初めて行った。筒井康隆さんと東浩紀さんの対談をみるためである。 ※イベント詳細 ゲンロンカフェ@Vimeo動画毎週追加 @genroncafe 11月30日 『虚人たち』から『モナドの領域』まで!筒井康隆に迫る!再放送中です!【緊急再放送!!!】【2015/11/29収録】筒井康隆×東浩紀「パラフィクションとしての筒井康隆——文学の未来、批評の未来」http://nico.ms/lv243789262 筒井康隆さんは、80歳を越してますますお元気そうだ。イベント当日、ステージ上ではいささか気だるげにみえたが、以下のように意気軒昂としていらっしゃった。 ※イベントについての筒井さん(管理人)のツィート 筒井康隆 @Ts
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