精神科病院からの退院を繰り返し求めても認められず、およそ40年にわたり入院させられたとして、元患者の男性が国を訴えている裁判の判決が10月1日、東京地方裁判所で言い渡されます。 男性は「長期入院を続ける人が多くいるので、社会で生活できるような施策を国が進めてほしい」と話しています。 訴えによりますと、伊藤時男さん(73)は10代のころに統合失調症と診断され、22歳で地元福島県の精神科病院に入院してまもなく妄想の症状がほとんどなくなったため、退院を繰り返し求めましたが、認められませんでした。 2011年の原発事故の影響で茨城県の病院に転院したあと、61歳で退院しましたが、およそ40年にわたり地域で生きる権利を奪われたと主張し、国に3300万円の賠償を求めています。 一方、国は裁判で「国の施策の結果、長期入院することになったと認められる証拠はない。入院を漫然と続けさせることがないよう、社会復帰