重要文化財『駿河版銅活字』1606~1616年、徳川家康が遺した銅活字。展示室内には駿河版小活字も展示されている 美術史家で明治学院大学教授の山下裕二氏と、タレントの壇蜜。日本美術応援団の2人が、日本の美術館や博物館の常設展を巡るこのシリーズ。今回は東京都・文京区の印刷博物館の第1回。2人が重要文化財にもなっている「銅活字」などを見て回る。 【写真】印刷博物館の内部。壁画や石碑などから印刷物まで幅広く展示 壇蜜:印刷博物館の展示室へと続く回廊では古代のラスコーの壁画やロゼッタ・ストーン、江戸時代の浮世絵や1964年の東京五輪ポスターなど、様々な展示が壁面を飾っています。 山下:プロローグと呼ばれる導入路で、紀元前から人類が刻んできたビジュアルコミュニケーションの足跡を豊富な歴史的史料のレプリカと共に辿っています。 壇蜜:印刷=コミュニケーションの手段であることがプロローグからよくわかります
世界遺産で特別史跡の平城宮跡(奈良市)は令和4年、国史跡に指定され、100年という節目を迎える。平城宮は1300年前の首都・平城京の中枢で、現在でいえば皇居や国会議事堂、霞が関の官庁街を集めたような所だ。実態の解明は古代律令国家のあり方を知るうえでも意義が大きいが、約60年にわたり奈良文化財研究所(同市)による継続調査が行われているが、いまだベールに包まれた部分は多い。調査の進捗(しんちょく)はどうなっているのか。(岩口利一) 約1万人が「出勤」 平城宮には、平城京に住む役人ら約1万人が出勤し、政務空間の朝堂(ちょうどう)院や役所で、仕事に従事していたとされる。 当時の官庁組織は「二官八省」と総称され、太政(だいじょう)官と神祇(じんぎ)官、中務(なかつかさ)、式部、治部(じぶ)、民部、兵部(ひょうぶ)、刑部(ぎょうぶ)、大蔵、宮内の各省が存在していた。 これまでの発掘調査では、軍事に関わ
NHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」にも登場する藍染の原料「蒅」(すくも)の漢字が、徳島発祥であることが分かった。根拠は81年前の1940(昭和15)年に小松島の藍商西野嘉右衛門が著した「阿波藍沿革史」。取材をもとに日本語と歴史の専門家が検証し、方言漢字であることが確認された。 徳島に伝わる剣術「柳生神影流」 安土桃山時代から伝統継承、稽古はまるで時代劇の殺陣 検証したのは、国字研究の第一人者笹原宏之早稲田大教授、日本語研究者の仙波光明徳島大名誉教授、根津寿夫徳島城博物館長、阿波藍の流通史に詳しい泉康弘さん、郷土史家高田豊輝さん、県立博物館民俗担当学芸員の庄武憲子さん。 沿革史で取り上げられた蜂須賀家文書の藍方御用場創設時の通達文には「葉藍並びにすくもは他国に積み出してはいけない」(1733年)と書かれており、泉さんによると、平仮名の「すくも」の初見でないかという。 これを受けて庄武さんが
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