2021年の暮れから2025年半ばまでの4年弱の間、ビザンツ帝国を舞台にした漫画『アンナ・コムネナ』(星海社)を連載しておりました。西洋古代~中世を通して唯一の女性歴史家とされるアンナ・コムネナ(1083-1054?)を主人公とした作品で、アンナの少女時代から死までを描く物語です。 (ツイ4公式ページで冒頭108ページまで無料公開中です) アンナ・コムネナは当時の皇帝、アレクシオス1世コムネノス(1057-1118;在位1081-1118)の娘、皇女として生まれた人です。様々な学問分野に通じ、人生の終わりに「ビザンツ歴史文学最高傑作」ともいわれる名高い歴史書を書き上げた不世出の才人ですが、この大仕事を成し遂げる前の人生もなかなかドラマティックな人で、どうやら権力の座に就き政治家として活動したかったらしく、自分の弟―つまり皇帝ヨハネス2世コムネノス(1087-1143;在位1118-43)と