NASAの「南極衝撃過渡アンテナ(ANITA)」実験の様子。気球を使って南極の氷の上空を飛行した/Stephanie Wissel/Penn State (CNN) 科学者たちは、南極の氷床から検出された異常な電波信号の正体を突き止めることで、10年来の謎の解明に挑んでいる。 この奇妙な電波は、高エネルギー宇宙粒子「ニュートリノ」の探索中に発生した。宇宙の果てから地球に飛来するニュートリノは、極めて実態を捉えにくく、あらゆる物質を変化することなく通過できることから、「幽霊粒子」とも呼ばれている。 過去10年間、研究者らはニュートリノの検出を目的とした実験を複数行ってきた。こうした実験のひとつが、米航空宇宙局(NASA)による「南極衝撃過渡アンテナ(ANITA)」実験で、2006年から16年にかけて、南極上空に観測機器を搭載した気球を飛ばした。 この観測の最中に、ANITAはニュートリノでは