と、いうわけで、80年代に華麗に登場したサイバーパンクは瞬く間に燃え広がり、SFを席巻した。 ……のか? 本当に? サイバーパンクはすごかった。それは確か。多くの才能を輩出したし、多くの影響をもたらしたし、それに続く作品や、他の作家が便利に使えるガジェットも生み出している。 生み出しているのだけれど、現状を見るに、サイバーパンクは非常に刺激的な傍流にとどまったのではないか、という思いがあったりするのだ。 前のエントリから孫引きすると サイバーパンク運動の提唱したことを簡単にまとめると、SFにおけるサイエンスってのを復権させようぜってのがひとつ。で、そのサイエンスやらテクノロジーやらってのが一部の特権的なものではなく、もっと日常に入り込んだ、社会に密着した、市井にまみれた様を書いていこうぜ、ってのがひとつ。 イメージとして、扱うサイエンスがサイバネティクスやIT技術に偏ってしまったというのが