第30回:金原ひとみさん (かねはら・ひとみ) デビュー作の『蛇にピアス』で、いきなり20歳で芥川賞を受賞し、04年初頭の読書界の話題をさらった金原ひとみさん。ご本人はというと、世間の大騒ぎに踊らされることなく、地に足のついた、非常にしっかりした印象の女の子。独自の文章世界を持ち、きらめく才能で我々を圧倒した彼女は、一体どんな本を読んできたのか。劇団「大人計画」が大好きという意外な一面も交えて、お話ししてくれました。 (プロフィール) 1983年8月東京都生まれ。99年文化学院高等課程中退。「蛇にピアス」で第27回すばる文学賞受賞。第130回芥川賞受賞。 ――小さい頃って、本を読んでました? 金原ひとみ(以下金原) : いえ、読んでいませんでした(笑)。幼稚園にあがる前くらいの、本当に小さい頃は、親に読んでもらってはいたんですけれど。 ――では、読書の喜びに目覚めたのはいつになるのでしょ