福島第一原発事故から3年たっても、エネルギー政策をめぐる混乱が続いている。全国の原発が民主党政権の行政指導で止められたまま、運転再開の目途が立たない。これまで電力会社はLNG(液化天然ガス)火力発電所を増設してしのいできたが、これは設備投資は安いが燃料費が高い。 そこで電力各社は、石炭火力発電所の増設を計画している。東京電力は260万キロワットの石炭火力を建設し、関西電力と中部電力と東北電力も100万キロワット以上の石炭火力の新設を計画している。石炭の燃料費は石油やLNGに比べて圧倒的に安く、原子力のような厄介な政治的リスクがないので経営合理的だが、それでいいのだろうか。 石炭は環境に最悪の燃料 先週起こったトルコ西部ソマの炭鉱事故で、死者は301人にのぼり、トルコ史上最悪の鉱山事故になった。しかし中国では毎週のように炭鉱事故が起こっていると言われ、年間約8万人という推定もある。中国政府は