この先、日本国憲法は通用せず ――福岡県の犬鳴峠の周辺には、外界と隔絶された「犬鳴村」と呼ばれる村がある。この村の入り口には、「この先、日本国憲法は通用せず」と記された看板が立てられている。またその付近にはボロボロになった白いセダンが放置されており、小さな小屋には殺された人間の死体が山積みになっている。 村に通じる一本道には、縄と缶によって作られた侵入者用の罠が張り巡らされている。 もしこの罠に引っかかってしまうと、缶の音を聞いた犬鳴村の住人達が凶器を手に襲い掛かってくる。この村の住人達は異常に足が速く、彼らに捕まると惨殺されてしまうという――。 福岡県宮若市と糟屋郡久山町の境に実在する犬鳴峠。この峠に繋がる地図にない村として、犬鳴村の怪談は長年にわたり語り継がれている。 今年2月7日に公開された清水崇監督の映画『犬鳴村』のモデルとなっているのも、この伝説だ。 犬鳴村がこのように外界から閉