北海道を代表する観光スポットの一つ、えりも町えりも岬地区に1軒だけあったガソリンスタンド(GS)が3月で廃業した。 地元住民だけでなく、ツーリングのライダーやレンタカー移動の観光客らがよく利用するGSだったが、エコカーの普及や人口減で利用者が減り、消防法の改正で改修を迫られ、廃業に追い込まれた。 同店は1971年の創業で、襟裳岬の観光がブームだった頃は1日100人以上の利用があったが、東日本大震災以降の利用客は1日数人に減っていた。このGSを経営する佐藤竜一さん(48)によると、消防法改正に伴う改修に数百万円かかる上、潮風にさらされる計量器などの設備が傷みやすく、廃業せざるを得なかったという。 同店の廃業で、えりも岬地区の昆布漁師は、磯舟の燃料を車で15分ほど離れた町中心部まで買い求めに行かなければならなくなった。帯広方面から襟裳岬を目指す観光客は、広尾町を過ぎると約50キロほどGSがない