第五十九回:物事を継続するのが苦手な人へ
今日は2020年10月19日です。最近はコラムの更新頻度が上がっていますが、ただの気まぐれです。他のことに興味が移ったら、また更新頻度は下がると思います。それでは今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある五十九回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
物事を継続するのが苦手な人へ
です。
以前「物事を継続するコツ」というコラムを書いたのですね。
そのコラムを書いて以降、たまに「そんなに続けられてスゴいですね」とか「私は継続するのが苦手なので、うらやましいです……」とか言われるようになりました。
そこで今回は「物事を継続するのが苦手な人」に向けて、私の思っていることを書いてみます。
ちなみに、お忙しい人向けに先に結論を書いておくと
大事なのは「継続すること」ではなくて「前の経験を次の経験に活かすこと」だよ
です。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。
物事を継続できないデメリット
世間一般では「継続できる」というのが素晴らしいこととして扱われがちです。
「継続は力なり」や「石の上にも三年」のような、継続することの素晴らしさを説いた言い回しがありますよね。
そこで私は考えてみました。
「継続できないと何がダメなんだろう?」って。
その結果、思いついた「物事を継続できないデメリット」は
使えるレベルまで習熟度が上がらない場合が多い
です。
もう少し、身も蓋もない言い方をすると
中途半端で終わりがち
です。
物事を習得するには、それなりの時間を投入する必要があります。
この「時間を投入する」と「物事を継続する」行為は同じことを意味します。
まぁ、世の中には3日で極めちゃう天才もいるでしょうけどね。
普通の人は、時間を投入することで習熟度が上がっていきます。
継続するのが苦手な人は
その対象に対して、たくさんの時間を投入できない
ので
使えるレベルまで習熟度が上がらない場合が多い
のです。
これが「物事を継続できないデメリット」です。
ただし、このデメリットは本人の工夫次第でいくらでもカバーできます。
誰だって1日は24時間だよ
物事を継続するのが苦手な人の中には「何事も中途半端に終わって、結局、何も身に着かない……」と悩んでいる人も多いでしょう。
そんな人に、この世界の真理を教えてあげます。
なんと!
誰でも1日は24時間で、継続しようとしまいと必ず何かに時間を使っている
のです。
えっ?
知ってる?
ホントに?
やりますね。
それじゃあ、これから言うことも簡単に理解できるはずです。
実は、ですね。
大事なのは「継続すること」じゃないのですよ。
本当に大事なのは
前の経験を次の経験に活かすこと
です。
継続することがもてはやされるのは、この「前の経験を次の経験に活かす」がやりやすいからです。
ただ、それだけです。
例えば、そうですね。
ピヨ太君とピヨ子さんがプログラミングの勉強を始めました。
ピヨ太君は3ヵ月間、地道に勉強を続けました。
ピヨ子さんは1ヵ月で飽きて、投げ出しました。
実は、この時点ではピヨ太君とピヨ子さんの間に有利・不利はありません。
何故なら、習熟度は費やしたコスト(今回は時間)に比例して上がっているからです。
習熟度だけに注目すれば、ピヨ太君の習熟度はピヨ子さんの3倍です。
ピヨ太君の方がプログラミング力は高くなっているでしょう。
ただし、そのために費やしたコストも3倍です。
同じ期間(3ヵ月)で比較するのであれば、ピヨ子さんは、あと2ヵ月分の余裕があるわけです。
さて、ピヨ子さんは2ヵ月目に英語の勉強を始めました。
1ヵ月で飽きました。
3ヵ月目に老人福祉施設でアルバイトを始めました。
1ヵ月で辞めました。
ピヨ子さんは継続できないやつですね。
ここまでのピヨ太君とピヨ子さんを比較してみましょう。
ピヨ太君はプログラミングの勉強を3ヵ月やりました。
3ヵ月という時間を費やした結果、プログラミングの習熟度が3ヵ月分上がりました。
ピヨ子さんはプログラミングの勉強を1ヵ月やりました。
英語の勉強を1ヵ月やりました。
老人福祉施設でのアルバイトを1ヵ月やりました。
3ヵ月という時間を費やした結果、プログラミングの習熟度が1ヵ月分、英語の習熟度が1ヵ月分、高齢者の方とコミュニケーションを取るスキルの習熟度が1ヵ月分上がりました。
ピヨ太君とピヨ子さんが「プログラミング対決」をした場合、ピヨ太君が勝ちます。
ピヨ太君は3ヵ月分の習熟度です。
ピヨ子さんは1ヵ月分の習熟度しかありません。
ピヨ太君の圧勝でしょう。
ただし「日本に住む外国人高齢者にプログラミングを教える対決」であれば、ピヨ子さんはピヨ太君と互角に張り合えるはずです。
この対決で必要なのは、プログラミング力、英語力、高齢者の方とコミュニケーションを取る力の3つです。
ピヨ太君はプログラミング力特化な3ヵ月分の習熟度です。
ピヨ子さんはバランス良く合計3ヵ月分の習熟度があります。
総合的には良い勝負になるのではないでしょうか。
継続するのが苦手なピヨ子さんですが「日本に住む外国人高齢者にプログラミングを教える対決」で勝負すればピヨ太君と互角に張り合えます。
もっといえば、プログラミングに関係ない「日本に住む外国人高齢者に日本語を教える対決」に持ち込めば圧勝できます。
繰り返しになりますが、大事なのは「継続すること」ではありません。
前の経験を次の経験に活かすこと
です。
前の経験を次の経験に活かすことさえできれば、1つの物事を継続しようとしまいとそこまで大きな違いはありません。
そりゃー、1つのことを突き詰めたスペシャリストを目指すのであれば不利かもしれませんけどね。
世の中には、いろいろな選択肢があります。
できないなら諦めるのもアリ
さて、前の章で
大事なのは「継続すること」ではなくて「前の経験を次の経験に活かすこと」
と書きました。
個人的には、苦手なら最初から「継続すること」を諦めるのもアリだと思っています。
苦手なことから全力で逃げるのも1つの戦い方です。
継続できないなら、しなけりゃ良いじゃない
です。
例えば、そうですね。
「〇〇を1年間毎日やり続けました」と言われたら「おぉ、すごい」となりますよね。
例えば「ブログを1年間毎日更新しました」のような自慢(?)もよく見かけます。
一方で「1年間で365個の新しいことをやりました」というのも「おぉ、すごい」となりませんか?
「1年間で365個の趣味に手を出した私が教える、やって後悔した趣味ランキング」とかいう記事があったら、私はちょっと読んでみたいです。
365個の趣味に手を出したら、ひとつひとつの習熟度なんてショボいものでしょう。
その趣味の本当の面白さは体験できていないはずです。
継続もできていません。
やっては止め、やっては止め、です。
でも「365個の趣味に手を出した」というのは財産です。
最低でも飲み会のネタにはなりますし、初対面の人とあいさつするときに「365個の趣味に手を出したけど何ひとつ身に着かなかったピヨ太でっす(--)ノ」とか言えば、印象に残ります。
ねっ?
継続できなくても、やりようはあるでしょ?
継続するためのマル秘テク
さて、ここまで「別に継続できなくても、いーじゃん」な論調で書いてきました。
とはいえ、このコラムを読んでくださっている方の中には「でもね。できれば継続できるようになりたんだ」と思っている人もいるでしょう。
そんな人にピヨピヨマル秘テクニックを教えてあげます。
それは
「止める」のではなく「休む」
です。
「プログラミングの勉強に挫折しました(´・ω・`)」みたいな人を見ると、プログラミングの勉強を止めてしまっているのですよね。
なんで止めるの?
とりあえず休みにしておいて、もしまた気が向いたら、再開すれば良いじゃん。
私は物事を継続するのが得意です。
ですが、性格自体は飽きっぽい性格をしています。
同じことを地道にチマチマやり続けるのは苦手です。
そんな私が実践しているのは
たくさんのことを同時にやる
です。
例えば『わわわIT用語辞典』の更新であれば
1.新しい用語の追加
2.過去に書いた用語説明の書き直し
3.用語説明に英語表記を追加
4.英語の用語に日本語訳を追加
5.コラムのネタを考える
6.「違いの分かるピヨピヨ」のネタを考える
7.過去問解説を書く
を並行してやっています。
新しい用語の説明を書くのに飽きたら過去に書いた用語説明を直したり、それにも飽きたら英語の用語に日本語訳を追加したり、それにも飽きたらコラムのネタを考えたり、それにも飽きた頃には新しい用語の説明を書く気が戻ってきていたり……の繰り返しです。
ひとつひとつを見ると、実は結構、途中で頓挫しています。
「過去に書いた用語説明の書き直し」であれば、3年くらい前に「画像のない用語説明ページに画像を追加する」という作業を始めたのですが、途中で飽きました。
残り35用語の時点で止まっています。
ただし、これは挫折ではありません。
休止です。
その証拠に、今でも年に2、3用語くらいは(気が向いたときに)画像を追加しています。
「用語説明に英語表記を追加」も、思いついたときに1,000用語分くらい一気に作業したのですが、途中で飽きました。
今では、ほとんどやっていません。
……が、これも挫折ではありません。
休止です。
その証拠に、今でも月に3、4用語くらいは(気が向いたときに)英語表記を追加しています。
「継続できなかった」という結果が出るとヘコむじゃないですか。
しかもそれって、自分にとって何の得にもなりませんよね。
ただブルーな気分になるだけで、次は継続できるようになるわけでもありません。
だったら、ヘコむだけ時間の無駄です。
何のメリットもないのですから、ヘコまないようにしましょう。
そのためには継続すれば良いのです。
継続するのが難しくなったら「休止」すれば良いのです。
気が向いたらまた始めるので挫折してはいません。
絶賛、継続中(休止中)です!
ちなみに私は発売してすぐに「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」(しかもPS4版)を買いましたが、いまだにクリアしていません。
でも挫折したわけではありません。
休止中です。
気が向いたら、そのうちクリアします。
まとめ
今回は
物事を継続するのが苦手な人へ
というテーマで好き勝手に語ってみました。
物事を継続するのが苦手な人へ私が伝えたいのは
大事なのは「継続すること」ではなくて「前の経験を次の経験に活かすこと」だよ
です。
継続することがもてはやされるのは、この「前の経験を次の経験に活かす」がやりやすいからです。
前の経験を次の経験に活かすことさえできれば、たとえ継続できていなくてもそんなに不利にはなりません。
誰でも1日は24時間で、継続しようとしまいと必ず何かに時間を使っている
からです。
結局は1日24時間を何にどう配分するかというだけの話です。
継続できないのであれば、継続できない前提で作戦を立てるのも1つの手段です。
継続できないことを、そこまで気に病む必要はありません。
工夫次第で十分にカバーできます。
あと、継続できないことに対してヘコむのであれば
「止める」のではなく「休む」
ことを意識してください。
休んでいる間は継続中です(笑)
また気が向いたらやれば良いし、気が向かなかったらやらなくてOKです。
まぁ、ぶっちゃけ気休めですけどね。
「また継続できなかった(´・ω・`)」とヘコんで気持ちをすり減らすよりは、よっぽど有意義だと思いますよ。
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。