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「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典イメージぴよ画像「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典

第四十七回:私が説明するときに心がけていること【その5】


今日は2020年5月4日です。前回のコラムは「新型コロナウイルスで世の中があれこれなっている現在、生活する上で意識していること」というタイトルで書きました。お陰様で多くの反響をいただいたネタではあるのですが、あまりポジティブではない話題がコラム一覧の一番上にあるのは個人的にイヤだったりします。そのため、さっさと次のコラムを書くことにしました。それでは今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!


はじめに


栄えある四十七回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!

私が説明するときに心がけていること【その5】

です。
やっぱりITに関係なさそうなテーマだけど、どーんまい。

今回は「結構、いろんな場で使えるんじゃないかな」と自画自賛しているネタです。
気が向いたら読んであげてください。

ちなみに、お忙しい人向けに先に結論を書いておくと

できるだけ「一筆書き」で説明する

です。
もう少し汎用的な言い方をすると

説明する順番を吟味する

です。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。

あと、今回は言いたいことが1つだけなので段落分けをしていません。
言いたいことを一気にガーッ!と書いています。


ガーッ!と書いてるところ


私が『わわわIT用語辞典』で用語の説明を書くときには

できるだけ「一筆書き」で説明する

ように意識しています。
これは

説明する順番を吟味する

という意味です。

ピンと来ない人が多いと思うので「カップラーメンの作り方」を例に説明します。
まずは、以下の2つの説明を読み比べてください。

説明1
1.カップラーメンのフタを開ける
2.カップラーメンに、お湯(※1)を注ぐ
3.フタを閉じて3分待つ
※1:お湯の沸かし方は「水を鍋に入れて火にかける」です。


説明2
1.水を鍋に入れて火にかける(お湯を沸かす)
2.カップラーメンのフタを開ける
3.カップラーメンに、お湯を注ぐ
4.フタを閉じて3分待つ


説明1の方は

2.カップラーメンに、お湯(※1)を注ぐ

のところで説明の内容が枝分かれしています。
この説明は実質的に

2.カップラーメンに、お湯(お湯の沸かし方は「水を鍋に入れて火にかける」です)を注ぐ

と同じなので

1.カップラーメンの作り方
2.お湯の沸かし方


の2つの説明を同時にやっているわけです。


コラム47_1

一方、説明2の方は説明の内容が枝分かれしていません。
何も考えなくても、書いてある手順に従ってやっていけばカップラーメンを作れます。


コラム47_2

ここで問題です。
どちらの説明が分かりやすくて良い説明だと思いますか?

答えは

どちらとも言えない

です。

なぜなら、2つの説明は

想定している読者像が違う

からです。
それぞれ

説明1:お湯の沸かし方を知っている人
説明2:お湯の沸かし方を知らない人


に向けて書かれています。

ちなみに、説明1の方も「お湯の沸かし方を知っている人が対象」という前提を加えると一筆書きの説明になりますよ。


コラム47_3

説明1の方は「お湯の沸かし方を知っている人」に向けて書かれた説明です。
本来であれば、お湯の沸かし方を説明する必要はありません。
ただし、もしかしたら、お湯の沸かし方を知らない人も読むかもしれません。
そんな人も一応フォローするために、補足扱いでお湯の沸かし方を説明しています。

一方、説明2の方は「お湯の沸かし方を知らない人」に向けて書かれた説明です。
「お湯を沸かす」という工程はカップラーメンを作る上で必須です。
ですから、お湯の沸かし方も工程の説明に組み込んであります。

お湯の沸かし方を知らない人が説明1を読んだら、多少、不親切に感じるでしょう。
並列に考えることが苦手な人は混乱してしまうかもしれません。

一方で、お湯の沸かし方を知っている人にとっては簡潔で分かりやすい説明です。
カップラーメンを見るのが初めてでも、この説明を読めばバッチリ作れます。

さらに、お湯の沸かし方を知らない人に対しても最低限のフォローはしています。
なかなかに非の打ち所がない説明です。

それでは説明2の方は、どうでしょうか。

お湯の沸かし方を知っている人が説明2を読んだら、まどろっこしく感じるでしょう。
人によってはバカにされているとさえ感じるかもしれません。

一方で、お湯の沸かし方を知らない人にとっては丁寧で分かりやすい説明です。
料理をするのが初めての子どもでも、この説明を読めば作れます。

2つの説明で書いてある内容は同じです。
違うのは、細かい部分の言い回しと説明の順番だけです。

ですが、それだけで

対象とする読者像が変わる

のです。

何かを説明する際には

1.対象とする読者像を設定する
2.その対象に対して説明する必要があることは本文に書く
3.その対象に対して説明しなくてよいことは補足に書く


を意識すると、スッキリした説明になります。

まず、やることは

1.対象とする読者像を設定する

です。
「対象とする読者像」と言われてもピンと来ない人は

何を知っていて、何を知らない人に、説明するつもりなのか

と考えてください。
例えば「お湯の沸かし方とカップラーメンの存在は知っていて、カップラーメンの作り方を知らない人に、カップラーメンの作り方を説明するぞ」とかです。

次にやることは

2.その対象に対して説明する必要があることは本文に書く

です。

お湯の沸かし方とカップラーメンの存在を知っている人に説明するのであれば「お湯の沸かし方」や「カップラーメンとは何ぞや?」のような説明は、いりません。

1.カップラーメンのフタを開ける
2.カップラーメンに、お湯を注ぐ
3.フタを閉じて3分待つ


で十分です。

個人に説明する場合は、これで終わりです。
ただし、書籍やブログとかであれば、対象とする読者像に合致しない人が読んでくれる可能性もあります。
そんな人たちもカバーしたい場合は、最後に

3.その対象に対して説明しなくてよいことは補足に書く

をやります。

例えば「お湯の沸かし方とカップラーメンの存在を知っている人に向けてカップラーメンの作り方を書いたけど、お湯の沸かし方を知らない人が読んだときにも少しは役に立つと良いな」と思ったのであれば

1.カップラーメンのフタを開ける
2.カップラーメンに、お湯(※1)を注ぐ
3.フタを閉じて3分待つ
※1:お湯の沸かし方は「水を鍋に入れて火にかける」です。


のようにすると良い感じになるでしょう。

これが、さらに「お湯の沸かし方とカップラーメンの存在を知っている人に向けてカップラーメンの作り方を書いたけど、お湯の沸かし方もカップラーメンの存在も知らない人が読んだときにも少しは役に立つと良いな」と欲張るのであれば

1.カップラーメン(※1)のフタを開ける
2.カップラーメンに、お湯(※2)を注ぐ
3.フタを閉じて3分待つ
※1:カップラーメンとは即席麺の一種で、うんちゃらかんちゃら
※2:お湯の沸かし方は「水を鍋に入れて火にかける」です。


のようになるでしょう。

個人的には「そこまで求めるのは欲張りすぎだろ!」と思いますけどね。
それだったら最初から「カップラーメンの存在もお湯の沸かし方も知らない人」を想定読者にして

■カップラメーンとは?
即席麺の一種で、うんちゃらかんちゃら

■お湯の沸かし方
水を鍋に入れて火にかける

■カップラメーンの作り方
1.カップラーメンのフタを開ける
2.カップラーメンに、お湯を注ぐ
3.フタを閉じて3分待つ


とした方が分かりやすい気がします。

「あっちも考えながら、こっちも考える」というのは大変です。

1.「カップラーメンの作り方」と「お湯の沸かし方」を同時に学ぶ
2.「お湯の沸かし方」を学んだ後で「カップラーメンの作り方」を学ぶ


では後者の方が圧倒的に学びやすいでしょう。

ですから、説明の順番を考えてあげましょう。
できるだけ一本道の説明にしてあげることで、相手の脳みその負担を減らせます。
それが分かりやすい説明につながる大事な要素のひとつです。


まとめ


今回は

私が説明するときに心がけていること【その5】

というテーマで好き勝手に語ってみました。

私が説明するときに心がけていることのひとつは

できるだけ「一筆書き」で説明する

です。
それは

説明する順番を吟味する

ことを意味します。

「あっちも考えながら、こっちも考える」というのは大変です。
できるだけ一本道の説明になるように意識してあげてください。

また

1.対象とする読者像を設定する
2.その対象に対して説明する必要があることは本文に書く
3.その対象に対して説明しなくてよいことは補足に書く


を意識すると、スッキリした説明になります。
あれもこれも盛り込みすぎて説明がゴチャゴチャしがちな人は改善できるはずです。


蛇足なおまけ


今回のコラムを読んだ後に用語説明を読むと「あれだけカッコ付けてコラムで書いていたくせに、自分ができてねーじゃん!」と感じることがあるはずです。

ドンマイ(--)ノ

何気に7年くらい運営しているのですけどね。
今回のコラムに書いたようなことを意識し始めたのって、3年目とか4年目とかくらいからなのです。

そのため、初期に書いて後から書き直していない説明は、今の自分が見て「なんだ、この説明は(-A-;」と驚愕するくらいショボかったりします。
少しずつ書き直しているので、広い心で許してやってください。


宣伝:コラム「私が説明するときに心がけていること」シリーズ


私が説明するときに心がけていること【その1】
私が説明するときに心がけていること【その2】
私が説明するときに心がけていること【その3】
私が説明するときに心がけていること【その4】
私が説明するときに心がけていること【その5】(このページ)
私が説明するときに心がけていること【その6】



思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。

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