アンエピック(Nintendo Switch) | フライハイワークス『アンエピック』のレビュー行くぜ!
メーカー:フライハイワークス
機種:Switchダウンロード専用ソフト
ジャンル:2D探索アクション
発売日:2018年4月8日
価格:税込1000円
フライハイワークスから配信中の2D探索アクションだ!
PS4版は『アンエピック -オタクの小さな大冒険-』というタイトルで
日本一ソフトウェアから1620円で配信中。Steam版もあるぞ。
仲間とTRPGをプレイ中だったゲームオタクのダニエルが、
トイレに行く途中でいかにもなファンタジーRPGみたいな異世界の城に召喚されてしまう!
これは現実ではなく自分の妄想が産んだ幻覚と解釈したダニエルは
TRPGのDM経験が一度もないのに自分のゲームを攻略するなんて素敵じゃん!とノリノリ。
悪霊に取りつかれたりもしつつ城の探索を始めるのだ。
節々でバランスの悪さが目に付いたが、装備や成長の自由度の高さと探索の楽しさ。
そしてふざけまくりの会話テキストも印象的な1本だったぜ。
レトロなPCゲームのようなUIだが2Dの探索アクションゲーム。
敵を倒しながらマップを埋めていき、城からの脱出を目指す。
城の中はとにかく暗いため、思わぬ所でダメージを受けることもあるので慎重な立ち回りが必要。
闇に潜んだ魔物や分かり辛いトラップなど危険がいっぱい。
そこで出番となるのがダニエルの私物であるジッポライター。壁の松明や燭台に火を点けることで視界が確保できる。
室内の火を点ける場所にすべて点火すると効果音が鳴るし、全体マップから見た表示も変化する。
闇に覆われた部屋を白日の下に晒していくワクワク感があるし、
探索が完了していない部屋が一目で分かる仕様になっているぜ。
探索する城は広大で、図書館や塔、下水道や墓場など様々なエリアが存在する。
鍵のかかった扉で区切られており、鍵を守るガーディアンを倒すことで進めるようになる。
探索アクションとして王道の作りになっているぜ。
ショップなどで手に入る装備や魔法、薬を活用して進めていくことになるが、
武器だけでも長剣やメイス、斧に弓、槍、ダガーと色々あるし、
魔法も直接攻撃する炎の魔法から、相手を眠らせたりする精神魔法までまで様々。
回復アイテムやパワーアップアイテム、特殊効果のあるスクロールも種類が多い。
敵を倒して経験値を稼いでレベルアップし、
その時に手に入るスキルポイントを各ステータスに割り振って強くしていくシステムで、
例えば剣レベルにポイントを振ると剣を使った攻撃が強くなったりする。
装備の選択肢の多さに加えてこのスキルでの成長が悩みどころ。
強い装備や魔法は対応したレベルを上げないと使えないから、
満遍なく成長すると逆に不利になる。
様々な武器と魔法を試しながら、自分に合った戦闘スタイルを見つけていくのが楽しいぜ。
リーチの長い槍での攻撃や、弓で一方的にボコボコにしたり、
炎魔法を使った継続ダメージで体力を削ったり、
武器を強化する魔法を重ね掛けした上で攻撃スキル使って大ダメージを与えたり、
面倒な魔法を使ってくる魔法使いを睡眠魔法で眠らせたりね。
ステータスは近接攻撃、遠距離攻撃、回復手段を、
それぞれ1つずつくらいに絞って上げていくのがオススメ。最大体力と防具スキルも万全に。
あと、神聖魔法に1つでもいいから振っておかないと苦労するかも。
苦戦する場所やボスも、戦い方を見直せばあっさり突破できるような箇所があったりするので、
ショップの品揃えや、自分の装備、スキルを踏まえた試行錯誤がたまらない作りになってる。
「画面内の歩いて行ける一番遠い場所にワープする」なんてアイテムどこで使うんだろうと思ったらあそこか~!
特徴が異なるペットなんてのもいて、コウモリなどの特定の敵を食べてくれるカエルや、
光の魔法で援護してくれる精霊、体力を回復してくれる空飛ぶ植木鉢などがいるから、
更に戦術の幅が広がるぞ。
しかしこの「カッちゃん」はちょっとそのまんま過ぎると思いますよ?!
ビームで敵を麻痺させてくれるから強い!
ストーリーも面白くて、ゲームオタクのダニエルと、
うっかり彼に取りついて体から出られなくなってしまった悪霊ゼラトゥルのやり取りが実にイイ。
なんとか解放されるためにダニエルを殺そうとバレバレのウソを付くゼラトゥルに、
終始、ふざけた態度であしらうダニエル。2人の間に徐々に生まれてくる奇妙な友情は必見だぜ。
他にも城の中では頼みごとをしてくる幽霊やゴブリン、魔法使いなど様々なヤツらがいて、
会話のたびにダニエルは軽口を叩きながらメタセリフやパロネタを連発。
クソをかき集めてクソをばら撒くために駆け回るようなサブイベントもある。
このバカバカしいノリ、嫌いじゃないぜ。
ちなみに画面下部の情報スペースの大きさをある程度オプションでいじれたり、
城を探索してる時は拡大と縮小が出来たり、
Switchの携帯モードで遊んでいる時は情報スペースを消して画面を大きくすることも出来るので親切だ。
まあそれでもちょっと見辛く感じるところもあるが。
難点は中盤から攻撃を喰らうと武器を落とすようになるスライムとか、
こっちの武器をピコピコハンマーに変えちゃうピエロとか、
こっちの武器を盗む上に特定の攻撃以外通じない敵とか……。
難しいというよりただの嫌がらせみたいな攻撃が増えてくるところ。
ピコピコハンマーに変えられると特定の部屋に行かないと元に戻せなくなる。
武器を外した上で無視するとか回避方法はあるんだが、こういうストレス溜まるだけの敵は好きじゃない。
イラッとするだけの初見殺しや、ジャンプに失敗した時の一撃死で難易度を上げているところも多し。
最初の難易度選択ではアクションゲームに慣れていても、「イージー」を選ぶくらいでちょうどいいかも。
難易度を上げるとオートセーブで再開出来る場所がどんどん減っていく作りなんでね。
チャレンジという、特定条件を満たすことでレアアイテムと交換できるコインが手に入る要素もあるんだが、
これもまともにクリアさせる気が無いようなものばかりだぜ……。
ゲーム進行に関係ないから全スルーでいいんだけども。
ストーリーも一言で言うと「アンエピックのエンディングマジですごかった!」って内容ではあるんだが、
後半の展開は「それでいいの!?」って言いたくなるようなモヤモヤ感もあって
ちょっとスッキリしなかったかなー。
良い意味でも、悪い意味でもオタクの悪ふざけ感が満載になっているが、
システム面で見所は多かったし、探索型アクションとしてしっかり遊べる作りにはなっている。
イージーでもクリアまでに13~20時間は掛かるのでボリュームもなかなか。
人を選ぶノリではあるがギリギリ良作と言える1本かな。公式サイトを見てピンと来たらオススメだ!
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