◆バリアフリープロレスHERO「HERO43~旗揚げ15周年記念」大会(23日、東京・新木場1stRING) 「邪道」大仁田厚(67)が「障害があってもなくても楽しめるプロレス団体」をコンセプトとするバリアフリープロレスHEROに友情参戦。…

◆バリアフリープロレスHERO「HERO43~旗揚げ15周年記念」大会(23日、東京・新木場1stRING)

 「邪道」大仁田厚(67)が「障害があってもなくても楽しめるプロレス団体」をコンセプトとするバリアフリープロレスHEROに友情参戦。リング上で同団体が5月5日、神奈川・鶴見青果市場で開催する「ヤミキ&ワイルド・セブン&ワイルド・シューター追悼」大会での電流爆破デスマッチ敢行が電撃決定した。

 同団体は新日本プロレス黎明期に練習生として在籍しながらも聴覚にハンデがあるため、デビューがかなわなかったヤミキさん(故人)が設立。聾(ろう)レスラーが闘う場として2010年2月20日に新木場で旗揚げ。新日でデビューできなかったヤミキさんがHEROで念願のプロレスラーになる夢を果たし、健常者プロレスラーと激闘を展開した。

 当初、同団体は“聴覚障害者と健常者の架け橋”になるようなプロレスイベントを標榜した。だが、2016年春にヤミキさんが急逝したことを契機に「バリアフリープロレスHERO」に呼称を改め、健常者のプロレスラーも所属。これに伴い、聴覚障害者にかぎらず、視覚障害者や車イスでの生活を余儀なくされている方を始め、一般のプロレスファン、プロレスを見たことがない人など誰もが幅広く楽しめるイベント運営に転換。その後、コツコツと大会を重ね、今年、旗揚げ15周年を迎えた。

 大仁田は2016年11月15日、新木場での「ヤミキ追悼興行」で同団体に初出場。当時のHEROはワイルド・ベアー、ワイルド・セブン、ワイルド・シューターらのヒール軍団ワイルド軍に運営権を乗っ取られ、「WILD HERO」として開催されていた。

 この事態にHERO正規軍から助っ人を要請された大仁田が参戦。ワイルド軍を下して正規軍が運営権を奪還した。そして、昨年4月27日に新木場で実施された「ヤミキ&セブン&シューター追悼試合」で2度目の出場。今回はHEROの15周年を祝うべく3度目の参戦を果たした。

 「公認凶器使用ストリートファイト・トルネード6人タッグマッチ」で雷神矢口、パンディータと組み、ターザン後藤さんの魂を継承するガッツ石島、洞口義浩、瀧澤晃頼組と対戦した大仁田。

 リング上には公認凶器として、大型バケツのなかに、竹刀、イス、ギターなどが用意された。両軍ともに公認凶器を使用する大乱戦となったが、最後は大仁田がイス攻撃からDDOで葬り、3カウントを奪い、12分9秒、体固めで劇勝した。

 試合後、大仁田は「(主宰の)豊島(修二)会長の心意気に惹かれて自分から電話して参戦しました。いつまでできるか分かりませんが、あと3年はやりたいと思ってます。ハンデがあっても、なくても、みんな一生懸命生きてるんです」と叫ぶと、「ガンバレ、HERO! 1、2、3、ファイヤー!」決めセリフで大会を締めくくった。

 ヤミキさんとも生前に親交があった大仁田。セブンさん、シューターさんも大仁田の愛弟子で3人の追悼試合で、かねて電流爆破デスマッチを実施することを熱望。HERO側が快諾する形となった。この一戦には大仁田のほか、ベアー、石島が名乗りを挙げているが、正式な対戦カードは後日発表される。