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[月別過去ログ] 2015年08月

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2015年08月18日

生理研研究会 「認知神経科学の先端 宣言的記憶の脳内メカニズム」参加登録開始しました

以下の予定で研究会を開催します。ふるってご参加ください。

  • 生理学研究所研究会 「認知神経科学の先端 宣言的記憶の脳内メカニズム」
  • 日 程:2015年11月13日(金)~14日(土)
  • 会 場:自然科学研究機構 岡崎コンファレンスセンター
  • 提案代表者 納家 勇治 (北京大学 心理学系 生命科学センター McGovern Institute)
  • 世話人 吉田 正俊 (生理学研究所 発達生理学研究系 認知行動発達研究部門)
  • 所内対応教官 伊佐 正 (生理学研究所 発達生理学研究系 認知行動発達研究部門)

生理研研究会「認知神経科学の先端」では、認知神経科学の重要なトピックについて学際的に講演者を選び、参加者が異分野交流と活発な議論が出来ることを狙いとして2007年からこれまで計6回の研究会を開催してきました。第7回目となる今年は「宣言的記憶」をテーマに選びました。北京大学の納家勇治先生とともに準備を進めております。ぜひご参加ください。

講演者 (五十音順、敬称略):

  • 金丸 隆志 (工学院大学 先進工学部 機械理工学科 知能機械研究室)
  • 川口 潤 (名古屋大学大学院環境学研究科 社会環境学専攻 心理学講座)
  • 月浦 崇 (京都大学大学院人間・環境学研究科 認知科学分野)
  • 納家 勇治 (北京大学 心理学系 生命科学センター McGovern Institute)
  • 藤澤 茂義 (理化学研究所 脳科学総合研究センター システム神経生理学研究チーム)
  • 藤田 和生 (京都大学大学院文学研究科 行動文化学専攻 心理学講座)
  • 山本 純 (RIKEN-MIT神経回路遺伝学研究センター)

参加費無料。事前登録受付オープンしました。学部生、院生を対象に10名程度の旅費補助も行います。 くわしくは研究会webサイトから: http://www.nips.ac.jp/%7Emyoshi/workshop2015/

問合せ先:吉田 正俊(生理学研究所)


2015年08月10日

脳と非線形力学系について勉強してますって話

Mark ChurchlandのNature 2012が出て、リーチング運動時の運動皮質ニューロンの集団での発火のダイナミクスが、非定常的なものではなくて周期的なものとして捉えることができる(がゆえに力学系的解析が応用可能になる)というのを読んですごくこの辺りに興味をもつようになった。

Vreeswijk and SompolinskyのScience 1996 (PDF)での「興奮性ニューロンと抑制性ニューロンがバランスしたネットワークでカオスが発生する」という論文では、かなり単純なニューロンモデルが扱われていた。

それに対して、ここ最近ではRenart et alのScience 2010やTan et alのNature 2014にあるようにEIバランスによるasynchronous stateがげっ歯類のin vivoでの仕事で報告されるようになってきていて、もはやこのあたりは流行りと言ってもよいかと思う。

そういうわけで非線形力学的な道具を使って脳活動を解析するというのに興味を持って、遅ればせながら勉強をしている。

埋め込み定理を使って脳波とかの時系列データを解析するってのは合原先生の1990年代の仕事とかで見たことがあったけどそれ以来あんまり見ないから、なんらか実際の運用上で難点があって一般化しなかったのかなと推測していた。でも前述のChurchand論文とかを見ていると再訪する価値があるかもとか思ってた。

そしたら最近、Pouget研の田嶋達裕さんが藤井さんのneurotychoのデータ(ECoGでの多点同時記録)を使って、脳活動の埋め込み関係から因果構造を捉えるという仕事に取り組んでいる。「生体の科学」のレビュー(PDF)

これはSugihara et alのScience 2012を踏まえての仕事らしい。こちらも読まなくて、と思ってた。

そうしたら先日の「因果フェス」でコメンテーターとして参加した伊庭さん@ibaibabaibai の8/7の連続ツイートでSugihara et al(のCCMに関連した講演)が批判的に取り上げられてた。

このあたりの状況に追い付きたいのだけれども、勉強不足でまだそのずっと手前の位置にいる。(イズケビッチ本のFHNニューロンの相空間解析とかさいきん翻訳が出たストロガッツの「非線形ダイナミクスとカオス」とか読んでる。つまり、まだ学部レベル。)

こんなことを「自分で」する意義があるのだろうかと自問自答しつつも、でも自分が次の段階に行くにはたぶんこれが必要なのではないか、とか考えているところ。自分語り乙。


お勧めエントリ

  • 細胞外電極はなにを見ているか(1) 20080727 (2) リニューアル版 20081107
  • 総説 長期記憶の脳内メカニズム 20100909
  • 駒場講義2013 「意識の科学的研究 - 盲視を起点に」20130626
  • 駒場講義2012レジメ 意識と注意の脳内メカニズム(1) 注意 20121010 (2) 意識 20121011
  • 視覚、注意、言語で3*2の背側、腹側経路説 20140119
  • 脳科学辞典の項目書いた 「盲視」 20130407
  • 脳科学辞典の項目書いた 「気づき」 20130228
  • 脳科学辞典の項目書いた 「サリエンシー」 20121224
  • 脳科学辞典の項目書いた 「マイクロサッケード」 20121227
  • 盲視でおこる「なにかあるかんじ」 20110126
  • DKL色空間についてまとめ 20090113
  • 科学基礎論学会 秋の研究例会 ワークショップ「意識の神経科学と神経現象学」レジメ 20131102
  • ギャラガー&ザハヴィ『現象学的な心』合評会レジメ 20130628
  • Marrのrepresentationとprocessをベイトソン流に解釈する (1) 20100317 (2) 20100317
  • 半側空間無視と同名半盲とは区別できるか?(1) 20080220 (2) 半側空間無視の原因部位は? 20080221
  • MarrのVisionの最初と最後だけを読む 20071213

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