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JPH08507501A - プロテアーゼ阻害活性を有するペプチドボロン酸誘導体 - Google Patents

プロテアーゼ阻害活性を有するペプチドボロン酸誘導体

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Publication number
JPH08507501A
JPH08507501A JP6519548A JP51954894A JPH08507501A JP H08507501 A JPH08507501 A JP H08507501A JP 6519548 A JP6519548 A JP 6519548A JP 51954894 A JP51954894 A JP 51954894A JP H08507501 A JPH08507501 A JP H08507501A
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JP
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formula
mmol
compound
alkyl
pro
Prior art date
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Pending
Application number
JP6519548A
Other languages
English (en)
Inventor
クック、ニジェル・スコット
メッテルニヒ、ライナー
タッパレルリ、カルロ
ビーナンド、アネッテ
Original Assignee
サンド・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GB939304289A external-priority patent/GB9304289D0/en
Priority claimed from GB939306822A external-priority patent/GB9306822D0/en
Application filed by サンド・リミテッド filed Critical サンド・リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 式I 〔式中、W、Y、R4、R5、Q1およびQ2は請求項1で定義の意味〕で示される疑似ペプチドは、有効なトロンビン阻害剤である。

Description

【発明の詳細な説明】 プロテアーゼ阻害活性を有するペプチドボロン酸誘導体 本発明は、トロンビン(第IIa因子)、第Xa因子、第VIIa因子、第XIIa因子、 カリクライン、プラスミン、プロリルエンドペプチダーゼおよびIg AIプロテア ーゼのような、血液凝固工程に含まれるセリンプロテアーゼ類の阻害剤に関する 。 凝血系の最後の酵素、トロンビンは、可溶性フィブリノーゲンをフィブリンに 開裂し、次いで、それは架橋し血栓となるマトリックスを形成する不溶性ゲルを 形成する。血管が傷害を受けた場合、上記の工程は止血に必要である。正常の環 境下では、血漿中でトロンビンは測定可能量ではない。トロンビン濃度の増加は 、現在の最も一般的で深刻な医学的問題の一つである血栓塞栓疾病を導く血餅の 形成をもたらし得る。 トロンビンは、数個の生理学的反応により、止血の制御を寄与する。その主要 な機構、フィブリノーゲンのフィブリンへの転換に加えて、トロンビンは第XIII 因子を活性化し、それはフィブリンの架橋を担う。トロンビンは、プロトロンビ ンからトロンビンの形成に両方とも必要な第V因子および第VIII子の活性化を含 む陽性フィードバック機構によりまた働く。トロンビンは他の本質的な役割を有 する:その血小板への結合は、初期止血を担う血小板遊離および凝固を開始させ る。 トロンビンの反応は、血漿中の天然阻害剤により更に制御される。これらの中 で最も重要なものはアンチトロンビンIIIおよびヘパリンである。これらの2つ の化合物は単離され、プロトロンビン活性化の危険を伴う止血機構の不均衡の病 気において、治療的および予防的に使用されている。 経口的に活性な合成トロンビン阻害剤は、これらの天然阻害剤の非経口的投与 の代替物として有用である。この領域の更なる研究が、インビトロでのトロンビ ンの良好な阻害剤の合成をもたらすであろうが、今までのところ経口臨床使用の ために本当に優れた候補はまだ無い。トロンビンの重要な天然基質であるフィブ リノーゲンのアミノ酸配列を模倣することにより、幾つかの優れたトロンビンの 短いペプチド基質が合成されている。これらのペプチド基質は酵素の阻害剤を提 供するためにまた派生する。従って、色素基質D−Phe−Pro−Arg−pNAお よびD−Phe−Pig−Arg−PNAは、トロンビン開裂部位に先立つ配列を模倣 する。対応する可逆的および非可逆的阻害剤、D−Phe−Pro−アルギナル(Ar ginal)およびD−Phe−Pro−Arg−CH2Clは、インビトロで10-8M範囲 の阻害を示す。クロロメチルケトン類は、一般的に臨床的使用に理想的な特性は 不十分であり、上記に例示のペプチドアルデニドは非常に低いLD50を有する。 第Xa因子は、そのチモーゲン、プロトロンビンの限定蛋白分解によりトロン ビンの産生に応答可能な凝血酵素である。重量/重量を基本にして、第Xa因子 はインビボでトロンビンより少なくとも10倍血栓源性である。これは、第Xa 因子が増殖縦つなぎ系においてトロンビンの1工程前であり、第Xa因子1部因 予は、その前駆体から多くのトロンビン分子を産生できるという事実に起因する 。その有効性は、体の相対的に遅い第Xa因子の排出にもまた起因し得る。第Xa 因子と異なり、トロンビンは血管壁の高親和性部位上へ循環血液から急速に無く なる。 組織因子の第VII因子への結合は、組織傷害後の血液凝固の開始における重要 な事象を示す。最初にそれは第IX因子および第X因子の活性化を触媒し、第2に 痕跡量の第Xa因子および第IXa因子(および恐らく組織傷害後に細胞から遊離さ れた他の酵素)は、チモーゲン第VII因子/組織因子複合体から、非常に活性な 第VIIa因子/組織因子複合体に変換する。 内および外経路の接合部の第Xa因子の中心位置ならびに内および外凝血経路 の両方の開始における第VIIa因子の重要な役割により、第Xa因子および第VIIa 因子は止血経路を調整する好適な標的となる。 カリクラインは第XII因子の働きにより、陰性に荷電した表面の存在下、プレ カリクラインから形成される。カリクラインは、次に、第XII因子を、第XIIa因 子に開裂でき、それにより両方向活性化系が形成される。第XIIa因子は凝血系の 内部の最初の酵素である。接触系の重要性は、恐らく表面媒介防御機構としてで あり、系の大規模な活性化は通常ショック状態または播種性血管内凝固症候群( DIC)で見られる。カリクラインのこの段階での役割は、高分子量キニノーゲ ン を、血管拡張物、ブラジキニンの遊離を伴って開裂することである。ブラジキニ ンは、また、増加した血管透過性、痛みおよび好中球の移動の原因となる。キニ ン形成阻害剤は、関節炎および膵炎を含むある種の炎症に有益であることが示さ れ、喘息の処置にもまた有用であり得る。カリクレイン阻害剤として臨床的に重 要になっている唯一の物質はアプロチニン(トラシロール)である。アプロチニ ンは分子量6500のポリペプチドであり、プロテアーゼと安定な複合体を形成 し、結合定数10-10−10-13Mを有する。 線維溶解はフィブリノーゲンおよびフィブリン凝塊の酵素的溶解の工程である 。血漿はタンパク質、種々の活性剤の影響を受けてプラスミンに変換するプラス ミノーゲン、その活性がトリプシンに類似しているタンパク質分解酵素を含む。 プラスミンはフィブリノーゲンおよびフィブリンをフィブリン/フィブリノーゲ ン分解産物に分解する。 正常の条件下では、線維分解系は凝固系と平衡を保っている。血流中に形成さ れた小血栓は、酵素的に溶解され、血管を経由する循環は体内での線維溶解系の 活性化により回復する。線維分解活性が高すぎれば、出血をもたらしまたは延長 し得る。活性は血中の天然阻害剤により阻害できる。 プロリルエンドペプチダーゼは、ペプチド鎖内のプロリン残基のカルボキシル 側のペプチド結合を開裂する。サブスタンスP、ニューロテンシン、甲状腺刺激 ホルモン−遊離ホルモンおよび黄体形成ホルモン−遊離ホルモンを含む多くの神 経ペプチドを容易に分解し、細胞のインターロイキン2(IL−2)を産生する 能力に関係があるのはセリンプロテアーゼである。本酵素はベンジルオキシカル ボニル−プロリル−プロリナルにより、14nMのKiで阻害される。プロリルエ ンドペプチダーゼの生理的役割についてほとんど知られていないが、種々の神経 ペプチドの生理活性の制御において顕著な役割を担っている可能性がある。 感染に対する防御の最初の系を構成する抗体の優勢な形であるIgAのIgAプ ロテイナーゼ触媒開裂は、分子の抗原結合Fab領域からFcを分離する。このよ うな開裂は、その抗微生物活性を妨げまたはなくすことが予期される。すべての IgAプロテイナーゼは、従って、ヒトIgAの蝶番領域のプロリン残基の後を開 裂すると確認された。ペプチドプロリル−ボロン酸は、これらの酵素をタンパク 質分解酵素のセリンプロテアーゼ群に属する酵素として表すナイセリア・ゴノロ エア(Neisseria gonorrhoea)およびヘモフィラス・インフルエンザエ(Hemoph ilus influenzae)由来のIgAlプロテイナーゼを阻害する。 癌、炎症および神経活性のような病理的疾病に関連する種々の生理学的工程に おいてトロンビンが果す多数の役割は、心臓血管系に全く関係しない数個の徴候 において、トロンビン阻害剤として有効な使用が示唆される。 多くの癌細胞がトロンビンの産生に関連する前凝固活性の誘導を示す。結果と して、局所的フィブリン蓄積および凝固が発生し、それは癌の成育に重要である と考えられている。加えて、その内皮細胞上でのその作用のために、トロンビン は転移している癌細胞の滲出を促進し得る。これゆえ、トロンビン阻害剤はある 種の癌の処置だけでなく。化学療法剤で治療している患者に頻繁に見られる凝固 性亢進の減少にまた有益であることを証明し得る。 トロンビンの内皮細胞活性化は、インターロイキン−1、プロスタグランジン および血小板活性化因子の合成および遊離のような多くの前炎症的変化を誘発す る。加えて、トロンビンはCD62(あるいはGMP−140としても既知)お よびCD63の暴露を誘発し、2種の粘着分子は内皮表面への白血球の粘着の原 因となる。トロンビンはまた好中球を含むタンパク質の血管透過性を増加させ、 呼吸性疾患、関節リューマチおよび大腸潰瘍に含まれると信じられているペプチ ドである、インターロイキン−8−前駆体タンパク質を開裂する。 これら全ての前炎症工程へのトロンビンの拘わりあいにより、トロンビン阻害 剤は炎症関連病理的疾病の治療的処置に使用するための有効な標的となる。 神経成育の調節物および特異的天然トロンビンアンタゴニストであるプロテア ーゼネキシン−1の活性は、アルツハイマー病の患者で顕著に特異的に減少する 。アルツハイマー患者の脳でトロンビン様活性が増加したという観察と併せて、 これはトロンビン阻害剤がトロンビン活性亢進または関連したセリンプロテアー ゼに関する神経病理変化の限定または回復に有用であり得ることを示唆する。 ボロン酸は、種々のセリンエステラーゼおよびプロテアーゼの阻害剤として研 究されている。プロテアーゼ阻害剤として使用された最初のボロン酸含有アミノ 酸同族体は、キモトリプシンおよびサブチリシンの阻害剤として使用されていた N−アセチル−L−フェニルアラニンのボロン酸同族体であった。ペプチドボロ ン酸は、キモトリプシン、サブチリシンおよびエラスターゼの阻害剤として使用 されている。 ボロン酸とプロテアーゼの生物系における相互作用は知られており、種々の簡 単なボロン酸がヒトへの使用に対して充分無毒であることが示されている。エラ スターゼのペプチドボロン酸阻害剤は、最近気腫に関連した動物試験で使用され ている。ペプチドクロロメチルケトンと異なり、生理学的有効量レベルで毒性は 報告されていない。 欧州特許出願第293881号(デュポン)は、C末端にリジン、オルニチン およびアルギニンのボロン酸誘導体を含むペプチドの製造およびそのトリプシン 様セリンプロテアーゼ阻害剤としての使用を開示している。ペプチドの他のアミ ノ酸は、全て20の天然由来アミノ酸のDまたはL形である。 疎水性側鎖を有する少なくとも1つの非天然α−アミノ酸を含む場合、トリプ シン様セリンプロテアーゼ阻害剤として優れた特性を有する化合物が得られるこ とが本発明により分かった。 従って、本発明は式I 〔式中、 W=HまたはN−保護基; Yはn+1アミノ酸ペプチドY−LysまたはY−Argがトリプシン様プロテアー ゼの活性部位に親和性を有するように選択されたnアミノ酸の配列(ここで、n は1から10、好ましくは1から4の整数であり、少なくとも1つのアミノ酸が 疎水性側鎖を有する非天然アミノ酸である); Q1およびQ2は、同一または異なって−OH、−COR1、−CONR12、− NR12および−OR3から選択され得、またはQ1およびQ2は一緒になってジ オール残基を形成する;R1、R2およびR3は、同一または異なってC1-10アル キル、C6-10アリール、C6-10アラルキルまたは、C1-4アルキル、ハロゲンお よびC1-4アルコキシから選ばれた基で3個まで置換されているフェニル; R4は水素またはC1-10アルキル; R5は−A−X基〔ここで、Aは−(CH2z−(ここでzは2、3、4または 5);−CH(CH3)−(CH22−;−CH2−CH(CH3)−CH2−;− (CH22−CH(CH3)−;−(CH22−C(CH32−;−CH(CH3 )−(CH23−;−CH2−CH(CH3-(CH22−;−CH2−CH2− CH(CH3)−CH2−;−(CH22C(CH32−CH2−;−(CH2 ) 3− CH(CH3)−;−(CH23−C(CH32−;−(CH23CH(CH3) CH2−;C6-10アリール、C6-10アラルキルおよびXはOH、SH、NR67 またはフェニル、R6はHまたはC1-10アルキルおよびR7はC1-10アルキル、− CO−R8、−CS−R8または−SO2−R8、R8はハロゲン、OH、C1-4アル コキシ、C(NH)R9、NR1011およびC(O)OR6(R6は上記で定義の 意味)から選ばれた基で3個まで置換されていてもよいHまたはC1-10アルキル 、C1-10アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アラルキル、R9はC1-3アルキル またはN(CH32およびR10およびR11は(同一または異なって)HまたはC1-10 アルキルである〕 で示される化合物およびその塩を提供し、*で印をした不斉炭素原子はD−また はL−形であり得、本化合物はこれらの任意の混合物を含み得る。 非天然アミノ酸は、D−またはL−Ala、Arg、Asp、Cys、Gln、Glu、G ly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyrまた はVal以外を意味する。 好ましくはN−保護基Wは、式H(CH2CH2O)p−(式中、p=3−30 );R12CO−;R13OCO−またはR14SO2−(ここで、R12はC1-6アルキ ルまたはH(CH2−O−CH2p、pは上記で定義の意味;R13はC1-6アルキ ル、フェニル、ベンジルまたはナフチル;およびR14はフェニル、ナフチルまた はC1-4アルキルフェニルである)で示されるものであり、R13OCO−が特に 好ましい。 最も好ましい保護基は、R13’OCO−(式中、R13’は第3級ブチル(Boc と呼ぶ)およびR13’がベンジル(Zと呼ぶ)である)で示されるものである。 好ましくはR5はR5’〔ここで、R5’は−(CH2z’−X’(ここで、X ’は3個までのハロゲン原子で置換されていてもよいOH、フェニル、NH−C O−R8’、NH−CS−R8’、NHSO28’またはNR10’R11’、ここで 、R8’はHまたはC1-3アルキルまたはC1-3アルコキシならびにR10’および R11’は、同一または異なってHまたはC1-3アルキルである)およびz’は2 、3または4である〕である。 更に好ましくは、R5はR5”〔ここで、R5”は−(CH2z’−X”(式中 、X”はOH、C65、C64Cl、C64N(Me)2、NH−CO−CH3、 NH−CHO、NH−CS−NHCH3、NH−CO−CH(CH32、NH− CO−CH2−CH3、NH−CHS、NH−CO−CH2Cl、NH−CO−O CH3およびz’は上記で定義の意味である)〕である。 好ましい化合物は、式Ia 〔式中、W、Y、R4およびR5は上記で定義の意味およびR15およびR16はジヒ ドロキシ化合物の残基を意味する〕 で示されるものである。 ジヒドロキシ化合物の有用な例は、2,3−ブタンジオール;カテコール;2 ,3−ジメチル;2’,3’−ブタンジオール;シクロヘキサンジオール;エチ レングリコール;1,2−ヘキサンジオール;2,3−ヘキサンジオール;ジエ タノールアミンまたは、炭素原子または他の炭素原子により置換されている炭素 原子の憐りに置換されたヒドロキシ基を有する脂肪族または芳香族化合物である 。 特に好ましいものは、Q1およびQ2が一緒になって式a)または式b) 〔式中、LはC1-4アルキル基、特にメチル、i−Pi、n−Prまたはn−Buで ある〕 で示されるOPin基を意味するものである。 Yを構成するアミノ酸はタンパク質中に天然に生じるL−アミノ酸および対応 たはピペコール酸(Pip)のような化学的修飾α−アミノ酸からなる群から選択 され得るα−アミノ酸であるが、ただし少なくとも1つのアミノ酸は、疎水性側 鎖を有する非天然アミノ酸である。 非天然アミノ酸は、O−アルキルまたはS−アルキル−システインのようなア ルキル化天然アミノ酸であり得る。しかしながら、好ましい非天然アミノ酸は、 式II 〔式中、R17は疎水性基である〕 で示される。好ましい疎水性基は、所望により極性基または少なくとも2環およ び非極性置換基を有する脂環式基で置換されていてもよい芳香族基または第3級 ブチルまたはトリメチルシリル基に結合したメチレン基から成る。 式IIで示される非天然アミノ酸は、D−またはL−形またはこれらの任意の混 合物であり得るが、好ましくはD−形である。 更に好ましい化合物は、式I〔式中、YはN−末端アミノ酸が非天然アミノ酸 であり、他のアミノ酸が式 であるL−プロリン(Pro)である2アミノ酸の配列〕で示されるトロンビン阻 害剤である。 これらのより好ましい化合物は、式I’ 〔式中、W、R4、R5、R17、Q1およびQ2は上記で定義の意味〕 を有する。 特に好ましい化合物は、式I” 〔式中、W、R4、R5’およびR17は上記で定義の意味〕 で示されるものである。 最も好ましい化合物は式III で示される化合物、式IV で示される化合物、式V で示される化合物および式VI で示される化合物である。 ペプチドは、ペプチド−ペプチダーゼ複合体の分解定数が、10-5Mまたはそ れ以下の値を示せば、トリプシン様プロテアーゼの活性部位に親和性を有してい ると考えられる。 式I(式中、XがNHCHOまたはNHCOアルキル)で示される化合物は、 式I(式中、Xは−NH2)で示される化合物を、対応する酸の活性形と反応さ せることにより製造し得る。 式I(式中、XがNHCOアルコキシ)で示される化合物は、式I(式中、X が−NH2)で示される化合物を、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトア ミドと反応させ、続いて対応するエステルの活性形を添加することにより製造し 得る。 式I(式中、XがNHC(S)NHアルキル)で示される化合物は、式I(式 中、Xが−NH2)で示される化合物を、有機溶媒中で対応するアルキルイソチ オシアネートと反応させることにより製造し得る。 式I(式中、Xが−NH2)で示される化合物は、次に、式I(式中、Xが− N3)で示される化合物の水素添加により製造し得る。水素添加は、例えばPd /C触媒を使用した標準条件下で行い得る。 式I(式中、Xが−N3)で示される化合物は、式VI 〔式中、W、Y、Q1およびQ2は上記で定義の意味およびR18は−A−Br(こ こで、Aは上記で定義の意味)〕 で示される化合物を、ジメチルスルフォキシドのような極性非プロトン性溶媒中 で、ナトリウムアジドと反応させて製造し得る。 式I(式中、Xが−NHCHS)で示される化合物は、式I(式中、Xが−N HCHO)で示される化合物を、トルオールのような有機溶媒中でローエソン( Laweson)試薬と反応させることにより製造し得る。 式I(式中、Xは所望により置換されたフェニル)で示される化合物は、式VI I 〔式中、Q1およびQ2は上記で定義の意味およびR19は−A−フェニル(所望に より置換)(ここで、Aは上記で定義の意味)〕 で示される化合物を、LiN[Si(CH332と反応させ、続いて過剰の酸と 共に加水分解し、式VIII 〔式中、WおよびYは上記で定義の意味〕 で示される保護ペプチドと結合させることにより得られ得る。 反応は好ましくは乾燥非プロトン性極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で 、−78℃から室温の間の温度で行う。 式VIIIで示される中間体は、マットソンら、オルガノメタリクス、3、128 4−8(1984)の方法により得られ得る。 式VIIIで示される保護ペプチドは、ペプチド化学で慣用的な方法により、所望 の非天然アミノ酸で出発して製造し得る。このようなアミノ酸は、商業的に入手 可能(例えば、R16がc群であるアミノ酸)または文献、例えばアンゲヴェント ・ケーミエ93、793(1981)およびジャーナル・オブ・アメリカン・ケ ミカル・ソサイエティー、109、6881(1987)に開示の方法と類似の ものにより製造し得るかのいずれかである。 式I(式中、XがOH)で示される化合物は、式I(式中、Xが−OSi(C H32C(CH33)で示される化合物を、テトラブチルアンモニウム−フロリ ドのような脱シリル化剤と反応させて得られ得る。 式Iで示される化合物は、トリプシン様プロテアーゼ阻害剤として有用であり 、 これらの酵素のイン・ビトロでの診断および機構研究に使用し得る。更に、その 阻害作用のために、それらは、制御系における酵素の過剰による疾病の予防また は処置、例えば凝固および線維溶解の制御への使用が示唆される。 本発明の化合物は、以下の試験法で示唆されるように、トリプシン様セリンプ ロテアーゼ阻害特性を有する: a)酵素阻害動態 試験物質をクレモフォア/エタノール(1:1)またはDMSOに溶解し、蒸 留水で希釈し、1mMの貯蔵溶液を産生する。更に、測定用緩衝液(100mMリン 酸ナトリウム緩衝液、pH7.4、100mM NaClおよび0.1%ウシ血清ア ルブミン含有)で希釈する。動態測定は、96マイクロウェルプレートを使用し て行う;各々のウェルは50μl基質、100μl試験化合物および100μl酵 素を緩衝液中に含む。基質および酵素の最終濃度は下記の通りである:160pM α−トロンビンおよび100μlペファクロム(Pefachrom)TH(Km=6.9μ M)、800pMヒトプラスミンおよび200μMペファクロムPL(Km=66.4 μM)、および260pMウシ膵臓トリプシンおよび500μMペファクロムTRY (Km=167.7μM)。測定は、試験すべき物質および基質を含む溶液に酵素 を加えることにより開始する。基質の加水分解によるp−ニトロアニリンの遊離 はサーモマックス・マイクロウェル・カイネティック・リーダー(Thermomax mi crowell kinetic reader)(モレキュラー・デバイシーズ、メンロ・パーク、カ リフォルニア州、US)で、405nmの光学密度の増加を測定することにより3 0分追跡する。阻害定常速度に急速に到達した場合、阻害定数(Ki)は、ディ クソン方程式(マイオケミカル・ジャーナル、1953、55:170−171 )へ重量直線退行をあてはめることにより、決定する。遅い、きちんと結合する 阻害剤に対しては、阻害の機構は下記のスキームにより説明し得る: 〔ここで、E、S、PおよびIは、それぞれ、酵素、基質、生産物(p−ニトロ アニリン)および試験すべき阻害物質であり、konおよびkoffは阻害について の結合および分離定数である(タッパレリら、ジャーナル・オブ・バイオロジカ ル・ケミストリー268(1993)、4734−4741)〕。異なった濃度 の阻害剤存在下でのp−ニトロアニリンの形成の進行曲線は、スキームにより示 される機構の方程式へ非直線退行によりあてはめられる(モリソンおよびワルシ ュ、Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol.1988、61:201−301 )。これらの分析によりkon、koffおよびKiの見掛けの値の推定がされ、モリ ソンおよびワルシュが開示したように、基質の存在に対して補正して、真の値を 得る。記載した実験条件下では、実施例1の化合物においてKi13nMが観察さ れる。 b)イン・ビトロ凝固測定 イン・ビトロ凝固測定は、クエン酸化ヒト血漿で行う。試験すべき物質または 溶媒を、血漿と共に、測定前に10分、37℃でインキュベーションする。トロ ンビン時間(TT)決定は、最終トロンビン濃度5U/mlで行う。活性化部分ト ロンボプラスチン時間(APTT)は、0.1ml血漿±試験すべき物質と、0.1 mlエラギン酸中の精製大豆リン脂質(Actin-FS)を、4時間、37℃でインキュ ベーションし、続いて0.1ml CaCl2(50mM)を加えることにより、測定す る。本試験法において、本発明の化合物は0.1μMから0.5μMの濃度で著しく TTおよびAPTTを増加させる。実施例1の化合物では、約300秒のTTの 延長が、1.8μMで達成され、対照値の2×のAPTTの高さが4.4μMで達成 される。 c)イン・ビトロ血小板凝固測定 洗浄ヒト血小板をアードリー(ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマ コロジー、1970、19:7−17)の方法の変法により製造する。洗浄血小 板 懸濁液(0.46ml)を37℃に保ち、1100rpmで撹拌する。試験すべき物質 または溶媒の添加後、凝固を1nMヒトトロンビンで誘発する前に血小板を2分間 維持する。血小板凝固の程度を、最大凝固振幅および阻害剤無しで観察された凝 固率の阻害により定量する。本試験法において、本発明の化合物は低nM範囲で血 小板凝固を著しく阻害する。実施例1の化合物は、IC50値が3.8nMを有する 。 トロンビンまたは第Xa因子阻害剤であるこれらの本発明の化合物は、抗トロ ンボゲン特性を有し、抗トロンボゲン剤が必要である場合、使用し得る。一般に 、これらの化合物は経口的または非経口的にホストに投与され、抗トロンボゲン 効果を得る。ヒトのような大型哺乳類の場合、本化合物は単独または薬理学的担 体または希釈剤と共に、0.02−15mg/体重Kg、好ましくは1−10mg/体重 Kgの用量で投与し得、抗トロンボゲン効果を得、一回投与または複数回投与とし て、または持続性遊離形として投与し得る。体外血液輪が患者で確立されている 場合、0.1−1mg/kgを、静脈から投与し得る。全血と使用する場合、リット ル当たり1−10mgを、凝固予防のために与え得る。薬理学的希釈剤は既知であ り、糖、澱粉および水を含み、それらは錠剤、カプセル、注射可能溶液等の製造 に使用し得る。本発明の化合物は、採血または血液分配容器、管または血液と接 触する移植可能装置中での血液の凝固の予防の目的で、血液に加え得る。 バトラーら(ブロッド・コアギュレーション・アンド・フィブリノリシス、第 3巻(1992)155頁)記載のラットでの動脈−静脈吻合部血栓症モデルに おいて、本発明の化合物は用量依存的に血栓形成を阻害する。実施例1の化合物 を使用して、0.3mg/kg i.v.で血栓形成は21%阻害され、3mg/kg i.v. の用量で阻止される。 また、そのトリプシン様セリンプロテアーゼ阻害活性の観点から、式Iで示さ れる化合物は、静脈または動脈手術または他の形の血管傷害に続く血管再造形( 増殖、移動)の阻害への使用が示唆される。 経皮経管冠動脈形成術(PTCA)は、アテローム硬化症斑閉塞環状動脈の処置の 一般的な手術方法になっている。血管形成は、例え少ない程度でも、大腿および 腎臓動脈の様な末梢血管でまた行われる。バルーンカテーテル血管形成中のアテ ロ ーム硬化症斑を裂く/圧縮および動脈壁を伸ばすことは、更に内皮細胞を傷付け (または除去)る結果となり、また下にある血管平滑筋細胞を傷付ける可能性が ある。PTCAが担う主な合併症は、急性再閉塞(暴露されたトロンボゲン血管 表面の閉塞血小板血栓の形成)および慢性再狭窄(主に平滑筋の増殖および移動 のため)である。PCTA24時間後に〜5%の患者に発生する急性再閉塞は、 生命を脅かし、すぐに外科的に処置しなければならない。手術後3−6カ月後で 約30%の患者で診断された慢性狭窄は、胸部の痛みを誘発するが、その閉塞が 100%においてのみ生命を脅かす(斑が破裂したら、心筋の閉塞形成を起こす )。 傷害に反応した血管におけるトロンビンの考えられる拘わりあいは、最近精密 に調べられている。その血小板への作用により、トロンビンは、傷害部位の初期 血小板漸増および活性化に含まれ、その平滑筋へのマイトジェン作用の効能によ り、トロンビンはまた血管内膜を厚くする。トロンビン濃縮は、正常内皮層の欠 損における凝固経路の連続活性化のため、また血栓溶解工程中の血餅結合トロン ビンの遊離のため、血管傷害部位で上昇するようである。加えて、トロンビンは 細胞外マトリックスに結合するようになり、そこで、活性であり続け、循環抗ト ロンビンの阻害効果から長期間保護される。血小板と重傷の血管壁との相互作用 は、局所トロンビン産生に一部分依存しているように見える。 トロンビン阻害の蓄積された証拠は、もしかすると、バルーン血管形成に続く 再狭窄を限定するための興味深い法則となるが、全ての入手可能な試薬は、充分 な局所濃度を得るため、または他の副作用を軽減し得るために、非経口的(また は局所的)に投与しなければならない。 本発明の化合物は、抗トロンボゲン剤として使用されるのと同様の濃度で、血 管再造形の阻害に使用し得る。 有利には、本発明の化合物は経口で活性であり、低毒性で急速な活性の発生が ある。加えて、これらの化合物はヘパリンのような化合物に過敏である固体の処 置にも特に実用的であり得る。 以下の実施例において、記号は以下の意味を有する: Z = ベンジルオキシカルボニル Boc = t−ブチルオキシカルボニル Ac = アセチル MeOH = メチルアルコール EtOAc = 酢酸エチル DMF = ジメチルホルムアミド DCC = ジシクロヘキシルカルボジイミド HONSu = N−ヒドロキシ−サクシンイミド OPin = ピナンジオール THF = テトラヒドロフラン n−Bu = n−ブチル Np = p−ニトロフェニル TLC = 薄層クロマトグラフィー Bzl = ベンジル TMSal = トリメチルシリルアラニン BoroPro−OPin = −COOH基がB−OPinで置き換わっている、 プロリンの同族体 BoroLys = −NH−CH−(CH2-CH2-CH2-CH2-NH2)B − 実施例1Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24OH]B−OPin A.Boc−D−TMSal−OH アンゲヴァンテ・キーミエ(Angew.Chem.)93、793(1981)に記 載の方法で製造したD−TMSa1エチルエステル21.5g(113.7mmol)を 、CH2Cl2に溶解し過剰のCH2Cl2中のBoc2Oの溶液を加える。室温で1 5時間の後、氷冷0.25N塩酸500mlを加える。有機層を5%NaHCO3お よび食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮する。 粗物質(無色油状物)を直接ケン化工程に使用する。メタノールに溶解し、0 ℃ に冷却し、1N NaOH510mlと合わせ、0℃で3時間撹拌する。1N H ClでpH1まで酸性化した後、混合物を数回エーテルで抽出する。有機層を合 わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮する。生産物(29 .7g油状物)を更に精製することなく、次工程に使用する。B.Boc−D−TMSal−Pro−ONSu Boc−D−TMSal−OH29.7g(113.7mmol)およびp−ニトロフェ ノール19.0g(136.3mmol)をEtOAcに溶解する。0℃に冷却した後 、DCC23.4g(113.6mmol)を加え、混合物を1時間0℃で、続いて1 5時間室温で撹拌する。沈殿を濾取し、EtOAcで洗浄し、濾液を真空で濃縮 する。得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(9:1、ヘキサン/E tOAc)で精製し、所望のBoc−D−TMSal−ONpを白色結晶として得る 。 Boc−D−TMSal−ONp51.6g(113.7mmol)をTHFに溶解し、 等モル量のプロリンおよびEt3Nの水性溶液を加える。室温で20時間後、T HFを真空で除去し、水性残渣を水で希釈し、数回EtOAcで抽出する。10 %クエン酸を加えることにより水性層のpHを3に調節する。得られる油状生産 物を数回EtOAcで抽出する。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、Na2SO4 で乾燥し、真空で濃縮する。無色油状物が、エーテル/ヘキサンから再結晶し、 ジペプチドBoc−D−TMSal−Pro−OHが、白色結晶化合物、mp:176℃ で得られる。 得られたジペプチド26.0g(72.5mmol)をEtOAcに溶解する。0℃ まで冷却した後、HONSu9.8g(85.5mmol)およびDCCl4.9g( 72.3mmol)を加える。混合物を3時間0℃で、更に15時間室温で撹拌する 。混合物を0℃に再冷却し、ジシクロヘキシルウレアを濾取し、数回EtOAc で洗浄する。濾液を水性0.1M Na2CO3で、次いで2%KHSO4で洗浄す る。Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮した後Boc−D−TMSal−Pro−ONSu が白色泡状物として得られる。C.(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−t−ブチルジメチルシ リルオキシ−ペンタン−1−ボロン酸 3−ブテン−1−オール10.5ml(120mmol)、t−ブチルジメチルシリ ルクロリド22.3g(144mmo1)およびイミダゾール20.4g(300mmol )をDMF60mlに溶解し、一晩35℃で撹拌する。2層を分離し、生産物層を 2N酒石酸、水および食塩水で洗浄する。Na2SO4で乾燥および真空で濃縮後 、1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3−ブテンが無色油状物として得られ る。 本生産物7.45g(40mmol)をカテコールボロン酸5.1g(40mmol)と 、125℃で24時間撹拌し、黄茶色油状物を産生する。本油状物をTHF30 ml中の(+)−ピナンジオール6.9g(40mmol)溶液に加え、一晩撹拌する 。フラッシュクロマトグラフィー(95:9、ヘキサン/EtOAc)の後、( +)−ピナンジオール−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−ブタン−1−ボ ロン酸が得られる。 20分間にわたって、BuLi(ヘキサン中1.6M)17ml(27.0mmol )を、前冷却(−100℃)したCH2Cl2 2.8mlおよびTHF49mlの溶 液に加える。15分間100℃で撹拌した後、THF24ml中の上記で得られた ピナンジオールボロン酸生産物9.0g(24.5mmol)を20分間にわたって加 える。反応混合物を再び15分間−100℃で撹拌し、その後ZnCl2(固体 )1.24g(12.3mmol)を加える。反応混合物を一晩室温で暖める。真空で 濃縮後、残渣をエーテル/H2Oに溶解する。有機相をNa2SO4で乾燥し、真 空で濃縮する。(+−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−t−ブチルジ メチルシリルオキシ−ブタン−1−ボロン酸が、黄橙色油状物として得られる。D.Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24OSi(t−Bu)Me2 ]B−OPin ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)12.8ml(20.4mmol)を、前冷却 (−78℃)した、THF30ml中のヘキサメチルジシラザン4.3ml(20.4 mmol)の溶液に加える。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで−78℃に再 び冷却する。THF中(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−t− ブチルジメチルシリルオキシ−ブタン−1−ボロン酸8.5g(20.4mmol)を 加える。1時間−78℃で撹拌した後、一晩室温に暖める。−78℃へ再冷却し た後、3モル当 量のジオキサン中のHClを加える。混合物を−78℃で1時間、次いで室温で 2時間撹拌する。−20℃へ冷却した後、CH2Cl2中の実施例1、工程Bの活 性エステル9.28g(40.8mmol)の溶液を加え、続いてトリエチルアミン5 .67ml(40.8mmo1)を加える。混合物を1時間−20℃でおよび2時間室温 で撹拌し、次いで濾過する。真空で濃縮後、残渣をエーテル/H2Oに溶解する 。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィ ー(6:4、ヘキサン/EtOAc)の後、所望の生産物が得られる:[α]D 2 0 =−45.6゜(MeOH中c=0.5);MH+=736。E.Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24OH]B−OPin 実施例1の工程Dで得たシロキシ化合物600mg(0.816mmol)をTHF に溶解し、テトラブチルアンモニウムフロリド514mg(1.62mmol)を加え る。一晩環境温度で撹拌した後、混合物を真空で濃縮し、エーテル/H2Oに溶 解する。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。副生産物をシリカゲル 上でEtOAcで除去し、次いで、生産物をEtOAc/EtOH(9:1)で 抽出し、標題生産物を白色泡状物として産生する;[α]D 20=−72.4゜(M eOH中c=0.5);MH+=622。実施例2−4 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHCHO]B−OPin A)(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−ブロモ−ペンタン−1 −ボロン酸 4−ブロモ−1−ブテン20.8ml(203.3mmol)を、カテコールボラン酸 924.4g(203.3mmol)と100℃で16時間反応させる。粗生産物を真 空で蒸留し、4−ブロモ−ブタン−1−ボロン酸を、白色結晶生産物として得る 。 (+)−ピナンジオール27.7g(163mmol)をTHFに溶解し、上記の ように合成した4−ブロモ−ブタン−1−ボロン酸41.6g(163mmol)を 加える。室温で1時間の後、THFを真空で除去し、残渣をフラッシュクロマト グラフィー(9:1、ヘキサン/EtOAc)で精製し、(+)−ピナンジオー ル−4−ブロモ−ブタン−1−ボロン酸を無色油状物として得る。 所望の(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−ブロモ−ペンタン −1−ボロン酸を、オルガノメタリクス3、1284(1984)に記載の方法 により製造する。THF中のCH2Cl29.8mlを−100℃に冷却し、n−ブ チルリチルム(ヘキサン中1.6M)71.6ml(114.5mmol)を20分にわ たって加える。−100℃で15分の後、THF中の(+)−ピナンジオール− 5−ブロモ−ペンタン−1−ボロン酸32.8g(104.1mmol)の冷(−7 8℃)溶液を加える。更に−100℃で1時間後、THF中の無水ZnCl27. 1g(52.0mmol)を加える。更に−100℃で15分後、反応混合物を室温 に暖める。溶媒を真空で除去し、残渣をヘキサン/水で希釈し、ヘキサンで数回 抽出する。Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去した後、(+)−ピナンジオ ール−(S)−1−クロロ−5−ブロモ−ペンタン−1−ボロン酸が、黄色油状 物として得られ、それを更に精製することなく直接次工程に使用する。B)Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24Br]B−OPin THF中のLiN(SiMe32(THF中に1M)65.2ml(66.2mmol)の溶 液を−78℃に冷却する。THF中の実施例2、工程Aのα−クロロ−ボロン酸 23.7g(65.2mmol)を加える。1時間−78℃で撹拌した後、本混合物を 室温で15時間撹拌する。 この期間が終了した後、反応混合物を−78℃に再冷却する。ジオキサン中の HCl 29.8ml(6.56N溶液、196mmol)を加え、溶液を45分間−7 8℃で、次いで2時間室温で撹拌する。混合物を−15℃に冷却し、CHCl2 中の実施例1、工程BのBoc−TMSal−Pro-ONSu29.7g(65.2mmol )、続いてトリメチルアミン18.1ml(130.4mmol)を加え、結合反応を開 始する。−15℃で1時間撹拌した後、混合物を室温で2時間撹拌する。混合物 を、次いで、ヒフロ(Hyflo)で濾過し、真空で濃縮する。残渣をエーテル/水 で希釈し、エーテルで数回抽出する。Na 2 SO4で乾燥し、真空で濃縮した後、 所望のBoc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24Br]B−OPinが 、エーテル/ヘキサンから、白色結晶として得られる、mp:74℃。C)Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH243]B−OPin 実施例2、工程Bの生産物33.3g(48.6mmol)をDMSOに溶解し、ナ トリウムアジド6.3g(97.2mmol)を加える。混合物を6時間室温で撹拌す る。エーテル/氷水を加え、得られる油状物を結晶化し、Boc−D−TMSal− Pro−NH−CH[(CH243]B−OPinを白色結晶化合物として得る、m p:69−70℃;[α]D 20=−56.6゜(MeOH中c=1.0);MH+= 647。D)Boc−D−TMSal−Pro−BoroLys−OPin 実施例2、工程Cのアジド22.0g(34.0mmol)をEtOAcに溶解し、 10%Pd/C4.0gの存在下水素添加する。9時間後、触媒を除去し、溶液 を真空で濃縮する。得られる泡状物をEtOAcに溶解し、結晶化して、所望のB oc−TMSal−Pro−BoroLys−OPinを白色結晶として得る、mp:128− 129℃;[α]D 20=−40.8゜(CH2Cl2中c=0.5);MH+=621 。E)Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHCHO]B−OP in ギ酸0.224ml(5.95mmol)および無水酢酸0.530g(5.2mmol)を 2時間60℃で撹拌する。混合物を0℃に冷却し、THFに溶解した実施例2、 工程Dで得られたボロリジン1.86g(3.00mmol)を加える。10分間0℃ で撹拌した後、反応混合物を一晩室温で撹拌する。氷水80mlを加え、溶液を数 回エーテルで抽出し、食塩水で洗浄する。Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮した 後、所望の生産物が白色泡状物として得られ、それはエーテル/ヘキサンから結 晶化できる;mp:93−99℃;[α]D 20=−77.8゜(MeOH中c=0. 5);MH+=649。 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH25NHCHO]B−OPin ([α]D 20=−47.2゜(MeOH中c=0.5);MH+=663)およびB oc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH23NHCHO]B−OPin([ α]D 20=−68.0゜(MeOH中c=0.5);MH+=635)の生産物が、 同様にして得られる。実施例5−14 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)CH3]B− OPin CH2Cl2中のピリジン20μl(0.25mmol)および酢酸クロリド18μl (0.25mmol)を0℃に冷却し、実施例2、工程Dのボロリジン生産物155. 2mg(0 .25mmol)を加え、溶液を1時間撹拌する。水を加え、生産物を数回エーテル で抽出し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。所望の生産 物が油状物として得られる;[α]D 20=−62.6゜(MeOH中c=0.5) ;MH+=663。 以下の(Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)R ]B−OPin)〔式中、Rは下記の表で定義〕生産物が、対応するアシルクロリ ドまたはブロミドから同様にして製造される: 実施例15−16 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)CH2Cl]B −OPin THF中の実施例2、工程Dのボロリジン生産物124.2mg(0.2mmol)を 0℃に冷却し、モノクロロ酢酸無水物35.2mg(0.2mmol)を添加する。3時 間室温で撹拌後、溶媒を真空で除去し、生産物を白色泡状物として得る;[α]D 20 =−57.8゜(MeOH中c=0.5);MH+=697。 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)CCl3] B−OPin生産物を同様にして製造する;[α]D 20=−54.0°(MeOH中 c=0.5);MH+=765。実施例17 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)OCH3]B −OPin CH2Cl2中のN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド58.7μl( 0.24mmol)をCH2Cl2中の実施例2、工程Dのボロリジン生産物124.2 mg(0.20mmol)に加え、室温で1時間撹拌する。0℃に冷却後、CH2Cl2 中のメチルクロロフォルメート19.5μl(0.24mmol)を加え、混合物を0 ℃で5時間撹拌する。CH2Cl2を除去し、pH7緩衝液を0℃で加える。生産 物をエーテルで数回抽出し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮 し、白色泡状物を得る;[α]D 20=−59.6゜(MeOH中c=0.5);M H+=679。実施例18−22 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(S)NHCH3 B−OPin CH2Cl2中の実施例2、工程Dのボロリジン生産物124.2mg(0.2mmol )を0℃に冷却し、メチルイソチオシアネート15mg(0.2mmol)を加える。 7時間、室温で撹拌後、溶媒を真空で除去し、生産物を白色泡状物として得、そ れをエーテル/ヘキサンから結晶化できる;mp:109−113℃;[α]D 20 =−66.8°(MeOH中c=0.5);MH + =694。 同様にして、Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(S )N HEt]B−OPin([α]D 20=−66.4゜(MeOH中c=0.5);MH+ =708)、Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O) NHCH3]B−OPin([α]D 20=−62.2゜(MeOH中c=0.5);M H+=678)、Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC( O)−NHEt]B−OPin([α]D 20=−65.6゜(MeOH中c=0.5) ;MH+=692)およびBoc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH23 NHC(O)NHEt]B−OPin([α]D 20=−71.0゜(MeOH中c= 0.5);MH+=678)が、対応するイソ(チオ)シアネートから得られる。実施例23 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHCHS]B−OPin トルエン中の実施例2、工程Eのホルムアミド生産物217mg(0.35mmol )を、ローエソン試薬70.8mg(0.175mmol)で処理する。1.5時間室温 で撹拌後、トルエンを真空で除去する。所望の生産物が、エーテルから結晶化す る;mp:123−125℃;[α]D 20=−74.8゜(MeOH中c=0.5) ;MH+=665。実施例24 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(S)CH3]B− OPin 実施例2、工程Dのボロリジン生産物124mg(0.2mmol)をMeOHに溶 解し、MeOH中のエチルジチオ酢酸23μl(0.2mmol)を室温で加える。2 .5時間60℃で撹拌後、溶媒を真空で除去する。残渣をRP−クロマトグラフ ィー(7:3、EtOH/H2O)で精製し、所望の生産物を白色泡状物として 得る;[α]D 20=−65.8゜(MeOH中c=0.5);MH+=679。実施例25−26 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)NH2]B−OPin2O中の実施例2、工程Dのボロリジン生産物248.3mg(0.4mmol)お よび1N HC10.4mlを50℃に暖める。5分後、シアン酸カリウム33.2 mg(0.4mmol)を少しずつ加える。6時間後、50℃で水を加え、生産物をE tOAcで抽出し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。フラッシュクロマト グラフィ ー(1:9、ヘキサン/EtOAc)の後、所望の生産物が得られる;[α]D 2 0 =−71.7°(MeOH中c=0.5);MH+=664。 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH23NHC(O)NH2]B −OPinを同様にして製造する;[α]D 20=−54.0゜(MeOH中c=0. 5);MH+=765。実施例27 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)CH2OH] B−OPin THF中のピリジン48μl(0.6mmol)およびベンジルオキシアセチルクロ リド99.6μl(0.6mmol)を0℃に冷却し、実施例2、工程Dのボロリジン 生産物372.4mg(0.6mmol)を加える。3時間、0℃の後、生産物を数回エ ーテルで抽出し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。 得られる白色泡状物(370mg、0.48mmol)をEtOHに溶解し、40psi で10%Pd/C0.5g存在下水素添加する。12時間後、触媒を除去し、溶 液を真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(9:1、EtOAc/E tOH)の後、所望の生産物を得る;[α]D 20=−67.0゜(MeOH中c= 0.5);MH+=679。実施例28 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHSO2CH3]B−OP in THF中の塩化メタンスルホン酸19.8μl(0.25mmol)を0℃でピリジ ン20μl(0.25mmol)に加える。THF中の実施例2、工程Dのボロリジン 生産物155.2mg(0.25mmol)を本混合物に加える。2.5時間0℃で撹拌 後、水を加え、生産物をエーテルで抽出し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮し 、生産物を白色泡状物として産生する:[α]D 20=−61.6゜(MeOH中c =0.5);MH+=699。実施例29−31 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH2265]B−OPin A.(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−3−フェニル−プロパン− 1− ボロン酸 スチレン3.47g(30.0mmol)およびカテコールボロン酸3.6g(30. 0mmol)を20時間100℃で撹拌し、黄茶色油状物を得る。本油状物をTHF 中の(+)−ピナンジオール5.0g(30.0mmol)に加え、一晩撹拌する。フ ラッシュクロマトグラフィー(8:2、ヘキサン/EtOAc)の後、(+)− ピナンジオール−2−フェニル−エタン−1−ボロン酸を得る。 BuLi(ヘキサン中1.6M)15ml(24.0mmol)を、CH2Cl22.1m lおよびTHF37mlの前冷却(−100℃)溶液に20分にわたって加える。 30分、−100℃で撹拌後、上記THF中に得られたピナンジオールボロン酸 生産物6.2g(21.8mmol)を20分にわたって加える。反応混合物を再び− 100℃で1時間撹拌し、その後THF中のZnCl21.51g(10.9mmol )を加える。反応混合物を一晩で室温まで暖める。真空で濃縮後、残渣をエーテ ル/H2Oに溶解する。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。(+) −ピナンジオール−(S)−1−クロロ−3−フェニル−プロパン−1−ボロン 酸が、黄橙色油状物として得られる。B.Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH2265]B−OPin ブチルリチウム5.1ml(8.09mmol)を、THF中のヘキサメチルジシラザ ン1.7ml(8.09mmol)の前冷却(−78℃)溶液に加える。反応混合物を室 温で1時間撹拌し、次いで再び−78℃に冷却する。THFに溶解した(+)− ピナンジオール−(S)−1−クロロ−3−フェニル−プロパン−1−ボロン酸 2.68g(8.09mmol)を加える。1時間−78℃で撹拌後、溶液を一晩室温 に暖める。再び−78℃に冷却した後、3モル当量のジオキサン中のHClを加 える、混合物を1時間−78℃で、次いで室温で2時間撹拌する。−20℃に冷 却後、CH2Cl2中の実施例1、工程Bの活性エステル3.7g(8.09mmol) の溶液を加え、次いでトリエチルアミン2.3ml(18.2mmol)を加える。混合 物を−20℃で1時間、室温で2時間撹拌し、次いで濾過する。真空で濃縮後、 残渣をエーテル/H2Oに溶解する。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空で濃縮 する。フラッシュクロマトグラフィー(6:4、ヘキサン/EtOAc)の後、 所望の生産物が得ら れる;[α]D 20=−88.6゜(MeOH中c=0.5);MH+=654。 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH22(p−Cl−C64)] B−OPin([α]D 20=−83.2゜(MeOH中c=0.5);MH+=688 )およびBoc−D−TMSal−Pro-NH−CH[(CH22(p−NMe2−C6 4)]B−OPin([α]D 20=−84.8゜(MeOH中c=0.54);M H+=697)生産物が、同様にして得られる。実施例32 CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−TMSal−Pro−NH−CH[ (CH24NHCHO]B−OPin A.CH3[O(CH223OCH2(O)−D−TMSal−Pro−NH−CH [(CH243]B−OPin 実施例2、工程Cのアジド生産物5.15g(8.00mmol)を酢酸/濃HCl (9:1)40.0mlに加え、75分撹拌する。真空で濃縮後、HCl・H−D −TMSal−Pro−NH−CH[(CH243]B−OPinをエーテルから結 晶化する;mp:87℃。 THF中の塩化ピバロイル0.29ml(2.40mmol)を、THF中の上記で得 られた生産物1.17g(2.00mmol)およびトリエチルアミン0.34ml(2. 40mmol)に0℃で加え、1時間その温度で撹拌する。本溶液に、CH3[O( CH)23 OCH 2 CO2H533mg(2.40mmol)、続いて飽和水性NaHSO4溶液4. 0mlを加える。1時間室温で撹拌した後、飽和水性NaHSO4を加え、生産物 を数回EtOAcで抽出する。有機層を2N H2SO4および食塩水で洗浄し、 Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。粗生産物をMeOH/水(6:4)に溶 解し、ヘキサンで洗浄する。MeOH/水層を濃縮した後、CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH243]B− OPinが油状物として得られる;[α]D 20=−74.5゜(MeOH中c=0. 83);MH+=751。B.CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−TMSal−Pro−NH−C H[(CH24NH2]B−OPin 実施例32、工程Aの生産物1.05g(1.40mmol)をEtOH14mlに溶 解 し、10%Pd/Cl40mgおよび2N HCl0.84ml(1.38mmol)の存 在下、水素添加する。2.5時間後、触媒を除去し、水を加える。水層をエーテ ルで洗浄し、真空で濃縮し、CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−T MSal−Pro−NH−CH[(CH24NH2]B−OPinを油状物として得る ;[α]D 20=−74.2゜(MeOH中c=0.61);MH+=725。C.CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−TMSal−Pro−NH−C H[(CH24NHCHO]B−OPin ギ酸31μl(0.80mmol)および酢酸無水物71μl(0.70mmol)を2時 間、50℃で撹拌する。0℃に冷却後、THF中の実施例32、工程Bのボロリ ジン生産物325mg(0.43mmol)およびトリエチルアミン0.12ml(0.8 3mmol)を加える。17時間室温で撹拌後、EtOAcを加え、溶液を2N H2 SO4および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。RP−ク ロマトグラフィー(MeOH/水、勾配50%H2O→25%H2O)の後、所望 の生産物を油状物として得る;[α]D 20=−80.8゜(MeOH中c=0.2 7);MH+=753。実施例33 CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−TMSal−Pro−NH−CH[ (CH24NHC(O)NHEt]B−OPin THF中の実施例32、工程Bのボロリジン生産物325mg(0.43mmol) を0℃に冷却し、イソシアン酸エチル40μl(0.43mmol)およびN−メチル モルホリン48μl(0.43mmol)を加える。4時間室温で撹拌後、EtOAc を加え、溶液を1N NaHSO4、飽和水性NaHCO3および食塩水で洗浄し 、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。RP−クロマトグラフィー(MeOH /水、勾配50%H2O→25%H2O)の後、所望の生産物を油状物として得る ;[α]D 20=−76.0゜(MeOH中c=0.55);MH+=796。実施例34 H−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHCHO]B(OH)2 実施例2、工程Eのホルムアミド生産物150mg(0.231mmol)を酢酸/ 濃 HCl(1:9)2.5mlに溶解し、4時間室温で撹拌する。真空で濃縮後、残 渣をトルエンで3回溶解し、再び真空で濃縮する。所望の生産物が黄色泡状物と して得られる;[α]D 20=−63.6゜(MeOH中c=0.55);MH+=4 15。実施例35 H−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)NHEt]B( OH)2 実施例21の生産物Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NH C(O)NHEt]B−OPin150mg(0.217mmol)を酢酸/濃HCl(1 :9)2.5mlに溶解し、室温で4時間撹拌する。真空で濃縮後、残渣を3回ト ルエンに溶解し、再び真空で濃縮する。所望の生産物が橙色泡状物として得られ る;[α]D 20=−74.1゜(MeOH中c=0.56);MH+=458。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年3月31日 【補正内容】 明細書 プロテアーゼ阻害活性を有するペプチドボロン酸誘導体 本発明は、トロンビン(第IIa因子)、第Xa因子、第VIIa因子、第XIIa因子、 カリクライン、プラスミン、プロリルエンドペプチダーゼおよびIg AIプロテア ーゼのような、血液凝固工程に含まれるセリンプロテアーゼ類の阻害剤に関する 。 凝血系の最後の酵素、トロンビンは、可溶性フィブリノーゲンをフィブリンに 開裂し、次いで、それは架橋し血栓となるマトリックスを形成する不溶性ゲルを 形成する。血管が傷害を受けた場合、上記の工程は止血に必要である。正常の環 境下では、血漿中でトロンビンは測定可能量ではない。トロンビン濃度の増加は 、現在の最も一般的で深刻な医学的問題の一つである血栓塞栓疾病を導く血餅の 形成をもたらし得る。 トロンビンは、数個の生理学的反応により、止血の制御を寄与する。その主要 な機構、フィブリノーゲンのフィブリンへの転換に加えて、トロンビンは第XIII 因子を活性化し、それはフィブリンの架橋を担う。トロンビンは、プロトロンビ ンからトロンビンの形成に両方とも必要な第V因子および第VIII因子の活性化を 含む陽性フィードバック機構によりまた働く。トロンビンは他の本質的な役割を 有する:その血小板への結合は、初期止血を担う血小板遊離および凝固を開始さ せる。 トロンビンの反応は、血漿中の天然阻害剤により更に制御される。これらの中 で最も重要なものはアンチトロンビンIIIおよびヘパリンである。これらの2つ の化合物は単離され、プロトロンビン活性化の危険を伴う止血機構の不均衡の病 気において、治療的および予防的に使用されている。 経口的に活性な合成トロンビン阻害剤は、これらの天然阻害剤の非経口的投与 の代替物として有用である。この領域の更なる研究が、インビトロでのトロンビ ンの良好な阻害剤の合成をもたらすであろうが、今までのところ経口臨床使用の ために本当に優れた候補はまだ無い。トロンビンの重要な天然基質であるフィブ リノーゲンのアミノ酸配列を模倣することにより、幾つかの優れたトロンビンの 短いペプチド基質が合成されている。これらのペプチド基質は酵素の阻害剤を提 供するためにまた派生する。従って、色素基質D−Phe−Pro−Arg−pNAお よびD−Phe−Pig−Arg−PNAは、トロンビン開裂部位に先立つ配列を模倣 する。対応する可逆的および非可逆的阻害剤、D−Phe−Pro−アルギナル(Ar ginal)およびD−Phe−Pro−Arg−CH2Clは、インビトロで10-8M範囲 の阻害を示す。クロロメチルケトン類は、一般的に臨床的使用に理想的な特性は 不十分であり、上記に例示のペプチドアルデニドは非常に低いLD50を有する。 第Xa因子は、そのチモーゲン、プロトロンビンの限定蛋白分解によりトロン ビンの産生に応答可能な凝血酵素である。重量/重量を基本にして、第Xa因子 はインビボでトロンビンより少なくとも10倍血栓源性である。これは、第Xa 因子が増殖縦つなぎ系においてトロンビンの1工程前であり、第Xa因子1部因 子は、その前駆体から多くのトロンビン分子を産生できるという事実に起因する 。その有効性は、体の相対的に遅い第Xa因子の排出にもまた起因し得る。第Xa 因子と異なり、トロンビンは血管壁の高親和性部位上へ循環血液から急速に無く なる。 組織因子の第VII因子への結合は、組織傷害後の血液凝固の開始における重要 な事象を示す。最初にそれは第IX因子および第X因子の活性化を触媒し、第2に 痕跡量の第Xa因子および第IXa因子(および恐らく組織傷害後に細胞から遊離さ れた他の酵素)は、チモーゲン第VII因子/組織因子複合体から、非常に活性な 第VIIa因子/組織因子複合体に変換する。 内および外経路の接合部の第Xa因子の中心位置ならびに内および外凝血経路 の両方の開始における第VIIa因子の重要な役割により、第Xa因子および第VIIa 因子は止血経路を調整する好適な標的となる。 カリクラインは第XII因子の働きにより、陰性に荷電した表面の存在下、プレ カリクラインから形成される。カリクラインは、次に、第XII因子を、第XIIa因 子に開裂でき、それにより両方向活性化系が形成される。第XIIa因子は凝血系の 内部の最初の酵素である。接触系の重要性は、恐らく表面媒介防御機構としてで あり、系の大規模な活性化は通常ショック状態または播種性血管内凝固症候群( DIC)で見られる。カリクラインのこの段階での役割は、高分子量キニノーゲ ン を、血管拡張物、ブラジキニンの遊離を伴って開裂することである。ブラジキニ ンは、また、増加した血管透過性、痛みおよび好中球の移動の原因となる。キニ ン形成阻害剤は、関節炎および膵炎を含むある種の炎症に有益であることが示さ れ、喘息の処置にもまた有用であり得る。カリクレイン阻害剤として臨床的に重 要になっている唯一の物質はアプロチニン(トラシロール)である。アプロチニ ンは分子量6500のポリペプチドであり、プロテアーゼと安定な複合体を形成 し、結合定数10-10−10-13Mを有する。 線維溶解はフィブリノーゲンおよびフィブリン凝塊の酵素的溶解の工程である 。血漿はタンパク質、種々の活性剤の影響を受けてプラスミンに変換するプラス ミノーゲン、その活性がトリプシンに類似しているタンパク質分解酵素を含む。 プラスミンはフィブリノーゲンおよびフィブリンをフィブリン/フィブリノーゲ ン分解産物に分解する。 正常の条件下では、線維分解系は凝固系と平衡を保っている。血流中に形成さ れた小血栓は、酵素的に溶解され、血管を経由する循環は体内での線維溶解系の 活性化により回復する。線維分解活性が高すぎれば、出血をもたらしまたは延長 し得る。活性は血中の天然阻害剤により阻害できる。 プロリルエンドペプチダーゼは、ペプチド鎖内のプロリン残基のカルボキシル 側のペプチド結合を開裂する。サブスタンスP、ニューロテンシン、甲状腺刺激 ホルモン−遊離ホルモンおよび黄体形成ホルモン−遊離ホルモンを含む多くの神 経ペプチドを容易に分解し、細胞のインターロイキン2(IL−2)を産生する 能力に関係があるのはセリンプロテアーゼである。本酵素はベンジルオキシカル ボニル−プロリル−プロリナルにより、14nMのKiで阻害される。プロリルエ ンドペプチダーゼの生理的役割についてほとんど知られていないが、種々の神経 ペプチドの生理活性の制御において顕著な役割を担っている可能性がある。 感染に対する防御の最初の系を構成する抗体の優勢な形であるIgAのIgAプ ロテイナーゼ触媒開裂は、分子の抗原結合Fab領域からFcを分離する。このよ うな開裂は、その抗微生物活性を妨げまたはなくすことが予期される。すべての IgAプロテイナーゼは、従って、ヒトIgAの蝶番領域のプロリン残基の後を開 裂すると確認された。ペプチドプロリル−ボロン酸は、これらの酵素をタンパク 質分解酵素のセリンプロテアーゼ群に属する酵素として表すナイセリア・ゴノロ エア(Neisseria gonorrhoea)およびヘモフィラス.インフルエンザエ(Hemoph ilus influenzae)由来のIgAlプロテイナーゼを阻害する。 癌、炎症および神経活性のような病理的疾病に関連する種々の生理学的工程に おいてトロンビンが果す多数の役割は、心臓血管系に全く関係しない数個の徴候 において、トロンビン阻害剤として有効な使用が示唆される。 多くの癌細胞がトロンビンの産生に関連する前凝固活性の誘導を示す。結果と して、局所的フィブリン蓄積および凝固が発生し、それは癌の成育に重要である と考えられている。加えて、その内皮細胞上でのその作用のために、トロンビン は転移している癌細胞の滲出を促進し得る。これゆえ、トロンビン阻害剤はある 種の癌の処置だけでなく。化学療法剤で治療している患者に頻繁に見られる凝固 性亢進の減少にまた有益であることを証明し得る。 トロンビンの内皮細胞活性化は、インターロイキン−1、プロスタグランジン および血小板活性化因子の合成および遊離のような多くの前炎症的変化を誘発す る。加えて、トロンビンはCD62(あるいはGMP−140としても既知)お よびCD63の暴露を誘発し、2種の粘着分子は内皮表面への白血球の粘着の原 因となる。トロンビンはまた好中球を含むタンパク質の血管透過性を増加させ、 呼吸性疾患、関節リューマチおよび大腸潰瘍に含まれると信じられているペプチ ドである、インターロイキン−8−前駆体タンパク質を開裂する。 これら全ての前炎症工程へのトロンビンの拘わりあいにより、トロンビン阻害 剤は炎症関連病理的疾病の治療的処置に使用するための有効な標的となる。 神経成育の調節物および特異的天然トロンビンアンタゴニストであるプロテア ーゼネキシン−1の活性は、アルツハイマー病の患者で顕著に特異的に減少する 。アルツハイマー患者の脳でトロンビン様活性が増加したという観察と併せて、 これはトロンビン阻害剤がトロンビン活性亢進または関連したセリンプロテアー ゼに関する神経病理変化の限定または回復に有用であり得ることを示唆する。 ボロン酸は、種々のセリンエステラーゼおよびプロテアーゼの阻害剤として研 究されている。プロテアーゼ阻害剤として使用された最初のボロン酸含有アミノ 酸同族体は、キモトリプシンおよびサブチリシンの阻害剤として使用されていた N−アセチル−L−フェニルアラニンのボロン酸同族体であった。ペプチドボロ ン酸は、キモトリプシン、サブチリシンおよびエラスターゼの阻害剤として使用 されている。 ボロン酸とプロテアーゼの生物系における相互作用は知られており、種々の簡 単なボロン酸がヒトへの使用に対して充分無毒であることが示されている。エラ スターゼのペプチドボロン酸阻害剤は、最近気腫に関連した動物試験で使用され ている。ペプチドクロロメチルケトンと異なり、生理学的有効量レベルで毒性は 報告されていない。 欧州特許出願第293881号(デュポン)は、C末端にリジン、オルニチン およびアルギニンのボロン酸誘導体を含むペプチドの製造およびそのトリプシン 様セリンプロテアーゼ阻害剤としての使用を開示している。ペプチドの他のアミ ノ酸は、全て20の天然由来アミノ酸のDまたはL形である。 疎水性側鎖を有する少なくとも1つの非天然α−アミノ酸を含む場合、トリプ シン様セリンプロテアーゼ阻害剤として優れた特性を有する化合物が得られるこ とが本発明により分かった。この後者の型の化合物は式I 〔式中、 W=HまたはN−保護基; Yはn+1アミノ酸ペプチドY−LysまたはY−Argがトリプシン様プロテアー ゼの活性部位に親和性を有するように選択されたnアミノ酸の配列(ここで、n は1から10の整数であり、少なくとも1つのアミノ酸が疎水性側鎖を有する非 天然アミノ酸である); Q1およびQ2は、同一または異なって−OH、−COR1、−CONR12、− NR12および−OR3から選択され得、またはQ1およびQ2は一緒になってジ オール残基を形成する;R1、R2およびR3は、同一または異なってC1-10アル キル、C6-10アリール、C6-10アラルキルまたは、C1-4アルキル、ハロゲンお よびC1-4アルコキシから選ばれた基で3個まで置換されているフェニル; R4は水素またはC1-10アルキル; R5は−A−X基〔ここで、Aは−(CH2z−(ここでzは2、3、4または 5);−CH(CH3)−(CH22−;−CH2−CH(CH3)−CH2−;− (CH22−CH(CH3)−;−(CH22−C(CH32−;−CH(CH3 )−(CH23−;−CH2−CH(CH3)−(CH22−;−CH2−CH2− CH(CH3)−CH2−;−(CH23−CH(CH3)−;−(CH23−C (CH32−;C6-10アリール、C6-10アラルキル)およびXは−NH2、−N H−C(NH)−NH2、−S−C(NH)−NH2、−N3、C1-4アルコキシ、 C1-4アルキルチオまたは−Si(CH33もしくはR4およびR5が一緒になっ てトリメチレン基を形成し、*で印をした不斉炭素原子はD−またはL−形を有 し得、またはこれらの任意の混合物を意味する〕 で示される化合物であり、我々の同時存在特許、公開済特許出願欧州特許第04 71651号に記載されている。 非天然アミノ酸は、D−またはL−Ala、Arg、Asp、Cys、Gln、Glu、G ly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyrまた はVal以外の任意のアミノ酸として定義される。 本発明により、R5の好適な選択により後者の化合物が更に改善され得ること が分かった。 従って、本発明は式Iで示される化合物およびその塩を提供し、式中、W、R4 、Q1およびQ2は欧州特許第0471651号に記載の意味であり、YはN末 端アミノ酸が疎水性側鎖を有する非天然アミノ酸であり、他方のアミノ酸がL− プロリンであり、非天然アミノ酸はアミノ酸ペプチドY−LysまたはY−Argが トリプソン様プロテアーゼの活性部位に親和性を有するように選択され、R5は −A−X基〔式中、Aは−(CH2z−(ここで、zは2、3、4または5); −CH(CH3)−(CH22−;−CH2−CH(CH3)−CH2−;−(CH22−CH(CH3)−;−(CH22−C(CH32−;−CH(CH3)−( CH23−;−CH2−C H(CH3)−(CH22−;−CH2−CH2−CH(CH3)−CH2;−(C H22C(CH32−CH2−;−(CH23−CH(CH3)−;−(CH23 −C(CH32;−(CH23CH(CH3)CH2−;C6-10アリール、C6-10 アラルキルであり、XはOH、SH、NR67またはフェニル、R6はHまたは C1-10アルキルおよびR7はC1-10アルキル、−CO−R8、−CS−R8または −SO2−R8、R8はハロゲン、OH、C1-4アルコキシ、C(NH)R9、NR1 011およびC(O)OR6(R6は上記で定義の意味)から選ばれた基で3個ま で置換されていてもよいHまたはC1-10アルキル、C1-10アルコキシ、C6-10ア リール、C6-10アラルキル、R9はC1-3アルキルまたはN(CH32およびR10 およびR11は(同一または異なって)HまたはC1-10アルキル)であり、*で印 をした炭素原子はD−またはL−形であり得、本化合物はこれらの任意の混合物 を含む。 非天然アミノ酸は欧州特許第0471651号と同様の意味を有する。 好ましくはN−保護基Wは、式H(CH2CH2O)p−(式中、p=3−30 );R12CO−;R13OCO−またはR14SO2−(ここで、R12はC1-6アルキ ルまたはH(CH2−O−CH2p、pは上記で定義の意味;R13はC1-6アルキ ル、フェニル、ベンジルまたはナフチル;およびR14はフェニル、ナフチルまた はC1-4アルキルフェニルである)で示されるものであり、R13OCO−が特に 好ましい。最も好ましい保護基は、R13’OCO−(式中、R13’は第3級ブチ ル(Bocと呼ぶ)およびR13’がベンジル(Zと呼ぶ)である)で示されるも のである。 好ましくはR5はR5’〔ここで、R5’は−(CH2z’−X’(ここで、X ’は3個までのハロゲン原子で置換されていてもよいOH、フェニル、NH−C O−R8’、NH−CS−R8’、NHSO28’またはNR10’R11’、ここで 、R8’はHまたはC1-3アルキルまたはC1-3アルコキシならびにR10’および R11’は、同一または異なってHまたはC1-3アルキルである)およびz’は2 、3または4である〕 である。 更に好ましくは、R5はR5”〔ここで、R5”は−(CH2z’−X”(式中 、X”はOH、C65、C64Cl、C64N(Me)2、NH−CO−CH3、 NH−CHO、NH−CS−NHCH3、NH−CO−CH(CH32、NH− CO−CH2− CH3、NH−CHS、NH−CO−CH2Cl、NH−CO−OCH3およびz ’は上記で定義の意味である)〕である。 好ましい化合物は、式Ia 〔式中、W、Y、R4およびR5は上記で定義の意味およびR15およびR16はジヒ ドロキシ化合物の残基を意味する〕 で示されるものである。 ジヒドロキシ化合物の有用な例は、2,3−ブタンジオール;カテコール;2 ,3−ジメチル;2’,3’−ブタンジオール;シクロヘキサンジオール;エチ レングリコール;1,2−ヘキサンジオール;2,3−ヘキサンジオール;ジエ タノールアミンまたは、炭素原子または他の炭素原子により置換されている炭素 原子の隣りに置換されたヒドロキシ基を有する脂肪族または芳香族化合物である 。 特に好ましいものは、Q1およびQ2が一緒になって式a)または式b) 〔式中、LはC1-4アルキル基、特にメチル、i−Pi、n−Prまたはn−Buで ある〕 で示されるOPin基を意味するものである。 非天然アミノ酸は、O−アルキルまたはS−アルキル−システインのようなア ルキル化天然アミノ酸であり得る。しかしながら、好ましい非天然アミノ酸は、 アミノ酸に直接またはメチレン基を経由して結合した少なくとも2環および非極 性置換基を有する脂環式基;または所望により極性基で置換されていてもよい芳 香族基、または第3級ブチルまたはトリメチルシリル基に結合したメチレン基か ら成る式II 〔式中、R17は疎水性基である〕 で示される。好ましいR17はR17’でありここでR17’は式c)、d)、e)、 f)g)、h)またはi) で示される。 これらのより好ましい化合物は、式I’ 〔式中、W、R4、R5、R17、Q1およびQ2は上記で定義の意味〕 を有する。 特に好ましい化合物は、式I” 〔式中、W、R4、R5’およびR17は上記で定義の意味〕 で示されるものである。 最も好ましい化合物は式III で示される化合物、式IV で示される化合物、式V で示される化合物および式VI で示される化合物である。 ペプチドは、ペプチド−ペプチダーゼ複合体の分解定数が、10-5Mまたはそ れ以下の値を示せば、トリプシン様プロテアーゼの活性部位に親和性を有してい ると考えられる。 式I(式中、XがNHCHOまたはNHCOアルキル)で示される化合物は、 式I(式中、Xは−NH2)で示される化合物を、対応する酸の活性形と反応さ せることにより製造し得る。 式I(式中、XがNHCOアルコキシ)で示される化合物は、式I(式中、X が−NH2)で示される化合物を、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトア ミドと反応させ、続いて対応するエステルの活性形を添加することにより製造し 得る。 式I(式中、XがNHC(S)NHアルキル)で示される化合物は、式I(式 中、 Xが−NH2)で示される化合物を、有機溶媒中で対応するアルキルイソチオシ アネートと反応させることにより製造し得る。 式I(式中、Xが−NH2)で示される化合物は、次に、式I(式中、Xが− N3)で示される化合物の水素添加により製造し得る。水素添加は、例えばPd /C触媒を使用した標準条件下で行い得る。 式I(式中、Xが−N3)で示される化合物は、式VI 〔式中、W、Y、Q1およびQ2は上記で定義の意味およびR18は−A−Br(こ こで、Aは上記で定義の意味)〕 で示される化合物を、ジメチルスルフォキシドのような極性非プロトン性溶媒中 で、ナトリウムアジドと反応させて製造し得る。 式I(式中、Xが−NHCHS)で示される化合物は、式I(式中、Xが−N HCHO)で示される化合物を、トルオールのような有機溶媒中でローエソン( Laweson)試薬と反応させることにより製造し得る。 式I(式中、Xは所望により置換されたフェニル)で示される化合物は、式VI I 〔式中、Q1およびQ2は上記で定義の意味およびR19は−A−フェニル(所望に より置換)(ここで、Aは上記で定義の意味)〕 で示される化合物を、LiN[Si(CH332と反応させ、続いて過剰の酸と 共に加水分解し、式VIII 〔式中、WおよびYは上記で定義の意味〕 で示される保護ペプチドと結合させることにより得られ得る。 反応は好ましくは乾燥非プロトン性極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で 、−78℃から室温の間の温度で行う。 式VIIIで示される中間体は、マットソンら、オルガノメタリクス、3、128 4−8(1984)の方法により得られ得る。 式VIIIで示される保護ペプチドは、ペプチド化学で慣用的な方法により、所望 の非天然アミノ酸で出発して製造し得る。このようなアミノ酸は、商業的に入手 可能(例えば、R16がc群であるアミノ酸)または文献、例えばアンゲヴェント ・ケーミエ93、793(1981)およびジャーナル・オブ・アメリカン・ケ ミカル・ソサイエティー、109、6881(1987)に開示の方法と類似の ものにより製造し得るかのいずれかである。 式I(式中、XがOH)で示される化合物は、式I(式中、Xが−OSi(C H32C(CH33)で示される化合物を、テトラブチルアンモニウム−フロリ ドのような脱シリル化剤と反応させて得られ得る。 式Iで示される化合物は、トリプシン様プロテアーゼ阻害剤として有用であり 、 これらの酵素のイン・ビトロでの診断および機構研究に使用し得る。更に、その 阻害作用のために、それらは、制御系における酵素の過剰による疾病の予防また は処置、例えば凝固および線維溶解の制御への使用が示唆される。 本発明の化合物は、以下の試験法で示唆されるように、トリプシン様セリンプ ロテアーゼ阻害特性を有する: a)酵素阻害動態 試験物質をクレモフォア/エタノール(1:1)またはDMSOに溶解し、蒸 留水で希釈し、1mMの貯蔵溶液を産生する。更に、測定用緩衝液(100mMリン 酸ナトリウム緩衝液、pH7.4、100mM NaClおよび0.1%ウシ血清ア ルブミン含有)で希釈する。動態測定は、96マイクロウェルプレートを使用し て行う;各々のウェルは50μl基質、100μl試験化合物および100μl酵 素を緩衝液中に含む。基質および酵素の最終濃度は下記の通りである:160pM α−トロンビンおよび100μlペファクロム(Pefachrom)TH(Km=6.9μ M)、800pMヒトプラスミンおよび200μMペファクロムPL(Km=66.4 μM)、および260pMウシ膵臓トリプシンおよび500μMペファクロムTRY (Km=167.7μM)。測定は、試験すべき物質および基質を含む溶液に酵素 を加えることにより開始する。基質の加水分解によるp−ニトロアニリンの遊離 はサーモマックス・マイクロウェル・カイネティック・リーダー(Thermomax mi crowell kinetic reader)(モレキュラー・デバイシーズ、メンロ・パーク、カ リフォルニア州、US)で、405nmの光学密度の増加を測定することにより3 0分追跡する。阻害定常速度に急速に到達した場合、阻害定数(Ki)は、ディ クソン方程式(マイオケミカル・ジャーナル、1953、55:170−171 )へ重量直線退行をあてはめることにより、決定する。遅い、きちんと結合する 阻害剤に対しては、阻害の機構は下記のスキームにより説明し得る: 〔ここで、E、S、PおよびIは、それぞれ、酵素、基質、生産物(p−ニトロ アニリン)および試験すべき阻害物質であり、konおよびkoffは阻害について の結合および分離定数である(タッパレリら、ジャーナル・オブ・バイオロジカ ル・ケミストリー268(1993)、4734−4741)〕。異なった濃度 の阻害剤存在下でのp−ニトロアニリンの形成の進行曲線は、スキームにより示 される機構の方程式へ非直線退行によりあてはめられる(モリソンおよびワルシ ュ、Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol.1988、61:201−301 )。これらの分析によりkon、koffおよびKiの見掛けの値の推定がされ、モリ ソンおよびワルシュが開示したように、基質の存在に対して補正して、真の値を 得る。記載した実験条件下では、実施例1の化合物においてKi13nMが観察さ れる。 b)イン・ビトロ凝固測定 イン・ビトロ凝固測定は、クエン酸化ヒト血漿で行う。試験すべき物質または 溶媒を、血漿と共に、測定前に10分、37℃でインキュベーションする。トロ ンビン時間(TT)決定は、最終トロンビン濃度5U/mlで行う。活性化部分ト ロンボプラスチン時間(APTT)は、0.1ml血漿±試験すべき物質と、0.1 mlエラギン酸中の精製大豆リン脂質(Actin-FS)を、4時間、37℃でインキュ ベーションし、続いて0.1ml CaCl2(50mM)を加えることにより、測定 する。本試験法において、本発明の化合物は0.1μMから0.5μMの濃度で著し くTTおよびAPTTを増加させる。実施例1の化合物では、約300秒のTT の延長が、1.8μMで達成され、対照値の2×のAPTTの高さが4.4μMで達 成される。 c)イン・ビトロ血小板凝固測定 洗浄ヒト血小板をアードリー(ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマ コロジー、1970、19:7−17)の方法の変法により製造する。洗浄血小 板 懸濁液(0.46ml)を37℃に保ち、1100rpmで撹拌する。試験すべき物質 または溶媒の添加後、凝固を1nMヒトトロンビンで誘発する前に血小板を2分間 維持する。血小板凝固の程度を、最大凝固振幅および阻害剤無しで観察された凝 固率の阻害により定量する。本試験法において、本発明の化合物は低nM範囲で血 小板凝固を著しく阻害する。実施例1の化合物は、IC50値が3.8nMを有する 。 トロンビンまたは第Xa因子阻害剤であるこれらの本発明の化合物は、抗トロ ンボゲン特性を有し、抗トロンボゲン剤が必要である場合、使用し得る。一般に 、これらの化合物は経口的または非経口的にホストに投与され、抗トロンボゲン 効果を得る。ヒトのような大型哺乳類の場合、本化合物は単独または薬理学的担 体または希釈剤と共に、0.02−15mg/体重Kg、好ましくは1−10mg/体重 Kgの用量で投与し得、抗トロンボゲン効果を得、一回投与または複数回投与とし て、または持続性遊離形として投与し得る。体外血液輪が患者で確立されている 場合、0.1−1mg/kgを、静脈から投与し得る。全血と使用する場合、リット ル当たり1−10mgを、凝固予防のために与え得る。薬理学的希釈剤は既知であ り、糖、澱粉および水を含み、それらは錠剤、カプセル、注射可能溶液等の製造 に使用し得る。本発明の化合物は、採血または血液分配容器、管または血液と接 触する移植可能装置中での血液の凝固の予防の目的で、血液に加え得る。 バトラーら(ブロッド・コアギュレーション・アンド・フィブリノリシス、第 3巻(1992)155頁)記載のラットでの動脈−静脈吻合部血栓症モデルに おいて、本発明の化合物は用量依存的に血栓形成を阻害する。実施例1の化合物 を使用して、0.3mg/kg i.v.で血栓形成は21%阻害され、3mg/kg i.v. の用量で阻止される。 また、そのトリプシン様セリンプロテアーゼ阻害活性の観点から、式Iで示さ れる化合物は、静脈または動脈手術または他の形の血管傷害に続く血管再造形( 増殖、移動)の阻害への使用が示唆される。 経皮経管冠動脈形成術(PTCA)は、アテローム硬化症斑閉塞環状動脈の処置の 一般的な手術方法になっている。血管形成は、例え少ない程度でも、大腿および 腎臓動脈の様な末梢血管でまた行われる。バルーンカテーテル血管形成中のアテ ロ ーム硬化症斑を裂く/圧縮および動脈壁を伸ばすことは、更に内皮細胞を傷付け (または除去)る結果となり、また下にある血管平滑筋細胞を傷付ける可能性が ある。PTCAが担う主な合併症は、急性再閉塞(暴露されたトロンボゲン血管 表面の閉塞血小板血栓の形成)および慢性再狭窄(主に平滑筋の増殖および移動 のため)である。PCTA24時間後に〜5%の患者に発生する急性再閉塞は、 生命を脅かし、すぐに外科的に処置しなければならない。手術後3−6カ月後で 約30%の患者で診断された慢性狭窄は、胸部の痛みを誘発するが、その閉塞が 100%においてのみ生命を脅かす(斑が破裂したら、心筋の閉塞形成を起こす )。 傷害に反応した血管におけるトロンビンの考えられる拘わりあいは、最近精密 に調べられている。その血小板への作用により、トロンビンは、傷害部位の初期 血小板漸増および活性化に含まれ、その平滑筋へのマイトジェン作用の効能によ り、トロンビンはまた血管内膜を厚くする。トロンビン濃縮は、正常内皮層の欠 損における凝固経路の連続活性化のため、また血栓溶解工程中の血餅結合トロン ビンの遊離のため、血管傷害部位で上昇するようである。加えて、トロンビンは 細胞外マトリックスに結合するようになり、そこで、活性であり続け、循環抗ト ロンビンの阻害効果から長期間保護される。血小板と重傷の血管壁との相互作用 は、局所トロンビン産生に一部分依存しているように見える。 トロンビン阻害の蓄積された証拠は、もしかすると、バルーン血管形成に続く 再狭窄を限定するための興味深い法則となるが、全ての入手可能な試薬は、充分 な局所濃度を得るため、または他の副作用を軽減し得るために、非経口的(また は局所的)に投与しなければならない。 本発明の化合物は、抗トロンボゲン剤として使用されるのと同様の濃度で、血 管再造形の阻害に使用し得る。 有利には、本発明の化合物は経口で活性であり、低毒性で急速な活性の発生が ある。加えて、これらの化合物はヘパリンのような化合物に過敏である固体の処 置にも特に実用的であり得る。 以下の実施例において、記号は以下の意味を有する: Z = ベンジルオキシカルボニル Boc = t−ブチルオキシカルボニル Ac = アセチル MeOH = メチルアルコール EtOAc = 酢酸エチル DMF = ジメチルホルムアミド DCC = ジシクロヘキシルカルボジイミド HONSu = N−ヒドロキシ−サクシンイミド OPin = ピナンジオール THF = テトラヒドロフラン n−Bu = n−ブチル Np = p−ニトロフェニル TLC = 薄層クロマトグラフィー Bzl = ベンジル TMSal = トリメチルシリルアラニン BoroPro-OPin = −COOH基がB−OPinで置き換わっている、 プロリンの同族体 BoroLys = −NH−CH−(CH2-CH2-CH2-CH2-NH2)B − 実施例1Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24OH]B−OPin A.Boc−D−TMSal−OH アンゲヴァンテ・キーミエ(Angew.Chem.)93、793(1981)に記 載の方法で製造したD−TMSalエチルエステル21.5g(113.7mmol)を 、CH2Cl2に溶解し過剰のCH2Cl2中のBoc2Oの溶液を加える。室温で1 5時間の後、氷冷0.25N塩酸500mlを加える。有機層を5%NaHCO3お よび食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮する。 粗物質(無色油状物)を直接ケン化工程に使用する。メタノールに溶解し、0 ℃に冷却し、1N NaOH510mlと合わせ、0℃で3時間撹拌する。1N HClでpH1まで酸性化した後、混合物を数回エーテルで抽出する。有機層を 合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮する。生産物(2 9.7g油状物)を更に精製することなく、次工程に使用する。B.Boc−D−TMSal−Pro−ONSu Boc−D−TMSal−OH29.7g(113.7mmol)およびp−ニトロフェ ノール19.0g(136.3mmol)をEtOAcに溶解する。0℃に冷却した後 、DCC23.4g(113.6mmol)を加え、混合物を1時間0℃で、統いて1 5時間室温で撹拌する。沈殿を濾取し、EtOAcで洗浄し、濾液を真空で濃縮 する。得られる油状物をフラッシュクロマトグラフィー(9:1、ヘキサン/E tOAc)で精製し、所望のBoc−D−TMSal−ONpを白色結晶として得る 。 Boc−D−TMSal−ONp51.6g(113.7mmol)をTHFに溶解し、 等モル量のプロリンおよびEt3Nの水性溶液を加える。室温で20時間後、T HFを真空で除去し、水性残渣を水で希釈し、数回EtOAcで抽出する。10 %クエン酸を加えることにより水性層のpHを3に調節する。得られる油状生産 物を数回EtOAcで抽出する。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、Na2SO4 で乾燥し、真空で濃縮する。無色油状物が、エーテル/ヘキサンから再結晶し、 ジペプチドBoc−D−TMSal−Pro−OHが、白色結晶化合物、mp:176℃ で得られる。 得られたジペプチド26.0g(72.5mmol)をEtOAcに溶解する。0℃ まで冷却した後、HONSu9.8g(85.5mmol)およびDCC14.9g( 72.3mmol)を加える。混合物を3時間0℃で、更に15時間室温で撹拌する 。混合物を0℃に再冷却し、ジシクロヘキシルウレアを濾取し、数回EtOAc で洗浄する。濾液を水性0.1M Na2CO3で、次いで2%KHSO4で洗浄す る。Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮した後Boc−D−TMSal−Pro−ONSu が白色泡状物として得られる。C.(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−t−ブチルジメチルシ リルオキシ−ペンタン−1−ボロン酸 3−ブテン−1−オール10.5ml(120mmol)、t−ブチルジメチルシリ ルクロリド22.3g(144mmol)およびイミダゾール20.4g(300mmol )をDMF60mlに溶解し、一晩35℃で撹拌する。2層を分離し、生産物層を 2N酒石酸、水および食塩水で洗浄する。Na2SO4で乾燥および真空で濃縮後 、1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3−ブテンが無色油状物として得られ る。 本生産物7.45g(40mmol)をカテコールボロン酸5.1g(40mmol)と 、125℃で24時間撹拌し、黄茶色油状物を産生する。本油状物をTHF30 ml中の(+)−ピナンジオール6.9g(40mmol)溶液に加え、一晩撹拌する 。フラッシュクロマトグラフィー(95:9、ヘキサン/EtOAc)の後、( +)−ピナンジオール−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−ブタン−1−ボ ロン酸が得られる。 20分間にわたって、BuLi(ヘキサン中1.6M)17ml(27.0mmol) を、前冷却(−100℃)したCH2Cl2 2.8mlおよびTHF49mlの溶液 に加える。15分間100℃で撹拌した後、THF24ml中の上記で得られたピ ナンジオールボロン酸生産物9.0g(24.5mmol)を20分間にわたって加え る。反応混合物を再び15分間−100℃で撹拌し、その後ZnCl2(固体) 1.24g(12.3mmol)を加える。反応混合物を一晩室温で暖める。真空で濃 縮後、残渣をエーテル/H2Oに溶解する。有機相をNa2SO4で乾燥し、真空 で濃縮する。(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−t−ブチルジ メチルシリルオキシ−ブタン−1−ボロン酸が、黄橙色油状物として得られる。D.Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24OSi(t−Bu)Me2 ]B−OPin ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)12.8ml(20.4mmol)を、前冷却 (−78℃)した、THF30ml中のヘキサメチルジシラザン4.3ml(20.4 mmol)の溶液に加える。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで−78℃に再 び冷却す る。THF中(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−t−ブチルジ メチルシリルオキシ−ブタン−1−ボロン酸8.5g(20.4mmol)を加える。 1時間−78℃で撹拌した後、一晩室温に暖める。−78℃へ再冷却した後、3 モル当量のジオキサン中のHClを加える。混合物を−78℃で1時間、次いで 室温で2時間撹拌する。−20℃へ冷却した後、CH2Cl2中の実施例1、工程 Bの活性エステル9.28g(40.8mmol)の溶液を加え、続いてトリエチルア ミン5.67ml(40.8mmol)を加える。混合物を1時間−20℃でおよび2時 間室温で撹拌し、次いで濾過する。真空で濃縮後、残渣をエーテル/H2Oに溶 解する。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグ ラフィー(6:4、ヘキサン/EtOAc)の後、所望の生産物が得られる:[ α]D 20=−45.6゜(MeOH中c=0.5):MH+=736。E.Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24OH]B−OPin 実施例1の工程Dで得たシロキシ化合物600mg(0.816mmol)をTHF に溶解し、テトラブチルアンモニウムフロリド514mg(1.62mmol)を加え る。一晩環境温度で撹拌した後、混合物を真空で濃縮し、エーテル/H2Oに溶 解する。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。副生産物をシリカゲル 上でEtOAcで除去し、次いで、生産物をEtOAc/EtOH(9:1)で 抽出し、標題生産物を白色泡状物として産生する:[α]D 20=−72.4゜(M eOH中c=0.5);MH+=622。実施例2−4 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHCHO]B−OPin A)(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−ブロモ−ペンタン−1 −ボロン酸 4−ブロモ−1−ブテン20.8ml(203.3mmol)を、カテコールボラン酸 924.4g(203.3mmol)と100℃で16時間反応させる。粗生産物を真 空で蒸留し、4−ブロモ−ブタン−1−ボロン酸を、白色結晶生産物として得る 。 (+)−ピナンジオール27.7g(163mmol)をTHFに溶解し、上記の よう に合成した4−ブロモ−ブタン−1−ボロン酸41.6g(163mmol)を加え る。室温で1時間の後、THFを真空で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラ フィー(9:1)ヘキサン/EtOAc)で精製し、(+)−ピナンジオール− 4−ブロモ−ブタン−1−ボロン酸を無色油状物として得る。 所望の(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−5−ブロモ−ペンタン −1−ボロン酸を、オルガノメタリクス3、1284(1984)に記載の方法 により製造する。THF中のCH2Cl29.8mlを−100℃に冷却し、n−ブ チルリチルム(ヘキサン中1.6M)71.6ml(114.5mmol)を20分にわ たって加える。−100℃で15分の後、THF中の(+)−ピナンジオール− 5−ブロモ−ペンタン−1−ボロン酸32.8g(104.1mmol)の冷(−78 ℃)溶液を加える。更に−100℃で1時間後、THF中の無水ZnCl27.1 g(52.0mmol)を加える。更に−100℃で15分後、反応混合物を室温に 暖める。溶媒を真空で除去し、残渣をヘキサン/水で希釈し、ヘキサンで数回抽 出する。Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去した後、(+)−ピナンジオー ル−(S)−1−クロロ−5−ブロモ−ペンタン−1−ボロン酸が、黄色油状物 として得られ、それを更に精製することなく直接次工程に使用する。B)Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24Br]B−OPin THF中のLiN(SiMe32(THF中に1M)65.2ml(66.2mmol)の溶 液を−78℃に冷却する。THF中の実施例2、工程Aのα−クロロ−ボロン酸 23.7g(65.2mmol)を加える。1時間−78℃で撹拌した後、本混合物を 室温で15時間撹拌する。 この期間が終了した後、反応混合物を−78℃に再冷却する。ジオキサン中の HCl 29.8ml(6.56N溶液、196mmol)を加え、溶液を45分間−7 8℃で、次いで2時間室温で撹拌する。混合物を−15℃に冷却し、CHCl2 中の実施例1、工程BのBoc−TMSal−Pro−ONSu29.7g(65.2mmo l)、続いてトリメチルアミン18.1ml(130.4mmol)を加え、結合反応を 開始する。−15℃で1時間撹拌した後、混合物を室温で2時間撹拌する。混合 物を、次い で、ヒフロ(Hyflo)で濾過し、真空で濃縮する。残渣をエーテル/水で希釈し 、エーテルで数回抽出する。Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮した後、所望のB oc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24Br]B−OPinが、エーテ ル/ヘキサンから、白色結晶として得られる、mp:74℃。C)Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH243]B−OPin 実施例2、工程Bの生産物33.3g(48.6mmol)をDMSOに溶解し、ナ トリウムアジド6.3g(97.2mmol)を加える。混合物を6時間室温で撹拌す る。エーテル/氷水を加え、得られる油状物を結晶化し、Boc−D−TMSal− Pro−NH−CH[(CH243]B−OPinを白色結晶化合物として得る、m p:69−70℃;[α]D 20=−56.6゜(MeOH中c=1.0);MH+= 647。D)Boc−D−TMSal−Pro−BoroLys−OPin 実施例2、工程Cのアジド22.0g(34.0mmol)をEtOAcに溶解し、 10%Pd/C4.0gの存在下水素添加する。9時間後、触媒を除去し、溶液 を真空で濃縮する。得られる泡状物をEtOAcに溶解し、結晶化して、所望の Boc−TMSal−Pro−BoroLys−OPinを白色結晶として得る、mp:128 −129℃;[α]D 20=−40.8゜(CH2Cl2中c=0.5);MH+=62 1。E)Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHCHO]B−OP in ギ酸0.224ml(5.95mmol)および無水酢酸0.530g(5.2mmol)を 2時間60℃で撹拌する。混合物を0℃に冷却し、THFに溶解した実施例2、 工程Dで得られたボロリジン1.86g(3.00mmol)を加える。10分間0℃ で撹拌した後、反応混合物を一晩室温で撹拌する。氷水80mlを加え、溶液を数 回エーテルで抽出し、食塩水で洗浄する。Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮した 後、所望の生産物が白色泡状物として得られ、それはエーテル/ヘキサンから結 晶化できる;mp:93−99℃;[α]D 20=−77.8゜(MeOH中c=0. 5);MH+=649。 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH25NHCHO]B−OPin ([α]D 20=−47.2゜(MeOH中c=0.5);MH+=663)およびB oc−D−T MSal−Pro−NH−CH[(CH23NHCHO]B−OPin([α]D 20= −68.0゜(MeOH中c=0.5);MH+=635)の生産物が、同様にし て得られる。実施例5−14 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)CH3]B− OPin CH2Cl2中のピリジン20μl(0.25mmol)および酢酸クロリド18μl (0.25mmol)を0℃に冷却し、実施例2、工程Dのボロリジン生産物155. 2mg(0.25mmol)を加え、溶液を1時間撹拌する。水を加え、生産物を数回 エーテルで抽出し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。所 望の生産物が油状物として得られる;[α]D 20=−62.6゜(MeOH中c= 0.5);MH+=663。 以下の(Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)R ]B−OPin)〔式中、Rは下記の表で定義〕生産物が、対応するアシルクロリ ドまたはブロミドから同様にして製造される: 実施例15−16 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)CH2Cl]B −OPin THF中の実施例2、工程Dのボロリジン生産物124.2mg(0.2mmol)を 0℃に冷却し、モノクロロ酢酸無水物35.2mg(0.2mmol)を添加する。3時 間室温で撹拌後、溶媒を真空で除去し、生産物を白色泡状物として得る;[α]D 20 =−57.8°(MeOH中c=0.5);MH+=697。 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)CCl3] B−OPin生産物を同様にして製造する;[α]D 20=−54.0゜(MeOH中 c=0.5);MH+=765。実施例17 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)OCH3]B −OPin CH2Cl2中のN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド58.7μl( 0.24mmol)をCH2Cl2中の実施例2、工程Dのボロリジン生産物124.2 mg(0.20mmol)に加え、室温で1時間撹拌する。0℃に冷却後、CH2Cl2 中のメチルクロロフォルメート19.5μl(0.24mmol)を加え、混合物を0 ℃で5時間撹拌する。CH2Cl2を除去し、pH7緩衝液を0℃で加える。生産 物をエーテルで数回抽出し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮 し、白色泡状物を得る;[α]D 20=−59.6゜(MeOH中c=0.5);M H+=679。実施例18−22 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(S)NHCH3 B−OPin CH2Cl2中の実施例2、工程Dのボロリジン生産物124.2mg(0.2mmol )を0℃に冷却し、メチルイソチオシアネート15mg(0.2mmol)を加える。 7時間、室温で撹拌後、溶媒を真空で除去し、生産物を白色泡状物として得、そ れをエーテル/ヘキサンから結晶化できる;mp:109−113℃;[α]D 20 =−66.8°(MeOH中c=0.5);MH+=694。 同様にして、Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(S )NHEt]B−OPin([α]D 20=−66.4゜(MeOH中c=0.5);M H+=708)、Boc-D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O )NHCH3]B−OPin([α]D 20=−62.2゜(MeOH中c=0.5); MH+=678)、Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC (O)−NHEt]B−OPin([α]D 20=−65.6゜(MeOH中c=0.5 );MH+=692)およびBoc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH23 NHC(O)NHEt]B−OPin([α]D 20=−71.0゜(MeOH中c= 0.5);MH+=678)が、対応するイソ(チオ)シアネートから得られる。実施例23 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHCHS]B−OPin トルエン中の実施例2、工程Eのホルムアミド生産物217mg(0.35mmol )を、ローエソン試薬70.8mg(0.175mmol)で処理する。1.5時間室温 で撹拌後、トルエンを真空で除去する。所望の生産物が、エーテルから結晶化す る;mp:123−125℃;[α]D 20=−74.8゜(MeOH中c=0.5) ;MH+=665。実施例24 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(S)CH3]B− OPin 実施例2、工程Dのボロリジン生産物124mg(0.2mmol)をMeOHに溶 解し、MeOH中のエチルジチオ酢酸23μl(0.2mmol)を室温で加える。2 .5時間60℃で撹拌後、溶媒を真空で除去する。残渣をRP−クロマトグラフ ィー(7:3、EtOH/H2O)で精製し、所望の生産物を白色泡状物として 得る;[α]D 20=−65.8゜(MeOH中c=0.5);MH+=679。実施例25−26 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)NH2]B− OPin2O中の実施例2、工程Dのボロリジン生産物248.3mg(0.4mmol)お よび1N HCl0.4mlを50℃に暖める。5分後、シアン酸カリウム33.2 mg (0.4mmol)を少しずつ加える。6時間後、50℃で水を加え、生産物をEtO Acで抽出し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラ フィー(1:9、ヘキサン/EtOAc)の後、所望の生産物が得られる;[α ]D 20=−71.7゜(MeOH中c=0.5);MH+=664。 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH23NHC(O)NH2]B −OPinを同様にして製造する;[α]D 20=−54.0゜(MeOH中c=0. 5);MH+=765。実施例27 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)CH2OH] B−OPin THF中のピリジン48μl(0.6mmol)およびベンジルオキシアセチルクロ リド99.6μl(0.6mmol)を0℃に冷却し、実施例2、工程Dのボロリジン 生産物372.4mg(0.6mmol)を加える。3時間、0℃の後、生産物を数回エ ーテルで抽出し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。 得られる白色泡状物(370mg、0.48mmol)をEtOHに溶解し、40psi で10%Pd/C0.5g存在下水素添加する。12時間後、触媒を除去し、溶 液を真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(9:1、EtOAc/E tOH)の後、所望の生産物を得る;[α]D 20=−67.0゜(MeOH中c= 0.5);MH+=679。実施例28 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHSO2CH3]B−OP in THF中の塩化メタンスルホン酸19.8μl(0.25mmol)を0℃でピリジ ン20μl(0.25mmol)に加える。THF中の実施例2、工程Dのボロリジン 生産物155.2mg(0.25mmol)を本混合物に加える。2.5時間0℃で撹拌 後、水を加え、生産物をエーテルで抽出し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮し 、生産物を白色泡状物として産生する:[α]D 20=−61.6゜(MeOH中c =0.5);MH+=699。実施例29−31 Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH2265]B−OPin A.(+)−ピナンジオール−(S)−1−クロロ−3−フェニル−プロパン− 1−ボロン酸 スチレン3.47g(30.0mmol)およびカテコールボロン酸3.6g(30. 0mmol)を20時間100℃で撹拌し、黄茶色油状物を得る。本油状物をTHF 中の(+)−ピナンジオール5.0g(30.0mmol)に加え、一晩撹拌する。フ ラッシュクロマトグラフィー(8:2、ヘキサン/EtOAc)の後、(+)− ピナンジオール−2−フェニル−エタン−1−ボロン酸を得る。 BuLi(ヘキサン中1.6M)15ml(24.0mmol)を、CH2Cl22.1m lおよびTHF37mlの前冷却(−100℃)溶液に20分にわたって加える。 30分、−100℃で撹拌後、上記THF中に得られたピナンジオールボロン酸 生産物6.2g(21.8mmol)を20分にわたって加える。反応混合物を再び− 100℃で1時間撹拌し、その後THF中のZnCl21.51g(10.9mmol )を加える。反応混合物を一晩で室温まで暖める。真空で濃縮後、残渣をエーテ ル/H2Oに溶解する。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。(+) −ピナンジオール−(S)−1−クロロ−3−フェニル−プロパン−1−ボロン 酸が、黄橙色油状物として得られる。B.Boc−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH2265]B−OPin ブチルリチウム5.1ml(8.09mmol)を、THF中のヘキサメチルジシラザ ン1.7ml(8.09mmol)の前冷却(−78℃)溶液に加える。反応混合物を室 温で1時間撹拌し、次いで再び−78℃に冷却する。THFに溶解した(+)− ピナンジオール−(S)−1−クロロ−3−フェニル−プロパン−1−ボロン酸 2.68g(8.09mmol)を加える。1時間−78℃で撹拌後、溶液を一晩室温 に暖める。再び−78℃に冷却した後、3モル当量のジオキサン中のHClを加 える、混合物を1時間−78℃で、次いで室温で2時間撹拌する。−20℃に冷 却後、CH2Cl2中の実施例1、工程Bの活性エステル3.7g(8.09mmol) の溶液を加え、 次いでトリエチルアミン2.3ml(18.2mmol)を加える。混合物を−20℃で 1時間、室温で2時間撹拌し、次いで濾過する。真空で濃縮後、残渣をエーテル /H2Oに溶解する。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。フラッシ ュクロマトグラフィー(6:4、ヘキサン/EtOAc)の後、所望の生産物が 得られる;[α]D 20=−88.6゜(MeOH中c=0.5);MH+=654。 Boc−D−TMSal−Pro-NH−CH[(CH22(p−Cl−C64)]B −OPin([α]D 20=−83.2゜(MeOH中c=0.5);MH+=688) およびBoc−D−TMSal−Pro-NH−CH[(CH22(p−NMe2−C64 )]B−OPin([α]D 20=−84.8゜(MeOH中c=0.54);MH+ =697)生産物が、同様にして得られる。実施例32 CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−TMSal−Pro−NH−CH[ (CH24NHCHO]B−OPin A.CH3[O(CH223OCH2(O)−D−TMSal−Pro−NH−CH [(CH243]B−OPin 実施例2、工程Cのアジド生産物5.15g(8.00mmol)を酢酸/濃HCl (9:1)40.0mlに加え、75分撹拌する。真空で濃縮後、HCl・H−D −TMSal−Pro-NH−CH[(CH243]B−OPinをエーテルから結晶 化する;mp:87℃。 THF中の塩化ピバロイル0.29ml(2.40mmol)を、THF中の上記で得 られた生産物1.17g(2.00mmol)およびトリエチルアミン0.34ml(2. 40mmol)に0℃で加え、1時間その温度で撹拌する。本溶液に、CH3[O( CH)23OCH2CO2H533mg(2.40mmol)、続いて飽和水性NaHS O4溶液4.0mlを加える。1時間室温で撹拌した後、飽和水性NaHSO4を加 え、生産物を数回EtOAcで抽出する。有機層を2N H2SO4および食塩水 で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。粗生産物をMeOH/水(6 :4)に溶解し、ヘキサンで洗浄する。MeOH/水層を濃縮した後、CH3[ O(CH223OCH2 C(O)−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH243]B−OPinが油 状物として得られる;[α]D 20=−74.5゜(MeOH中c=0.83);M H+=751。B.CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−TMSal−Pro−NH−C H[(CH24NH2]B−OPin 実施例32、工程Aの生産物1.05g(1.40mmol)をEtOH14mlに溶 解し、10%Pd/Cl40mgおよび2N HCl0.84ml(1.38mmol)の 存在下、水素添加する。2.5時間後、触媒を除去し、水を加える。水層をエー テルで洗浄し、真空で濃縮し、CH3[O(CH223OCH2C(O)−D− TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NH2]B−OPinを油状物として得 る;[α]D 20=−74.2゜(MeOH中c=0.61);MH+=725。C.CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−TMSal−Pro−NH−C H[(CH24NHCHO]B−OPin ギ酸31μl(0.80mmol)および酢酸無水物71μl(0.70mmol)を2時 間、50℃で撹拌する。0℃に冷却後、THF中の実施例32、工程Bのボロリ ジン生産物325mg(0.43mmol)およびトリエチルアミン0.12ml(0.8 3mmol)を加える。17時間室温で撹拌後、EtOAcを加え、溶液を2N H2 SO4および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮する。RP−ク ロマトグラフィー(MeOH/水、勾配50%H2O→25%H2O)の後、所望 の生産物を油状物として得る;[α]D 20=−80.8゜(MeOH中c=0.2 7);MH+=753。実施例33 CH3[O(CH223OCH2C(O)−D−TMSal−Pro−NH−CH[ (CH24NHC(O)NHEt]B−OPin THF中の実施例32、工程Bのボロリジン生産物325mg(0.43mmol) を0℃に冷却し、イソシアン酸エチル40μl(0.43mmol)およびN−メチル モルホリン48μl(0.43mmol)を加える。4時間室温で撹拌後、EtOAc を加え、溶液を1N NaHSO4、飽和水性NaHCO3および食塩水で洗浄し 、Na2 SO4で乾燥し、真空で濃縮する。RP−クロマトグラフィー(MeOH/水、 勾配50%H2O→25%H2O)の後、所望の生産物を油状物として得る;[α ]D 20=−76.0゜(MeOH中c=0.55);MH+=796。実施例34 H−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHCHO]B(OH)2 実施例2、工程Eのホルムアミド生産物150mg(0.231mmol)を酢酸/ 濃HCl(1:9)2.5mlに溶解し、4時間室温で撹拌する。真空で濃縮後、 残渣をトルエンで3回溶解し、再び真空で濃縮する。所望の生産物が黄色泡状物 として得られる;[α]D 20=−63.6゜(MeOH中c=0.55);MH+= 415。実施例35 H−D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NHC(O)NHEt]B( OH)2 実施例21の生産物Boc-D−TMSal−Pro−NH−CH[(CH24NH C(O)NHEt]B−OPin150mg(0.217mmol)を酢酸/濃HCl(1 :9)2.5mlに溶解し、室温で4時間撹拌する。真空で濃縮後、残渣を3回ト ルエンに溶解し、再び真空で濃縮する。所望の生産物が橙色泡状物として得られ る;[α]D 20=−74.1゜(MeOH中=0.56);MH+=458。 請求の範囲 1.式I 〔式中、 Wは水素またはN−保護基; Yは2個のアミノ酸配列であって、そのN末端アミノ酸は疎水性側鎖を有する非 天然アミノ酸であり、他方のアミノ酸はL−プロリンであり、前記非天然アミノ 酸はアミノ酸ペプチドY−LysまたはY−Argがトリプシン様プロテアーゼの活 性部位に親和性を有するように選択されたものである; Q1およびQ2は、同一または異なって−OH、−COR1、−CONR12、− NR12および−OR3から選択され得、またはQ1およびQ2は一緒になってジ オール残基を形成する; R1、R2およびR3は、同一または異なってC1-10アルキル、C6-10アリール、 C6-10アラルキルまたはC1-4アルキル、ハロゲンおよびC1-4アルコキシから選 ばれた基で3個まで置換されているフェニル; R4は水素またはC1ー10アルキル; R5は−A−X基〔ここで、Aは−(CH2z−(ここでzは2、3、4または 5);−CH(CH3)−(CH22−;−CH2−CH(CH3)−CH2−;− (CH22−CH(CH3)−;−(CH22−C(CH32−;−CH(CH3 )−(CH23−;−CH2−CH(CH3)−(CH22−;−CH2−CH2− CH(CH3)−CH2−;−(CH22C(CH32−CH2−;−(CH23 −CH(CH3)−;−(CH23−C(CH32−;−(CH23CH(CH3 )CH2−;C6-10アリール、C6-10アラルキルおよびXはOH、SH、NR67 またはフェニル、R6はHまたはC1-10アルキルおよびR7はC1-10アルキル、 −CO−R8、−CS−R8または−SO2−R8、R8はハロゲン、OH、C1-4ア ルコキシ、C(NH)R9、NR1011およびC(O) OR6(R6は上記で定義の意味)から選ばれた基で3個まで置換されていてもよ いHまたはC1-10アルキル、C1-10アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アラル キル,R9はC1-3アルキルまたはN(CH32ならびにR10およびR11は(同一 または異なって)HまたはC1-10アルキルである〕 で示される化合物であり、*で印をした不斉炭素原子はD−またはL−形であり 得、これらの任意の混合物を含み得る化合物。 2.WがH(CH2CH2O)p−、R12CO−、R13OCO−またはR14SO2 −〔式中、R12=C1-6アルキルまたはH(CH2−O−CH2p、R13=C1-6 アルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチル;およびR14=フェニル、ナフチ ルまたはC1-4アルキルフェニルである(ここで、p=3−30)〕 である、請求項1記載の化合物。 3.式Ia 〔式中、W、Y、R4およびR5は請求項1または2で定義の意味およびR15およ びR16はジヒドロキシ化合物の残基を意味する〕 で示される化合物である、請求項1または2記載の化合物。 4.Q1およびQ2が一緒になって式a)または式b) 〔式中、LはC1-4アルキル基である〕 を意味するものである、請求項1または2記載の化合物。 5.非天然アミノ酸が、式II 〔式中、R17は疎水性基である〕 で示されるものである、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。 6.R17がR17’であり、式(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h )または(i) のいずれかである、請求項5記載の化合物。 7.式III、 IV、VおよびVI から選択される化合物である、請求項1記載の化合物。 8.i)XがNHCHOまたはNHCOアルキルである場合、式I(式中、X は−NH2)で示される化合物を、対応する酸の活性形と反応させる; ii)XがNHCOアルコキシである場合、式I(式中、Xが−NH2)で示さ れる化合物を、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドと反応させ、続 いて対応するエステルの活性形を添加する; iii)XがNHC(S)NHアルキルである場合、式I(式中、Xが−NH2) で示される化合物を、アルキルイソチオシアネートと反応させる; iv)XがNHCHSである場合、式I(式中、Xが−NHCHO)で示される 化合物を、ローエソン(Laweson)試薬と反応させる; v)Xが所望により置換されたフェニルである場合、式VII 〔式中、Q1およびQ2は請求項1で定義の意味およびR19は−A−フェニル(所 望により置換)(ここで、Aは請求項1で定義の意味)〕 で示される化合物を、LiN[Si(CH332と反応させ、続いて過剰の酸で 加水分解し、式VIII 〔式中、WおよびYは請求項1で定義の意味〕 で示される保護ペプチドと結合させる; vi)XがOHである場合、式I(式中、Xが−OSi(CH32C(CH33 )で示される化合物を脱シリル化剤と反応させる: ことを含む、請求項1で定義の式Iで示される化合物の製造法。 9.トリプシン様プロテアーゼ阻害剤としての、請求項1から7のいずれかに 記載の化合物の使用。 10.薬理学的に許容可能な添加剤および/または希釈剤と共に、請求項1か ら7のいずれかに記載の化合物を含む、治療用組成物。 11.トリプシン様セリンプロテアーゼ阻害のための、請求項10記載の治療 用組成物の使用。 12.トリプシン様セリンプロテアーゼがトロンビン、Xa因子、カリクレイ ン、血漿、プロリルエンドペプチダーゼおよびIgAIプロテアーゼであること を特徴とする、請求項6および11記載の使用。 13.薬理学的に許容可能な添加剤および/または希釈剤と共に、請求項1か ら8のいずれかに記載の化合物を含む、抗凝固または抗トロンボゲン活性を有す る治療用組成物。 14.トロンビン阻害剤としての、請求項1から7のいずれかに記載の化合物 の使用。 15.静脈または動脈手術または他の形の血管傷害の後の血管再造形阻害剤と しての、請求項1から7のいずれかに記載の化合物の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,L K,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU ,SD,SK,UA,US,VN (72)発明者 ビーナンド、アネッテ ドイツ連邦共和国デー―79423ハイテルシ ェイム、マルテーゼールシュトラーセ15番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式I 〔式中、 Wは水素またはN−保護基; Yはn+1アミノ酸ペプチドY−LysまたはY−Argがトリプシン様プロテアー ゼの活性部位に親和性を有するように選択されたnアミノ酸の配列(ここで、n は1から10の整数であり、少なくとも1つのアミノ酸が疎水性側鎖を有する非 天然アミノ酸である); Q1およびQ2は、同一または異なって−OH、−COR1、−CONR12、− NR12および−OR3から選択され得、またはQ1およびQ2は一緒になってジ オール残基を形成する; R1、R2およびR3は、同一または異なってC1-10アルキル、C6-10アリール、 C6-10アラルキルまたはC1-4アルキル、ハロゲンおよびC1-4アルコキシから選 ばれた基で3個まで置換されているフェニル; R4は水素またはC1-10アルキル; R5は−A−X基〔ここで、Aは−(CH2z−(ここでzは2、3、4または 5);−CH(CH3)−(CH22−;−CH2−CH(CH3)−CH2−;− (CH22−CH(CH3)−;−(CH22−C(CH32−;−CH(CH3 )−(CH23−;−CH2−CH(CH3)−(CH22−;−CH2−CH2− CH(CH3)−CH2−;−(CH22C(CH32−CH2−;−(CH23 −CH(CH3)−;−(CH23−C(CH32−;−(CH23CH(CH3 )CH2−;C6-10アリール、C6-10アラルキルおよびXはOH、SH、NR67 またはフェニル、R6はHまたはC1-10アルキルおよびR7はC1-10アルキル、 −CO−R8、−CS−R8または−SO2−R8、R8はハロゲン、OH、C1-4ア ルコキシ、C(NH)R9、NR1011およびC(O)OR6(R6は上記で定義 の意味)から選ばれた基で3個まで置換されていてもよい HまたはC1-10アルキル、C1-10アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アラルキ ル、R9はC1-3アルキルまたはN(CH32ならびにR10およびR11は(同一ま たは異なって)HまたはC1-10アルキルである〕 で示される化合物であり、*で印をした不斉炭素原子はD−またはL−形であり 得、これらの任意の混合物を含み得る化合物。 2.WがH(CH2CH2O)p−、R12CO−、R13OCO−またはR14SO2 −〔式中、R12=C1-6アルキルまたはH(CH2−O−CH2p、R13=C1-6 アルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチル;およびR14=フェニル、ナフチ ルまたはC1-4アルキルフェニルである(ここで、p=3−30)〕 である、請求項1記載の化合物。 3.式Ia 〔式中、W、Y、R4およびR5は請求項1または2で定義の意味およびR15およ びR16はジヒドロキシ化合物の残基を意味する〕 で示される化合物である、請求項1または2記載の化合物。 4.Q1およびQ2が一緒になって式a)または式b) 〔式中、LはC1-4アルキル基である〕 を意味するものである、請求項1または2記載の化合物。 5.非天然アミノ酸が、式II 〔式中、R17は疎水性基である〕 で示されるものである、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。 6.R17がR17’であり、式(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h )または(i) のいずれかである、請求項5記載の化合物。 7.YがN−末端アミノ酸が非天然アミノ酸であり、他のアミノ酸がL−プロ リンである2個のアミノ酸の配列である、請求項1記載の化合物。 8.式III、IVおよびVI から選択される化合物である、請求項1記載の化合物。 9.i)XがNHCHOまたはNHCOアルキルである場合、式I(式中、X は−NH2)で示される化合物を、対応する酸の活性形と反応させる; ii)XがNHCOアルコキシである場合、式I(式中、Xが−NH2)で示さ れる化合物を、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドと反応させ、続 いて対応するエステルの活性形を添加する; iii)XがNHC(S)NHアルキルである場合、式I(式中、Xが−NH2) で示される化合物を、アルキルイソチオシアネートと反応させる; iv)XがNHCHSである場合、式I(式中、Xが−NHCHO)で示される 化合物を、ローエソン(Laweson)試薬と反応させる; v)Xが所望により置換されたフェニルである場合、式VII 〔式中、Q1およびQ2は請求項1で定義の意味およびR19は−A−フェニル(所 望により置換)(ここで、Aは請求項1で定義の意味)〕 で示される化合物を、LiN[Si(CH332と反応させ、続いて過剰の酸で 加水分解し、式VIII 〔式中、WおよびYは請求項1で定義の意味〕 で示される保護ペプチドと結合させる; vi)XがOHである場合、式I(式中、Xが−OSi(CH32C(CH33 )で示される化合物を脱シリル化剤と反応させる: ことを含む、請求項1で定義の式Iで示される化合物の製造法。 10.トリプシン様プロテアーゼ阻害剤としての、請求項1から8のいずれか に記載の化合物の使用。 11.薬理学的に許容可能な添加剤および/または希釈剤と共に、請求項1か ら8のいずれかに記載の化合物を含む、治療用組成物。 12.トリプシン様セリンプロテアーゼ阻害のための、請求項11記載の治療 用組成物の使用。 13.トリプシン様セリンプロテアーゼがトロンビン、Xa因子、カリクレイ ン、血漿、プロリルエンドペプチダーゼおよびIgAIプロテアーゼであること を特徴とする、請求項10および12記載の使用。 14.薬理学的に許容可能な添加剤および/または希釈剤と共に、請求項1か ら8のいずれかに記載の化合物を含む、抗凝固または抗トロンボゲン活性を有す る治療用組成物。 15.トロンビン阻害剤としての、請求項1から8のいずれかに記載の化合物 の使用。 16.静脈または動脈手術または他の形の血管傷害の後の血管再造形阻害剤と しての、請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
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